ヒョルト人のカルト:アズリーリアとタイ・コラ・テック

Epikt2008-04-20

●ヒョルト人の嵐の神殿というのは嵐の王オーランスと大地の女王アーナールダの結婚によって誕生しました。両方の神話、神々、習慣なんかの統合なんですね。なので大地の女神たちの神話もあります。嵐の神々の神話は比較的若いせいか男性的なせいか、けっこう派手であっけらかんとしてます。大地の女神たちの神話はあまり喧伝されず、地味です。でも大地の下に隠された秘密は静かに怖かったりします。

●アズリーリアはオーランスの妻であるアーナールダの母なので、嵐の部族では祖母、おばあちゃんという扱いになってます。ウーマスとの悲恋を演じたアズリーリアですが、緑の時代に父親不明の娘を3人生みました。エスローラ、アーナールダ、マーランです。これは大地の女神を奉じる民族が3派あったのを意味してるんでしょうか。アーナールダ派はオーランス派と合併されたわけですが。大地の女神信仰の本場はエスロリアらしいですし。

●アズリーリアはまだ若かった緑の時代、母である大地の上を歩き回りました。彼女は神々が大地の富を勝手に持ち出すのを見て悲しみ、自分にできる限りの富を隠して保ちました。一方、アズリーリアの双子の姉妹タイ・コラ・テックは世界を歩き回ることを望まず、闇の神を解体して、その体でつくった洞窟に隠れました。

●死が現れると、死者の魂が行き場を失くしてさまようようになったので、タイ・コラ・テックは彼らを保護し、彼女の洞窟に隠しました。しかし彼らを解放することもしませんでした。大暗黒が来ると、アズリーリアが隠したものを除いて、すべての大地の富が失われました。タイ・コラ・テックが大地の女神たちを自分の洞窟に隠したので、大地は征服されましたが女神たちは守られました。

オーランスが地界でアーナールダを見つけ(光持ち帰りしものたちの探索行と思われる)、アーナールダはアズリーリアに彼女の蓄えたものを世界に分配することを認めさせました。アズリーリアがタイ・コラ・テックの元に戻ると、タイ・コラ・テックは彼らの魂を解放しました。こうして世界は再生されました。

●アズリーリアとタイ・コラ・テックは一緒に入信する珍しいカルトです。入信者は子供を産む年齢をこえた、年老いたアーナールダ信者の女性にかぎられます。アズリーリアは蓄財、蓄えと分配の女神であり、タイ・コラ・テックは死者の魂を扱う死の女神です。アズリーリアは冬を越えるための食糧の備蓄、大地の下に隠した財宝などを担当します。タイ・コラ・テックは死体の処理と保管を担当し、氏族に害をなすゴーストに対処するのも彼女の仕事です。

●以前はアズリーリアの交易商というのが吝嗇貪欲で大変評判が悪かったそうですが、アズリーリアの奥義《もう1口》は、バッグやバスケットを引っ掻き回して1つかみの食糧を取り出すことができるというものです。この奥義は飢えた子供がおり、与える食糧が何も無い…状況でのみ働きます。泣けるでぇ。タイ・コラ・テックの奥義は《道を開く儀式》で、ゴーストをタイ・コラ・テックの静寂の洞窟に送ってしまうものです。お逝きなさい! ってやつですね。

●「Esrolia: Land of 10,000 Goddesses」というエスロリア地方を扱った本が出るそうで、大地の女神から見た世界や歴史はどんなんだろう、と考えます。きっとオーランスなんかたくさんいる夫の1人でしかない。