人を笑わせると嬉しい気持ちになる訳

<人を笑わせると嬉しい気持ちになる訳>

人を笑わせた時に、自分もうれしいと感じる脳内の仕組みがある事が分かりました。

これは、愛知県岡崎市にある自然科学研究機構生理学研究所の角谷研究員らのグループが、神経科学雑誌「ニューロサイエンス・リサーチ」電子版に報告したものです。

研究では、被験者38名にジョークを観客に聞いてもらうように指示し、その際観客の反応に対して被験者自身がどのように感じたかを報告してもらい、同時に被験者のMRI(磁気共鳴画像化装置)画像を撮って脳の動きを調べました。

その結果、ジョークを言って大笑いの反応があった時が一番うれしく感じることが確認されました。
そしてその際の脳内では、人にほめられた時などに働く部位である、線条体が活発化していることが分かったそうです。
 また、被験者の聴覚野からの信号が前頭前野の活動によって変化していることも明らかになりました。
以上の結果から、線条体、聴覚野、前頭前野の3か所がお互いに関連して活発化しており、これらの結合の強さがうれしさの量に相関していると考えられました。

今回の結果は、他人との社会的なつながりが、脳にどのような反応を起こさせるかを示したもので、今後の研究の進展により、コミュニケーション障害などに対する理解などが深まることが期待されるそうです。