コミュニティマネージャーについて思うこと

コミュニティマネージャーについての話は、私にとってはサーバントリーダーシップの話になります。

昔から裏方の作業が好きで、いろんなコミュニティで支える方の内容をこなしてきたので、こぼれ落ちそうな仕事を拾う感じでやってきました。変な言い方ですが、「かゆいところに手が届く」そんな揶揄がうれしいという。(笑)

カリスマ的にコミュニティを引っ張る人と、それを支える人がそろうとおもしろいくらい馬力のあるコミュニティになります。ただ
コミュニティには、新陳代謝や、ライフサイクルはあるわけで、新陳代謝であれば、老害として次の世代のよい意味での成長を促すハードルになり、ライフサイクルの終わりであれば、しんがりを務めて最後を見届けるのをしたいと想いながら、まだそれを正しくできた手応えはなくて、ついみっともなく足掻いてしまう自分がいます。(^_^;)

終わらせられる。もしくは、次をちゃんと生み出せる。そんなコミュニティマネージャーを目指したいと最近思います。

ふりかえりにも対話を

この記事はふりかえりアドベントカレンダーの16日目の記事です。
ふりかえりアドベントカレンダーは、ふりかえりに関することならなんでもあり、のアドベントカレンダーですということで、年末に行う1年のふりかえりについて書きたいと思います。

昨年から私は、こちらのブログで紹介された方法でふりかえりを行っています。今年は、まだ集まることを決めたところまでなので、実際にはまだふりかえりが完成していませんが、4人で一緒の場に集まって、ふりかえる方法です。

手順は6までありまして、事前には4まで行います。今日はこの4までをご紹介したいと思います。

手順1:参加者の募集
手順2:時間と場所の確保
手順3:事前の宿題
手順4:当日の環境準備
手順5:当日の振り返り
手順6:振り返りのまとめ

ix-careercompass.jp

手順1:参加者の募集
今回は、昨年のメンバーを中心にまずは声をかけました。幸いにも2名今年も…ということで、最後の1名を探したのですが、これが意外に難しく、3名の関係性をある程度考えて選ぶというところからスタートしました。気軽にさらっと自分についての話を話せる関係性って難しくて、全然知らない人でも信頼して話せる…というのをどうするのか迷いましたが、自分との関係性を活かす形で4人目を誘わせてもらいました。


手順2:時間と場所の確保

時間と場所は、実は先に設定しました。昨年のメンバーもこの時間と場所が合わなければしょうがないかなと思ってました。というのも、このふりかえり、時間もさることながら、いろいろものを広げて行う方が可視性もよくて、自分のシェアワークのスペースを利用するのが一番だと思ったので、場所の空きを優先させてもらいました。企業内でやる場合は、会議室で良さそうですが、フリーランスの方などが喫茶店で行ったり…というのはきつい感じがします。3時間くらいを借りるというのであれば、貸会議室か、カラオケボックスでもありかもしれません。

 

手順3:事前の宿題

これが今私がこのブログを書きながら行っているもので、1年間を物語のように語るために何があったかを書き出して、3ヶ月ごとに大きなふりかえりとして伝えられるように紙というか、見せられるもの(データ)にしておくというものです。私はスケジュールをグーグルカレンダーで管理していて、さらにもちろんフリーランスなので、お金の収支もスプレッドシートで管理しているので、その2つを眺めつつ、時々、自分の行ったイベントをconnpassとDoorkeeperでチェックしながらふりかえりました。

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1月から6月まで

これが実際に書いたものです。これくらい荒くても自分で話せればいいので、ありです。(準備が大変すぎるとやる気もなくなってしまうので…。)※企業名の表記は実績として記載OKのところのみ書いてます。念のため…。

手順4:当日の環境準備
こちらは、付箋、ペン、机、模造紙の準備ですが、完了してます!あとは当日にお菓子を買って、リラックスして話せるように準備します。ふりかえりをパソコンで作ってきているかもしれないので、大型のディスプレイもシェアスペースにはあるので、完璧ですw もちろんなくても、4人くらいなので、各自のPCで見ても十分だと思います。

と、今回のブログは準備までのここまでとしますが、後日、5,6についても軽く共有はしようと思います。準備のところでカレンダーとイベントログと収支でふりかえって、物語として話せるようにまとめることで、どういう2019年だったかと、何に自分が注力しようとしていたのかが、見えました。眺めていると1年って早いというのが実感ではありましたが、来年もスピード感持って挑もうと思いました。

