つぶやく つぶやき・・・


2018-10-25 すべてに感謝を込めて歌う

[] すべてに感謝を込めて歌う 14:47

本日付け。とらふすクラシック・80。

 すべてに感謝を込めて歌う

神戸女学院大学学長、音楽学部教授 斉藤言子

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 私の声楽家としての原点は和歌山にあります。小学校2年生から5年生の終わりまで、NHK和歌山児童合唱団(現:和歌山児童合唱団)に所属していました。厳しい入団テストがあり、学校の勉強との両立も条件で、毎年通知表の提出もしなければなりませんでした。

 そんな中で、歌うことの楽しさを知り、高度な音楽基礎を身に付け、ステージに立ちお客様とも音楽を共有することの素晴らしさ、舞台でライトを浴びる演奏者のために、裏方として多くのスタッフが支えて下っていることへの感謝も知りました。そして音楽を磨き表現するために、音楽以外の分野の多様な知識・経験の必要性に気づき、リベラルアーツ教育の先駆者である神戸女学院大学音楽学部に進学しました。

 小学校5年生までは和歌山大学の付属小学校に在籍し、そこでは自ら考え発信してゆくことを学びました。学芸会では劇のストーリー、台本、BGMも自分たちで考え、合唱曲も作詞作曲し発表しました。大学卒業後すぐ2年間のイタリア留学を経て声楽家としてデビューしましたが、今に至るまで和歌山の方々には多大なサポート、応援をいただいています。

 現在は母校神戸女学院大学の学長、音楽学部教授として、同時にオペラ団体関西二期会副理事長として多忙な日々で、他業界の関りも含め、果たすべき責任と役割に押しつぶされそうになることもありますが、声は自身の体が楽器です。コンディションキープはもっとも重要な要素です。今、私は歌うことにより心身のバランスを保ち守っていることに改めて気づかされています。

 私の声楽家としてのキャリアは40年になり、楽器としての肉体のピークは過ぎましたが、年を重ねることで伝えることのできる歌があり、後進に伝えていくべきこともあります。これからも与えられた必要とされる場所で心に届く歌を歌い、同時に指導をも行っていきたいと考えています。

斉藤言子 プロフィール 和歌山市生まれ。神戸女学院大学学長、音楽学部教授。大阪国際コンクール最優秀指導者賞、兵庫県学術教育功労賞、和歌山市文化功労賞、和歌山県文化功労賞受賞。

 

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2018-10-18 音を描く、響きを彩る。黒江万金堂

[]音を描く、響きを彩る。黒江万金堂 14:39

本日付け。とらふすクラシック・79。

 音を描く、響きを彩る。黒江万金堂

       フルーティスト 岡本万貴

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 演奏することが楽しくて仕方がない!音楽家としては当たり前のことのようですが、これがなかなか難しいのです、特にクラシックの本番においては。最近になってようやく、この自由な感覚が味わえるようになり、幸せを感じています。

 繊細で色彩豊かなギターの音色にフルートの命ある息を吹き込んでゆく。水の揺らぎが光となって部屋に差し込むそれに呼応するように、響きを、フレーズの揺れを、重ねてゆく。白いキャンパスにシンプルに筆を滑らせ、色をのせていく、時には立体的に。そんな感覚に似ています。

 五年前に、知り合いの老紳士に今は使われていない漆工場(現 黒江煉瓦堂)を見せていただきました。レンガ造りの広い空間。高い窓からは僅かな風の音と優しい光が差し込み、レンガのニュアンスを引き出している。気分が高ぶり、バッハ無伴奏パルティータを吹き続けました。そして次に思ったのが武満徹の「海へ」を、海にごく近く潮の香りのするこの場所で演奏出来たら幸せだろうな、て。ちょうどその頃ギタリストの金谷幸三さんと海南で初共演。そして昨年、念願のピアソラタンゴの歴史」全楽章演奏が叶い、金谷さんからの「武満の海へ。をやらない?」の誘いが、「黒江万金堂」結成のきっかけとなりました。黒江で生まれたギターとフルートのユニット、クラシックでありながら自由な精神で挑戦し続ける。この町とシンクロしているようです。

 黒江万金堂今シーズンのプログラムは、海から山へ。R・ビーザーの「山の歌」は雄大な自然を思わせる素朴な美しさで、黒江万金堂らしさがもっとも表れる曲。インドのシャンカール「魅惑の夜明け」は独特の香りが楽しめる。そして金谷さんが編曲吉松隆のアトムハーツ・クラブ・デュオはまったくの遊びの世界。10月28日(日)14時〜、LURUHALLにて体感していただけます。ご予約は073−457−1022まで。または「黒江万金堂」で検索!

プロフィール

海南生まれ、相愛大学音楽学部フルート専攻卒業。2013年から3年に渡り黒江煉瓦堂にてクラシックコンサートを企画、出演。人の心に届く癒しの音を追求している。

 

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2018-10-11 県立図書館と県民文化会館のコラボチケット

[]県立図書館と県民文化会館のコラボチケット 15:25

本日付け。とらふすクラシック・78。

 県立図書館と県民文化会館のコラボチケット

       和歌山ライブの歩き方 岩橋和廣

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 東京藝術大学学長、ヴァイオリニスト・指揮者、そして和歌山県立図書館音楽監督の 澤和樹先生から、本コラムに75回と77回の二回にわたり、寄稿いただけたのは、大変光栄なことと思っています。二つのコンサートが、偶然にも同じモーツァルトのプログラムで、二日連続して和歌山で開催されるという滅多にない機会に、多くの皆さんに、クラシック音楽を楽しんでいただきたいという強いメッセージだと思います。

10月13日(土)午後7時、和歌山県立図書館メディア・アート・ホールで、Mah!ライブラリー室内楽定期演奏会 Vol.25、ルートヴィヒ・チェンバー・プレイヤーズ・シュトゥットガルトが開催されます。ドイツで出会った日本人若手アーティストと、名門シュトゥットガルト放送交響楽団の精鋭たちが意気投合し結成したアンサンブル。モーツァルト・プログラムとシューベルトの八重奏曲です。全席自由席、前売3000円、当日4000円です。

