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2017-07-16

『パラークシの記憶』

パラークシの記憶 (河出文庫)

 前作『ハローサマー・グッドバイ』からだいぶ先、登場人物一新されているものの設定的に繋がりのある続編とのこと。前作の内容をおぼろげにしか覚えてなかった私でも問題なく読めたので、細部を覚えている必要はないと思うのですが、前作ラストの大オチを割る内容ではあるので、一応注意は必要かもしれません。

 基本的地球によく似ているけど自然現象生態系など細部が異なる惑星に住む、基本的地球人によく似ているけど記憶継承方法倫理基盤などに差異があるヒトを主人公にしたお話SF成分やサスペンス成分などがありますが、前作と同様なによりもザ・青春小説。それなりに頭が良くて周りを見下しがちな身分の高い少年が、気立てが良く聡明な身分の高い美少女一目惚れで恋に落ちて大冒険する話。みたいな紹介の仕方をするとなんだそのアレはとなりそうですが、実際読んでみるとこういう主人公の造型がしゃらくさい青春小説としてものすごくハマっています

 書き割りの悪人、というのがあまり出てこない代わり、愚かな人物についてはその愚かしさが容赦なく掘り下げて描かれます。悪い人にも良い面があるというアプローチではなく、彼はこれこれこういう経緯で現在こんな有様になっており実際愚かなのだ、と容赦なく書き示す感じ。人の愚かさには理由がある、という風に見ることもできますが、だからといって別に救いはありません。愚か者の中にも、苦境などをきっかけに聡明さを手に入れる人もいれば、最後まで愚かなままの人もいて、そこが余計に突き放した感じもあるのですが、これはこういうものとして何か嫌いではありません。

 地球人とは違う種族とされている本作の「人々」ですが、異星に住んで牧歌的文明を営んでいること以外ほとんど地球人との変わりはなく、平和的で保守的に見える性格もだいたい環境要因だったというような話も出てきます。ただし、文化伝承形態や一部の本能本能性質にわずかながら明確な差異が設定されているせいで、そのちょっと違う部分がかえって浮き彫りになってくるのが面白いです。

本能に従うのは自然で正しいことである」式の自然主義の誤謬(通俗用法)はうんざりですし、デザインされた本能に従って自分の行動が決められているなんて言われたら反発心だって起こります。ただ、自然であることが正しさの根拠にならないように、自然に逆らうことも別に正しさの根拠にはならなりません。あらかじめ設定された本能をとりあえず一度そういうものとして受け入れてから自分の出方を決めるのは勿論、一連の大きな営みの中の一部を担うものとしていっそ誇りを持つという在り方が、本作では特に否定されていません。現実社会保守的倫理接続するとだいぶ危うい話ではあるのですが、空想的な思考実験としてはこういうのも一周回って面白いのかなと思いました。

2017-06-04

『芥花』 - 拷問RPGで推理ゲームな七人の少女と悪魔の感情と記憶

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 突然辺獄に召喚されて「このままでは1年以内に死ぬ」と告げられ七人の少女(致死者)たちが、「死因の記憶」を現世に持ち帰って死を回避するため、契約した悪魔の力を行使して参加者どうしで拷問しあう"ゲーム"に身を投じていく……という、紹介だけ聞くとえらく陰惨なRPG。ただ「釘」とか「串刺し刑」とかスキル名こそおどろおどろしいものの、実際直接的なグロテスク描写が連発されるわけではなく、戦いの目的あくまで「相手意思を折ること」なので、さほど猟奇的という印象は受けませんでした。

 悪魔や辺獄の住人は基本的に賑やかだったりトンチキだったりして、悪しき者ではあるのですがどこか憎めません。話の本筋もそれぞれの少女たちの抱える「心の秘密」に焦点を当てるもので、「人の心を覗き見る」というある種の悪趣味テーマを前面に押しながらも、全体的にはむしろ繊細な物語でした。少女悪魔ゲームのためにそれぞれペアを組むんですが、比較現実寄りの性格、デザインの少女たちと、派手な衣装外連たっぷり挙動をする悪魔たちの組み合わせが面白いです。少女たちは同じ学校同級生なので、生前からいくらかの因縁もあり、感情のやりとりがあります。いいですね、感情

