エレニの日記 このページをアンテナに追加


名刺交換で気を付けること

2007-01-09

石油の事とかちょっと考えていた

携帯で投稿する内容じゃねえよな。最近ヲチしてないし。

石油メジャーの支配ってのは自由主義経済の根幹なわけで、アメリカの石油をめぐる陰謀、戦争とかいうけど、んな簡単な問題ではない。
ロシアは例のウクライナ絡みのガスショック以前から石油・ガスによって周囲の国にいろいろやってもいて、長くなるから書かないけど、ロシアのガスパイプラインに対する現在の政策はたとえば欧州の行き方と真っ向からぶつかる(そういえばこの問題、落としどころ見つかったのだろうか)。


なんだかんだいってプーチンは物のわかった男だし、今のような石油政策の転換を、他の人間がやったらもっとひどいことになっていたかもしれない。サハリンにしろシュトックマンにしろやり方があまりにロシアでヨーロッパの不審を買うのだが、プーチンの言うとおりロシアは市場経済の行き方から離れるつもりはない。大きく言って、ロシアはすでに自国がかつて極として敵対した世界の流れに組み込まれる意志を持っている。
この辺り前書いたか、シュトックマンでこのブログ検索してもらえればわかる、って、これじゃまるで黒崎さんだが。


どちらにしろ売る相手がいなければ商売は成立しない。自由主義経済陣営は圧倒的な顧客であり、その意向を無視して激烈な反応を起こそうというような発想は、今のロシアにはない。ベースとしては、そのロシアの穏健性を欧州は理解していると思う。ロシアには病的とも言える一部のナショナリズムがあるが、それはむしろプーチンからすればやっかいな代物でしかないように見える。


石油メジャーの国内ガス開発への関与を弱めようとしている現在、ロシアは採掘の資金は金融市場、そうでなければ消費先の国から調達することを念頭においている。ユコスの事では金融市場からも疑念の目で見られていたし、どうあがこうと欧州や日本の力を借りねば採掘そのものができない。(中国の、自国の石油ガスへの影響力増大にはロシアはかなり神経質)


ここで、(採掘権を与えることが決まりかけていた北欧二社をドタキャンして)シュトックマンガス田の採掘資金を直接消費先のドイツに持ちかけた事例につながるわけだが、この出来事が今後のロシアの資源政策に意味する重要性は、―サハリン2と同時期に起こった出来事にもかかわらず―日本ではほぼ黙殺された。
ブロゴスフィアは社会面的なものにしか興味を示していないが、日本のジャーナリズムの根本的な問題点はこの辺りにもある。



英国のなんたら言う会社(追記 セントリカ)を買収しようとして反発食らっていたことに見えるように、ロシアは石油ガス施設の川下整備にも熱心だが、うーん、考えてるうちにわかんなくなった。
話は戻ってドイツはもともとかなりロシアに投資があるようである。大きな関係性として見なければならないだろう。



ロシア脅威論の非論理性と、妥当性について。石油について、石油関係者の誘拐の多発するナイジェリア、チャベス、イラン、動きとして中国。つまりは資源ナショナリズムとそれをめぐる動き。エネルギー全体に話を回せば原子力の話にもなる。
この辺りは本質的な石油の世界地図の変化を意味する。
中国の存在の影響も、石油ガスに限らずそろそろいろんな意味で見えはじめる頃なんではと思う。そうなれば脅威は脅威でなくなるが、陳腐なようだが北京オリンピック周辺で起こることは何らかの目安になるかもしれない。これは中国とバチカンを見ていて思ったことだ。よい目もあるが悪い目もある。まあ一時的なことは結局一時的な事だが。


資源を自国もしくは友好陣営が握っているかいないかは、即ち国の命脈の問題である。これは深く言及するとやばめだが、要するに我々は構造の内に生きているのでしかないのであって、綺麗事の上に立っているわけではないということ。
資源において市場経済に組み込まれる意志があるにしろ、メジャー国内排斥(とまではいかないが。要は独自開発の方向性)の傾向を見せるロシアは、大資源国としての影響の大きさもあり、横への影響(資源ナショナリズムの趨勢)もあり、今後を見ていく上でその動きの性質を見ていかれるだろう。あまり正確な目で見られているとは思えないが。


