2011-10-31 徒然
まあ、なんだか、意見があるならブログに書いてトラバしろと、言われました。
民法全然知らなくてお門違いらしいのですが、まあ、もちろん不勉強な事を認めるのは吝かではありませんし、まあ、教えていただけることがあるのであればそれはそれで有益なんですが・・・・いやもちろん民法くらい知ってますけど?だって知らなきゃダメなんだもの・・・
・ブログにやってくる法律屋を見つけるコツ!
もうみんなブログとかツイッターとかやってますし、アニメの話題でもオタな法律屋なんてゴロゴロ居ます。たまにちょっと社会正義がムクムクと鎌をもたげてちょっと匿名でコメント書かれてみたりしたときに、したり顔で対応したら、実は相手は弁護士だったとか、それこそちょっとアレです。正直俺もいやですw。見分けられるのなら見分けてしまいましょう!
1.法律家は法律用語を使わない。
意外かと思いますが、法律家になればなるほど、法律用語は使いません。逆に法律をちょっと囓っただけの素人や学生なんかはバンバン法律用語を使います。
理由は簡単です。
法律用語というのは「法律の専門家同士が話し合うときに使う専門用語」だからです。一般用語にもなっているわかりやすい例で言えば「推定無罪」と言うより「疑わしきは罰せず」と言った方が、多くの人に理解してもらえるからです。
「ファーストセールドクトリン(著作権法)」とか「消尽論(特許法)」とか言うより、「一度買われた物は中古屋が売ってもええねん」の方が多少意味が変わったとしても遙かに多くの人に理解させられます。相手に理解してもらう方が言葉より重要なんです。
法律用語を使うときは、相手が法律家、もしくは法律家相当の人に、「間違いなく意味を伝えるため」に使います。
要するにプログラマが言う、「継承したクラスでのメンバ変数のスコープが・・・・」とか言う暗号と同じと言うことです。
2.判例の出し方
まず、法律家にもいろいろ居ますが、弁護士以外は判例に超詳しいとは限りません。
なぜなら、弁護士にとって、判例は武器です。判例はできる限り沢山知っている方がそれだけ沢山武器を持つことになるので、判例を覚えること自体が必須になります。
ただし、それ以外の法律家は必ずしも判例を沢山知っているとは限りません。もちろん、重要判例は覚えていたりしますが、その判例でどういう判断がされたか、どういう考え方がされたか。が重要なのであって、判例自体にはたいした意味がありません。
ただし、法律家共通として、判例を出すときには必ず番号を貼る。のはポイントです(同じ系統の法律家同士の話を除く)。なぜなら、判例は共通認識であるべきだからです。つまり、相手もそれを見てくれないと意味が無いからです(だから、重要判決の事件名くらいは普通に覚えます)。
当然、相手が判例を出してきたら「その判例を理解できるまで」ポイントをしっかり押さえます。
一方、関係ない、興味無いジャンルに関しては弁護士で無い限りあんまりすぐに判例は出てきません。今回、私は二次著作物の扱いについての判例は殆ど知りませんでした(とはいえ、キユーピー事件、ポパイ事件くらいは専門外ですが「当たり前」の範囲で覚えています)。
3.法論理は当たり前
法律家にとって、意外かもしれませんが法律を知らないことは必ずしも恥ではありません。いや、確かに恥なんですが(笑)、別に条文全部丸暗記する必要はありません。だって、毎年どんだけ法律でてるとおもってんの?www
でも、法律家にとって、(特に、自分の関連分野の)法倫理を知らないことは恥です。法倫理は法を語る上での最もベースとなるものであり、これを知らないと法律読んだって内容をわかっているかどうかは甚だ怪しいと言っても過言ではありません。
なので、法律家は、「法倫理は知っている」前提で話してしまうことが多いです。知らないと「なんでこんな事知らないの?」です。知らない法倫理が出てきたらググるなりしてしっかり頭にたたき込みます。
ある意味それが全てですから・・・・
これできっと、20%位の確率で、いつの間にか紛れ込んだ法律屋を見つけることが出来るに違いありません!
って、20%じゃ適当に言ったって当たりそうだけどな!!!!!
