2010-02-07
■[映画] 午前十時の映画祭「フォロー・ミー」
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TOHOシネマズ系のシネコンで上映中の「午前十時の映画祭 何度見てもすごい50本」という企画で鑑賞。
妻:ベリンダ(ミア・ファロー)がウィークデイに怪しい外出をすることが多くなり、いてもたってもいられなくなった会計士の夫:チャールズ(マイケル・ジェイストン)は、ある探偵(トポル)に妻の内偵調査を依頼するのだが・・・というお話。
確か「Shall We ダンス?」で登場する探偵(柄本明)の事務所に、この「フォロー・ミー」のポスターが飾ってあって、それは竹中直人と周防監督が「『フォロー・ミー』のポスターが貼ってあったらいいよね!」と意気投合してそんな運びになったらしいのですが、よくよく考えたらこの映画のポスターを嬉々として自分の事務所に飾る探偵ってどうなんだろ・・・?と思ってしまいます。ですが、改めて本作を見直すと「Shall We ダンス?」はちゃんと「フォロー・ミー」の男女逆転版となっていて、キャロル・リードも草葉の陰でニヤニヤしているんじゃないかしら、というぐらい、良いオマージュだった気がします。
一番印象的だったのは、この時代特有の、まだ許容範囲内だったであろう“イノセンス”。この映画が公開された1972年では有効だった、トポルとミア・ファローが心を通わす幾つかの素晴らしいシーンは、おそらく現代だと“ストーキング”という言葉に変換されてしまう。もちろん、現代にリメイクしても、俳優や演出の力でそこをカバーすることは可能でしょうが、この当時、72年という瞬間を生きていた二人の俳優を通してアウトプットされた無邪気さとは、また違ったものが出来上がるような気がします。当然ながら、その背景として二人を彩る、ロンドンの街並み、庭園、グリーンハウス、様々なストリートの標識、映画館・・・etc、そしてそれぞれのシーンで流れるジョン・バリーのスコア、パッケージされたその全てが美しい。
10年前ぐらいにWOWOWで観ていたのでラストなども分っていたけど、トポルが「10日間かけて彼女を取り戻して」という提案をする辺りで、ボロボロ泣いてしまいました(この時、そ知らぬ顔をしているミア・ファローがすごく良い)。各地のTOHOシネマズ系シネコン順次上映するようなので、未見の方は是非ご覧になったら良いと思います(残念ながら現時点で日本ではDVD化されていません)。
↑良いシーンを抜粋してあるので、未見の方は途中で見るのを止めた方が良いかも。
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synw
2010/02/08 12:33
ららぽーと横浜2/6初日10:00の回に周防監督いらしてました、本当にこの作品が大好きなんですね。
Dirk_Diggler
2010/02/09 00:50
マジすか!?自分は18時半の回だったので・・・10時の回に頑張っていけば良かった・・・
2010-02-06
■[映画] 大統領が見てる。「インビクタス 負けざる者たち」
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突然「どうも、ネルソン・マンデラです。いつもブログ拝見してます」というようなメールが来たらどう思うだろう? まず緊張してジットリ変な汗をかくだろうし、いやぁこれからは下手なこと書けねえなぁ! と思うはずである。
『インビクタス』は1995年、南アフリカの弱小ラグビーチーム「スプリングボクス」が、ワールドカップで見事優勝するまでの軌跡を描いた物語で、その背後には当時の南ア大統領:ネルソン・マンデラの多大なる尽力があった、というお話。
とにかく、大統領の「見てますよ」具合が凄い。チームの主将を呼びつけて「そろそろW杯だねー。まぁ紅茶でも」と促したり、チームが練習しているグラウンドに突然ヘリで着陸して「○○君!(ガツッと握手しつつ)練習がんばってる?!」と選手各人に話しかけたりと、もう完全にマンデラペース。あれよあれよという間に、周囲の人々を巻き込んでいってしまうのである。
もちろん、その手腕は、27年に渡る獄中生活で得たもので(「刑務所で色んな人間を観察してきた」と本人が言及するシーンあり)、そんな一般人の懐に入るなんてことは、おそらく彼にとってはお手の物なのである。
そういう意味で言うと、まるで出来る経営者が一大事業を成し遂げていくような快感が味わえる作品となっているのですが、と思ったら粉川先生がもうとっくに言及していました。
そうは言っても、ラストで描かれる異人種間でのハグ&祝祭!というイメージは、どうしようもなく魅力的で美しく、どうしたってウルウルきてしまう。ある瞬間を共有することの尊さを象徴するかのような、大統領の「別に急いではいない。ゆっくり行こう」というラストラインが印象的な作品でした。
2010-02-03
■[音楽] Ginger Does'em All 『Scissor Girl EP』
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「趣味は音楽制作とケーキ作り」という変人、ファンク・パティシエ改め“Ginger Does'em All”(はてなidはid:skintight)のNew EPがなんと、Maltine Recordsからリリースされました。マルチネということは皆さんご存知の方も多いかとは思いますが、フリーダウンロードが可能なんですよ!フリー!タダ!ダータですよ!ダータでこんなクオリティのEPがZIPで落とせるなんて、こりゃあ聴かない手はないですよ皆さん!さぁ今すぐにでも、以下のリンクをクリック!
⇒ Ginger Does'em All 『Scissor Girl EP』
今回も、カットアップとコラージュを大胆に鏤めた“GDA絵巻”が繰り広げられています!必聴です!マストDLです!
