2009-03-08
■[超−1]【−3】リベンジ
怪異体験を語っている最中に口から異物がでてきた、しかもそれがおそらく語っている女の幽霊のものではないかと推測できること自体は、なかなか怖い怪異であると言えるだろう。
そこに焦点を当てることは吝かではない。
だが、そこにピントを合わせてしまったために完全にさわりだけで終わってしまった部分の多さが余りにも多すぎる。
特に幽霊に追いかけ回されたり、眼前に顔が出てきたりする体験は、よほどのことがない限り滅多と出てくるような内容ではなく(それも心霊スポットというかなりおいしい場所である)、それをたった一言で済まして本題に入ってしまうのは勿体ないを通り越して、取捨選択を誤っていると言わざるを得ない。
内容から推測するに、スポット起こった怪異を体験者がきちんと説明し、言葉を続けている最中に本題の髪の毛の怪異がいきなりリアルタイムのように起こったとする構成が可能であると思うし、長くなったとしてもその方がむしろ強烈なインパクトを持った怪談話になったのではないだろうか。
怪異の内容については一言で済ましてしまうのであれば完全に省略した方がいいと思うし(書かれてあれば読者はどうしても気になってしまうし、詳細が書かれてある内容よりもそちらの怪異の方がより強烈なものではないかと邪推してしまう)、出すのであればそれなりのボリュームを書く必要があるだろう。
結局、読みやすいように圧縮したのはよいのだが、心霊スポットでの怪異を端折ってしまい、却って読者の要求に応えられないようなレベルの作品になってしまった感が強い。
また髪の毛の怪異についても、隠された怪異の方に興味が移ってしまい、思ったほどのインパクトも出せなかったように見える。
出すべきものは惜しみなく出すのがベストの姿勢であるということだろう。
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