縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

山西アカリ!ふるさとありがとうライブ in きびドーム

朝日新聞和歌山版
ときめく★楽・音・生・活
望郷の思い、応援歌に変身
山西アカリ!ふるさとありがとうライブ in きびドーム

有田郡町村会観光大使、そして有田みかんアンバサダーという演歌歌手・山西アカリさんが、ふるさとありがとうライブinきびドーム(有田川町)を開催します。アカリさんは、1991年、有田川町生まれ。地元で歌っている頃から、歌謡ファンにはよく知られ、東京に出る前に聞いたパンチのある歌声と個性的な衣装は、今も記憶に残っています。

2008年の「NHKのど自慢」田辺大会で優勝し、グランドチャンピオン大会に出場。その後、氷川きよしさんを育てた作曲家・水森英夫さんに師事。3人組演歌ガールズグループ「水雲-MIZMO-」のセンターとしてデビュー。米国での公演など華々しいキャリアと水森英夫門下生としての長い間レッスンを積み、22年「拝啓 みかんの里」でソロデビューを果たしたのでした。

冬になるとみかん取りの手伝いもしていたアカリさんにふさわしい望郷演歌。セカンドシングルも「紀ノ川よ」とふるさとへの思いをこめた作品が続きます。彼女が歌うと、明るく元気のわく応援歌になります。スポーツ大好きで、東京マラソン2024は、 初のフルマラソンながら4時間少々で完走。得意のイラストを活かし、月刊誌「歌の手帖」に漫画を連載するなど、ともかく明るく楽しい彼女なのです。

この3月のNHKの「新・BS日本のうた」出演など、テレビやラジオに登場する機会も増え、坂本冬美さんや田川寿美さんに次ぐ歌い手へと、みんなで応援していきたいものです。

今回のライブは、5月18日(土)午後2時から、参加は無料ですが、整理券がいります。整理券の配布は4月4日正午から、有田川町商工観光課(0737-22-4506)、湯浅えき蔵1階観光交流センター(0737-63-4123)道あかり(広川町)(0737-22-3101)で行います。

北島佳奈バッハ無伴奏ヴァイオリンの響き

わかやま新報 
とらふすクラシック・347
北島佳奈バッハ無伴奏ヴァイオリンの響き
           LURU HALL 支配人 田口雄基

ホールを一つの楽器のように、響きを自在に操るヴァイオリニスト・北島佳奈さんによる独奏会「北島佳奈バッハ無伴奏を弾く〈ソナタ&パルティータ全曲演奏会Ⅱ〉」が4月21日(日)午後2時から開催されます。

この公演は、全6編からなるバッハ「無伴奏ヴァイオリン」全曲演奏会の後編にあたり、昨年11月に満員御礼で開催された全曲演奏会Ⅰは、ご本人が「ここで演奏するとヴァイオリンが喜ぶ」「今日、ここでしか生まれない響きを楽しんでいってもらいたい」とおっしゃっていた通り、演奏も響きも大変充実した素晴らしいものでした。

ヴァイオリンやチェロなどの弦楽器は、表板と裏板の間に挟まれた「魂柱」と呼ばれるたった一本の木材によって弦の張力で生まれる強い圧力を支えており、この魂柱が弦の振動を楽器全体に伝え、豊かな響きを生み出しています。そして魂柱のわずかな位置の違いが楽器の音量、響き方、音色に大きな影響を与えています。

紀州天然木材の反響板がふんだんに用いられたLURUHALLにも、そんな“スイートスポット”があります。前回のリハーサルの際、ステージのオススメのポイントにご案内したところ、北島さんは、立ち位置の数センチの違いや、楽器を構える姿勢の違いでどのように響きが変化するのかを把握され、その特性を演奏にどう取り入れるか楽しそうに工夫を重ねていました。

そして本番、弱音部で繊細なタッチを強調したいシーンでは一歩進み出て弦の鮮明さを高め、たっぷりとした響きで豊かさを出したい局面では、ホールのスイートスポットから天井に向かって音を飛ばすといったように、ホールの響きを楽曲表現に一体化させ、お客様を含めた一期一会の時空を創り上げてみえたのがとても印象的でした。

4月21日の後編では会場席はもちろん、そんな響きを特等席で聴けるハイレゾ・バイノーラル配信もございます。北島佳奈さんが奏でるバッハ無伴奏ヴァイオリンの珠玉の響きをぜひ、その耳でお確かめください。

