遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

オバマ新政権の軍事政策 Watch: その14 アフガン戦闘激化 〜 イラクの二の舞

時節柄、戦争関連が続くとさすがに嫌気がさしますね。またか、の繰り返しですから−−−


想定されていたことではありますが、早くもアフガニスタンイラクの (もっと言えばベトナムの) 二の舞の様相を呈してきましたね;

アフガン戦闘激化 米は再増派「小規模」 イラク二の舞い可能性
8月3日10時45分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090803-00000530-san-int より抜粋;


−−−アフガン駐留米軍の現有兵力は約5万7千人。今年末までに1万1千人が到着し、6万8千人になる。ただ、これでもイラクに増派された米軍の半分にすぎない。ゲーツ国防長官は同司令官が増派を望むならば応じる用意があるとの見解を示しつつも、「あくまで小規模」と述べている。


 ブッシュ前政権はイラク部隊への権限移行を急ぎ、一時、治安悪化を招いた。専門家からは、オバマ政権が一層の増派に消極的な姿勢を示し続け、アフガン部隊への早期権限移譲を図った場合、「米軍増派前のイラクのようになりかねない」との声も出ている。


この記事内での 『二の舞』 とは治安悪化のことを指しますが、実際には 『泥沼化』 が正解。この記事の文脈に沿い、イラクの二の舞を避けるために大規模な増派を行ったらどうなるか?結局イラクと同じ。山岡朋子さん (横山朋子さん) 翻訳の 『ルス、闇を照らす者』 に描かれたよりも大規模・残虐で巧妙に隠された人権蹂躙、子供を含む民間人の死亡 (と云うより殺戮。この言葉が強過ぎると言うのであれば、未必の故意によるゲーム感覚での殺人) 、そして米軍去った後の傀儡政権・独裁政権の誕生と、お決まりのコースを辿ることは火を見るより明らかです。

アフガン 米無人機による攻撃、南部で多発 子供ら犠牲に
7月30日12時8分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090730-00000012-maip-int より抜粋;


−−− 1月にタリバンが村にやってきて米軍の車列を銃撃。数分後、「パイロット席のない小型機」が飛来し、ミサイル攻撃を開始した。しかし、タリバンは村から逃げた後。長男(5)と長女(4)は空爆で倒壊した家屋の下敷きになり、まもなく息を引き取った。

 「米国はなぜ我が子を殺したのか。タリバンだと言うのか」。怒りを殺した静かな口調で問いかける。−−−(中略)


−−− 無人機は先端に取り付けられたカメラからの映像をもとに遠隔操作されている。2月に無人機による空爆で母親を失ったというサンギン地区の別の村から来たミルアジャンさん(35)は「安全な場所にいる人間が、痛みも分からずに遊び感覚で人を殺しているのだろう」と語った。


選挙にしても、何が民主主義だと言いたいですね。カルザイアメリカの傀儡と思いますが、アメリカにとって都合が悪くなると濡れ衣を着せて失脚させる、タリバンのせいにして暗殺する、対抗勢力に肩入れして落選させる、アメリカのワンパターンのやり方です。決選投票に持ち込まれてごらんなさい、これも最近どこかで聞いた、 「選挙に不正があった」 キャンペーン、暴動を扇動して治安維持活動での不手際を撮影してネットで訴える−−−

<アフガン大統領選>20日実施、現職再選か 米の動き鍵に
8月9日18時25分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090809-00000020-mai-int より抜粋


−−− 人気低下に危機感を抱いたカルザイ氏は、前回大統領選に立候補したウズベク軍閥トップのドスタム将軍やハザラ人軍閥のモハケク司令官らに新政権での重要ポストを提示し、選挙協力を要請。第1副大統領にタジク人軍閥のファヒム氏を迎えたことで、国内第一勢力のパシュトゥン人のカルザイ氏が「全民族和解」を印象づける。

 その上でカルザイ氏は、当選後にタリバン指導部と「本格対話を始める」と公言。タリバン支持層の取り込みも狙う。

 オバマ米政権は今春以降、カルザイ政権の「汚職」への非難を強め、カルザイ氏の実弟が麻薬密売に関与していると指弾。国内の「カルザイ非難」が高まる結果となった。さらに7月、ドスタム氏が01年11月に関与したとされる投降タリバン兵大量死事件の「調査」を命令。「カルザイ氏は戦争犯罪者の軍閥を取り込んでいる」と非難する人権団体と呼応し、カルザイ氏を揺さぶる。

 背景には、米国の後ろ盾で政権を維持しながら、米国批判を強めるカルザイ氏へのいらだちがある。しかし同氏陣営は、「将来的な米軍撤退も視野に入れた政権作りが必要」と立場の違いを示す。

 これに対し、他の有力候補は知名度が低く、民族を超えた支持の広がりには乏しい。このため、「決選投票に持ち込めば米国の支持が得られる」(アブドラ陣営)とカルザイ氏へのネガティブキャンペーンを強める戦術だ。


私は、先日紹介しましたマハティールさんの言葉 『戦争は犯罪だ。紛争解決の手段として用いられてはならない』 には諸手を上げて賛成します。無知で 「善良な」 アメリカ人 (と、それにあこがれる日本人も) は、自分達が正義のために犠牲を払って、「虐げられた」 国を解放するために戦っているのだ、と思っているのでしょうが、大きなお世話どころか大変な迷惑ですね。ハッキリ言うと、 アメリカの考える自由だの民主主義など、ひとの命と引き換えるほど価値のあるものではない


こんな国の国家元首核兵器廃絶と口先では言っても、果たしてどの程度のことが出来るのか? どうせ自国の国益になることしか考えていませんって。