遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

レアアースって??

アメリカ従属・反中国の動きが現実化・深刻化する中、タイミングよく中国のレアアースが話題に上っています。レアな土? 聞き慣れないコトバですが;

希土類元素 - Wikipedia


希土類元素(きどるいげんそ、rare earth elements、レア・アース)は、スカンジウム 21Sc、イットリウム 39Y、ランタン 57La からルテチウム 71Lu までの17元素からなるグループである(元素記号の左下は原子番号)。 −−− 金や銀などの貴金属に比べて地殻に存在する割合は多いが、単独の元素を分離精製するのが難しいため2007年の現在でも「Rare=稀」な元素である。 (中略)


中国が世界の産出量の90%以上を占めており、その他の産地もインド、オーストラリア、ブラジルなどに偏在している。日本は世界需要の約半分を占めるが、大部分を中国からの輸入品である風化花崗岩に頼っている。最近の中国の経済成長によって中国からの輸出が減少しており、世界的な需給バランスの逼迫が懸念されている。


もう市場には出回っていないでしょうから上掲記事から引用しますと、むかぁ〜し、 「キドカラー」 をウリにしていたテレビがあったのを覚えていますが、それって 「輝度」 と 「希土」 からもじって名付けられたものなのですね、日立さん ⇒ キドカラー - Wikipedia


レアアースの問題は最近突然降って湧いた訳ではない様です;


世界が中国のレアアースを乱開発
  「人民網日本語版」 2009年4月15日

乱開発懸念で輸出規制論が台頭=日米ハイテク産業支える中国のレアアース―全人代代表
  2009-04-01 11:51:43 配信, Record China


では、どれだけレアなのかと云うと;



「欧米にも大量のレアアース」、埋蔵量の真相−中国メディア(1)
  2010-09-01(水) 151838 [サーチナ]


−−−米国が発表した報告書によると、「中国が世界のレアアースを支配している」という非難は作り話で、実際には中国のレアアース埋蔵量は世界の3分の1に過ぎず、欧米にも大量のレアアースが埋蔵していて、彼らはそれを隠しているという。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。 (以下略)


「欧米にも大量のレアアース」、埋蔵量の真相−中国メディア(2)
  2010-09-01(水) 162319 [サーチナ]


−−−米国のエネルギー政策アナリストのMarc Humphries氏は7月23日、「レアアース:世界のサプライチェーン」という報告書を国会に提出した。これにはレアアースの用途や世界のレアアース資源のサプライチェーン、米国のレアアースに関する法律が詳しく分析されており、「中国」という文字も頻繁に出てくる。「中国の役割」と「中国の輸出政策上の挑戦」の2つの章には、中国の09年のレアアースに関するデータが詳細に記載されている。 (下記掲載)


問題の報告書
 
出典: Rare Earth Elements: the Global Supply Chain, Marc Humphries / Analyst in Energy Policy, July 28, 2010
    6ページより抜粋


参考:
 中国レアアース産業の現状と展望
    旧い資料ですが。2001年あたりのもの?    



そんな中、 レアアースで中国に「なめられた」経団連 大臣欠席、次官も早々に会議から退席 / 2010/9/15 20:02, J-CASTニュース と報道されています。「中国になめられた」 など、何様のつもりか? 日本の財界が、今でもあると勘違いしている威光を振りかざして解決する様なハナシではないことをさらけ出したデキゴト。経団連幹部が 「今後もあらゆるルートを通じて中国の見直しを迫る」 と息巻いている様子、まあやってみなはれ。訒小平がかつて 「中東に石油があるように、中国にはレアアースがある」 と言ったそうですが、軍事上の戦略物質でもあります。裏は取っていませんが、DPRKにも埋蔵されているとか先日紹介したアフガニスタンにも埋蔵されているというハナシもある様ですが、いかんせん日本はアクセス出来ない。


自国のチカラを過大評価した政治家や財界人とは違い、幸いなことに日本の素材産業・製造業には現実的な解決策を産み出せるだけの研究開発・製造能力がある、と信じます。リサイクルだって立派な選択肢ですね? 上掲ウィキペディアによると、 『−−−最近の研究で日本国内のマンガン鉱床に花崗岩を上回る割合で希土類元素が含有されている事が判明し、現状打破の新たな資源として注目されている。また、火力発電所等の集塵機で回収される石炭や石油の灰にも含まれている為、今後の利用促進が期待される。また、海底のマンガン団塊やコバルトクラスト、熱水鉱床等の海洋資源も供給源として期待される。』 とありますから、代替案は研究されているハズ。前にも書いたと記憶しますが、中国に限らず第三世界はいつまでも 「安価な資源・労働力」 の供給に甘んじてはいません。


我が日本国政府には何が出来るかって? 『対米従属・反中・それ以外は場当たり的に対応』 と云う、それなりに立派な外交政策の下、ダメもとで、アメリカ様にお願いして軍需用から分けてもらえるかおネダリすること位では? ボリビアのリチウム争奪戦でもお隣の明博ちゃんに負けている (もう負けたかな?) みたいだし、中国との関係は最悪の方向に向かっている様ですし。


蛇足ながら、現在問題となっている尖閣問題に関するアメリカでの論評を一部紹介;


More on the Senkaku/Diaoyu Islands
  By NICHOLAS KRISTOF, September 20, 2010, 2:05 pm / NYT

 Look Out for the Diaoyu Islands
  By NICHOLAS KRISTOF, September 10, 2010, 6:07 pm / NYT


アメリ日系人の重鎮イノウエ様の発言 日本は安保に責任を=「米軍、永久には駐留しない」―イノウエ議員 / 時事通信 9月21日(火)10時49分配信 についての報道もありますから、アメリカ様に出来るだけ迷惑かけない様にしなければ。