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Nanite
端的に言うと、モデルのポリゴン数を最適化するシステム。
映画スケールのポリゴンデータをUEにそのままインポートすると、Naniteが自動的に最適なポリゴン数に変換してくれるらしい。
Lumen
PS4世代でも出来なかった、事前計算が不要なリアルタイムグローバルイルミネーションを実現する機能らしい。
PS3/4世代では、グローバルイルミネーションは事前に計算しておき、シーンに配置したり、必要な情報をテクスチャデータとして作成したりしていたが、それらを全てリアルタイムに計算して描画するという。
レイトレーシングを使えば実現出来る機能ではあるが、レイトレーシングを使わずにグローバルイルミネーションでそれに近いレベルの描画ができる。
とは言え、レイトレーシングのもう一つの利点、鏡や水面の映り込み処理、とかは出来ないが、それでも表現力は大きく向上している。
MegaScenes
PS3世代で、id Tech5がメガテクスチャーと言う、テクスチャーサイズの上限を解放する機能を搭載したが、そのシーン全体版とも言うべき機能。画面上の描画情報をストリーミングで読み込み・描画する事で、メインメモリの上限を解放する機能で、フルパワーを発揮するにはPS5のカスタムSSDが前提となっている機能のようだ。
技術デモの最後のシーンで利用されている機能で、このシーンはすげぇとしか言いようがない。
あれだけのクオリティのオブジェクト群を超高速に駆け抜けるとか、InsomniacがPS4の読み込み速度が遅いから実現できなかったと言う、スパイダーマンの高速移動が出来るようになりそうだ。
驚きだったのが、汎用エンジンであるUnrealEngineの新バージョンをお披露目するハードとして、PS5が選ばれたこと。
これまでUnrealEngineの新しいバージョンのお披露目は、ハイスペックPCだった。
ハードウェアとして最新の機能を搭載しているのは、ほぼPCが先行している状態だったから、当然と言えば当然。
だが、そのUE新バージョンをアピールするハードとしてEPICが選んだのは、PCではなくPS5であると。
現在のPCのボトルネックとなっている、各種コンポーネントの帯域制限やファイルシステムなどの制約を丁寧に取り除いたPS5が、次世代をアピールするのに最適だと判断したのだろう。
VRAM以上の処理をやらせるために、ビデオカード側にSSDを付ける方法が考えられるが、それだけでは多分駄目。
GPU側の転送は高速になるかもしれないが、CPU-GPU間の転送が低速なPCIe接続である限り無理。
CPU-GPU間の転送を共有化させる対応として、CPUとGPUを融合させたAPUを使う手があるが、現状のDDR系列より高速なGDDR系列のメモリを繋げるソリューションは存在しない。
また、現在のファイルシステム周りも古い規格が前提となっており、SSDに完全に最適化されているわけではない。
少なくともUE5デモをPCで実現するためには、PCの各種柵を解消するパラダイムシフトが必要。