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2017/02/01 水

大仁田厚の私的な世界 「Monja」

| 大仁田厚の私的な世界 「Monja」を含むブックマーク 大仁田厚の私的な世界 「Monja」のブックマークコメント

Monja [DVD]

Monja [DVD]

レンタルDVDで、2006年の日本映画「Monja」を観る。原作・監督・主演が大仁田厚。公開時のキャッチコピーは

「昔、ロックスター 今、ろくでなし みんなまとめて もんじゃ焼き

なかなか難解な作品なのである。

大仁田は2001年から2007年まで自民党の参議院議員だった。この映画が撮影されたのは2005年で、公開は2006年。あのー、よく知らないんだけど、国会議員ってのは任期中に映画の監督や主演ができるほどのヒマがあるのだろうか。まあでも、大仁田だからいいのか。

冒頭、ラジカセから流れるラジオの音。リクエスト曲は「マサ&ブルースカイ」で「リバーシティ」。曲が流れる。「リバー… うぉうぉう… リバー… うぉううぉういぇい… いぇいぇいぇい…」 タバコに火をつけ、なぜかジャックダニエルの水割りらしきものに紅茶のティーバッグを入れて飲む男。そのグラスにはなぜか歯ブラシが突っ込まれている。金魚にエサをやる男。大仁田である。マサ&ブルースカイのマサである。この冒頭は明らかに「傷だらけの天使」のショーケンごっこだ。

昔ロックスターだったらしいマサ、こと大仁田。部屋を出てなぜか近所をロードワーク。おいおい大仁田ヒザ悪いのに*1大丈夫かな、などと思っていると、ジョギング程度の速さで走りながら、何度も左ヒザを気にして痛そうに顔をしかめるマサ。おいちょっと待て、これ完全に大仁田やないかい。ロックスターは普通ヒザに爆弾を抱えないと思うのだ。よく見りゃ顔や腕に傷跡いっぱいあるし。

ストーリーを追って説明するのが早くも面倒になったので、物語の流れについては映画「Monja」についてたぶん日本一詳しく解説とツッコミを入れているこちらの記事を読んでいただきたい。

Monja - 愛の巴投げ

「傷天」ごっこからはじまったこの映画、マサが借金の回収をやっているというヨゴレ設定はあからさまに「ロッキー」だ。マサがランニングするシーンにはご丁寧に階段まで出てくる。しかも映画序盤のランニングでは息が切れて階段をのぼれず、音楽活動に復帰した後半は階段をのぼってバンザイポーズまでしてくれる判りやすさだ。

ヤクザの借金取りたてに悩まされる商店街の問題は、自民党つながりの古賀誠衆院議員がチョイと手助けしてアッサリ解決する。普通の映画ではありえない展開だが、他人の権力を平気でアテにする無邪気さ、厚かましさは大仁田らしいといえばらしい。この古賀誠議員、かつては運輸大臣や自民党幹事長を務めたけっこう偉い人なのだが、この映画が撮影された2005年には草間政一政権下の新日本プロレスIWGP実行委員会のコミッショナー兼実行委員長という要職に就いている。プロレス、キライじゃないんだろうな。猪木時代のコミッショナーは二階堂進だったしな。

この作品、もんじゃ焼きで有名な月島商店街の町おこし映画になっている。もんじゃ焼き屋も商店街も出てくるが、商店街の面々が全員ヤクザに借金しているという設定なので、いいイメージとは言い難い。どうせ大仁田が暗躍して金持ちを捕まえて口八丁手八丁、訳も判らぬうちにカネを出させたんだろうなあ。そもそも、大仁田と月島に何か関係があるのかさえよく判らない。

ここでオレがこの映画の感想を如何様に書こうとも、読んでるあなたがこの映画を観ることはたぶんないと思うので、ネタバレ全開で書きますよ。大仁田がいきなりチンピラに刺されて死ぬという結末には、唖然とさせられた。これはテレビ版の「探偵物語」最終回ですわな。松田優作がスーパーの冴えないバイト兄ちゃんに刺されるという、衝撃のラスト。ああ、大仁田こんなんやってみたかったんだろうなあ… という感想しか出てこない。傷天、ロッキー、頑なに黒い革ジャン姿のロックスターという抽象的概念、そして探偵物語。大仁田が何を観て育って、何がカッコいいと思っているか、一切の工夫なしにモロ出しにチョチョシビリしている。こういうの、普通によき映画が観たい人にとっては噴飯物だろう。しかしオレのように娯楽目的ではなく大仁田厚研究の一環としてこの映画を鑑賞する学究の徒にとっては、大して不愉快でもないんだよな。むしろ非常に興味深い歴史的資料を発掘できたような気分が味わえる。

大仁田は1957年生まれで、判りやすく言うならばこれは「地球防衛軍」が公開された年だ。「傷天」放送は1974年からで、大仁田17歳。すでに全日本プロレスでデビューを果たしていた。「ロッキー」の日本公開は1977年で、大仁田19歳。「探偵物語」放送は1979年からで、大仁田21歳だ。81年に海外遠征に発つ前、若手時代・青春時代に憧れたモチーフを、明治大学の夜学を卒業したばかりの当時49歳のプロレスラー兼国会議員が自身の監督デビュー作で恥ずかしげもなくブチまける… まあ普通ならボロクソに批判されてしかるべきなんだろうけど、オレ個人としては決して不愉快ではないのであります。むしろちょっとカワイイとさえ思える。DVDに収録されたメイキングやインタビューによれば、大仁田はプロのスタッフに気を使いながら毎日必死で早起きして、編集作業にも参加して、それなりにきちんと作ってるんですよ(駄作だけどな)。まー議員活動は全然きちんとしてなかったんだろうけど、大仁田が果てしなきヨゴレの果てに小さな夢を叶えたんだなあと思うと、他人事ながらオレなんかちょっと嬉しくなっちゃうんですね。

あとねえ、大仁田がかつて一世を風靡した伝説のロックバンド「マサ&ブルースカイ」のマサであるという設定のため、劇中何度も何度も大仁田が歌うんですね。冒頭ラジオから流れる「リバーシティ」もアホみたいに何度も何度も流れて、エンドロールでも流れるんだけど、わたくし何度も何度も聞いてるうちになんだかこの歌が気に入ってしまいましてね… 「リバー… うぉうぉう… リバー… うぉううぉういぇい… いぇいぇいぇい…」 これCD出てないんだよなあ。youtubeにもないんですよ。だからですね、アマゾンで中古DVDを買ってしまいました。200円でした。なんだ、レンタル代より安かったなあ。

国会デスマッチ。―裏ネタ暴露100連発!

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ダンガン教師 [VHS]

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*1:1983年に左ヒザの皿を粉砕骨折している

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