 翌日の14日(日)午後1時30分、和歌山県民文化会館大ホールで、東京藝術大学特別公演”オペラへの招待状「魔笛」”が開催されます。この公演は、澤先生初のオペラ指揮で、東京藝大の教員と大学院生の歌唱、藝大フィルハーモニア管弦楽団、そして和歌山児童合唱団が加って、モーツァルトの代表的なオペラを、日本語字幕付きで演奏されます。全席座席指定で、前売2500円、当日3000円のチケットです。

 この二つのコンサートのお得なコラボチケットは、二つの演奏会5500円が、お得な5000円になります!和歌山県立図書館文化情報センター(073-436-9530)のみで取り扱いする連日割です。電話予約の上、13日会場受付で代金引換で2公演のチケットを受けとります。また13日公演の前売券、予約お持ちの方は、13日の会場受付で14日公演チケットが特別販売されます。ぜひこの機会に、連日の音楽三昧をお楽しみください!

 

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2018-09-20 ルートヴィヒ・チェンバー・プレイヤーズ・シュツットガルト

[]ルートヴィヒ・チェンバー・プレイヤーズ・シュツットガルト 10:14

本日付け。とらふすクラシック・75。

ルートヴィヒ・チェンバー・プレイヤーズ・シュツットガルト

        和歌山県立図書館 音楽監督 澤 和樹

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 世界の音楽コンクールで、チャイコフスキー国際コンクールやショパンコンクールなどに匹敵する権威を誇るのがミュンヘン国際コンクールです。このコンクールでは、多くの部門が対象で、各部門が何年かに1度しか巡って来ないため、入賞者は、ちょうど4年に1度のオリンピックのメダリストのように権威付けられます。自分のことを持ち出して恐縮ですが、1983年に英国留学の総決算のつもりでピアニストの蓼沼恵美子と受けた二重奏部門で頂いたミュンヘン国際コンクール第3位というのは、その後、演奏家として国際的に認めて頂く上で大きな勲章となりました。

 まさしくその1983年に生まれたヴァイオリニストの白井圭さんのことは、藝大の学生時代から大いに注目していましたが、その後、留学中にミュンヘン国際コンクールで見事第2位に入賞。ウィーン国立歌劇場管弦楽団(ウィーン・フィル)の契約団員を務めるなど、今後の活躍が最も期待されている実力派ヴァイオリニストです。また、チェロの横坂源さんも、同じくミュンヘン国際コンクールに第2位入賞。そしてシュトゥットガルト放送交響楽団のコントラバス奏者の幣隆太朗さんと、ドイツを拠点に大活躍する3人の若手日本人奏者を含むルートヴィヒ・チェンバー・プレイヤーズ・シュツットガルトが和歌山で聴けるのは大きな喜びです。

 10月13日は、私のオペラ指揮デビューとなる和歌山県民文化会館での「オペラへの招待状~魔笛~」公演の前日で、人の演奏会の応援をしている場合ではないのですが、幸い、夜の公演なので、オペラの最終舞台稽古を終えて、私もメディア・アート・ホールに駆け付けるつもりです。本場ドイツの一流奏者たちによるモーツァルトのコンサート・アリアの翌日に「魔笛」を同じ和歌山で聴ける機会など滅多にありません。お得なセット・チケットも用意されているとか・・ 両方の会場にてお目にかかれるのを楽しみに致しております。

プロフィール 澤 和樹 1955年和歌山市生まれ。東京藝術大学卒業、同大修士課程修了。安宅賞受賞。ロンドン留学を経て帰国、 各地で演奏活動を重ね、県文化賞受賞。東京藝術大学学長。。

 

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2018-09-13 フォルテピアノ広場のベーゼンドルファー

[]フォルテピアノ広場のベーゼンドルファー 11:15

とらふすクラシック・74

 フォルテピアノ広場のベーゼンドルファー

    和歌山ライブの歩き方 岩橋和廣

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 和歌山市の中心街、本町二丁目〜ぶらくり丁にある商業施設・フォルテワジマに、世界三大ピアノのひとつで、”ウィーンの至宝”といわれているベーゼンドルファーが、あるのをご存知でしょうか?4Fのフォルテピアノ広場では、クラシック、ジャズ、ポップスなど、ジャンルを問わず、月に2〜3回、土曜の午後に無料コンサートが開かれています。

 このベーゼンドルファーは、橋本市出身のジャズピアニストで、和歌山県文化表彰文化奨励賞を受賞している岸ミツアキさんが5年間愛用していたピアノです。岸さんは、アルバムを10枚以上もリリースする日本を代表するジャズピアニストの一人ですが、自身がとことん選び抜いた愛着のあるピアノを、少しでも多くの和歌山の方に弾いていただきたいという想いから、縁あって、フォルテワジマのピアノ広場にやってきたのです。

 今週の土曜日は、秋の特別プログラム!レギュラー・ピアノデュオのPidum〜ピデューム〜さんが、サキソフォンとクラリネットのデュオのS'rranger〜サランジェ〜さんとコラボして、”4人で奏でるウェストサイド物語”を行ないます。

 ご存知のように、レナード・バーンスタイン作曲「ウエストサイド物語」は、ミュージカル映画としても大ヒットをしました。「トゥナイト」「アメリカ」「クール」「マリア」など映画の中で歌われた曲も、多くの人を魅了してサウンドトラック・アルバムも空前の売り上げとなりました。とても親しみやすく、懐かしい曲たちですね。

 兼子万実子(ピアノ)さん、吉田寿美子(ピアノ)さん、鎌田晶子(サキソフォン)さん、清水 真(クラリネット)さんの4人は、この名曲たちを、どんな風に演奏していただけるのかとても楽しみです。この演奏会は、9月15日(土)14時から、フォルテワジマ4F。60席で観覧は無料です。この機会に、是非ともお越しください。お問合せは、フォルテワジマ(073-488-1900)まで。

 

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2018-09-06 秋の気配を感じるジョイントコンサート