石油ガス産出国は政治的に不安定な国が多いが、そういった国の政権に直接資源を握られるのは現実に大きなリスクである(まあ、国の中でも割れるわけで、それが内戦にもつながる一番の厄介になる)。現在いくつかの国が反米を唱えることで本来持っている微妙な周囲との関係性や問題が押し隠されてもいるのだろう。反米・親米は国によっては構造の反映だが。



ウクライナ・グルジアバルト三国・ポーランド。この辺りはロシア脅威論を唱えざるをえない。そして実質ウクライナ・グルジアは見捨てられたかなとも見えるし、第二次世界大戦の構図はある部分まるで変わってないのだなと思う。挟まれた弱小国は必死に動き回る。ポーランドがウクライナのオレンジ革命の強力な支援者だったこととか。
で、ロシアはその動きが欝陶しいと。


シュトックマンの取引清算は、イランの初の国営ガス田サウスパースの石油生産の方法を参考にするとロシア版ノーボスチに書いてあったが、この辺りは石油の専門家が解説してくれればいいなと思う。朝日にやや詳しそうな記者(記者の書いたでなく寄稿だった)がいたが。

欧米メディアは脅威論に偏っており、それは―ガスプロムの資源調達力への疑問などを含め―妥当なところもあるが(パイプラインをめぐる動きであるとか)、ロシアが未だ前時代的であるという見方に基づいている。
ロシアは近代的であろうと欧州に歩み寄りながら、同時にその根深い偏見に焦れている。


そして日本メディアは、自国の目でロシアを見ていないと思う。違うとすれば北海道の地方新聞くらいか。まあ、ジャーナリズムの問題だけではないけど。
安倍内閣はロシアとの関係修復は考えている。この先日本からの金もロシアに作用してくんだろうな。



てかなげぇよ、私。
思いつくままに書き留めていっちゃいかんな。一度で書かないと。

EreniEreni 2007/01/10 00:35 加筆しました。

自分の書いたもの探してURL貼るのが面倒だと「検索しろ」の台詞になるわけか。なるほど。

EreniEreni 2007/01/11 00:05 シュトックマンその後は見てないので、ここから事態は動いていると思うが。

カワセミカワセミ 2007/01/11 00:20 こういうの書いてくれる人って少ないんですよね、とか言いつつコメントしてみたり。
>挟まれた弱小国は必死に動き回る。
自国の経済の規模からしてもそうだし、政治的にもある程度容認されるという面からそうなっているのだが、ロシアそのものよりこうした周辺の動きから収拾のつかない状態になっていくというのは歴史にもしばしばあること。それを思うとNATOやEUが無ければどうなっていたかと背筋が寒くなるような。ベラルーシは今後ジョーカーになる可能性もあるのだがそれでも専制政治の分かりやすさから周辺国が変な事を考えそうという懸念はある。
日本となれば、昔から圧倒的に立場自体は強い。それでも一般論的にエネルギーの重要さを喧伝しておく事自体は意味のある事かもしれない。金さえ払えば多少の危険を冒しても日本までエネルギーを運んで来てくれる連中はいくらでもいる、などとあからさまな事を言わないのは大人の知恵というやつか。もっともこの件に限らず、昔から日本の経済的基盤は脆弱という事になってはいる。
って先に自分のブログを更新しとけとか言われそうだが。

EreniEreni 2007/01/11 09:31 >カワセミさん
そう、この話題に反応されるのは、あなたかfinalventさんくらいです。お久しぶりです、カワセミさん。
今回は妙に和まれてますね(笑)。他人が書いてくれると楽だなというか、何となくお気持ちわかるんですけども。

この手の話題をやるのもうちくらいですけど、ブロゴスフィアってのも、あるフレーム以外の情報は求められないですね。中国がらみか反米か。それは現実の世界の姿ではないし、本質的な政治の話をしてるわけでもないんだけれど、結局その疑似の段階でとどまってしまう。人のことは言えないんだけれども、ベースになる教養のなさにも起因してるんだろうと思います。

>日本には黙って資源を運んでくれる
それいうと身も蓋もないんですけども。石油ショックの顛末も確か日本の空回りだったし、まあ日本も経済力をとったら何も残らない国ですからね。自動的に石油が流れ込んでくると思ってたらただのバカだし、自国がどんな力関係の上に成り立っているか考えるのは、おっしゃるとおりいいことだと思います。結局、焦る必要ないじゃんなんてのも、見てかないとわからないし。