・さて、それでは著作権法と契約について
関連URL:http://md2tak.info/1160
「信義則は法を超えることは無い」と言ったら著作者人格権に基づく請求を信義則違反と認定した事例として
http://park2.wakwak.com/~willway-legal/kls-c.case.458.html
を貼っていただきました。うん、ありがとう。
被告東北新社(又は,その許諾を受けた者)による本件各著作物を利用する行為が,原告の著作者人格権を害するなど通常の利用形態に著しく反する特段の事情の存在する場合はさておき,そのような事情の存在しない通常の利用行為に関する限りは,原告は,本件譲渡契約によって,原告の有する著作者人格権に基づく権利を行使しない旨を約した(原告が同被告に対して許諾した,あるいは,請求権を放棄する旨約した。)と解するのが合理的である。
ここを貼って返しました。URL先でわざわざ下線が引いてある部分です。ちゃんと読みましょう。
うん、ちゃうねん
著作権法には「特定の人に権利行使できるとか出来ないとか」一切書いてないねん。
著作物を作ったら、著作権ていうのがついてきて、著作人格権がそんなかにはあんねんで
書いてあるのはそれだけです。
これは、どういうことか一から説明すると。
たとえば、貴方が日記を書きます。小学生の夏休みの絵日記程度ならともかく、それなりの長文を書いた場合、著作権がついてきます。
著作権には、著作者隣接権と著作者人格権2つがついてきます。
著作者隣接権は、なんだかそれで金儲けする感じ?いや、日記なんて普通に売れないけど−・・・・
ところが、著作者人格権はなんかちょっと違います。
いらなくなっても人にあげられません(著作者人格権は譲渡できない)。捨てようと思ったら断られました(著作者人格権は破棄できません(日本では))。
なんか、一生ついてまわるらしいです。怖!!
さて、その著作者人格権ですが「作者の名前を書く権利」とか「作品を公開する権利」とか「作品を公開しない権利」とかあるらしいです。つまり、俺しか読まない復讐予定日記にすらついてくるのね!怖!(いやつけてませんよ)
さて、日記を書いていたらいつの間にか長大スペースオペラになったとしましょう。もちろん普通はならないですが、それでは永遠に売り物にはならないので、長大スペースオペラが出来たことにします。
誰かが、「それ、アニメにしたらごっつ売れるで、売ってくれへんか?」と言ってきたとしましょう。いいですね夢ですねでもこの蛇足いい加減ウザイですね。
そこで、著作者隣接権をアニメ制作会社に売ったとします。売ったとしても、著作権法上の表現では「譲渡」になります。著作者隣接権を譲渡しました。
ところが、「著作者人格権」譲渡できません。譲渡出来ないものだもん、一生ついて回る物だもん。
つまり、日記というかそのスペースオペラの原作者は「作者の名前を書く権利」とか「作品を公開する権利」とか「作品を公開しない権利」とか、相変わらず持ち続けています。
昔は、著作権処理と言うのはあまり徹底されていませんでしたから、結構隣接権だけ譲渡すればそれでいいやー。みたいな感じでした。もちろん、それでも原作者と喧嘩別れしない限り原作者がいきなり「作品を公開しない権利を行使する!」とか言い出しませんし、まあ、なあなあでなんとかなってきたという歴史があったりするんですが。
ヤマトの場合、原作者と喧嘩することになってしまいました。
ちなみに今では著作者隣接権の譲渡の際の契約には「甲は乙に著作者人格権を行使しないこと」がまず確実に入ります。でも、当時は必ずしもそうとは限りませんでした。
金儲けする権利は著作者隣接権に含まれていますので、著作者隣接権の譲渡の際はそれなりの対価があって当然ですので、ヤマトの原作者はそれなりの対価を報酬に著作者隣接権を渡したはずです。ところが、著作者人格権を行使して公開を止めることが出来る状態にあったため。
「あんた、いくらか儲けもろたんやろ?、ヤマトで金儲けしてええよって事いうといて、後からごちゃごちゃ言うのはなしやで」
と、言うことで「譲渡契約書」には
原告は,本件譲渡契約によって,原告の有する著作者人格権に基づく「権利を行使しない旨を約した」(原告が同被告に対して許諾した,あるいは,「請求権を放棄する旨約した。」)
と言う項目があるはずだ。無くてもこれはあるの!
と言う判決が下ったのです。
そこの判断基準の信義則ってのは「あんたアニメ作る人に作ってええよって著作権を譲渡したのに、後でイヤになったからナシなんてのはちょっとあれや、無茶や、なんぼかもろたんちゃうのん?」と言う判断の部分です。
著作権法的には
原作者は著作者人格権を持っているかどうか?
なのですが、そこは争点にはなりませんでした(調べるの面倒なんでアレですが、確かその裁判も過去にしてますよねヤマトw)。
ヤマトの原作者の西崎ナントカさんは、民法で権利行使を止められたわけではありません。もちろん著作権法で止められたわけでもありません。実のところ「信義則」で止められたわけでもないんです。
「著作者人格権に基づく権利を行使しない旨を約した(原告が同被告に対して許諾した,あるいは,請求権を放棄する旨約した。)と解するのが合理的な」譲渡契約書
の効力によって、著作者人格権の行使を止められたのです。
次回
−ツンデレから貰った奴隷契約書は有効か否か
−「キャンディ・キャンディ」、主人公の名前を「柏崎せもぽぬめ」にしたら大丈夫だったのか?
嘘です。次回はきっと無いです。おもしろいとか言う人が大量に出たら考えなくも無いけど絶対無いです(断言)。
なんか、トラックバック失敗してるし、いやもう後は知りませんw