2010-03-18 日本の国債ってどうなの?
ちきりんさんが面白い記事を書いている。
近い将来、国債は暴落し、日本は中国の一部になる、という話。
正直中国の一部になるのはあり得ないけど、国債の暴落は十分にあり得ます。
このまえも某証券屋さんからそういう話を聞きました。
国債の話ってインターネット上でよく出てくるのだけれど、書いている人は学者さんだったり、経済系の人ばっかりで、正直全く知識のない人には何が何だか分からない、ということもあるかと思います。
小難しい話はそういう人に任せて、そもそも「国債って何?」というところから書くと、それなりに需要もありそうなので書いてみます。
そもそも国債って何?
一言で言えば、「国の借金の借用書」です。国がお金を集めるために、国債を発行して、お金を集めます。
国債を買うのは、ほとんどが銀行や保険会社・年金機構だったりします。
みんな「国が潰れるはずがないじゃん!」と思ってるので人気が高いんですね。
銀行の本業は金貸しです。お金を貸して、少し多めに返して貰うことで、利益を得るんですね。でもどうして国債を買うんでしょう?
銀行はお客さんに利子をつけなければなりません。ただお客さんからお金を預かって金庫の中に入れていては、利子の分だけ損をする。せめて利子の分だけでもなんとかして稼がないといけませんね。
本業の金貸しでも、最近は不景気で「お金貸して!」っていう会社も少ないから、銀行とかもお金が余っちゃって、仕方ない。だから余ったお金で国債を買って、お金儲けに励んでいるんです。大変ですね。
でも銀行みたいなお客さんがいるおかげで、政府も「子供手当やー!金が要るんやー!」とか大騒ぎして、国債バシバシ出しても、買い手が見つかるんですね。
人気が高くて全員に国債を売れないから、オークションなんかして、「安い値段で買ってくれる人に国債売ります!」なんてことをしてるんです。入札方式ってやつですね。
それで安い値段で買ってくれる人から売っていって、常に価格は変動します。では、国債の「暴落」って何なんでしょう?
国債の暴落とは「利回り」の急上昇
国債の価格を知るために、私たちが一番手に入れやすいデータは長期金利です。日経の1面の右下の方に、日経平均とかと一緒に載っているやつです。正式名称を「新発10年国債利回り」と言います。
さて、見てみると、今日とかは1.355%だ。これが1.4%とか、1.2%とかになったりする。(最近はずっと1.3%台です)。
国債の暴落というのは、長期金利の上昇のことを指します。これが2%とかになると大変なことになる。
なぜ利回りが上がると、値段は下がるのか
これを説明するには、債券の仕組みを説明しなければいけないので、直感的に分かりやすい説明をします。
---------------------------------------------------------------------
利回り1.3%の国債を持っているAさんと、今から国債を買おうと思っているBさんがいるとします。
金利上昇により、市場では国債の利回りが2.0%になったとします。
Bさんは、少しでもお金を一杯儲けたい。そういうときにAさんから「僕の国債を買ってくれない?」という話を持ちかけられました。
Aさんの国債の利回りは1.3%です。「え、市場で2.0%の国債を買えるのに、1.3%?ちょっとまけてくれないと買えないなー」という話になるはずです。Aさんの国債の値段は下がりますね。
---------------------------------------------------------------------
こういうわけで、市場の金利が上がると、債券を持っている人は損をします。(金利と利回りは厳密にはちょっと違うのですが、ココでは同じ物と考えて貰ってよいです。)
国債をいっぱい持っている銀行なんかは、もしこれから金利が上がると、損をしてしまいます。
得したいから国債を買っているのに、これじゃ困りますよね?
金利が上がるとどうなる?
さて、国債が暴落し始めるとどうなるでしょう?つまり、みんなが「金利はこれから上がるぞ!」と思いだしたらどうなるのでしょう。
まず、最大の国債ホルダーである銀行が国債売りを浴びせ始めることが考えられます。これ以上持っていたらさらに損をしますものね。
金利というのも需給の関係で決まっています。ということは、売りが優勢になると、金利はますます上がってしまうのですね。
こうして金利はひたすら上がるという恐怖シナリオも考えられます。
金利がひたすら上がると、政府の利払い負担が上がっていく、政府の利払い負担が、税収を上回るとかなり危険水域です。
税収で利払いがまかなえないということは、また国債を発行してお金を返さないといけない。金利が下がらなければ延々とそれを続けていかなければなりません。金を借りて借金を返す。まさにサラ金地獄です。
この状態にはいることを「財政債務の発散過程」といいます。
こうなると、国家破綻も考えられます。これが考え得る最悪のシナリオです。
でも、まだまだ日本は対丈夫だ
実は、最近ギリシャで上のようなことが起こりそうになりました。今ではかなり厳しめの財政赤字の削減案等が出てきたため、沈静化していますが、もしかしたらIMFが入るんじゃないか、という話も出てきました。
しかし日本はまだ大丈夫です。まだまだ銀行等は国債の買い入れ余力がたくさんあるし、ゆうちょ銀行などが上限預入額を増やして、さらにお金を集めれば、それが国債購入に回ることが考えられます。
ただ、銀行が買っているということは、家計貯蓄が国債購入に回っているわけで、家計貯蓄率がマイナスになるといわれている、2014年以降はどうなるか、と言われると分かりません。
ただ、日本は一刻も早く厳しい財政削減を行い、政府債務を減らすことが必要です。ギリシャみたいに世界中の注目を浴びて相場が荒らされないようにね。
(ギリシャ問題は「統合通貨:ユーロ」の問題でもあります。それはまた別の機会に書きたいと思います。)

GDPの構成上、不況下で財政削減を行えば一層不況を深刻化させます。
そうなると税収が一層落ち込みますから国債をより多く出さなければならなくなる。
一刻も早く財政削減をという人は政府支出がGDPから独立していると思っているかのようです。