プロフィール
1986年、岐阜県生まれ。MUSIC ENGINEER、空間録音家。
2012年より、音楽の新しいカタチ、バイノーラル録音で時空を超え、
繋がる歓びを追求するANIMA ―魂を繋ぐ音― 主宰。

森田純子 Heartful Flute Recital 「あの頃」Those Days

わかやま新報
とらふすクラシック・346
森田純子 Heartful Flute Recital
    「あの頃」Those Days

和歌山市の商業地域・ぶらくり丁に隣接するようにあった和歌山市立本町小学校。運動会などのイベントは地域を巻き込んで大きなイベントとなり、楽しい盛り上がりを見せていました。本町小学校を卒業すると、お城の前の伏虎中学校に進むのが大半でした。かくゆう私も両校の卒業生です。

2017年4月から、県下初の小中一貫校の「和歌山市立伏虎小中学校」が創立され、その創立に伴って、同中学校区内の本町・雄湊・城北の3小学校が統合されました。新しい小学校は「和歌山市立伏虎小学校」。本町小学校の生徒はこの小学校に通うことになり、その長い歴史の幕を閉じることになりました。

母校がなくなる時、同窓会を開いたのが、本町小学校昭和42年度同窓生。「私たちの頃は、40名クラスで4組もあったのにね」と思い出話に花が咲く中、音楽家となりフルート奏者と活躍している同窓生がいることがわかり、いつかみんなで演奏会を開こうねと盛り上がったそうです。そして、伏虎中学校の跡地に建っ和歌山城ホールで心あったまる懐かしいコンサートを開くことになったのです。

そのフルート奏者は、森田純子さん。大阪教育大学特設課程フルート専攻卒業。日演連オーディション、NHK 洋楽新人オーディション合格。NHK-FM「午後のリサイタル」に出演など、国内外で音楽活動を重ね、今までドイツで4枚のCDをリリース。サロンコンサートや森のコンサートに出演するなど幅広く活躍されています。

プログラムは、「魔女の宅急便~海の見える街」、「タイタニック~愛のテーマ」、「トップ・オブ・ザ・ワールド」、ビアソラ・タンゴの歴史、「カルメン~間奏曲」、ボロディン「韃靼人の踊り」など、ジャンルを問わずにハートフルな曲ばかり。ピアノ伴奏は、細田紗希さんです。

この演奏会は、4月6日(土)午後3時から、和歌山城ホール小ホール。チケットは大人2千円(当日500円増)、高校生以下1500円。問合せは、090-6669-6965まで。

和歌山Jrアンサンブル令和5年度修了演奏会

わかやま新報
とらふすクラシック・345
和歌山Jrアンサンブル令和5年度修了演奏会
「一流」と「音楽の喜び」を体験する和歌山Jrアンサンブル令和5年度修了演奏会が、3月31日(日)午後2時から、和歌山県立図書館メディアアートホールで開催されます。2015年に同館で行われた東京藝術大学音楽学部 「早期教育プロジェクト2015 in 和歌山」を機に、県下の優れた才能を発見、開花させ、夢の実現に繋げることを目的にはじまりました。

第6回目となる今回は、昨秋の公募募集からスタート。1月に2回、2月に1回、そして3月に2回のレッスンを経て、成長していく子供たちがアンサンブル発表会に臨みます。代表講師は、東京からお招きしたヴァイオリンの澤和樹さんと澤亜樹さん、そして和歌山在住のピアノの宮下直子さんです。今回の見所のひとつは、3月29日(金)と30日(土)の最終の2回のレッスンが公開で行われ、澤和樹さんの熱心な指導ぶり・・・一言一言で子供たちの音が変わっていくのを、目の当たりにできることかもしれません。両日とも午前11時から午後5時まで行われるレッスンの聴講は出入りが自由、お気軽に参加できます。

今回の参加者は、中村心春さん(フルート)、中井理菜さん(チェロ)、濱野心さん、大坪咲さん(ヴァイオリン)、岩見虹花さん、柴田陽さん、三木麗結さん(ピアノ)。過去に、ジュニア・アンサンブル講座を受けた先輩たちも参加し、盛り上げてくれそうです。

