幽鬼の源

2007-03-06

[]【−3】なるほどねぇ…

まず、ネタが凡庸以外の何ものでもない。

怪異と遭遇した場所が仏間で、オチが“お盆”では、さすがに捻りようがないほどストレートな話である。

これではいくら文章が巧みであろうとも、展開のさせようがないというのが正直な意見である。

そしてこの作品で一番良くないのは、書かれた文章である。

一言でいえば“己の文章に酔っている”状態である。

独特の言い回しを駆使している部分(「理論で武装」や「鳥肌が移動」そして意図的に置かれた“体言止め”の文)が中盤に多く見受けられる。

だが、怪異の描写部分だけを取り出すと、脆弱そのもの。

特に「左(仏間)を見て右(縁側)を見た」などは、描写どころか、説明としても相当レベルが低い書き方である。

このような括弧付きの補足でしか状況が展開できないのに、本来の語法をずらして奇を衒った文を書いたところで、「変な日本語」としてしか見てもらえないだろう。

描写などの基礎的な部分でしっかりと書く訓練ができて初めて、装飾的な文が生きてくるのである。

特に怪談話は“あり得ないもの”をイメージさせるだけの筆力が求められる。

多数の読者を置いてけぼりにして自己の文章イメージに酔っているようでは、支持を受けることは到底無理ということである。

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