シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

シルビオ・ゲゼル

あー、室田武先生が言ってたのはこの話か。


ビデオ「エンデの遺言―根源からお金を問うこと」シナリオ要約s2003-02-05
http://www.grsj.org/report/report/endenoyuigonsinario.html


via:tikani_nemuru_Mさん 欲望よ永遠なれ! そして手もとに貨幣が残る
http://d.hatena.ne.jp/tikani_nemuru_M/20081007/1223306193

8)オーストリアチロル地方都市ヴエルグルは、シルビオ・ゲゼルの理論を実践した町である

世界恐慌により、人口5000人の内、失業者は400人に達し、町は財政破綻の状態であった。この町の町長ウンター・グッケン・ベルガーは、経済の破綻は、お金が循環していない事が原因であると考えました。お金が循環しなければ、生産は落ち込み、失業者は増え、消費は落ちる。1932年7 月町長は、町議会に図り、自分の町でのみ通用する地域通貨を発行しました。すなわち、町は事業を興し、失業者に職を与え、その報酬を「ヴエルグル労働証明書」と言う地域通貨で支払った

この通貨の裏側には「溜め込まれて貨幣循環しない貨幣は、世界を大きな飢饉、人類を貧困に陥れた。労働すればそれに見合う価値が与えられなければならない。お金を一部のものの独占にしてはならない。この目的の為にヴエルグルの労働証明書は作られた。貧困を救い、お金を循環し、仕事とパンを与えよ。」町の道路建設等で最初に給料として支払われた地域通貨は、非常な勢いで、流通し、回転する事で、お金の何倍にもなる経済活動が行われ始めた。これにより町の税収は増加した

速やかに循環するお金の秘密は、紙幣に張られてスタンプにある。このお金は月初めに紙幣の額面に1%ずつ新たにスタンプを貼り付けなければならない

言い換えれば、このお金は一ヶ月に1%づつ価値が減って行くのです

従いこの老化するお金を手にした人は、このお金から使い始めます。溜め込まれることなく流通し、経済活動を推進する機能をお金が持ったのです。このゲゼルの老化するお金は、溜め込まれる事なく流通し続ける画期的なものでした

町は地域貨幣で奇跡が起きました。公務員の給料にも支払われ、銀行にも受け入れられるものになって行きました。地域通貨が流通する事により、町は活性化しました

ヴエルグルの成功を見て、周辺の町でもオーストリア・シリングと併用出来る地域通貨の採用を検討し始めました。しかしオーストリア政府は、1933年9月、これは国家の独占的権利を犯すとして自由貨幣の発行を禁止した。世界でも例の見ないお金の実験は、わずか13ケ月で幕を閉じたのです


室田先生の話と、江戸時代の小判改鋳を利用した景気回復の話が面白かったなぁ。
江戸時代の小判改鋳の話は佐藤雅美氏の「大君の通貨―幕末「円ドル」戦争」にある。

大君の通貨―幕末「円ドル」戦争 (文春文庫)

大君の通貨―幕末「円ドル」戦争 (文春文庫)