シートン俗物記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2009-05-26 曇り

[][][][]自滅する地方 郊外化問題は郊外の問題ではない

さて、地方衰退とその処方箋?について取り上げると、

welldefined 21世紀ポルポト郊外民を中心街に下放する

みたいな意見が出てきます。つまり、強制力を伴った「中心市街地への移住推進」と捉えられているわけですね。まるでポルポトみたいだと。

が、自分が述べたいのはそんな事ではありません。もっと切実な事態への対応です。

ちょっと以下の写真を見て頂きましょうか。写真が巧くありませんが、道路拡張撮影したものです。

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場所は焼津市藤枝市の市境付近。県道224号線、通称「大富藤枝線」です。道両側に広い歩道のついた二車線道路拡張しているところです。一般にはこうした道路事業は、「地域住民に喜ばれる事業」として批判されていません。高速道路のような「ムダ事業」とは違う、という事ですね。ですが、この「大富藤枝線」の先、大富、というところは田園風景の拡がる地域なのですよ。で、以下のような工事も行われています。

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224号線の拡張だけではなく、そこへ交差する形でやはり県道が新設・拡張されているのです。

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すると、下の写真にある「食事処」や、美しい生け垣の旧家も立ち退く事になります。

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田も畑もつぶされ、そのうちに「マクドナルト」や「洋服の青山」、「ガスト」に「すき家」、「餃子の王将」「ミニストップ」「TSUTAYA」「UNIQLO」「ウィンダーランド」「カインズホーム」が進出しては潰れ、とどめに「イオンモール」でも出店することになるでしょう。

道路拡張するために、ファスト風土化を進めるために、土地や家を持つ人々は立ち退きに応じるよう迫られているわけです。

それだけじゃありません。

以下の写真をご覧ください。これは、藤枝市の水守という地域交差点風景です。

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左に「すき家」、右には「セブンイレブン」、写真には写ってませんが、手前側には「バーミヤン」と「くら寿司」があります。写真奥には「カーマホームセンター」と「しずてつストア」。何が凄いかって云うと、この写真の右手側には、藤枝市の古くからの商店街、下伝馬商店街白子商店街、上伝馬商店街(さらに駅前商店街へ続く)があるのですが、この水守地域道路拡張を含む区画整理事業によって商店街が壊滅的ダメージを受けたからです。この話は以前載せました。


コンパクトシティー

http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20070116/1168936602


道路を広げてはいけない 自滅する地方都市

http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20070626/1182849631


焼津市でも駅前を含む商店街自治体区画整理事業や再開発事業によって壊滅させられたのですが、藤枝でも(そして旧岡部町でも島田市でも)壊滅させられているわけです。

もう少し、水守地域を見てみましょう。この地域は田園風景が拡がるだけではなく、旧東海道筋でありました。下の二つの写真の上側がかつて街道筋で撮った写真です。

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並木が写ってますね。で、下側が現在の様子です。なんと、歴史的遺構である「旧東海道」を潰しているわけです。道筋を変えるだけではなく、拡張も行ってます。下の写真をどうぞ。一番下が古い道です。

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街道筋は道幅が狭く、くねっているために車通りが少なめでした。おかげで街道両脇の住民は“道を介して”コミュニティを作っていたわけですが、現在行われている“自動車が通りやすくなる”拡張工事が済めば、コミュニティ自然消滅するでしょう。この地域の人々は、道路拡張にも区画整理事業にも長年反対してきました。ですが、結局は行政に押し切られる事になるのです。事は「静岡空港建設」と同じです。


建設是非 地元思い交錯【それぞれの離陸 静岡空港開港】(asahi.com mytown)

誘致合戦の末、87年、島田市と榛原町(現・牧之原市)に空港建設が決まった。約550人の地権者をはじめ、地元住民には降ってわいたような話だった。

 「農地をとられる」。テレビで見た成田闘争光景大関さんの頭をよぎった。地権者会会長として「反対」を掲げた。相談なしに決められた政治行政に対する不信は強く、地権者ほぼ全員が用地買収に応じなかった。

