2007-03-08
■[超−1]【+3】置いてけぼりの荷物
“人形怪談”であるが、ほとんど怪異らしい怪異は起こっていない。
もしかすると箱の中身が動いたという現象も、単に中の人形の位置がずれただけなのかもしれない。
だが持ち主とのやりとりによって、この人形には何かがあるという暗示が見事にかけられたと言える。
怪談マニアであればあるほど、数多くの“人形怪談”を読んできた者ほど、この暗示は強烈である。
まさに“思わせぶり”で楽しませてもらえる怪談話の真骨頂である。
荷物の持ち主の最後のリアクションが少々気になるところだが、それ以外は構成も良く、寸止めの余韻が残るなかなかの良作であると思う。
怪異を直接書かなくとも怪談は成立するというお手本のような作品である。
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