[]秋の気配を感じるジョイントコンサート 18:00

秋の気配を感じるジョイントコンサート

        和歌山ライブの歩き方 岩橋和廣

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 毎月第3土曜日に開催されるLURUCLASSICCAFE。24回目となる9月のLURUCLASSICCAFEは、クラリネット、ギター、朗読、ピアノという秋の気配を感じるジョイントコンサートとなりました。

 1組目は、初登場!クラリネットの梅本彩夏さん。和歌山市消防局音楽隊などで活動されていますが、今回はピアノの岩橋美紀さんと二人のステージ。「クラリネットこわしちゃった協奏曲」やドビッシーのピアノ独奏など耳馴染みのある人気曲で幕開けとなります。

 2組目は、ギターの小谷允城さん。パラグアイのギタリスト・作曲家・詩人であるバリオスを3曲。とても美しいメロディーのバルカローレ(舟歌)から始まります。中南米のフォルクローレに影響された、旅を愛するロマンティックな流浪人の世界をお楽しみください。

 3組目は、朗読の福山ひでみさん。8月の県立図書館メディア・アート・ホールの朗読会は満席の大盛況だったそうです。その余韻を楽しむかのように、今回は芥川龍之介の「桃太郎」です。芥川は、この誰でも知ってる昔話を独自の視点でアレンジ、ユニークな短編として大正13年に発表しています。

 そして、最後に登場するのが、ピアノの小泉友衣子さん。ショパンの練習曲「別れの曲」「黒鍵」「革命」などに次いで、リストの「タランテラ」、技巧的な名曲として知られています。「タランテラ」は南イタリアの民族舞踊ですが、毒蜘蛛にかまれた時、この舞踊を踊ると治るという伝説があります。締めくくりに相応しい曲です。

  30分毎にステージが転換、あなたの知らない音世界の楽しさに出会えるかもしれません。9月15日(土)14時から。チケットは1500円(フリーソフトドリンク付)限定50席。県民文化会館、和歌山市民会館でチケット取扱中。WEBは、こちらから。http://musicmart-ticket.com/問合せはLURU HALL(073-457-1022)まで

 

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2018-08-30 THE OPERA WAKAYAMA管弦楽アンサンブル

[]THE OPERA WAKAYAMA管弦楽アンサンブル 09:37

THE OPERA WAKAYAMA管弦楽アンサンブル

   オペラ歌手 矢倉愛

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 和歌山の多くの方に、オペラの楽しみを知って頂きたいという想いからスタートした「THE OPERA WAKAYAMA」。質の高い演奏を低価格で、そして手の届く場所でオペラを提供する事をモットーとしたオペラの演奏家集団です。スタートして来年で10年を迎えます。

 多くの優秀なアーティストに協力して貰い行ってきた様々な活動の中で、もっと和歌山の演奏家と一緒にオペラを演奏する事が出来ればどんなに素敵だろうと考える様になりました。そこで一念発起、「THE OPERA WAKAYAMA」も新しい活動の一環として、この団体の演奏を担う器楽チーム「THE OPERA WAKAYAMA管弦楽アンサンブル」を立ち上げ、「オペラを演奏するアンサンブルになる事」を目標にかかげ、とにかくスタートさせました。

 今よりもスキルを上げたい、新しい事に挑戦していきたい、そんなメンバーが集まり、今年の2月には岩出・紀の川第九合唱団の第九演奏会で初舞台を踏み、今回初めての単独コンサートを行います。正直、オーケストラ程の人数ではありませんが、サポートメンバーも含め、皆一生懸命練習に取り組んでいます。プログラムは「ナブッコ」「椿姫」の序曲、また「カルメン」の名曲を集めた組曲、その中から「ハバネラ」「セギデイリア」等有名なアリアも演奏します。他府県に比べ、オペラの団体や演奏活動が少ない和歌山県。認知される事すら時間がかかる土地柄ですが、種を撒き、枯れては水をやり、少しずづ少しずつ根気よく育てていけばきっと大きな花になる、そういう演奏活動をする事も私達演奏家の大きな務めだと考えています。この「THE OPERA WAKAYAMA管弦楽アンサンブル」もオペラの公演を担える大きな団体に成長していく、その第1歩の演奏会を、9月17日(祝)14時〜和歌の浦アートキューブで行います。どうか、沢山の方にお越し頂き、今後の私達の活動を応援して頂ければ幸いです。

矢倉 愛 ソプラノ歌手 和歌山市生まれ、大阪音楽大学短期大学部卒業。THE OPERA WAKAYAMA 主宰。 2016年、ブルガリア スタラ・ザゴーラ国立歌劇場で「蝶々夫人」主演。

 

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2018-08-23 3つのヴァイオリンソナタを楽しむ・・・

[]3つのヴァイオリンソナタを楽しむ・・・ 09:43

 3つのヴァイオリンソナタを楽しむ・・・

         ピアニスト 千田和美

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 ヴァイオリンとピアノの組み合わせの演奏会はよくある。ヴァイオリニストにとっては大抵の場合「ピアノ伴奏」は必要不可欠なので、自身のコンサートにはピアニストを連れてくるということになり、当然「ヴァイオリンとピアノ」の組み合わせの演奏会は多くなる。ところが実は、それが「ヴァイオリニスト」のための「ヴァイオリンのコンサート」なのか、それとも「ピアノとヴァイオリンによる室内楽のコンサート」なのか、プログラムによって違う。この違いはもしかしたら専門的に音楽の道に進む人しか知らないかもしれない。

 いや、音楽の道でもピアノで進んだ人の場合、他の楽器と関わる機会が無ければもしかしたら知らないかもしれない。「室内楽」というカテゴリーは、どちらかが「メイン」でどちらかが「伴奏」という立場ではない。全くの五分五分の立場で演奏するのが「室内楽」なのだ。プログラムによって室内楽かそうでないかが分かると書いたが、分かりやすく言うと「ソナタ」という名前がついている曲は全て「室内楽」というカテゴリーになる。「ヴァイオリンソナタ」という名前がついているにもかかわらず、それはヴァイオリンとピアノ五分五分の曲なのだ。私は「伴奏者」として他の楽器のためにピアノを弾くことも好きだが、他の楽器と共に対等の立場で「音楽を作る」ことが大好きだ。一人で弾いているよりずっと楽しい(笑)。