 

ふりかえりにも対話を…というタイトルで登録して、対話でふりかえる方法をお伝えしようとしたのに、準備のところまで…という感じではありますが、年表を肴にだべる…というのもいいのではないかというお話でした。手を動かして、脳に刺激を与えながらもいいですが、気の合う仲間で、何かを眺めながら話すのは良いふりかえりの時間になると思います。

 

 

 

とある好きなことを語るアドベントカレンダーを見て書きたくなったのです。(笑)

この投稿は「ドアカン Advent Calendar 2019」の5日目の投稿です。

マンガが好きです。昔は少しファンタジーものが好きでしたが、最近はそうでもなくて雑食でありながら、幅広く…w

 

毎朝、駅内の書店でマンガの発売状況をチェックして仕事場に行くのが普通になっているくらいには好きでして、そこはやっぱり「紙」にこだわっていて、すでに家の本棚は大変なはみ出し具合で、そろそろ電子書籍にしては?と確認が入ります。

 

人生の半分くらいはマンガから勉強している感じです。最近だと「ボールルームにようこそ」が一番学んだかな…。これは自分のファシリテーター感が出ていて、場や参加者に合わせることに必死になっていた頃から、自分がどういうファシリテーションをしたいのかを見つけていく、そんな自分の経験を見せてくれたマンガでした。なにか新しい発見や体験をくれるもの。それが自分にとってのマンガなのだろうなと。

割と受け取ると感化されやすいので、殺伐としたものは苦手です。運動ものは好きですね。そりゃ、昔はすっごいシュートなキャプテン翼とかも好きでしたが、努力ものとか純粋に好きで最近だと「さよなら、私のクラマー」とか、「かなたかける」とか。ちょっと変わったのだと「ブルーロック」とか好きです。サッカーとかついチーム感の話が出る中で、もしかしたらその先にある「エゴ」というものに目を向けられていて、昔やや荒唐無稽とも言われた原秀則さんの「フリーキック」というのに繋がる感じもあるかな。

そうそう、作者萌えもあります。原秀則さんは神ですね。「部屋においでよ」とか「冬物語」とか、はまりましたね…。いっぱい泣かされた気もする。作者だと、昔の「銀河英雄伝説」「joker」の道原かつみさんもいいですよね。高校の時にWingsという雑誌を仲の良い女の子から借りてから、少し耽美な絵柄も大丈夫になりました。西炯子さん、よしながふみさんもその辺りからかな。アーシアンとかもか。今も連作されている「ファザード」とかすごいですよね。 

 

そして、そもそもの原点は、普通だったら「キン肉マン」とかの世代ですが、確実に「ウイングマン」でして、ちょうどアニメもやってのかな…。まぁ、その、思春期ですから同時にアニメにもはまっていきました。キャラソング的な音楽もそこからw 桂正和大先生は、しっかりと読み進めましたね。女性の絵柄と線の細さが好きなんだろうなと思います。最近のはちょっと読んでないかも…だけど。あ、「リアル」は心のバイブルには入っているかも。アニメと同時にというのは「うさぎドロップ」と「はちみつとクローバー」。特に「ハチクロ」は全DVDを初回盤で買い揃えました。後、カペタなどの天才を書かせたら天下一品な曽田 正人さんも追っかけましたね。だぶん「め組の大吾」からかな。昴はすごかった。マンガ見て鳥肌が立ったのを覚えてますね。音楽や動きがあるものをマンガで見てすごいのは、ほんとすごい。今は「ブルージャイアント」がそれかな。毎回泣かされている。くだらないのも好きだから、最初は「究極超人R」とかですかね。不条理的なのも。あとは擬人化とか、空想か…。設定が絶妙だなと思う中でぱっと思いつくのは、「蟲師」「空挺ドランゴンズ」「とんがり帽子のアトリエ」「結界師」「ダンジョン飯」「大きく振りかぶって」。これに繋がる作者さんたちもだし、今はジャンプは毎週読みつつも…。

 

で、今日買ったのは「血界戦線2」と「ATOM THE BEGINNING」の最新刊でした。

 

徒然に好きなものの話をダダ漏れで書くってなんか楽しいですね。このアドベントカレンダー のおかげです。イベントにはちょっと都合と、子供と行くのはどうしよう…って思って行けなかったのですが、ブログでの参加ができたので、よしとします!