 拷問バトル部分は、RPGとしてかなりしっかり調整されている印象でした。レベル概念はなく、雑魚戦は回避可能なので、基本的にはボス戦に焦点の当てられた戦闘。高難易度ボスに初期状態勝利するのはかなりの難易度で、ピーキーな戦い方が要求されます。ただし周回前提で複数クリアルートが用意されていて、習得スキルアイテムなどは周回を持ち越せるので、最終的にうまいバランスに落ち着いていると思います戦術を大別すると「傾向」(テンション的なパラメータ)を上げて短期決戦でいくか、「傾向」を下げて長期戦で構えるかなのですが、ボスはそれぞれ発動条件の異なる即死攻撃を持っていて、相手によっては序盤を温存して終盤一気に畳みかける必要があったりするので、一戦ごとに結構頭を使いました。

 だらだら戦っていると消費アイテムがどんどん消えていくし、この消費アイテムもまた「何回か雑魚戦すれば回収できる程度の値段」「一周で何個も手に入らない程度に貴重」など絶妙なところに設定されていて、「もったいない」というジレンマとの戦いでもありました。いちばん苦戦したのはスラバーナ戦でしたかね……(別の勝ち方もあったみたいだけど正面から倒してしまった)。

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 拷問バトルの本来目的は「拷問相手意思を折る」ことですが(これで各キャラにまつわるエピソードが解禁される)、相手ライフゼロにしてミもフタもなく殺害する「拷問失敗」は極めて簡単に達成できるため、とにかくストーリーを進めると割り切れば戦闘のもの勝利するのは容易という作りになっています(手間を惜しんでなにか大切な人間性が失われていく気持ち体感できます)。イベントシーンのスキップショートカットなども豊富で、周回プレイ前提にものすごく親切な設計がされているのが嬉しかったです。

 極めつけは公式サイトネタバレ攻略ページが用意されていて、各ルートクリア条件から隠しスキルまで攻略wikiがいらないくらい全ての情報網羅されていること。戦闘はだいたい自力で解きましたが、終盤細かい要素をコンプしていく流れになったときは大変お世話になりました。

 あとユニークだったのが、RPG戦闘一切なしで本格的な推理ゲームが展開する「ビョウドウ編」。これが本当によくできていて、「悪魔や異形が跳梁跋扈するファンタジー世界いか推理ゲームを成立させるか」をかなり丁寧にやっています公式ツイートではっきり明言されていますが、まあつまりそういう趣向。「赤字」など知ってる人が見れば「おっ」と思える要素を織り交ぜつつ、RPGツクールの制約を逆に利用した情報整理モードが用意されてたりして面白いです。(「推理空間」が登場したときものすごくワクワしました)。

 推理って何もお膳立てがない状態だと自由思考の遊びになるので、プレイヤーは「作者側の想定していない別解」をいくらでも思いついてしまうし、それが物語中で提示された真相と食い違うと不満が湧いたり消化不良になってしまます。だからこういう推理ゲームでは、プレイヤーの想定できる可能性の範囲が的確に制限されるよう誘導した上でちゃんと推理もしてもらい、「自力で解いた」経験を味わえる作りにすることがとても重要だと思うのですが、本作はここが非常にしっかりしていました。

悪魔能力でできること」をはっきり提示して脱線の隙間を丁寧に埋めつつ、真相に近いところでわざと口を濁して「例外」が通る隙間を空ける。解決必要な手掛かりははっきり提示し、「ここにある情報の組み合わせで仮説を組み立ててね」と匂わせる。事件真相自由記述で回答するシステムはこういうゲームには不可能なので、最終的には犯人当てというシンプルな回答方法になってはいますが、全部の真相までは言い当てられず犯人だけ当ててクリアルートに入ったところ、「そういえばあの情報だけ使ってなかったな」と引っかかっていたところが真相最後ピースにハマったので、プレイ後の納得感はかなりのものでした。