 だが、建設計画が進む中、「茶畑の後継者がいない。この際売ろう」という声があがった。県が補償を提示し始めたころには、しだいに買収に気持ちは傾いた。

http://mytown.asahi.com/shizuoka/news.php?k_id=23000200905250001


中心市街地への再集中はポルポト、ですって?何を言ってるんでしょうね。

いいですか?今起きている事。全国で行われている「郊外化」こそが“ポルポト”なんです。地域住民の生活を奪い、多額の予算を注ぎ込み、ファスト風土化を進め、街から人を流出させる。

私が挙げた事例などささいなものでしかない。静岡市でも浜松市でもどこでも行われているのを見てきました。現在でも、いえ現在は“景気回復”と銘打って、これらの事業が「積極的に」進められているわけです。


ですから、自分が言いたいのは都市再生処方箋コンパクトシティ」などではありません。そんな事は後でも良い。皆に解決策があるなら、その時に改めて纏めていけばいいのです。そんなことより、今、現在進行している郊外化、をとりあえず止めろ。

これが何より言いたいことなのですよ。


ひとまず「道路拡張」も「道路延伸」も「道路新設」も「区画整理事業」も「市街地活性化事業」も「止める」事。

それから、我々の社会が直面している問題の解決策について話し合ったらいいのです。


もちろん、自分は「コンパクトシティ」が処方箋だと考えていますよ。それはなぜか、といえば「連立方程式」の「解」だから、です。次はその点について説明していきます。

t_jt_j 2009/05/27 22:10 なんでも古けりゃいいって思想はもうやめませんか?
商店街の店が美味しくて安かったら誰もファミレス、牛丼屋や回転寿司なんかに行かないでしょ。
市場競争に負けただけのことじゃないんですか?

sakyunsakyun 2009/05/28 06:21 多くの道路拡張や延伸の始まりは 地元要望という住民のニーズから始まった形になります。車通りさえ増えれば金が回ると思い込んでいる浅はかな商売人、移転費用が入れば嬉しい人、通学の子供を心配する親、地元の為に何らかのカタチある貢献を見せたい議員先生に政党団体。土建屋さんの生活もあれば、公務員の仕事がこれ以上減っても彼等は困る。よって ほじくりかえす公共事業は止まらないでしょう。大半の人々は将来の効率的なまちづくりなど考えてもいないように見えます。

boyoyonboyoyon 2009/05/28 11:14 資本主義経済をとっている以上、土地利用を商売に活用してGDP向上に寄与する事は、浅はかではないと思います。むしろ、「現在進行している郊外化を止めろ」との具体策こそが鍵となると思います。しかし、鳩山さんと同様、友愛とは言うものの、その具体策をつまびらかに提示した意見は見たことがありません。

Dr-SetonDr-Seton 2009/05/29 23:29 t_iさん
古さを追求した話などしていません。財政問題とも関係の有る話なんですけどね。再三してきましたけど。
で、未だに「市場競争」ですか?おめでたい人ですね。公正な市場競争どころか、郊外開発とセットということは、行政からの手助けがあったようなものなんです。

sakyunさん
まぁ、今まで考えなかった、気づかなかった事は、今後もそうである事ではありません。
少なくともここでこれほどの反応があるなら、開発行政に疑問を持つ人が増える可能性があるわけで。
私は私に出来ることをする。悲観的になるにはまだ早いです。

boyoyonさん
言っている意味がサッパリ判りません。土地利用が良いかどうかは資本主義ともGDPとも関係がありません。長期的利益と短期的利益の勘案の問題です。
で、郊外化には莫大な費用が掛かり、それに「道路財源」を含め、自治体一般会計予算の5分の1程度、特別会計を含めればそれ以上に使われている、事を考慮すれば、その財源と力を集約化に向ければ良いと思いますよ。
方策については私案はありますので、載せていきます。

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