ロシアの話に戻りますが、ウクライナが小細工したとか、欧州各国もあれは結局わかっていて言わないんですよね。ベルルスコーニは言いましたし。またその発言も自分のエネルギー政策の瑕疵から目を逸らすためと批判されたりしたようで、色々と難しいもんだなと当時思いました。まああのおっさんのことですから、実際発言の動機はそんなもんだったんでしょうが。あの頃資源のフレームをイタリアを通して見られないかなと思っていたんですが、結局放り投げてしまいましたね。

でまあ、見てると小国が行きすぎてしまうのもむべなるかなというか、大国は小国を様子を見るためのコマくらいにしか思っていないのが、ロシアをフレームに入れるとよくわかります。
この辺書くのは、カワセミさんにお任せしますけどね(笑)

EreniEreni 2007/01/11 09:46 ベラルーシは、書かなきゃいけないんだろうけど今は調べる元気がないしなあ・・
構造的にはさして新味なさそうという感じもする。わからないけど。

EreniEreni 2007/01/11 15:43 エネルギー政策だかスキャンダルだったか、どっちだったかよくわからなくなってきてしまいました。

カワセミカワセミ 2007/01/12 22:30 リプライ有難うございます。特に和んでいるというわけではなく、まぁ普通ですよ。自分のブログでは体裁を整えるのに気を遣っているという程度の話ですね。もう少し肩の力を抜いたエントリが多くなってもいいのでしょうが、なかなかうまくいかないんですよ。

>ベースになる教養のなさにも起因してるんだろうと思います。
自分の興味の無い範囲の情報を集め回るという事はいつも至難なのですが、やはり古典的な学問の枠組とか、そういうものが様々なものを補ってくれるような気がしますね。せめて歴史的な良書を読むだけでも違うと思うのですが。まぁ私も読書量減ってるし、最近はまずいなとは思います。

ロシアの話ですけど、EUの動向に表面上は反発しながらも相当気にかけているあの感覚は我々だとなかなか皮膚感覚として理解できないですね。もっと理解してないかもしれないのが米国かもしれないのですが、それでも専門家はそれなりにいますから政策決定のレイヤでは抑制が効いているように思いますね。欧州の知ってて言わないというのは日本の外交にしたって似たようなものなのでマスコミもそこらは報道しろよと思うのですが。これまた知ってて言わない連中も多いのかもしれません。大手マスコミの連中は知能は無駄に高いですからね。

資源に関しては、まぁわざと喧伝している日本人は多いんですよ。でもそこから派生して米国の中東政策は石油利権が目当てだとこれまたわざと言う人がいて、まぁその事自体国益を害するというわけではないんですよね、直接的には。ただ国会議員のクラスまで天然で勘違いされると困るといいますか。もっともこの件に限らず日本の高級官僚は議会政治家を騙そうとし過ぎますね。これは野党がしっかりして政党政治が機能すれば自然と力学上排除されるのですが現状なかなかそうならない。まぁ、政権交代が無い悪影響は見えにくいところでも色々ありますね。

イタリアは最近頑張ってはいたんでしょう。でも指導者がアレだとイタリア人も自ら誇る雰囲気にもなり辛く、ちょっと同情しますね。シュレーダークラスの厚かましさならドイツ人が骨身に沁みたようにむしろ後々良いのでしょうが、それとはまた違いますし。

EreniEreni 2007/01/13 01:25 >カワセミさん
>もっともこの件に限らず日本の高級官僚は議会政治家を騙そうとし過ぎますね。
それって、根本的に政治家がなめられているんでしょうけどねえ。関連して政党がシンクタンク作るというのはいい事だと思っていたんですが、果たして存在するに値するものを作れるのか、民主党を見ていたらやはりダメかなと。