ファシリテーターのための講座を4つ提供はじめました。

今回の告知は、ファシリテーターのためのワークショップシリーズで、場を聴く「傾聴」の回になります。2019/10/28(月)https://faciliview.connpass.com/event/149671/


そもそもファシリテーションのやり方は人の数だけあると思っていて、故に、自身のファシリテーションに関する内容について自分自身で認識できることが土台にあると成長しやすいと考えます。この土台の部分は、ファシリテーションをする「一方手前」な内容になっていて、多くの方は「無意識」でできていることなのかもしれません。無意識から意識的なものに変えることで「普段使い」のファシリテーションになっていきます。

そのための学びとして、自分の「意識」「感覚」「知識」「経験」を認識するところから始める4つのワークを今は提供しています。

 

1.ファシリテーション基礎講座
ファシリテーションをするのに自分の中で何をすることがファシリテーションとして考えらているのか、その考えが場にどのような作用を及ぼすのか、そして、そもそもファシリテーションを受けている状況はどういうことなのかを体感して、自身で明文化して「理解」とする講座です。

 

2.グラフィックレコード・ワークショップ
ファシリテーターとしてホワイトボードや話の流れの把握をするのに「書き取る」ことは大事な「すること」だと考えているので今の自分自身の「発言を聴きながら書き取る」ことをどうやっているのかを認識してもらうワークショップです。絵を書かないやり方で学び、自分が補いたい・欲しい部分をどう学習していくかを考えていきます。

 

3.ファシリテーショングラフィック・ワークショップ
→このワークショップも、実際にどう書くかののテクニックを学ぶのではなく、そもそもファシリテーショングラフィックを「使う」ということが、受講者の現場にとってどういうことなのかを考えてもらうところから始まります。見える化、見せる化によって作用すること、ファシリテーショングラフィックで使える道具、ホワイトボード、模造紙、コピー用紙、付箋、情報カード、現場で使える物を想定して、違いを理解してもらった上で、現場で使えるファシリテーショングラフィックを身につけてもらいます。

 

4.傾聴ワークショップ
→普段「傾聴」と言われると、1人の話をする人から聴くというのをイメージするかもしれませんが、場では、会議では複数の人、グループの発言を聴きます。傾聴のワークショップという形で「話し手」「聴き手」「観察者」という役割で客観視、自分の考え、物の捉え方、「聴いてもらう」ということがどう作用するのかを実践で理解してもらいます。

 

RSGT2020の8つのプロポーザルに関わっています

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一番最初に作ったのは「2」の自分1人で行うワークショップのプロポーザルでした。スクラムという文脈の中でファシリテーションという視点を持ちたい。そう思う自分自身の為に考えたワークです。スクラムマスターとファシリテーターの2つの役割を行き来する時もあるという考えで自分の得意なファシリテーションに特化したものをお伝えしたいと思いました。

その後、すでに2018年、2019年のRSGTで実施させてもらったワークショップ、3,4についてプロポーザルをチームで出しました。プロジェクトマネージャ保護者会の「プロばこ」はいろんなイベントでそのイベントの背景に合わせて変化させて提供してきた実績から、その変化部分を届けてみたいという話に。今年やらせてもらった「ケンカできるチームをつくるワークショップ」自体は、RSGT2019以降、企業内でも実施していくことにもなり、ある意味恩返しの部分と、実は今年やった時の改善点も見つかっていたことから、メンバーで協議してプロポーザルを出すことになりました。これらは自分のプロポーザルというよりはチームのプロポーザルで、メンバーとして参画している感覚です。

5,7については個別にファシリテーターとしてお声がけいただいたので、快諾させてもらいました。ファシリテーションを実施する場にお声がかかるというのはそんなに多くはないということと、原則「誰のファシリテーター依頼も断らない!」という私のポリシーに基づいてお受けしました。RSGTの自分が関わっているプロポーザルが多くなっているというのはわかっていましたが、自分が役立てるのはファシリテーションだけですから、感謝しかありません。

1は、別のところでも書きましたが、ある時期、RSGTタッグマッチな感じが漂った時期があったと個人的に勝手に思っていまして、「これはタッグ組んでみたい人とでなければ!」と勢いづいて開原さんにご相談して受けていただきました。2人で何をしようか企画を考えるところからお付き合いいただきましたが、20minでの発表枠という自分にとってはかなりチャレンジな内容です。参加者と何かを行うワークショップ型が自分の得意分野という意識もあったのですが、敢えての挑戦です。対話型組織、コーチングといった背景を持ちながらプロポーザルを出すということを通じて、いろいろ語り合わさせてもらったので、勉強になりました。