 それはどうしてか。自分と他人の「音」がピタッと合わさることが楽しいのか。いや、そうではない。自分の音楽の「感じ方」が相手に伝わり、相手が瞬時にそれを感じ取りそして応えてくれたときの一瞬が、何とも言えない幸福感と充足感で満たされるからだ。これは経験したことのある人にしか分からない快感だと思う。今回、久しぶりのデュオリサイタルで私たちは3曲のソナタを選んだ。私たちがいかに「室内楽」を楽しんでいるか、聴衆の皆様に感じ取っていただけたらこんなに幸せなことはない。

千田和美 桐朋女子高等学校音楽科を経て、桐朋学園大学卒業。インディアナ大学音楽学部大学院パフォーマー・ディプロマコース修了。全日本ピアノ指導者協会正会員。

 

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2018-08-15 夏の夜風に 英国の音色(ねいろ)を

[]夏の夜風に 英国の音色(ねいろ)を 15:15

夏の夜風に 英国の音色(ねいろ)を

      古楽ソプラノ 谷野裕子

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イギリスの作曲家と言えば、みなさんは誰を思い浮かべますか?ヘンデル、ブリテンあたり?バード、ダウランドなんて名前を思い出した方は、なかなかマニアック?! 「実はドイツ人」のヘンデルなど、外国出身の作曲家の活躍が盛んだったイギリス。音楽「消費」国であったのか、生え抜きの作曲家の活躍はあまり目立っておりません。

そのヘンデルより少し前の時代、ヘンリー・パーセル(Henry Purcell 1659~95)の名を耳にされたことはおありでしょうか? 36歳の短い生涯ながら、歌曲・器楽曲含めたくさんの作品を残した、イギリスバロック界でひときわ輝く星。彼が今少し長生きしていたら、イギリスの音楽史は、また少し違ったものになっていたかもしれません。

ロンドンに留学した紀州徳川家16代当主の徳川頼貞候が莫大な私財を投じた楽譜などの音楽コレクションの南葵音楽文庫は、先ごろ和歌山県立図書館に寄託され、毎週土曜11時より図書館内の南葵音楽文庫閲覧室で無料のミニレクチャーが行われるなど、その全容が徐々に明らかになってきています。そして、パーセルの作品全集や関連文献は、南葵音楽文庫の中の、カミングス・コレクションの中に、数多く収められています。

聖歌隊出身で、作曲家であると同時に歌もうまかったと言われているパーセル。口ずさむように数々の美しいメロディを、紡ぎ出していたのでしょうか。時に激しく、時に懐かしく、時に荘厳な、バラエティあふれるパーセルの世界を、和歌山県立図書館南葵音楽文庫研究員の佐々木勉先生のお話しとともにお届けします。この歌とオルガンによる演奏会「夏の夜風に英国の音色を」は、来週の8月23日(木)19時から、和歌山ルーテル教会(和歌山市秋葉町)で開催されます。「和歌山の新しき宝〜南葵音楽文庫」の中の「イギリスの古き宝〜パーセル」の魅力を、ぜひお楽しみください。学生券もご用意しています。

谷野裕子 ソプラノ 大阪大学工学部卒業。桐蔭高校音楽部、大阪大学混声合唱団などを経て、現在、テレマン室内合唱団、森の宮ライゼコール所属。和歌山市出身。西宮市在住。和歌山バロック会員。

 

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2018-08-09 オールピアノのプログラム

[]オールピアノのプログラム 18:20

オールピアノのプログラム

       和歌山ライブの歩き方 岩橋和廣

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 23回目を迎えるLURU CLASSIC CAFEは、初めてのオールピアノのプログラムになりました。というのは、スタインウェイのグランドピアノのなかでは「完璧なピアノ」と称されるモデル「B-211」(ハンブルグ2018)がLURUHALLにやってきたからです。低音域から高音域までのバランスの良さは、「イニミタブルトーン(比類なき響き)」といわれ、ホールの響きとあいまって、至福の音空間が楽しめるようになりました。

 1組目は、木谷悦也さんです。クラシックピアニストでありながら、欧州でミュージカル音楽監督を務めたり、先日は東京で指揮者デビューを果たすなど多才な彼らしく、自身で作編曲した「さくらさくら変奏曲」「星降る夜に〜紀美野幻想曲」などオリジナルな世界を表現します。

 2組目は、顧 夢菲 (グ メンフィ)さん。現在、ドイツのシュトゥットガルト音楽演劇大学修士課程に留学中、夏休みの一時帰国演奏となります。2017年ミラノ国際音楽コンクールや18年Clavis Bavaria国際ピアノコンクール上位入賞など欧州で活躍中です。ショパンの「エチュード作品25-3」と現代物を弾きます。

 3組目は、瀧本裕子さん。ドイツ・ニュルンベルク音楽大学大学院修了。同学で行われたスタインウェイピアノコンクールにて第1位など活躍後帰国。モーツァルトの「幻想曲 ニ短調」、ベートーヴェンの「ピアノソナタ第18番」より第1楽章、シューベルトの「即興曲集 」より第2番と第3番と、古典派からロマン派の作曲家をとりあげます。

 4組目は、兼子万実子さんと吉田寿美子さん。第10回かやぶき音楽堂インターナショナルピアノデュオコンクールや大阪国際音楽コンクール連弾部門エスポワール賞受賞など連弾で活躍するお二人は、中田喜直の四手連弾のための組曲「日本の四季」から2曲、ブラームスの 「ハンガリー舞曲集」より1番、3番、5番など息の合った演奏の楽しませてくれます。

 

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中村中村 2018/08/14 01:20 突然すみません、紀の川音頭のカセットが欲しいです…

2018-08-02 シンプルなバターパスタを香り高く

[]シンプルなバターパスタを香り高く 10:18

今日付け、わかやま新報”とらふすクラシック・68”

