萬覚書

Carpe Diem. Seize the day.

2017年

晦日に何を書こうか迷い、過去のブログを見返したのだが年末年始にブログを更新している年が幾つかあることに気づいた。2013年と2015年と2016年と2017年であるが、当時何を考えていたかを第三者目線で振り返ることができ面白いのでやはりブログの半分以上は自分のためにやっているんだなということを再認識できる。元々2011年に開設した仮面浪人ブログも勉強記録と少しの雑記という自己満足ツールであったので、その点は当時から一貫している。

2017年は2012年の東大入学と同じく程度、若しくはそれ以上に色々と変化のある一年だった。肩書が変わるということは環境が変わることなので当然なのかもしれないが、それ以上に自分で変えようという意志もあったことが大きい。20代も後半に差し掛かってくると変化への意思を持ち合わせなければ変えることはできない。

仕事

3月に大学を卒業して4月に社会人(≒会社人)となった。サービスを受ける側からサービスを提供する側に変わるとよく表現されるが、確かにサラリーマンになると色々見えてくる、考えさせられることが増えている。商売観、源泉徴収のあれこれ、対人折衝やコミュニケーション、ライフワークバランス等々。今まで実存的に物事を考えていた(=生活力を上げる方向性ではなかった)が、今は社会生活的というかそういった物の見方が加わることで視野が広くなり、視座が高くなったと自覚している。仕事は出来る方ではないと断言できるが、それなりにやっていけている。今は能力云々よりもモチベーションの低下の方を重要な問題として捉えている。現時点で仕事があまりできないことに関しては焦りがない。幾つかの原因は自覚しているからだ。モチベーションの低下については改善策が五里霧中状態である。ところで、所謂"仕事ができる人"を観察してみると、1.好奇心が強く2.流行に敏感で3.モノをよく知っているように見受けられる。もし俺が仕事に本腰を入れて取り掛かろうとするならば、自分の担務だけでなく様々な情報を吸収する必要があるらしく見える。

一人暮らし

実家にはよく帰るが、9か月以上一人暮らしをしている。寂しさは全くなく、自分にとってはほぼ利点しかない。新しい街、自由な空間、生活力向上等々、今までにはない新鮮さを未だに継続して感じている。

柔道、ブラジリアン柔術

柔道は継続、むしろ練習の質は学生時代より上がっていて、フィジカル面での衰えは強く感じるが組手を中心とした柔道力は上昇している。新しい道場にも通うようになり環境的には良かった。参段の昇段試合にもちょくちょく顔を出したいのだが試合で勝つよりも先生からの許しを得る方が遥かに難しい。大会に何度か出たことは非常に良かった。

ブラジリアン柔術は11月から復帰したが、テクニックをほとんど忘れていて振り出しに戻った感じがある。レッグドラッグパスを忘れていたレベルなので相当ヤバイことが分かる。

遊び、プライベート

一番大きいのはやはりBRZの購入。思えば86・BRZBMWの3シリーズ、RX-8あたりで迷っていたが、BRZが一番良い選択であったと思う。但し新車で買ってよかったんじゃないかという後悔は少しある。新しい街での一人暮らしも相まって、行動範囲が東京中心だった学生の頃と変わり、神奈川県中心となった。毎週ドライブしている点やMT車におけるギア操作を楽しんでいる点で充実している。車は現時点でハンドルやシフトノブなどインテリアを少し変えているだけでドノマール。86はよく街見かけるがで、スポーツカーの中ではドノーマルが非常に多い印象を受ける。今後はホイールやエアロなど色々いじっていきたい。サーキットでの走行は考慮中である。

将棋については2017年初めに24で上級まで到達したが、指す頻度はかなり減った。観る頻度はもっと減った。一応将棋連盟モバイルの入会は継続しているが、タイトル戦の棋譜すら観なくなったレベルである。2013年に将棋を始めて以来、最も将棋関わる時間が少なかった年であると思う。

この年齢になって映画を初めて素晴らしいと思い、好きになった。これは俺の文化的生活からして大きい。今年見た中では、アメリ七人の侍、レオン、きっとうまくいくあたりが印象に残っている。特に"アメリ"はすごく気に入っていて、男ではかなり珍しいケースであるかもしれない。

いつの日からか俺にとって"旅"は不可欠なものになったが、今年は一度だけ旅に行けた、いや一度だけしか旅ができなかった。夏休みを利用して西日本、九州エリアでの車内泊旅。海外一人旅は2016年、2017年で行けていないので2018年は必ず行きたい。そしてできれば中央アジアに行きたい。

年末にiPhone Xを購入。今まで一貫してandroidスマホ、PCはWINDOWSであった俺が遂にアップル製品を購入するに至った。東大時代は学校のPCでiMacを使用していて、WINDOWSの操作性との違いに戸惑うことが多かったが、スマートフォンの場合はOSが変わってもPCほどの変わりはないこと、少し新鮮味を味わいたいことで敢えてiPhoneにチャレンジした。ガジェットには疎いので、顔認証以外にも色々いじっていきたい。

その他

大学時代と比べて自分の中で顕著に変わったことといえば、意志薄弱になったことだ。1日10時間は人と接する必要があり、社会の常識に適合しなければならない場面が多く、且つプライベートでも人と関わることが多いので、今まで大切にしてきた一人の時間="積極的孤立"が激減している。その結果として大学時代よりも物事を考えなくなった。物事を考えなくなると、社会や常識といった虚に全身を覆われてしまうため、意思を持つ一個の人間を堅持したい。

また悲しいことであるが、社会人になってから太陽の輝きや青空の広がりを学生時代ほど純粋に愉しめなくなった。目に映る風景は、中立的に描写されるものと思われがちだが、実は極めて主観的なものだ。カメラで写したファイルを見返したときに感じる「これじゃない感」がわかりやすい例である。俺の休日はBRZもあるし経済的な余裕もある。しかしただ一つ、学生時代のような膨大な"暇"はなく、明日の出勤を見据えた時間的な制約や計画性が、先に述べた太陽と青空の色を俺から奪っていった。自然に包まれた山中の温泉に浸かっていても"生活"が頭をよぎる。

もうすぐ年越しだが、俺は何も考えずBRZと西を目指す。