6はこれまた別のイベント「パタンランゲージ・インタビュー」で中埜先生と蜂須賀さんとでやっていただきまして、その時の縁からスタートしたものです。中埜先生を、パタンランゲージを、RSGTの世界に繋いでみたいという思いを蜂須賀さんと話して、企画になりました。ワークショップの企画を三人で考える時間でさえ、学びの時間になっていて、これはどこかででも発表したいと思う内容になっています。

8は最後に登録されたものです。湯前さんから「考えているものがあるのですが、自分では後少し生み出しきれていない」といった内容のご相談をいただき、すぐに伺って壁打ち相手的に話をさせてもらいました。聞いていくと、いつもながら湯前さんの自分自身の状況と思考から新しいものを生み出す能力はすばらしくて、単なる発表よりも実際に使ってもらえるものにすることで良いものになりそうだということが見えてきました。ワークショップ形式にするかは湯前さんも迷い、最終的にワークショップで…という判断に至ったところで、「一緒にやりましょう」とお誘いいただきました。これ自体は息の長いものになっていきそうなので個人的に楽しみにしています。発表していくことで育っていく手法もあるということで、これも展開していければうれしいです。


このブログを書いてどうなるのか…とも考えたのと、言い訳じみてしまうのかもしれないとも思ったのですが、自分自身はともかく、組んでいる人たちとそれぞれにしっかり取り組んでいることであることを伝えたいとも思ったので思い切って書きました。


いずれにしても、2020年のRSGTは楽しみでしかないです。これだけ多くのプロポーザルがでて、それぞれに本気で作って生み出されることになったのですから、すごいです。話し手に回ること。それが一つの学びの形でもありますし、成長させるきっかけにも、自分のセルフブランディングにもつながっていくものだと思います。

先日、技術書典7という同人誌の即売会で、これだけ多くの「書き手」が生まれているだという状況に感動したばかりですが、RSGTや社外のカンファレンス、イベントで多くの人が「話し手」になっている状況もまたすごい面白い時代です。

もし、あなたも何かプロポーザルを出してみたいのかも…と思ったら、その火種を消さずに、その火種をしまわずに、書いてみて欲しいです。一緒に楽しみましょう!

 

僕がRSGT2020のプロポーザルに「わかりあえないことから ~「あいつら」とどう向き合うのか ~」を出した訳

毎年熱い議論と、熱意のある講義が繰り広げられるギャザリング「 Regional Scrum Gathring Tokyo」通称「RSGT」。来年、2020年も開催されるということで、公募セッションに、以前からコラボしたいと思っていた開原さんと応募しました。
わかりあえないことから ~「あいつら」とどう向き合うのか ~
(投票よろしくお願いします!)

2人の今、話したいことを探っていて、見つけたものが「わかりあえない人」たちとの仕事の話。もちろん、分かり合えないなら、一緒にやらなければいいとか、そこから逃げればいいという話でもありますが、何か物事を進めていくと、だいたいこの「分かり合えいない人」という存在が現れ(最初っからいたという話でもありますが…)、そこを素通りするわけにはいかない時が訪れる。これについては私と開原さんそれぞれ違う立場、役割なので、文脈はもちろん違いましたが、素通りできない状況は同じでした。

 

この「分かり合えない人」との話は私にとっては昨年2018年11月にあったアダム・カヘン氏の著「敵とのコラボレーション」という本の出版記念イベントで印象が残っていて、その本の中で「敵とのコラボレーション」ストレッチコラボレーションは最終手段という位置付けであることにすごく共感したことを覚えています。(図はイベントの時に描いたものですが、ピンボケですみません)最終の手前には、
1.強制
2.適応
3.離脱
という手段が取れて、それらよりもコラボレーションの道を模索するというのは、それだけエネルギーも大変さもあるという感じでした。

