書籍紹介


単位物語 (講談社文庫)

単位物語 (講談社文庫)


ずいぶん前にブックセンターいとうで購入した清水義範の本。

『単位物語』

単位ってのは、あれね。学生が切望するヤツじゃなくて、数字の後に付くヤツね。いやまあ“単位”も単位なんだけど。

本作は同作者の著書『おもしろくても理科』と同じ路線で書かれた、所謂“文系作者の書く適当アホアホ算数物語”……なのかと思いきや、

重さから温度、圧力、エネルギー果ては放射能まで手広く網羅してある割と真面目に調べて書かれた『単位の不思議』的お勉強小説。

単位って重さだとkg、温度だと℃またはK、圧力はPa、エネルギーはJみたいな感じでなんとなく暗記して書いている人が多いと思うけど、

しっかり定義を勉強して使うと理科や算数に対する理解が深まること請け合い。

例えば力の単位N.

これだけじゃイマイチ“力”っていうのが何なのかはよく分からないけど、

『1Nは1kgの物体に1m・s^-2の加速度を生じさせるのに必要な力』

って定義されれば Nって単位は =1kg・m・s-2

に変換できることが分かる。

また圧力の単位Paだと

『単位面積m^2あたりに働く力』

つまり Pa=1N・m^-2=1kg・m・s^-2

っていう言わば、概念の掴みやすい単位――SI単位と呼ぶ――に変換することが可能になる。

まあこの程度の単位なら定義よりそのまま式を覚えたほうが早いと思うけど、

ボクが受けてた大学の物理化学なんかでは、計算式に単位も一緒に書いて掛け算で増やしたり割り算で減らしたりしながら最終的に答えと合わせることで検算を兼ねるみたいなことをやってた。


国語入試問題必勝法 (講談社文庫)

国語入試問題必勝法 (講談社文庫)


これは一度読んでここでも紹介したことがあるね。

表題作は大学受験生必見。



これも一度読んだことある気がしないでもないけれど、なぜか記事が見つからない。

テレビも悪徳宗教なんかと同じで規模の大きい催眠術師みたいなモンですよーって話と、

ネットの向こう側の人間を文章だけで女と思い込むのもある種自分が催眠術にかかっているからですよーって話。

初出が1994年という清水義範の恐ろしいまでの先見性が光った恐ろしい小説。


光の帝国 常野物語 (常野物語) (集英社文庫)

光の帝国 常野物語 (常野物語) (集英社文庫)


とうとう読んだ常野シリーズ。

不思議な能力を操る常野一族の今と昔を描いたお話。

桜庭一樹の『赤朽葉家の伝説』のような物語の構成。

『オセロ・ゲーム』と『草取り』が世にも奇妙な物語っぽくて読みながら頭の中に禍々しい映像が浮かんでいた。

『三月シリーズ』の新刊はまだかなー。



タイムマシン (光文社古典新訳文庫)

タイムマシン (光文社古典新訳文庫)


宇宙戦争 (角川文庫)

宇宙戦争 (角川文庫)



真藤順丈の集大成。

とうとう一人の架空の人間の生涯でさえリアルに描ききってしまった。


ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔

ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔


ネバーランド (集英社文庫)

ネバーランド (集英社文庫)



虚構機関―年刊日本SF傑作選 (創元SF文庫)

虚構機関―年刊日本SF傑作選 (創元SF文庫)


家に棲むもの (角川ホラー文庫)

家に棲むもの (角川ホラー文庫)


童子の輪舞曲―僕僕先生―

童子の輪舞曲―僕僕先生―


海底二万里 (集英社文庫―ジュール・ヴェルヌ・コレクション)

海底二万里 (集英社文庫―ジュール・ヴェルヌ・コレクション)


悩むが花―大人の人生相談

悩むが花―大人の人生相談


ここぞという言葉を太大文字にするセンスがいただけない。