>ロシアの話ですけど、EUの動向に表面上は反発しながらも相当気にかけているあの感覚は我々だとなかなか皮膚感覚として理解できないですね。
エネルギー問題を見るとき、西側のメディアだけ参照してても、絶対分からない温度と言うのがありますね。おっしゃる通り「わかってて言わない」所も多いわけですが、ロシア、旧ソ連衛星国家のメディアに少しでも目を通してみて、初めてある程度浮かび上がって来る所がありました。
ソ連時代には何だかんだいって独立した国々は恩恵を受けてるわけですよ。だからロシアとの間に、別れちゃった夫婦の揉め事みたいな外から見ると馬鹿馬鹿しいような雰囲気もあったりする。あまり表に出ないけど金の問題がかなりあるようで、ガスショックについてもロシアとか供給側にしたら「お前代金払ってね―だろ」と。
直近関係の話ですが、ベラルーシなんかうちはウクライナとかと違って友好国だしと思ってたら、ロシアが去年あっさり値段を上げてきた。せっかく肩持ってやったのになんだよと、ベラルーシからすると確実にそういう気持ちはあったと思います。

で話を戻して、旧ソ連関係国の民族対立とか深刻な問題が収拾つかなくなると、欧州が出て来て調停するわけで。この辺りは特有のバランス感覚が働いているなと思いますね。

>シュレーダークラスの厚かましさならドイツ人が骨身に沁みたようにむしろ後々良いのでしょうが、それとはまた違いますし。
シュレーダーの、こちらの目が点にさせられるようなやり方はともかく、ロシアにしたらロビー作ってく必要性はあるでしょう。宗男氏を自国ロビーとロシアは認識していたようですが、日本国内の状況を考えるとロシアとの間にまともに機能するパイプがないのは、極めて良くない状況ではあるだろうなと(私がよく知らないだけかもしれませんが)。日本とロシアには歴史的な関係が存在してないから、意識して関係作ってかないとダメだろうと思いますけどね。

>イタリアは最近頑張ってはいたんでしょう。
イタリアの方はきちんと見ていたわけでもなくて。二回目のガスショックの時、Eni社がアナウンスする立場になっていたので、EUの国営エネルギー会社の在り方なんてのも本当は把握しとかなきゃならないんだろうなと思ったりとか。今のガスプロムのあり方が、その辺に近いよという指摘も石油関係のとこが出してるレポートにありましたし。まず一点定めないと、物事は見難いですからね。

ちょっと長くなってしまいました。

EreniEreni 2007/01/13 01:48 × EUの国営エネルギー会社の在り方
○ 昔の欧州の国営エネルギー会社の在り方

で、これらの「今」というのがまた問題にもなってくるわけだけれども、まるで私の認識が追いついていないと。

ベラルーシについてもうちょっと言うと、石油ガス価格の値上げは、ロシアが旧ソ連時代のように安い値段で供給する事はもうできないということであるわけで、大国意識への決別でもある。欧州への供給強化もあって市場への意識移行という言い方もできる。

ロシアはとにかくやることが唐突かつ強権的。で、やっぱり他のとこ見てても、やり方汚いからなあ。
ロシアからしたら「悪いのはベラルーシじゃん」なんだけど、結局現実的にはバルト海パイプラインNord streamの方向性。トランジット(パイプライン経由)国はあまりやりすぎると己の首をしめる。

EreniEreni 2007/01/13 02:16 ベラルーシへの値上げ通告は去年三月末。記事が消えているため全文引用なのでコメ欄活用

『ロシアの政府系天然ガス独占企業ガスプロムのミルレル社長は30日、ベラルーシのアゲエフ・エネルギー相に対して、07年以降ガスの輸出価格を欧州並みに値上げしたいとの考えを伝えた。

ロシアは昨年来、親欧米政権が誕生したウクライナに対して天然ガスの5倍近い値上げを通告するなど、旧ソ連諸国への輸出価格を軒並み引き上げたが、親ロシアのルカシェンコ政権のベラルーシに対しては、1000立方メートルあたり46.68ドルという低価格を維持していた。

ロシア側としては、19日の大統領選でルカシェンコ氏が3選を決めたため、値上げ交渉をする環境が整ったと判断したと見られる。また、ガスプロムは、ベラルーシのガスパイプライン会社「ベルトランスガス」の株式50%を買収する交渉をベラルーシ側と続けており、ガス価格の値上げをちらつかせることで好条件を引き出す狙いもありそうだ。 』
asahi.com:ベラルーシへのガス価格値上げ打診 ロシア国際
http://mfeed.asahi.com/international/update/0401/003.html

五月
http://www.cpgbaltics.com/modules/news/article.php?storyid=988
六月
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