遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

田中宇さん記事の紹介: 官僚が隠す沖縄海兵隊グアム全移転

普天間飛行場の移設問題について日本のマスコミがごたごたと騒いでいます;

http://sankei.jp.msn.com/world/america/091209/amr0912092319013-c.htm
日系の米議会重鎮、イノウエ上院議員普天間問題で鳩山政権に苦言
2009.12.9 23:17 msn産経ニュース


 【ワシントン=古森義久】米国議会の民主党長老でオバマ政権への影響力も大きいダニエル・イノウエ上院議員は米軍普天間飛行場の移設問題について日米両国政府の合意履行の重要性を強調し、合意の見直しを求める日本への深刻な懸念を表明した。この発言は普天間問題に関する米議会側の初めての正面からの見解表明であり、同議員が沖縄駐在の米海兵隊のグアム移転を審議する上院委員会の委員長であることからしても、米国議会全体としての鳩山政権への批判の前兆とも受け取れる。 (以下略)


この新聞は何の記事を書こうが要するに 「鳩山政権はアメリカ様を怒らせる悪い政権だ」 と言いたいのでしょう。状況が変われば当然約束 (あるいは契約) の変更はアリですよ、正当な違約金なり補償は必要ですが。だからこんなのは言わせておくとして、以下、大変おもしろい記事を紹介します;

  1. 日中防衛協調と沖縄米軍基地:2009年12月8日 田中 宇


  2. 官僚が隠す沖縄海兵隊グアム全移転:2009年12月10日 田中 宇
    (上掲記事の続き)


アメリカが、既にその必要も無くなったのに日本に居座ろうとする唯一の目的はカネかも知れません。イノウエ日系議員様もそれでメシを食っていらしゃるのでは? 日米安保を破棄してしまったら、カネとイノウエさんのクビ以外でどんな問題があるか? イスラエルやロシアから核ミサイルが飛んで来るとは思えないし、アメリカが仕組まない限りアルカイダがテロを仕掛けて来るとも考えにくい。(動機が無いでしょ?) DRPKや軍拡中の中国が日本の国防にとって脅威だと云うなら、軍備ではなく外交でその芽を摘む方が日本の国是にかなっているから、アメリカに関わっているより両国との外交を最優先とすべき、と云う考えもアリでは? ただし亀井さんが全く異なる文脈で吠えておられた様に、その外交をセコい木端役人に任せてはいけませんが。今はやりの?海賊は来るかも知れませんが、現有能力で充分撃退出来ますね。


ついでに宣伝; 長年その記事を購読させてもらっております田中宇さんの新刊です;


【日本が「対米従属」を脱する日--多極化する新世界秩序の中で】
単行本: 288ページ
出版社: 風雲舎 (2009/12/10)
ISBN-10: 4938939576
ISBN-13: 978-4938939571
発売日: 2009/12/10


田中さんの主張の中で、私は 「隠れXX主義 (真意を達成するために意図的に逆のことを言う)*1 」 の考え方だけはどうもしっくり来ませんが、国際情勢の分析に関して光るものをお持ちと思います。

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*1:例えば;
−−− グアム移転を一気にやると、日本から米国にあげるお金が減る。だから、米国のルース駐日大使は、鳩山発言後の日本側との協議の場で、異例の激怒をした。しかし、以前の記事に書いた10月のゲーツ国防長官の訪日時の「激怒」以来、私は、米高官の対日激怒は、長期的に見て日本人が米国の傲慢さに腹を立てる方向に寄与するので、米国からの自立を目指す鳩山政権に対する、隠れ多極主義の米中枢からの「応援」ではないかと感じている。
以上、上掲「日中防衛協調と沖縄米軍基地」より