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敵とのコラボは最終手段

なぜ、このテーマでプロポーザルを出したかというと、基本傾聴な自分が珍しく、みなさんに伝えたい…と思ったからなのです。スクラムを進める上で、もしくはスクラムではなくてもプロジェクトを進めていく上で、複数人で実施していくと、必ず上司、または関連部署に、1人か2人、まったく感覚が合わなくて、「この人とは仕事しない…」と思う人や、こっちのやろうとしていることを阻害してくる人がいます。その人との向き合い方って、なかなか会社の中では教えてくれません。最近だと、チームがうまくいって、そのまま組織に展開していこうとする時に一歩踏み出しにくくされています。「始まらない」面白みのなさより、「始まった」けど、この先わからない」という方が面白みがあります。つらさよりも面白みを…。

 

今回のセッションでも伝えたいメッセージの1つとして、もうみなさんも耳にタコができるくらい聞いたことがあるかもしれませんが「他人は変えることができない。まず自分が変わることから始める」という話で、「分かり合えない人」に対して、自分の意識をどう変えるか…。自分の行動をどう変えるか…。そのあたりについて話したいと思っています。

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敵とのコラボレーションの話を聞いて描いた図

公募セッションなので、プロポーザルへの応援うれしいです!
アカウント作っての投票でお手数をおかけしますが、よろしくお願いします。

https://confengine.com/regional-scrum-gathering-tokyo-2020/proposal/11916

 

書籍はこちら。 

敵とのコラボレーション――賛同できない人、好きではない人、信頼できない人と協働する方法

敵とのコラボレーション――賛同できない人、好きではない人、信頼できない人と協働する方法

 

 

【走り書き】エンジニアの新人研修は内製化と全体のデザインが大事

 2015年からフリーランスとして活動するようになり、ありがたいことにその年からエンジニアの新人研修に関わることができました。それから4年、毎年いろいろな企業の新人研修を全体のデザインから始めて年間通して研修を実施したり、スポットで数日間だけ関わったり、研修業者が用意したコンテンツを代理でファシリテートしたりと、様々な形で関わりました。

今年、2019年に関わった新人研修は5社。企業もスタイルも様々で、エンタープライズ系、ソーシャルゲーム系、ベンチャーサービサー)系、そして非ITというのも今年は含まれていました。

 

 私が請け負う研修は基本、グループ型の研修で、新人同士が教え合う形の設計が多いですが、今年は2つ初めてのことがあって、1つはしっかりとコンテンツが作られた研修にサブ講師としてサポートするという体験もさせてもらいました。もう1つは3年間内製化を進めてきた企業がついにファシリテーターも含めて完全に内製化で行ったことです。研修の前の期間に半年かけてファシリテーションの伝授やファシリテーターの在り方、グループ型の研修のポイントをお伝えして、実施中は日報、SNSでのフォローをさせてもらいました。1年間をかけての内製化は2社見させていただいて、どちらも内部の人のリソース最小化が肝になりました。企業の中で研修の内製化のプロジェクトが始まる場合、だいたいの場合が、業務との兼務になり、最初からリソースをがっちり確保できない状態で、いろいろ持ち出しでスタートすることが多いようです。そのせいで、プロジェクトのメンバーは疲弊していき、モチベーションも上がらず、人事などとの連携もうまく行えずに、なんとなく実施してしまうケースがあります。私がSIerをしていたころはまさにそういう状態で、結局「10日でできる…」系や本を渡して終了ということもありました。

 何か新しく兼務のプロジェクト始める時にはリソースは最小限で関われるようにする。これが外部から研修の内製化のお手伝いをする時に決めた基本事項です。もともと2012年から社内でエンジニアの育成を担当してのもあって、社内に必要な「学び」を現場の人とともに作り上げるというのをやってきていました。現場の人が協力してくださるということはかなり大変なことで、業務が忙しいところに、追加で何かをお願いして、「進捗どうですか?」と聞かれたりした日には、マウスを投げたくなることでしょう。そこで、リソースを最小限に抑える方法として私が意識して行ったのは以下の10こくらい。

1.現場のリソースは一人につき、週に1時間を基本とする。

2.打ち合わせ、検討事項、SNSや、タスクの状況更新、会議室の登録などは私が行う。

3.担当になったメンバーの人には持ち帰っての作業はゼロにしてもらい、週に1度集まった時にだけ作業してもらうようにする。

4.講義の内容は完璧を目指さず、骨子だけにする。

5.研修自体はメインを課題型として、講義はサブでこれも社員の人に週に1時間担当してもらう。

6.課題作成は別の課題を作る人たちだろうと同じ時間に広い会議室に集めてコワーキングスペースのような形で作業をする。

7.打ち合わせ、課題検討の会などはアジェンダはもちろん、打ち合わせのファシリテートは私が担当して、次の打ち合わせへの流れはもちろん、担当者通しの関係性の構築も行う。