予定されるプログラムは、モーツァルトアイネ・クライネ・ナハトムジークより(全員合奏曲)、ショスタコーヴィッチ:ヴァイオリン、フルート、ピアノによる5つの小品、ドヴォルザーク:ヴァイオリンとピアノのためのソナチネサン=サーンスクラリネットソナタシューマン:3つのロマンス等です。

この修了演奏会には、ヴァイオリンの澤和樹さんとピアノの宮下直子さんによる講師演奏も特別に行われます。いずれの3日間とも入場は無料です。この機会に、ぜひ県立図書館メディアアートホールへお運びください。

「わたくしの作文」はこにわ日記。僕とカイロス

「わたくしの作文」
 はこにわ日記。
  僕とカイロス
      後期高齢者1年 岩橋和廣

僕は今、和歌山県の一番南にある串本に来ています。ロケットカイロスの打ち上げを応援しにきました。なぜ応援するのかというと、小さい頃から、鉄道模型やプラモデルなどが大好きだったからだと思います。そして。もう一つの理由は、ロケットカイロスをみんなで応援する歌を作ったからです。僕は、曲を作ったり、楽器を弾いたりできません。カラオケも歌えません。でも永い間、レコード屋をやっていたので、そういうことが得意な皆んなを知っていたのです。

入場パス

ロケット基地が和歌山にくると聞いた時、とても嬉しかったです。すぐに地図を広げて考えました。パソコンから見る地図はとてもかしこくて、すぐにどこかわかりました。どこから見たら一番かっこいいかなと想像したら、すぐに思いつきました。基地の向かいになるようなところに、紀伊大島という島がありました。串本節という民謡で日本中に知られたという島です。島の先ちょは樫野崎という岬になっていて、ここから見るといいなと思いました。

樫野崎燈台

ここから、宇宙に向かうロケットの歌を作れたいいなと思いました。ロケットは科学のかたまりと思っていたので、ドラマチックにしたり、ロマンティックにするのは大変かなと感じていましたが、ここなら、古い燈台があって、映画にもなったトルコの軍艦のこともありました。南の島の大自然もあります。歌の舞台にはとてもいいと思いました。東京から作家の先生に来てもらって、串本を回りました。今日の応援会場になる田原海岸も行きました。樫野崎の燈台に登って、ロケット基地の方を眺めたりしました。串本町の役場にも行ってお話を聞きました。図書館に行って資料も見ました。こうして出来上がったのが「樫野崎の絆〜カイロスの星〜」です。演歌歌手の宮本静さんが歌ってます。最初の千枚がもうすぐ売り切れるほどと聞いて、とても嬉しいです。検索したら、動画が見れるので、見てください。

ロケットの応援は、凄い人気でチケットが取れずに困りました。最初の販売した時は、発売日を間違えて覚えていて、すぐに売り切れで取れませんでした。僕のミスです。その後に売り出された、チケット付きのバスツアーを買うことができました。こうして、最初の打ち上げ応援に来ることができました。会場はすごい人で、一番最初にロケットカレーを食べました。おいしかったです。地元の高校生のみんなが考えて作った応援カレーです。食べれてよかったです。大きな画面にカイロスが映っていました。その前のステージで、ラジオでよく聞く、お笑いのわんだーらんどさんとカウントダウンをしました。3、2、1、となっても飛ばないのでびっくりしました。でも、延期ということだったので安心しました。

打ち上げ応援会場の大型ビジョン

今日は、その延期された打ち上げの日です。ここにくるのも大変でした。でもロケットの皆さんに比べたら大したことないです。持っているチケットで、行けると聞いていました。でもバスは出ないので、他の方法で行くしかありませんでした。電車は、僕の住む和歌山市から、各駅停車です。特急はありません。途中の紀伊田辺で乗り換えて行くことができます。4時間くらいかかりそうですが、いけないことはありませんでした。座れないほど、大混雑になると一年生の僕は、しんどいので、車で行くことを考えました。車で行くには、駐車場がないといけないのです。パソコンの地図を見て、応援会場まで歩いていけるところを探しました。一軒の宿屋「はこにわ」が見つかりました。メールで聞いてみたら、なんとOKでした。この幸運に、万歳をしてしまいました。