シンプルなバターパスタを香り高く

        ピアニスト 砂原悟

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 もう30年以上前の話だが、パリにコンクールを受けに行ったときに、事務局の世話で外交官のお宅にホームステイさせてもらったことがある。到着した日、さて夕食をどうしようかと、近くに適当なレストランがあるか尋ねたら、奥様が「息子の友達が遊びに来るから一緒にディナーを食べたらいい」と言ってくれた。それは助かる。お礼を言って適当な時刻にキッチンに行ってみると、なるほど大学生くらいの男友達がひとり来ていた。しかし息子さんと彼の2人きり。「やあ、一緒に食べよう!ライスとパスタどっちがいい?」と聞かれ「???」わけも分からずキョトンとしていると、「じゃ、両方やろう」と2つの鍋にライスとマカロニを別々に茹でて、茹で上がったそれらにすっとバターをナイフで削って乗せ「召し上がれ!」・・・なんとディナーはこれだけ。

 今ではこのシンプルさ、わかるし嫌いじゃない。日本のおにぎりだって茶漬けだって似たようなものだと思う。だがそのときは、けっこうショックだった。だってフランスよ?あの「料理」のおフランスですよ? しかし落ち着いてよく考えてみると留学していたドイツだって朝晩は火を入れない食事(パンにチーズやハムをはさむだけ)だし、ヨーロッパにはけっこうこういう質素な面がある。そのパリっ子は少し極端だったが。

 今回、宮下直子さんと弾くフランスものの連弾プログラムは、とても音が少ない。殊にラヴェルの「マ・メール・ロワ」はシンプルの極みと言ってよいと思う。だがとても深い。こういう高度に洗練されたシンプルさはフランスの得意とするところだろう(そんなフランスも日本の浮世絵のシンプルさに参ったのだが・・)。ただのバターパスタではない。気高い香りが利いている。カルヴァドスやハーブだ。そんな芳香を人は「エスプリ」と言うのだろう。禅と茶の湯の国のデュオが、フランス音楽のエスプリに挑む午後。どうぞお楽しみに。

プロフィール 砂原悟 東京藝術大学大学院、ミュンヘン音楽大学修了。ポルト市国際ピアノコンクール入賞。クロイツァー賞受賞。京都市立芸術大学教授。東京藝術大学非常勤講師。

 

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2018-07-26 矢倉愛ライブ・レコーディング・コンサート!

[]矢倉愛ライブ・レコーディング・コンサート! 09:39

今日付け、わかやま新報”とらふすクラシック・67”

 矢倉愛ライブ・レコーディング・コンサート!

     和歌山ライブの歩き方 岩橋和廣

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 ソプラノの矢倉愛さんのプレミアム!ファーストアルバム ライブ・レコーディング・コンサート!が行なわれる。プレミアムの理由のひとつは、コンサート会場で歌った曲3曲が、終演までに特典CDになり、その場で持ち帰ることができるからです。会場で歌ったそのままを、編集しないでCDにするのは、なかなか勇気がいりますが、ファンにとっては貴重な音源として楽しむことができます。

 冒頭で歌われる3曲、つまり特典CDに収録されるのは、カタラーニの オペラ「ラ・ワリー」より「 さようなら我が故郷よ」、ヴェルディの オペラ「シチリア島の夕べの祈り」より 「ありがとう愛する友よ」プッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」より「ムゼッタのワルツ」とオペラファンならお馴染みの名歌たちです。

 プレミアムの二つ目の理由は、ハイレゾ・バイノーラル・レコーディングでライブが収録されることです。人間の頭の形をしたダミーヘッドの耳に高性能マイクを仕込み、あたかも鼓膜に届いているかのように録音するシステムで、ハイレゾのデジタルオーディオにより、今までのCDでは再現しきれなかった細やかな空間の音までが見事に再現され、ホールの静けさや空気感までもが表現されます。響きの良いホールならではの醍醐味が楽しめます。(機材協力:ANIMA Products)

 矢倉さんは、「THE OPERA WAKAYAMA」を立ち上げ、関西で活躍する若手歌手達と共に、「椿姫」「蝶々夫人」「トスカ」などを行っています。また、2016年にはブルガリア・スタラザゴラ国立歌劇場に於いてオペラガラコンサートに出演、この7月にはウィーンでマスタークラスを受講し、このレコーディングに備えてきたようです。

 このコンサートは、8月4日(土)19時より、和歌山市のLURU HALLで行なわれます。料金は、5000円(フリーソフトドリンク、特典CD付)。問合せは同ホール(073−457−1022)まで

 

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2018-07-19 30分の無料ランチタイム・コンサート

[]30分の無料ランチタイム・コンサート 09:35

今日付け、わかやま新報”とらふすクラシック・66”

 30分の無料ランチタイム・コンサート

   和歌山ライブの歩き方 岩橋和廣

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 日本最高峰の音楽教育を和歌山の子供たちにと東京藝術大学音楽学部早期教育プロジェクト2018 in和歌山が行われています。そしてその一環として、日本から世界へ、若手音楽家を地域と共に応援する入場無料の演奏会が、30分のランチタイム・コンサートとして開かれます。

今回出演されるのは、現在、東京藝術大学音楽部4年在学中のヴァイオリンの内尾文香さん。内尾さんは、第66回全日本学生音楽コンクール高校の部全国大会第1位、横浜市民賞受賞。ダヴィッド・オイストラフ国際ヴァイオリンコンクール・ジュニア部門第2位など数多く受賞。また、関西フィル、都響、藝大フィルなどとの共演を重ねています。また、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」やBSジャパン「エンター・ザ・ミュージック」などマスメディアにも登場され、将来がとても楽しみな逸材のひとりです。

プログラムは、近年注目を集めている作品、ナタン・ミルシュタイン作曲のパガニーニの主題による無伴奏ヴァイオリン曲「パガニーニアーナ イ短調」からはじまります。続いてドビュッシーが最後に完成したとされる作品「ヴァイオリンソナタ ト短調」、ヴァイオリン・ソナタとしては比較的小さな作品ですが、ドビュッシーらしさを堪能できます。最後は、ジンバリストの「R=コルサコフの金鶏の主題による演奏会用幻想曲」。いずれの作品も、内尾さんの若さ溢れる演奏が期待され、ピアノ伴奏は、村田千佳さんです。

