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医局脱出へのカウントダウンarchive

2006-05-08

新臨床研修制度から2年


 臨床研修制度が始まって入局者が居なくなり,当時の大学病院で10年目前後の中堅が奴隷労働に従事しなければならないという話になった時,不満を訴える医局員に「2年の辛抱ですから」と教授は仰ったものである。それから丸2年。自分の属する医局に入局したのは4名と聞く。それまでは毎年平均12〜3名の入局者が居て,それを前提とした人事配置をしていたのでこれでは当然のように全く立ちゆかない状態である。当時の教授も今は居ない訳だが,もし居たらこの状況をどう思うのだろう。もっとも十分予測した上で口先三寸でどうにかなると誤魔化しただけかも知れないが。まだこれならましな方で,入局者が居ない医局というのも珍しくない。さすがに卒業生が一人も残らなかった某大学病院ほど悲惨ではないが,どこも五十歩百歩のようである。

 そんな状況がそろそろ社会的にも影響が及ぼしてきたのは昨今の報道の通り。おおむね「臨床研修制度の影響で医局から医師の派遣が出来なくなり...」の如く制度の不備であるという論調であり,何故研修制度が始まったのかに触れない。そもそも研修制度が始まる以前の論調と言えば,「専門化された医療により病気は診れても患者を診れない」云々というものだったはずだ。だとすれば現状に対する考察は「広範な医療が可能な医師を育成している過程なので移行期にに生じる不便・不利益は許容すべき」となって当然だと思うのだが不思議なことにそういう議論はない。まるで過去の報道はすっかり忘れてしまっているかのようである。

 もっとも今の制度で本当に「病気も診れるが患者も診れる」医師が養成されるのかよく分からない。「患者を診れる」というのが各分野に精通しているという意味なら2年では短すぎる(1か月しか研修期間がない科もある)。患者にとって利益があるかどうかはもう少し経過を追わないと分からない。短期的に見れば医師が引き上げられた病院の患者にとっては不利益が生じているといえるだろう。研修医にとって利益があるとすれば,充実した研究が受けられると言うよりむしろ医療現場を間近に観察したうえで自己の進路について客観的に判断する機会が与えられたことかも知れない。その結果として上記のような惨状となった訳であるが,それを制度のせいにしたり,まして研修医を責めるのはお門違いという他はない。

 ちなみに医局脱出まであと327日。


comment

Commented by みゆ at 2006-05-08 23:12 x

もし、新人の入局がない医局だと、そのまま10年目くらいの医師の奴隷労働が続くのでしょうか? 新人がはいる、入らないに限らず、待遇改善の要望は通りづらいのでしょうか? 入局しない最大の原因はなんだと思われますか?質問ばかりでごめんなさい。

Commented by DrPooh at 2006-05-10 19:03 x

 うちの場合たまたま10年目前後が多いのですが,そんな状況が続くようなら関連病院からさらに若手を引き上げて奴隷にすると思います。新人が入っても待遇は改善されにくいのですが(止めても代わりはいる),入らなくてもやはり改善されないと思います(背に腹は替えられない)。研修医が入局しない最大の原因はメリットがないと考えているからではないでしょうか。お答えになっているか分かりませんが。もしお時間があれば過去の記事も覗いて頂けると参考になるかも知れません。

Commented by みゆ at 2006-05-10 19:31 x

お返事ありがとうございました。 医局というのは独特の世界

のようですね。過去の記事も読んでみます。

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