SWEET BROWN ADDICTEDposted with amazlet at 10.02.08
↑現時点での最新アルバム。こちらもお薦め!
2010-02-01
■[映画] 2009年の映画を振り返る
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まずベスト5本を挙げてみます。
1. 3時10分、決断のとき
3. スタートレック
5. アバター
「3時10分、決断のとき」色々グッときました。「アイデンティティー」みたいなバカミスを撮ってた人が、こんな骨太な西部劇を撮れるなんて・・・と率直に驚きました。“忠実な狂犬”チャーリー・プリンスを演じるベン・フォスターが最高だった。原作は未読ですが、不器用な男が信念を貫き通す、という意味ではかなり忠実にエルモア・レナードのテイストなのではないでしょうか。
「ダウト 〜あるカトリック学校で」フィリップ・シーモア先生の色気が凄かった・・・・・・。彼とメリル・ストリープの演技合戦(教会で彼女たった一人だけ十字を切らないシーンが凄い!)を、脇でオタオタしながら見守るエイミー・アダムスという構図も面白かった。
「スタートレック」もうね、冒頭のカークのお父さん殉死のエピソードだけでガッツリ持っていかれました。あとはヤング・スポックを演じたザッカリー・クイントの一人勝ち。そりゃウフーラじゃなくてもグッとくるよね。
「イングロリアス・バスターズ」ブラック・エクスプロイテーションならぬ“ジューイッシュ・エクスプロイテーション”である本作。きっとイーライ・ロスの登場シーンなんかはユダヤ人街の劇場で大盛り上がりだったはず。
「アバター」爆炎をバックにパワードスーツで仁王立ちになるマイルズ大佐に爆笑しながらも心が震えた。演じるスティーヴン・ラングさんは「パブリック・エネミーズ」でも100点のお芝居をしていたけど本作では120点。あと是非皆さん、IMAX版をご覧になると良いと思います(Xpandとは雲泥の差)。自分はちょっと3D酔いしました。
以下はid:gakusさんの「役に立たない名言集2009その1」「役に立たない名言集2009その2」に敬意を表しまして、自分でも幾つか挙げてみます↓
「・・・・・・あなた、割礼されてる・・・!」 (『チェンジリング』)
一度は言われてみたい台詞ですね。
「自分に“長寿と繁栄を”というのは妙な気分なので、“幸運を”」 (『スタートレック』)
ややネタバレ気味ですが。
「騒ぎが起きないのは彼らが英語を理解していないからだな?」 (『イングロリアス・バスターズ』)
物凄い説明セリフだけど、あの状況下で言われると「やめてーーー!」としか思えない。
「・・・まるで刑務所のようには見えないわ・・・」「そう、そこが重要なんだ」 (『扉をたたく人』)
示唆的なやり取り。この作品を象徴していると思う。
「(後ずさりしながら)・・・・・・トルーク・マクト・・・!」 (『アバター』)
noby_20xxさんのこのポストに全面同意!
wakuwakufair
祝・復活。またたのしみにしてます。
Dirk_Diggler
ありがとうございます!
gakus
トラバありがとうございました。自分も『3時10分〜』は昨年のベストのうちの一本です。『イングロリアス〜』のこのセリフもイイですね。ヴァルツさんのオスカーノミネートも納得です。
Dirk_Diggler
毎年gakusさんの名言シリーズを楽しみにしています。今年もよろしくお願いします!
2010-01-29
■[映画] 慰めのディルドー「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」
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月刊誌『ミレニアム』のジャーナリスト:ミカエルは、ある実業家の不正告発記事が原因で、名誉毀損の有罪判決を言い渡されてしまう。そんな彼のもとにある調査依頼が舞い込む。依頼主は大財閥ヴァンゲル・グループのヘンリク。40年前、16歳にして突如失踪してしまった姪ハリエットの迷宮入り事件を、再び独自に調査して欲しいという依頼だった。
一方、ヘンリクの依頼でミカエルの身辺調査を行っていた調査員:リスベットは、調査終了後も個人的に興味を抱き、ミカエルのPCをハッキングし続ける。そして、ある手がかりの謎解きに気付いたリスベットは、ミカエルにメールで情報を提供するのだが・・・というお話。
「スウェーデンのベストセラー長編ミステリの映画化!」「ということはスウェーデン映画!」「なんか・・・敷居が高そう!」...etcといった理由で二足を踏んでた訳なんですが、id:yakoさんとかid:honさんとか、いつも信頼できる映画レビューを書いてらっしゃる方々の感想がポツポツ上がってきたので観に行ったらコレが大正解。地味だけど骨太で誠実な、ミステリ/サスペンスの佳作という感じでした。
この映画は、簡単に言ってしまえば「差別主義者が権力を握ると、ろくなことにならない」というテーマを、二重の構造で描いている。リスベットは保護観察下にあり保護監察官からセクハラを受けている。ミカエルは事件の真相を追うことで、そのおぞましい黒幕と対峙することとなる。一見、身辺調査をきっかけに偶然結びついたように思える二人だが、こうしたテーマを引きの目線で見てみれば、原作者、そして本作の監督の言いたいことはよりクリアになって現れる。
中盤、リスベットが果たす復讐は、今後、映画史に残るであろう名シーンであると言えるでしょう。彼女が手にした“それ”を“正しく”使った時、間違いなく映画における“ある基準”が上書きされたような気がしました。



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