2007-05-20
■[超−1]【−2】シャドーボクシング
体験者の名前から最近おなじみになっている一連の作品に属するものだと推断するが、相変わらずという印象である。
一言で断じてしまえば、全然怖くない。
怪異が描かれているのは間違いないのだが、怪談話というカテゴリーからは大きく逸脱していると言えるだろう。
特にこの作品はあやかしである男の首に関する記述がほとんどなく、あやかしと格闘(?)している“見える人”の動きだけが克明に描写されている。
このような書き方も一つの手法であることは認めるが、ここまで連作気味に出されてくると、正直かったるい。
一作だけであればこういう書き方も意表を衝いて面白いのだが、体験者の名前と登場人物の構成を見ただけで「またか」と思わせるほど頻繁に出てくると、凡庸な印象しか与えない。
いうならば、ほとんどの打席でセーフティーバントを仕掛けてくる打者である。
読者の殆どが身構えている中に、同じ手法を出してきても飽きられるだけである。
もしかすると一気に大量投稿してきたのかもしれないが、それでもマンネリズムは禁物だ。
さらに意図的かどうかの判断は難しいが、日を追うごとに作品の質が落ちてきている。
この作品でいえば、作者自身が怪異の主体であるあやかしよりも体験者の描写に必死になっているように感じる。
結局書きたかったのは怪異ではなく、服部夫妻の日常のように思われてもやむなしのようにも見える。
やはり怪談である以上、怪異が主体となる作品がまず一番であるということである。
書き方次第であやかしを活かせるという思いがあるので、なおさら厳しい意見を出させていただきたい。
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