「ひとりぼっちの海外調査」 水野一晴 文芸社

もう絶版になった本だが、著者の集中講義を受ける機会があり幸運にも手に入れることが出来た。
著者は海外で得た驚きや喜びや辛さを率直に綴っており、また直接ご本人を知ったこともあり、親近感持って読むことができた。そして何より「目的意識を持って海外に出かけ未知なる世界を知ることが、いかに刺激的でかつ自分を成長させるか知ってもらいたい」という想いに共感した。
また、「海外での時間の流れは子供の頃と同じ」という著者の言葉にも頷いてしまう。子供の頃は見るもの経験するものが新鮮で、すべてが学習の対象であるが、年とともに当たり前の世界になってしまって、大人になると時間があっという間に経ってしまう。しかし海外に出ると、子供と同じように全てが新鮮で、それについて感じたり学習したりするから時間を長く感じるのであろう」
スウェーデンにいた時はまさにその通りで、最初は日々がちょっとした戦いのようにも感じた。日本に帰ってきて感じるのは、あまりに居心地が良いこと。カルチャーショックを受けることも無ければ、言葉の壁にもがくことも無い。居心地が良すぎてかえって不安になる。この居心地の良さから抜け出して外に出ようという心意気が衰えていくのではないかと。。。