シェアハウスはこにわ@串本田原

こうして、昨日の晩に着きました。シェアハウスというところに泊まるのは初めてです。エアコンのない部屋しかないので、寒いのは苦手な僕は、毛布を二枚持ってきました、丁度よかったです。お風呂は、途中のすさみの温泉に行ってきました。晩御飯は刺身とご飯と味噌汁でした。シンプルでよかったです。朝ご飯の鯖のミリン千もおいしかったです。オーナーさんは、一年前に高知県から移住してきたそうです。どうして串本に来たんですかと聞いてみました。サンゴの海に潜るためですと言いました。高知もいい海があるのに思いましたが、何年か前に、水温が異常になって無くなってしまったそうです。自然は大事やなと思いました。やぎが好きで、庭の柵の中に一頭いました。アヒルもいました。面白い人やと思いました。とてもいい人です。

カイロス打ち上げ前日ミニセミナー

びっくりしたことに、着いた夜に、カイロス打上前夜ミニセミナーがありました。僕はいつもは寝ている時間でしたが受けました。先生は、東京のロケットコンサルの会社の社長さんです。この宿に、長く泊まられているそうです。CD「樫野崎の絆〜カイロスの星〜」の発表で、ロケット商談会というのがありました。その時、お世話になっていたので尚更驚きました。やさしいお話でよく分かりました。たった4人の宿泊者のために、仕事を終えてからもロケットのお話をしてくれました。社長さんのロケットへの強い熱意に心が打たれました。社長さんたちは、今朝も早くから、ミーティングをされ応援会場に行きました。ここは社長さんの秘密基地だったんだと思いました。
さあ、もうすぐです。空がヘリの音でにぎやかになってきました。出かけます。カイロスロケットの応援会場へ行きます。前回と同じ田原海岸です。今日はきっとあがってくれると思います。イッテきます。

カイロス打ち上げ応援会場@田原海岸

あとがき
長文ありがとうございます。こんな気持ちにさせるのも、ロケットの力かなと思います。この山間のシェアハウスかもしれません。なんにもないのですから。シランケド。同じ気分で描いた長文が、この日曜日のグッドモーニング!珈琲@新宮の写真のコメントにつけています。お暇だったらご乱ください。
あとがき2
この宿がとれたのはキャンセルがでたためです。いち早く延期日を察知したファンが、ここを押さえたのですが、会社の休暇申請がうまくいかなかったそうです。複数人いたそうです。自由がきくことのありがたさよ!
「わたくしの作文」1968年から続く長寿ラジオ番組
小・中学校児童生徒の作文を募集し和歌山放送の電波を通じ放送することにより、児童生徒の表現力や創造力を一層のばすととも、広く一般の作文に対する関心を高め国語教育振興の一助とする。

グッドモーニング!珈琲@ごとびき屋〜くろしお茶話

グッドモーニング!珈琲なう。
〜くろしお茶話〜
#珈琲 #ごとびき屋

今回のロケット応援、なんとか紀伊勝浦に宿を得てからは、翌日の朝のコーヒーは、新宮でと決めていたように思うふ。さて、当日つまり今朝のこと、ググってやって来たのが、このごとびき屋さん。熊野速玉大社の門前にあり、その店名と店構えから、以前から気になっていたが、初めて訪したのでした。

入口の扉を開けると、店の真ん中の大きなテーブルで、女将が、そろばんで伝票計算していて大いに驚かされた。現場でそろばんを使っているのは、もう何十年も見ていない気がする。「これでないとあかんの」と笑って応える。そんな女将とすぐ打ち解けた。
そうこうしているうちに、息子さんらしい若者が買い物から帰ってきて、コーヒーを淹れ出してくれた。それを機に、ロケットから喫茶店の話に、話題が転換したようだった。

この女将、和歌山市内にあった喫茶店をよく覚えていて、
「丸正の前にもあったでしょう」「おお、それレインボーや、隣がカメラ屋で」
「ウメ、知ってるかい」「おお、和歌山の駅前の」
「ぶらくり丁のちっと入ったとこ」「あっそれ、匠や」と。。。。
「なんでそんなに知ってる」と私もとうとう訊いてしまったら、
「青春時代や。私、箕島生まれで、国鉄に乗ってぶらくり丁にはよう遊びに行ったもん」
「おおそうなんや。ウチはレコード屋やったんやで」
「え、ほんま、イワキレコードかいな」
この一発解答には、涙が出そうな程嬉しかったのはいうまでもない。

往時の歌い手さんやら和歌山ブルースの歌碑などんどん話は弾み、ラジオの話題に突入した。このラジオは、当然、和歌山放送のことで、小田川アナウンサーの大ファンだったそうな。ラジオもレコードも商店街もみんな、女将の青春、いや、二個年長なだけのご同輩の青春は、語れば語るほど輝きを増していくようだ。。

