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江口哲夫の「おもいやりの世界」

2012-03-25

第24回 ローマの休日のヘボンさん

   ==この欄の作品は1998年ころから2002年の間に書かれたものです==


  ヘボン式ローマ字を小学校で習いましたね。ヘボンが人の名前であり、そのヘボン先生が考案したローマ字綴りといえば「ふ」をHUでなくFUと表したり「ち」をTIでなくCHIと英語風に表現するつづり方を日本に広めた人物の名前だということは聞いたことがありますね。

  ヘボンさんはアメリカの宣教師であり医師安政六年来日して横浜に病院を開くかたわら、「和英語林集成」という日本で始めての和英辞典を刊行しました。明治になってヘボン先生のこのつづり方をヘボン式と呼ぶようになりました。先生の名は英語ではJAMES.C.HEPBURNと書きます。

  ヘボンさんはあのローマの休日のオードリー・ヘップバーン(AUDRY HEPBURN)と同じスペルだったのです。なんと、オードリー・ヘップバーンさんは、オードリー・ヘボンさんだった。

   

  なぜヘップバーンがヘボンなのか。明治と言う時代の人々はじめて接する英語に、今以上に原音、つまり外人の発する音声に正確に反応していたのだと思います。昔読んだ本に人力車の車夫が「赤」という単語を「ウレ」と発音していたと書いてありました。

  まさに耳から入り込んだ「RED」だったようです。

  ヘボン先生がMY NAME IS Dr JAMES HEPBURN.と名乗った時、彼らの耳に聞こえたのは、ヘップバーンではなくヘボンであった相違ありません。

  ヘボンさんは日本名を「平文」と書いたとものの本にあります

  ちなみに子供達の前で英国人にHEPBURNを発音してもらって、発音を繰り返させたら、子供達はヘボンに近い言葉が返ってくるのではないか。一度試してみたいものです。

  私の母が存命の頃、いとこがアメリカ人と結婚して、生れた子供に「DONALD」と名付けたのだが、母の電話帳には「DONALD」の電話番号の上に片仮名で「ダナー」と書いていました。思うに母の耳にいとこの子どもの名前は「ダナー」と聞こえていたのでしょう。

  ハンバーガーショップの「マクドナルド」は藤田田氏があえて日本読みにしたそうですが、アメリカでは「マックダナー」の発音になるのでしょう。だとすると母は自分の耳で聞いた音声を片仮名で書き写したものと思われます。

  それはともかく、私にとって「ローマの休日」や「麗しのサブリナ」のオードリーが「ヘボン」でははなはだ具合が悪いのです。私の頭の中に「ヘボン先生」は髭を生やしたおじいちゃんのイメージが出来上がっているせいでしょう。