このコンサートは、8月5日(日)11時から、和歌山市和歌山県立図書館メディア・アート・ホールで行われます。また当日は、11時50分から、早期教育プロジェクト2018 in和歌山バイオリン部門、澤和樹学長による小・中学生を対象とした公開レッスンも行われ、聴講することができます。いずれも、入場無料、事前の予約も要りません。お気軽にご覧ください。問合わせは、和歌山県立図書館(073-436-9530)まで。

 

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2018-07-12 和歌山でコントラバスが主役になる日

[]和歌山でコントラバスが主役になる日 09:53

今日付け、わかやま新報”とらふすクラシック・65”

 和歌山でコントラバスが主役になる日

        コントラバス奏者 森田良平

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 ”コントラバス”普段は縁の下の力持ちとしてオーケストラの土台を支える楽器であり、ジャズの世界では”ウッドベース”の名前で親しまれている”裏方”の印象の強い楽器だと思われているだろう(余談だがウッドベースは和製英語のため、外国人にはあまり通じない)それ故に、単体の音のみを聴いた事があるという方は余程の音楽通か私のコンサートにご来場されたことがある方なのでは、、、と推測する(笑) 和歌山でのソロコンサートもここ5年で2桁を超える回数を各地で開催させて頂いており、他の土地よりも数多く足を運ばせて頂いている。 

 4年前から毎年冬と夏に全国津々浦々を廻るツアー、九州から車で楽器とピアニストを運んで(笑)長いドライブを楽しみながら様々な土地を廻る中で、和歌山の町並みや人の暖かさは私の故郷の鹿児島と非常に似ているところがあり、到着すると何故かホッとする。  縁も所縁も無い私を、和歌山の皆様が暖かく迎えて下さることでいくら感謝しても足りないぐらいの沢山のご縁を頂いた。

 そんな感謝の思いを込めた4年目の夏は7/15発売のニューアルバム「Bass Restration〜低音維新〜」を引っ提げて、趣を変えての初の2回公演を開催する。7/20のピノテラスでの公演は「浴衣deコンサート」と題し、文字通り”衣装・浴衣”でクラシックのみならず、日本の音楽や歌謡曲等をお楽しみ頂き、和装でご来場の方には今回のツアーのために特別に作られた大島紬グッズをプレゼント!そして7/22LURUHALLLでの公演はアルバムの魅力を余す事無くお伝えする。シンガーの中西圭三さんに書いて頂いた初のクラシック作品「散華」や観光大使を務める奄美大島の島唄をベースに新たに作曲して頂いた曲、映画音楽、歌謡曲等幅広い音楽をコントラバスの持つ朴訥とした暖かい音色に乗せてお送りさせて頂く。低音の響きを感じる一夜、今年の和歌山の夏も熱くなりそうだ。

森田良平 85年鹿児島市出身。京都市立芸術大学院修了。17年にはMLBイチロー選手の3千本安打記念セレモニーに於いて日本国歌を独奏。奄美大島観光大使。

 

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2018-07-05 小路里美4枚目のアルバムリリース

[]小路里美4枚目のアルバムリリース 11:02

今日付け、わかやま新報”とらふすクラシック・64”

 小路里美4枚目のアルバムリリース

     和歌山ライブの歩き方 岩橋和廣

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 この6月2日、和歌山市狐島のLURUHALLで、オール!ショパン・プログラムを熱演いただいた小路さんの4枚目のアルバムが発売されました。1枚目がモーツァルトソナタ集、2枚目がロマン派の作品を収録、3枚目はバッハ曲集。新作は、「ピアノ・ラブズ・グリーティング」と名付けられた15曲入りの名曲集です。

 和歌山公演からほど近い6月7日、ビーテックジャパン大阪において、ピアノの名器、ベーゼンドルファーの最大のモデル290・インペリアルを使用して、スタジオ・ライブレコーディング。ウィーン国立音楽大学で研鑽を積み、ウィーンが第二の故郷と言っている小路さんには、同じくオーストリア生まれのベーゼンドルファーはぴったりだったかもしれません。

 録音は、2テイクの演奏からベストをセレクトするというシンプルな方法で行なわれ、録音及び録音機材提供は、2枚目のアルバムと同じ西隆浩さんの協力で進められたそうです。スタジオ内のノイズ含めライブの空気感あふれるアルバムに仕上がっています。本格的レコーデイングもいいのですが、こういうふうに手軽に楽しめる録音も、彼女自身のインディ−ズレーベルとして確立しつつあるようです。

 狐島でも演奏された「バラード第一番」「革命のエチュード」「英雄ポロネーズ」「子犬のワルツ」などショパン名曲を中心に、エルガーの「愛の挨拶」、リストの「ラカンパネラ」などが収録されてます。中でもバッハの「G線上のアリア」とパッヘルベルの「カノン」は、小路さん自ら編曲され演奏されています。気軽にクラシック・ピアノを楽しむにはお奨めのアルバムです。

 小路里美さんは、紀の川市にお住まい。半分は国の内外を飛び回わり、この夏はマルタ国際音楽祭でマスタークラスを担当、来年には横浜国際音楽祭をディレクターとして立ち上げるそうです。このCDは、定価3000円。狐島LURUMUSIC(073-457-1011)で、取り扱い中です。

 

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2018-06-28 市響がバルトークに挑戦するって!?

[]市響がバルトークに挑戦するって!? 10:33

今日付け、わかやま新報”とらふすクラシック・63”

 市響がバルトークに挑戦するって!?