珈琲のお供にと、買ってきたばかりのさんま寿司を一片出してくた。「えー、コーヒーに合うんかいな?」「あうで、なんでもコーヒーに合うで」、とはいうものの、まず、さんま寿司を口に入れた。「美味い!これどこで買ったん」と、まじオーム返しにきいた。どんな店が出てくるかと思ったら。衝撃の答え「スーパー・オークワよ」。。。地元の人が、いつも食するものは、本当に美味しいのだわ。

そういえば、昨夜の勝浦駅前の竹原さん名物まぐろ定食、30分も並んでいただきました。カウンターのほとんどみんなが食べている1500円。まぐろのボリューム半端ないし、ご飯も山盛りやし、待ってる間、注文するかどうかずっと悩んでいた。この量、このお値段で、納得できる以前に食べ切れる自信もあやふやだった。けど、注文しました。まぐろは期待どうりで一安心、続いて小鉢の一品を喰らったところ、久方ぶりに感動が走った。玉ねぎのスライスの中に潜んでいたのは、大トロの炙りまぐろだった。たった二切れしか入っていない。お店の方に尋ねたら、単品メニュにはないそう。なら、お替わりをお願いしたら追加300円で出してくれた。ある時とない時があるそうで、これ食べたさに定食を注文する地元の常連さんも多いといふ。地元のひとが、いつも食するものは、本当に美味しいのだわ。
ごとびき屋の女将の話は、尽きることなく、そう、コーヒーを飲み終えても尽きる気配もなさそうで、道中先がありますんでと、失礼させていただいた。また、行ってみよう!

特急くろしおは、もうすぐ白浜、もうおしまい。。

誰も寝てはならぬ  オペラ映画「トゥーランドット」上映会

わかやま新報
とらふすクラシック・344
誰も寝てはならぬ
オペラ映画「トゥーランドット」上映会
        伏虎シネオペラの会代表 西川和樹

第5回を迎える伏虎シネオペラの会、上映会は、プッチーニ最後の作曲「トゥーランドット」を上映します。題名の「トゥーランドット」のアリア「誰も寝てはならぬ」が有名かもしれません。日本に於いて、お茶の間にこのアリアが絶え間なく流れたのは、2006年トリノ冬季五輪の時。フィギュアスケートで日本人初めて金メダルを獲得した荒川静香選手が「誰も寝てはならぬ」使用、その快挙を称え、繰り返し放映されるテレビから映し流れる<イナバウワー×誰も寝てはならぬ>は大きな話題になったと記憶しています。その後も、オペラ界はもちろん、フィギュアスケート界、CMなどでも耳にします。これほどまでに有名で代表的なアリア「誰も寝てはならぬ」が歌われる「トゥーランドット」とはどんな物語でなのか、少しご紹介させていただきます。

舞台は北京。絶世の美女・トゥーランドット姫に求婚をする男は3つの謎を解かなければならない・・・。もし解ける事が出来なければ・・・処刑される。トゥーランドット姫を愛することで自身の死が身近に迫る愛。この3つの謎に挑み、愛を貫くため自ら命をも差し出そうとする王子カラフとの間で繰り広げられる命を懸けた愛の物語が「トゥーランドット」その中で王子カラフが歌い上げるアリア「誰も寝てはならぬ」は、本能的で官能的でもある。でもやっぱり人間には<愛>がないとダメだよねという気持ちにする作品の中央に鎮座しているアリアです。

本作品、演出は現代中国を代表する映画監督・陳凱歌(チェン・カイコー)、収録はソフィア王妃芸術宮殿、オーケストラピットにはズービン・メータ、トゥーランドット姫にはウクライナ出身、マリア・グレギーナ、王子カラフにはイタリア出身、マルコ・ベルティなど錚々たる面々がスクリーンを彩ります。ご鑑賞いただき、就寝時に「誰もが心豊かに寝る」一日になればと願っています。日本語字幕付、和歌山城ホール、マチネでお待ちしております。明日です。

西川和樹
伏虎シネオペラの会代表。和歌山城ホールの建つ元伏虎中学校の卒業生。京都在住。
新しいホールに相応しいエンターテイメントをと、この4月から大画面での日本語字幕付の特別上映会を行なっている。