遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

非キリスト者にとってのクリスマス: 私の場合

時節柄今日は山岡朋子さんに特化せず、宗教と絵画とスペイン関係で;

クリスマスの語源は、キリスト(神の子)+マス(ミサ)で、要はキリストの誕生を祝う降誕祭ですね。教会暦の一日は日没から始まり日没に終わるので、クリスマスは24日の日没から始まり25日の日没にて終わる(Wikipediaからの抜粋)ことになります。

キリスト者にとってのクリスマスは、宗教色を排して、家族や仲間が集まって愛だの平和を演出する日だったり、オトナがプレゼントと愛を交換(何故かホテルの予約が一杯になるみたいですから)する夜だったりする訳ですが、

私は、ある1枚の絵をじっくり鑑賞する日ってことにしています。Sevilla美術館に展示してある、キリスト生誕を題材とした Murillo の宗教画です。正式の題名とurlを挙げておきます;


“Adoración de los pastores. 1668. Óleo sobre lienzo.
283 x 188 cm.
 Museo de Bellas Artes de Sevilla. Sevilla”

http://www.juntadeandalucia.es/cultura/museos/MBASE/visitavirtual/PIPOS05_015.HTM


私自身ずいぶん昔同美術館を訪問時、この絵の前のベンチに腰掛けて2時間以上見とれてしまいましたが、この画家の描く女性と子供の柔らかいタッチが大好きです。プラド美術館の(確か)同画家・同名のものよりこっちがいいね。邪道かも知れませんが、母と子の物語、と私は解しています。

キリストの誕生日は、言い換えると聖母マリアの出産記念日、とも云えますね。聖母無くして神の子は存在しなかった訳ですから、母親ってリクツ抜きに偉大な存在です。その意味で、出産経験のある女性全てに

おめでとう!!

と心の中でお祝いをする日としています。実際の出産の年月日は皆ばらばらですから、毎年クリスマスにまとめて、ってことで。この絵を見ていると、自然にそんな気持ちになるのが不思議。

で、絵について更に言うと、聖母と神の子がこの絵の中心でそれは当然素晴らしいのですが、私は左端のカゴ(?)を持った女性が子供を見つめるその視線の優しさも大好きなのです。