和歌山市交響楽団理事 郄橋巧二

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 みなさん、バルトーク作曲「管弦楽のための協奏曲」ってご存知ですか?言い換えれば「オーケストラのためのコンチェルト」なので、通称『オケコン』と呼ばれ親しまれ、同時に畏怖されています。この曲はバルトークが1943年に作曲し、翌年ボストン交響楽団で初演された20世紀の比較的新しい曲です。全5楽章からなり交響曲と言ってもよいくらいの曲ではありますが、オーケストラの各パートがまるで「協奏曲の独奏楽器」のように使われていることから、この題名が付けられています。つまり各パートに協奏曲の「ソリスト級の高度な技術」が要求される難曲です。

 今年、和歌山市交響楽団(以下「市響」)は、第53回定期演奏会を行ないますが、なんと今回初めてこの『オケコン』に挑戦します。プロオケの入団試験曲にも出るこの曲。私の知り合いのプロトランペット奏者に「今年の定演で『オケコン』をするんです」と話したところ、「えっ!プロの方がおられるんですか?」と聞かれ、「全員アマチュアです」と申し上げると、「・・・」一瞬絶句。「大変な曲ですよ」と同情されてしまいました。さらに市響のようなアマオケの場合、団員の多くは仕事や子育ての真っ最中。曲の難易度に加え、毎週日曜の練習に集まること自体がひと苦労。でも「いつかは『オケコン』を!」という団員の熱い思いの結晶として、今回あえて難曲に挑戦します。「和歌山市にも『オケコン』が出来るレベルの市民オケがあるんや!」と言うところを知って頂きたく、是非ご来場下さい。

 演奏会は、この日曜日、7月1日14時から、和歌山市民会館大ホール。曲目は、ヘンデル「水上の音楽」組曲(ハーティ版)、チャイコフスキー「くるみ割り人形」組曲、そして、バルトーク「管弦楽のための協奏曲」です。入場料は1,000円(学生500円/未就学児無料)お子様連れ大歓迎・母子室もあります。問合せは、同市民会館(073-432-1212)まで。

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プロフィール 郄橋巧二 1957(昭和32)年大阪市生まれ、和歌山市在住。和歌山大学在学中に和大交響楽団と和歌山市交響楽団に在籍。現在、和歌山市交響楽団理事、関西トランペット協会会員、アマチュアトランペット奏者

 

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2018-06-21 ゼバスちゃんはお嫌い?

[]ゼバスちゃんはお嫌い? 17:19

今日付け、わかやま新報”とらふすクラシック・62”

  ゼバスちゃんはお嫌い?

    クラヴィーア奏者  山名敏之

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 ヨハン・ゼバスチャン・バッハと聞くと、皆さんは真っ先にどんなことを思い浮かべるでしょうか。難しい、理解できない、感動のツボはどこにあるのだ?等と老獪なクラシックファンでも見向きもしない方がある一方で、無人島にたったひとつだけ楽譜を持って行けるとしたらそれはバッハの平均律クラヴィーア曲集だ、などとおっしゃる方もいます。

 そんな状況を少しでも打開するべく、バッハの作品とバッハに関わる作品のみで構成され、バッハの全クラヴィーアソロ作品(オルガン作品を除く)を全21回で聴いてしまおうと言うチクルス「バッハ マニア」は始まりました。毎回バッハの作品を独創的な切り口で再構成し、エレガントなバッハ、ユーモアたっぷりのバッハ、チャーミングなバッハといった意外な一面をクローズアップするとともに、若い時からすでに完成していた作曲技法、年代によって偏るジャンル、舞曲の様式とその混交、フーガの技法の成熟過程といったバッハマニアならぜひ知っておきたいトピックを提供しています。

 今回で第9回を迎える「バッハ マニア」のテーマは「カプリッチョ」です。カプリッチョとはイタリア語で「気まぐれ」「思いつき」を意味します。バロック時代初期において、カプリッチョは対位法を駆使した作品でありながら、意表をつく奇抜な着想が盛り込まれるといった特徴がありました。これをバッハがどう自家薬籠中の物としたのか。《カプリッチョ「最愛の兄の旅立ちに」》には、戦地に赴く兄とはもう再び相見えることはないかもしれない、そういった現実に直面したバッハの激しい感情の発露が見られます。一方で同じく若かりしバッハの作品である《カプリッチョ「ヨハン・クリストフ・バッハを讃えて」》には気のいい若者の気質、ユーモアが溢れています。そして名作《パルティータ 第2番》の終曲に置かれた「カプリッチョ」にはあらゆる情緒が調和を持って統括され、深い感動をもたらします。果たして「カプリッチョ」という名の下に、そこに通底するものはあるのでしょうか。フレスコバルディやクーナウの作品と対峙させながら、その謎を解き明かしていきます。

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プロフィール 東京藝術大学卒業。オランダ留学後NHK「ぴあのピア」に出演。ハイドンのCDはレコード芸術(特選盤)等。大桑文化奨励賞。和歌山大学教育学部教授。

 

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2018-06-14 華麗なる饗宴Vol.9〜回光返照〜に寄せて

[]華麗なる饗宴Vol.9〜回光返照〜に寄せて 17:19

今日付け、わかやま新報”とらふすクラシック・61”

 華麗なる饗宴Vol.9〜回光返照〜に寄せて

           ピアニスト 天羽博和

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 ”華麗なる饗宴”として、2012年から、ドビュッシーのピアノ独奏作品全曲演奏を行っている。第1回の「2つのアラベスク」に始まり、完奏は没後100年にあたる2018年末を目標にしており、いよいよ大詰めとなってきた。今回の第9回目は、彼のピアノ音楽の集大成となる「12の練習曲」第2集を取り上げる。

 「シューマンの左かショパンの右に位置するだろう」と語るほどの自信を見せた「映像」(第1集は1905年、第2集は07年)を書いた後は、「子供の領分」、「前奏曲集第1巻」、「前奏曲集第2巻」を発表するのだが、14年には第1次世界大戦が勃発したために疎開し、また同時期に大腸がんを発病するなどして、筆が思うように進まなくなる。

 しかしその後、「攻撃された美を少しでも再建するために〜」と、1915年から亡くなる前年の17 年までに「白と黒で」、「12の練習曲」、「さまざまな楽器のための6つのソナタ」(完成したのは3曲のみ)等を渾身の力を振り絞って完成させた。いずれも晩年とは思えない密度の濃い内容を備えている。

