2007-01-22
「『改革』のための医療経済学」を読む
- 作者: 兪炳匡
- 出版社/メーカー: メディカ出版
- 発売日: 2006/07
- メディア: 単行本
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アマゾンで購入してからしばらく机の上に積んであったのをようやく読み終える。さすがに新書と違って一気に読み終えるのは困難。とはいえ第一章の『忙しい読者のための総括』で結論だけを手っ取り早く読むことが出来るのは親切である。
医療経済学というと医療現場を知りもしない学者が現実と乖離した医療政策を提言するものという位の認識で読み始めたが,本論に入る前に医療政策を立案する上での判断材料を提供するものであってそれ以上ではないとまず断りが入っている。むしろ経済学は大局的で客観的であるとは限らず,主観の含まれた提言は疑ってかかるべきだと述べている。テレビや新聞に登場する医療経済学の専門家でこれに該当するひとが思い当たるのだが...。
個人的に共感したのは,単純にコストを削減することを目的とすべきではないという点。厚生労働省(ひいては政府)はただひたすらコスト削減を目的としているため,それを裏付けるための論理が結論に合わせるようにねじれてしまっている。
政府の財政負担減少を至上の課題にすれば,多くの予防医療を「やめる」ことが有効な一案です。これについては,多くの予防医療をやめることで病気にかかり早死にすると,総医療費は節約できることを諸外国の厳密な医療経済研究が示唆しています。さらに,早死にした人々には年金を支給しなくてよいので,財政負担を一層軽減できます。筆者は個人としての理念からこの案に反対ですが,読者の皆さんの賛否はいかがでしょうか。(第5章1節)
具体的な内容については素人が要約すると不正確となってしまうので実際に本書を(第1章だけでも)読むほうがいいと思われるが,従来の通説に対して否定的な主張にはかなりインパクトがある。これまで医療政策を提言してきたひとたちは,自身の主張が妥当であるというなら主観的ではない科学的な議論で本書に反論するべきである。
過ぎる日々のなか読書も良いものです。医局脱出まであと68日。
comment
Commented by ssd-clinic at 2007-01-22 23:36
壁紙が、
「いよいよっ」
って、かんじですね…
Commented by doctorpooh at 2007-01-23 04:59
そこまで狙ってませんでした。
飽きっぽいのでまた変えると思います。
Commented by inoue0 at 2007-01-23 05:56
米国の医療保険会社が、フィットネスクラブの無料利用権を契約に入れてるのは、病気を予防して給付を節約したいのではなく、もともと健康な人しか、そうした特約には反応しないので、契約者を選別できるという理由だそうです。
