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医局脱出へのカウントダウンarchive

2006-06-29

医師の超過勤務「是正に5.6万人必要」


昨日のAshahi.comより。本紙にも同じ記事あり。

http://www.asahi.com/health/news/TKY200606280585.html

 医師の不足や偏在の解消に向けて、厚生労働省は28日、「医師の需給に関する検討会」(座長=矢崎義雄・国立病院機構理事長)に報告書案を示した。病院などに勤務する医師の超過勤務を是正するには、最大で約5万6000人の医師が必要になると推計。ゆとりを持って働ける環境作りの必要性などを提言した。今後、専門家の議論を踏まえ、8月までに最終報告をまとめる。

 同省の04年調査によると、病院や診療所で働く医師の数は約26万8000人。医師の全体数は毎年約4000人ずつ増えているが、医療現場での医師不足は深刻化しており、同省研究班の05年調査でも勤務医の勤務時間は週平均63.3時間に達する。

 報告書案では、すべての勤務医の勤務時間を仮に週48時間まで減らすためには、どれだけの医師数が必要かを推計。病院にいる時間を「勤務時間」とみた場合、必要となる医師数は約32万4000人で、04年調査時と比べ約5万6000人不足。勤務時間を診療や会議などの時間に限定したとしても、約27万7000人の医師が必要となり、約9000人足りないとした。

 その上で、地域や特定の診療科での医師不足を解消するためには、地域の医療ニーズを把握し医師を配置するシステム作りや、産婦人科医などを地域の拠点病院に集めて医師一人ひとりの負担を軽くする「集約化」などの必要性を指摘した。

 ただ、将来推計では、病院や診療所で働く医師数は、2015年に約28万5000人、25年に約31万人、35年に約32万1000人と順調に増加すると推定され、同省は「全体では必要な医師数は供給される」と結論づけた。

 この記事を読む限りは現状では医師の労働力が不足しており医師の超過勤務でそれを補っていると読める。確かに事実はその通りなのだが,32.4万人必要な労働を26.8万人でまかなっているということは平均すると適正労働量の1.2倍ということになる。そんなに少ない訳はないのである。そもそも勤務時間が週平均63.3時間というところがそもそも実態を反映していない(80時間は優に超えているはず)のでいくら試算を試みたところで無駄。

 とはいえ,自分の知る範囲では,医師の頭数が足りないことを厚生労働省が公式に認めたのはこれが初めての筈。従来は「頭数は足りているのだが地域が偏りすぎ」と医師に責任を転嫁していた。さすがに大本営発表を続けるのも苦しくなってきたということだろうか。それでも数字を粉飾した挙げ句に,将来は「全体では必要な医師数は供給される」と結論づけるところが官僚らしい。本当に負けず嫌いだなあ。

 朝日新聞も折角厚生労働省が画期的な数字を出したのだから,得意の<解説>でご高説を賜って欲しかったのだが,あいにく本紙にもWeb版にも一言のコメントもない。解説するとすれば医師をもっと増やすべきだという論調になってこれまでの記事が否定されてしまうし,だからといって労働基準法を守るなと表だって書くのはさすがに憚られるのだろう。よって事実のみを報じてコメントなし。本当に負けず嫌いだなあ。

 医療偏在是正のため,医局脱出まであと278日。


comment

Commented by inoue0 at 2006-06-29 18:02

 労働基準法を守らせた上で医師数を充足させるとなると、診療報酬の値上げは不可避になりますから、今まで診療報酬の値下げを支持してきた手前、何も言えないんでしょう。

 まあ、しかし、それでも自社の論調をきちんと憶えているのはまだましです。忘れたふりして逆のことを言い出す新聞だってあるのだから。

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