遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

アメリカ軍がアメリカ国外でやっていること、子どもを含む民間人の被害

『正義の執行者』 として海外に派遣されるアメリカ軍に関し、 Falluja, April 2004 - the book ---- 英語を通して日本から「イラク」を見る。/ 益岡 賢さんブログ 中興味深い記事が訳出されていますので以下紹介;

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    最終更新:2010-02-15 20:58:06, みんなの翻訳
    (上掲益岡さんブログ内でも翻訳・原文へのリンクが貼られています。)


    −−−2009年12月27日、アフガニスタンの東部クナル州で、深夜に襲撃捜査を仕掛けた米軍は、学齢期の子ども8人を含む10人のアフガニスタン人をベッドから引きずり出して射殺した。8人の子どもたちは11歳から18歳だったとアフガニスタン政府の調査団は語っている。 *1


    この事件は、米軍兵士がイラクアフガニスタンを占領中に犯した数限りない残虐行為の一つにすぎない。イラクアブグレイブで米軍兵士は捕虜に拷問を加え、米軍の暴力でイラク人市民は苦しみ、バグダードでは米軍兵士が学童を拘束し・・・・・・残虐行為のリストは際限なく続く。 (中略)


    現在進められている「対テロ戦争」においても、残虐行為と見なされるべき行為をこれと同様、合法化しようという態度は続いています。例えば、ジョン・ヨーをはじめとする米国政府の法律顧問が懸命に拷問に合法的装いを凝らそうとしたことは誰もが知っています。これについても他の点においても、米国政府はトクヴィルアレクシ・ド・トクヴィル - Wikipedia) が (その著作 アメリカの民主政治 - Wikipedia の中で) 述べたように振舞っているのです。 (中略)


    司令官や将校は、どうして兵士たちの人間としての基本的なニーズを考慮しないのでしょうか? その答えの一つは、真に民主的な社会では、個々人は抗議し、睡眠やPTSD治療を含む基本的なニーズを満たす権利を求めることにあります。けれども、軍は権威主義的な社会なので、どうやら兵士たちは命令に服従する以外にとるべき道はないのです。こうしたことを一つの理由に、私は、軍を機能不全と結論した (以下略)
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    最終更新:2010-02-21 11:43:03, みんなの翻訳


    −−−殺人は日常的に起こっていたようで、残虐行為と考えられてさえいなかったようなのです。兵士たちが私に語ったところでは、指定された「標的」を殺す任務に送り出されることは日常茶飯事だったのです。店員を見つけ出して妻と子どもたちの前で殺したと生々しく語った兵士たちもいます。法廷記録にも「殺せ=殺せ」命令----標的に降伏する選択肢を与えない命令です(降伏する選択肢を与える場合は「殺せ=拘束せよ」命令)----についての証言があります。実質上、作戦使命の多くは、チェイニー副大統領が在職中に言った「処刑部隊」の任務だったようです。ですから、軍や政府、兵士たちにとって、こうした作戦任務は「残虐行為」と見なされていなかったのです。 (中略)


    どうやら、米軍は世界に向けて、自分たちは敵よりまともだという「メッセージ」を送りたかったようなのです。そのための一手段として米軍は周期的に一部の兵士を投獄することで戦争犯罪は許容しないという見せかけの申し開きをしているのです。実際には、日常化している「殺せ=殺せ」命令そのものが戦争犯罪に該当するのですが。言い方を変えるならば、このケースおよび関連する殺害のケースには政治的な意図があったということで、起訴される兵士たちは任意に選ばれており、軍はそうした兵士たちを使い捨てと見なしているということです。 (中略)


    概して、米国は民主主義に基づくにもかかわらず、命令責任原則という確立した原則に訴えて、その命令により残虐行為を引き起こすことになった「地位と身分のある者たち」を起訴していません。改めて言いますが、これは軍事問題や法律問題にとどまるものではなく、より広い文化的な問題なのです。最近のウォールストリート暴落でも、現在の経済危機を引き起こした「泥棒王」たち(ソースタイン・ベブレンの言葉です)は責任を逃れたばかりか、自分たちだけご褒美まで手にしています。一方、多くの平均的なアメリカ人が家や仕事、未来を失っています。泥棒王たちの判断が誤っていたためです。政府はウォールストリートの企業救済に乗り出しましたが、一般のアメリカ人の救済は行なっていません。今日の米軍でも、同様の原則が働いているようです。スティール大佐が出した交戦規定により「鉄の三角地帯」作戦の悲劇が起きたにもかかわらず、大佐はそのまま無事引退してあらゆる福祉を受け取るでしょう。一方、彼の命令を遂行した下級の兵士たちは刑務所に入れられています。アメリカにおけるこうしたエリート主義と民主主義の文化的乖離はすでに例えば『The Power Elite and White Collar *2 』を書いた ライト・ミルズ - Wikipedia のような社会学者によって研究されています。けれども、大きな文化的覚醒がなければ、アメリカ文化に見られるこの奇妙な様相が近い将来変わることはなさそうです。