 「12の練習曲」に関して言えば、フランス・デュラン社からショパン作品の校訂を依頼された折、ショパンが遠い故郷ポーランドに思いを馳せながら「マズルカ」や「ポロネーズ」を作曲したのと同様に、ドビュッシーは第1次世界大戦の中、ドイツから攻撃を受けるフランスに対しての愛国心から彼は創作意欲を回復させ、疎開先でわずか2カ月で書き上げたのだ。作品にわざわざ「フランスの音楽家 クロード・ドビュッシー」と署名したのは、そういったいきさつがあるからである。

 また、今回、ヴァイオリンに中前晴美さんを迎えて演奏する「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」はドビュッシー自身によって初演されたが、それが最後の公開演奏となってしまった。彼が晩年に何を想い何を伝えようとしたのか。テーマである「回光返照」にヒントがある。

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プロフィール 天羽博和 ピアニスト

大阪府生まれ。和歌山在住。相愛大学音楽学部卒業。京都フランス音楽アカデミー、フランス・クールシュヴェール等でも研鑽を積む。ドビュッシー没後100年の2018年に向けて、ピアノ独奏作品全曲演奏が進行中。

 

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2018-06-07 第2回 映画を奏でるクラシック・カフェ

[]第2回 映画を奏でるクラシック・カフェ 11:17

今日付け、わかやま新報”とらふすクラシック・60”

 第2回 映画を奏でるクラシック・カフェ

          かよん/中里佳世

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 昨年秋、狐島のLURU HALLの“クラシック・カフェ”1周年記念で好評を博した第2弾を開催します。海南で産声をあげた“映画を奏でる音楽会”はこれまで、200〜500席のホール会場で開催してきました。今回は、“映画を奏でる〜”企画がお初、あるいは初めてのグループの5組の演奏者が、いわゆる映画音楽、映画でよく流れるクラシックの名曲等を、ぐっと身近な距離感で、各々の好みで楽曲をえらんで演奏します。

 まずはいま和歌山でも演奏活動が活発な、主として北欧音楽を奏でるアシュリンさん。橋本市で音楽サロン“リュスモーネ”をつくり、後進の指導や交流コンサート企画もするハンマーダルシマー奏者の木下加寿子さんとティンホイッスルの吉田陽子さん、ギターの田中章悟さんによるユニット。大ヒットした「タイタニック}の船上で演奏されるアイリッシュも演奏します。

 ふだんはバロック音楽を歌唱するソプラノの谷野裕子さん、今回は船本真依子さんのピアノ伴奏で故・高畑勲監督の追悼もこめて「火垂るの墓」挿入歌「埴生の宿」等を歌います。そして、満を持しての登場はヴァイオリンとコントラバス奏者の小倉浩晃・充子夫妻とピアノの高山陽子さんによるWa.cordaさん。クラシックの名曲とともに、“映画を奏でる〜”ではおなじみのE・モリコーネの「ニュー・シネマ・パラダイス」を奏でます。

 そして芸達者(?)なおふたりもたのしみです。ルルホール初登場のチェロ奏者のロビン・デュプイ氏。先だって東京国際フォーラムでおこなわれた“角川映画シネマコンサート”にも出演していた彼は、独創的な表現方法で、母国のフランス映画からおなじみの「男と女」や「アメリ」とともにG・ ドルリューの音楽も届けてくれます。ルルホールでは何度か出演している碇理早さんは、ピアノ独奏と弾き歌いを交え、きっとたのしい舞台となるでしょう。食堂ことぶきのお菓子と一緒にぜひ味わってください。

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かよん/中里佳世

和歌山市生まれ。project flows主宰。主に映画や映像をテーマに音楽会、上映に関わる企画等を制作。自称・‘文化力’伝播パブリシスト。

 


 

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2018-05-31 弦楽二重奏・三重奏の極みへの誘い

[]弦楽二重奏・三重奏の極みへの誘い 14:20

今日付け、わかやま新報”とらふすクラシック・59”

 弦楽二重奏・三重奏の極みへの誘い

        チェリスト 谷口賢記

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 深緑の候、皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。スタイナート(ヴァイオリン:マーカス・プラッチ、チェロ:谷口賢記)のジャパンツアーは、今回で6回目となりました。和歌山には2014年より毎年伺っております。日頃より応援をくださっている皆様に心より感謝申し上げますとともに、今後もクラシック音楽をより身近に感じていただけるような活動を続けて参りたいと考えております。

 本公演では、昨年に引き続き、ベルリンよりブルクハルト・マイス氏をゲストに迎え、珠玉の弦楽アンサンブルをお届けいたします。プログラムとしては、3人全員演奏する弦楽三重奏曲を最初(シューベルト)と最後(ベートーヴェン)にお届けし、間には「ヴァイオリンとヴィオラ」(モーツァルト)、「ヴァイオリンとチェロ」(シュルホフ)、「ヴィオラとチェロ」(ヒンデミット)と弦楽二重奏曲で全ての組み合わせにて演奏いたします。それぞれの奏者の個性が最大限に発揮できる構成ですが、内容的にも古典と現代の対比を楽しんでいただける流れとなっております。特にシュルホフとヒンデミットについては、演奏機会がほとんどない珍しい作品ですが、大変完成度の高い曲となっておりますので、それぞれの作品の世界観を存分に味わっていただけましたら幸いでございます。

 なお、和歌山公演のみの特別企画として、開演30分前の午後12時30分より、実演付きのプレコンサートトークを行います。コンサートの前に、聞きどころなど実際に音を聞いておくことにより、本番で何倍も楽しんでいただけますので、皆様のお越しを心よりお待ちしております。簡単な解説もご用意いたしますので、クラシック音楽に馴染みがない方々も是非この機会に体験をしていただけましたら大変嬉しく思います。

=プロフィール=

東京都世田谷区在住。京都大学理学部卒業、同大学院理学研究科修了。その後、ボストン音楽院より音楽修士号ならびにディプロマを取得。CMFoNE第1回国際室内楽コンクールで第1位に入賞など受賞歴多数。東京藝術大学「ArtsMeet Science」プロジェクトコーディネーター、スタイナート主宰、ラインハイト室内楽アカデミー講師。平成29年度和歌山県文化奨励賞受賞。


 

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