8.担当からの要望はできる限り対応する。

9.新人と接することができる状態ならば、ヒアリングや面談、ランチ会など、内製化メンバーが具体的に研修する人をイメージしたり、関われるようにする。

10.途中で私の手は抜く。もしくは参加しない状況が発生した時は無理な調整はせずに任せる。

11.やってみたいとか、試してみたいというものはなるべく思ったままにやってみてからふりかえる。

12.研修は途中で新人たちの感覚含めて違和感が出たら、内容、スケジュールを変更する。

 

ここまで読んでいただいてわかるかもしれませんが、内製化を一気に2ヶ月で…とかはせずに(時には必要に応じて請けることがありましたが)、半年以上かけることを前提に行わせてもらっています。そうすることで、実は、企業内のエンジニア文化の明文化であったり、エンジニアの技術力の底上げ、人に関わることでのモチベーションUPというようなことがおきます。ただし、これを起こそうとしてやるのではなく、結果、そういう状況が発生したというのが正しいです。きっと、それらを狙って行ったら、担当してくれた方々には何か恣意的な対応になってしまい、一緒に作り上げるのが気持ち的に難しくなるので、やりません。育成者を育てたいという要望であれば、それを本人にお話しして対応することはやりました。まさに今年の研修のファシリテーターも内製化したというのがそれにあたります。新人研修がまったくゼロのところから完全内製化にもっていくには年数は必要で、そもそも新人研修が1年に1度しかないというのもありますが、最初から完璧かもしれないけど自分たちで考えて作らない研修では内製化にならんなくて、どうやって新人と関わりたいかという部分も含めて自助作用で振り返っていかないと根付かないイメージです。その年の新人は試しになるのか!?と怒る方もいらっしゃるかもしれませんが、そこは2年目のフォローということで研修を提供することで対応したり、2年目の人が次の年の新人のメンターをさせたりすることで「試し」の分の差分は埋めていけます。

 

内製化については、もっと細かく語りたいところもあるので、またの機会に記載しますが、今回は内製化以外にも、そもそも新人研修というものが必要なのかということも気になってきました。研修をしっかり用意すれば用意するほど、新人にとっては、「研修」というサービスを受けるという感覚が強くなるのではないかと思い始めています。ある企業では、最初から配属先が決まっていて、最初から半分は業務をやりながら、新人研修を行うというやり方を取っているところもあって、そこが一番現場との乖離が少なく研修を提供できているような気がしました。そもそも考えことがある人もいると思いますが、エンジニアの研修は、ある程度の業務経験の上に成り立つものもあって、そこをある意味新人にとっては「架空」のプロジェクトでの研修になり、場合によっては現場で使っていない手法を学び、現場にいったら、使わないから…と言われたりすることも「汎用性」を考えると研修の一部として入れています。研修自体がそもそも「何かをできるようにする」という観点で考えると結構難しく、現場で活躍するために使えるものに触れさせておく、鍛えておく、自分で考えられるようにしておく…。というのが今の私の考える新人研修になってきています。

学生の頃にプログラミングや、アプリの開発をしてきている新人もいたり、まったく触ったこともない新人もいたりする中で、画一で、全員が同じことができるようになる学習を提供するのはかなりハードルが高いし、果たしてそれを「達成」させておくことが大事なのかがわからなくなってきています。個別対応すればするほど、講座型の集合学習が難しくなるとは思います。ただし、各自の伸び代、成長にフォーカスをすれば、大勢のメンバーをグループに分けて、それをメンター、ファシリテーターが担当することで対応が可能だと思います。人の関わり方が変わるだけで、関わる人が減ったりすることはないかもしれませんが、どういう新人を現場に入れたいか…というのが明確になれば、そういうスタイルでの研修はできると思いました。

知り合いの研修を担当している人と、最近の新人には、単なる技術の知識だけでなくて、キャリアについての考え方、企業のお金、コストに関することなども伝えて、組織の中で独り立ちできるエンジニアになってもらう手伝いができるば…という話もしていました。

 

さすが、「走り書き」と書いたとおり、ノー推敲でUPしちゃうので、かなりな乱筆で申し訳ありませんが、ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。