ぞっとしませんか? 戦争に勝ってイラクの元大統領を縛り首にして喜んでおりましたから、正に勝てば官軍。たとえ負けたとしても責任者は東京(茶番)裁判の様に断罪・処刑されることなく、下っ端をスケープゴートにして胸を張る様な国です。法律議論も我田引水の屁理屈のこねまわしにしか聞こえず、弁護士が胡散臭い商売No.1と呼ばれるのは当たり前。兵隊さんが可哀そうと云う気も少しはしますが、手を下している以上実行犯。戦争犯罪の主犯は常に安泰である様な仕組みは、私は到底容認出来ませんがね。


一方、ベトナム戦争時の 枯葉剤 - Wikipedia による健康被害と同じ様な状況が生まれています。アメリカ兵自身にも被害が発生しているとしても 『主犯』 に賠償請求するなり勝手にしてもらえばよいのですが、戦地のこどもが犠牲になっているのが大問題です。同じく益岡さんブログから拾いますと;

子どもの白血病がイラク南部で倍増している
サイエンスデイリー(アフターダウニングストリート経由)
2010年2月23日、益岡賢のページ


−−−ScienceDaily(2010年2月18日) American Journal of Public Healthに発表された「Trends in Childhood Leukaemia in Basra, Iraq (1993-2007), ABSTRACT」と題する研究によると、イラク南部のバスラでは小児白血病の発症率がこの15年間で2倍以上になっているという。  (中略)


研究対象となった期間に、バスラおよび周辺の農村や油田を含む人口密集地帯は戦場となり、1980年代のイラン=イラク戦争、1991年の米国による第一次イラク侵略、2003年の第二次イラク侵略と、立て続けに3つの戦争で被害を受けた。

著者たちはこの研究結果を受けて、症例対照研究により白血病を発症した子どもたちと発症しない子どもたちを比較し、イラクにおける小児白血病の発症率増加の原因を理解しようと試みている。それにより、発症者と非発症者のあいだに毒物に対する接触の違いがあるかどうかを観察することができる。小児白血病に関係するものとしては、地域の石油火災で副次的に生じた物質、燃料供給が途絶えたため子どもたちが路上で売るようになったガソリンからくるベンゼン、戦争に関係する神経ガスや毒薬、劣化ウラン弾の広範な使用などが考えられる。


枯葉剤同様に、劣化ウラン弾と症状との因果関係は必ずしも明らかになっておらず、 劣化ウラン弾 - Wikipedia によると;


とまで言われています。更に同サイトから引用しますと;

  • これらの指摘・症状と劣化ウランとの因果関係の証明には、疫学的に有意なデータを得るだけでも膨大なサンプル数の確保と時間が要求されるため、標本の量・質とも決定的に不足している現段階では、シロ・クロのいずれとも結論を出すのは困難であるという指摘がある。また、性質上その被害が発展途上国に集中しやすく、軍事衝突でのみ被害が発生するため、企業による研究資金の拠出がほとんどないことも、この分野の研究の困難さに拍車をかけている。


因果関係が不明なら、原因となり得るものを全て除去すべきです。もし欧米先進国で子どもにその様な健康被害が出たらそうするでしょう。政治的な駆け引き行っている間に被害が拡大する可能性があります。


イラクにおける(小児性)白血病および劣化ウラン弾放射能汚染に関して私は以下サイトを参照しています;

  • Iraq to sue US, Britain over depleted uranium | CounterVortex
    Submitted by WW4 Report on Thu, 02/04/2010 - 17:20.


    −−−Iraq's Minister of Human Rights, Wijdan Mikhail Salim, told Assabah newspaper that the suit will be based on reports from the Iraqi ministries of science and the environment finding an increase in the number of babies born with defects in the countries' southern provinces. The US and UK are said to have dropped nearly 2,000 tons of depleted uranium bombs following the 2003 invasion.


我々オトナは一体何をやっているのでしょう。

*1:以前書きましたこの蛮行について追いかけていますが、新たな情報が途絶えています。

*2:1冊の本に見えますが、実際には The Power Elite - WikipediaWhite Collar: The American Middle Classes - Wikipedia の2部作の様です。