『よくわかる現代魔法 jini使い』桜坂洋

ぎゅんぎゅんぎゅん。
えっと。まず、この本に限っては本編を読む前にあとがきを読もうとしちゃだめです。というか後ろの方めくっちゃいけません。なぜとは言いませんがいろいろ危険です。悪いこと言いませんからおよしなさい。およしなさいって。ネタばれ回避ー。
今回は嘉穂さんメインです。無口で動きの少ない嘉穂さんは一見適当に作られたキャラクターに見えますけど、プログラマーな桜坂さんにとってはむしろその方がリアルな人物像なんだと思われます。メインの四人の中で嘉穂さんがいちばん作りこまれたキャラクターだと考えても、多分問題はないでしょう。(とゆうようなことを昔家来さんがどこかで言ってました)　というわけで、嘉穂さんがお話の中心にいるだけあって今回は小ネタが多めです。それも「知ってる人にしか分からない」手のネタです。私も半分以上は分からなかたっんですけど……ええと、ウィザード・リィ？
このシリーズ、これまでの三作では「このカギ括弧が誰のセリフなのか分からない」ということがときどきあったりして、状況が分からなくなって何度か読み返すということがしばしばあったのですが、今回はそういうことがあまりありませんでした。もともと文体自体は非常に読みやすいので、いい意味で摩擦係数の少ない作品になってきたと思います。お話自体もシリーズの中ではいちばん面白く感じられましたし、デビュー以来順調に成長されてるようですね。
残念なのは、嘉穂さんメインのお話なのに嘉穂さんの絵が少ないことで、本編では一枚しかありません。弓子さんの絵が三枚もあるので、どうやらそちらに持って行かれてしまったようで……。でも、表紙のあの絵だけで他の絵五枚分くらいの価値がある気もしますね。