 だいたい15時間弱ほどプレイして、一通りのルートは見られたと思います。もう少し彼女らと関わっていたい気もしましたが、主人公芥花の物語としては十分描かれていたと思うし、全キャラとの個別ルートを用意するようなタイプの話ではない気もするので、このくらいの突き放し方がちょうどよいのかもしれません(作中でも仄めかされているように、プレイヤーからって何でも見たがるのはある種の強欲な悪趣味かもしれませんし)。それぞれの致死者・悪魔ペアの話とか、ゲームマスターであるルイゼットの話はまた見てみたい気持ちがありますが、そこはまた別の機会に期待、なのかもしれません。

2017-05-25

アリュージョニスト関係記事まとめ

 沼にハマったファンが目玉グルグルさせて謎のミームを発しまくっていることでお馴染み(お馴染みではない)のオカルトパンクWeb小説幻想再帰のアリュージョニスト』がめっちゃ好きすぎてことあるごとにアリュージョニストの話してたらずいぶん記事が増えてしまったので紹介用も兼ねてめぼしい関連記事を一覧してみました。本編読み尽くしてしまったから誰かのアリュージョニスト感想が読みたい! という方やアリュージョニストって何? っていう方の参考になれば幸いです。それにしても私ほんといつもアリュージョニストの話してますね……(アリュージョニスト読んでくれ頼む)。

比較的紹介っぽいもの

その他の与太話っぽいもの

2017-05-22

アナログゲーム会しました

 首都圏某所で、アリュージョニスト読者繋がりでお呼びしたM氏、A氏に加えお餅氏と下僕の4名でアナログゲーム会をしました(私は下僕電波で操って指示を出す人)。A氏がかなりこなれた感じでインストなどやってくださったので、スムーズに進行してありがたかったです。折角なので感想など書きます。

Skull& Roses

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 A氏が持ってきてくださったシンプルチキンゲームギャング地域のヘッドを決めるために度胸勝負するとかそういう感じのフレーバーらしく、伸るか反るかの熱い勝負が楽しめました。1度目はお餅氏、2度目は一騎打ちまで持っていけたのですが、読み合いに負けてM氏が勝利

 臆病者の感覚的としては勝率1/2以下だとなかなか勝負を仕掛けにくいというのがあるのですが、よくよく考えると4人のうち1人しか勝者にはなれない仕組みなので、勝率25%くらいを基準に仕掛けていかないと理屈の上でもジリ貧で負けていくだけなんですよね……。

BABEL

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 先日のゲームマーケットで入手した、厚紙を組み合わせて塔を建てていくゲーム基本的に協力プレイで、バランスを崩さないよう8段目まで建てきることができれば建設者の勝利。ただしプレイヤーの中には狂信者が混じっていて、わざとバランスを崩して塔の崩壊を狙ってきたり勝利条件を9段に引き上げてくるなどの仕掛けがあり、シンプルルールに刺激を与えています。

 7段目くらいまでは順調に建設できたのですが、最後最後お餅氏が狂信者宣言、8段目の壁の一側面を破壊して絶体絶命のピンチに陥ったのですが、A氏が落雷特殊カードを発動、不安定になっていた8段目自体更地リセットして無事完成までこぎ着けることができました。ルール的には軽いゲームだと思うのですが、バランスを崩して塔を崩壊させてしまうと自分だけでなく味方全員の敗北になってしまうので、かなり心臓に悪かったです……。

闇のゲーム ワンダーワールズ

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 ぜひ遊びたいと思っていたアンディーメンテゲーム。こちらも先日のゲームマーケット頒布物です。「テストプレーをしていない闇のゲームです」「もし遊べたら"闇のゲーム遊べたよ"と報告してください」みたいなことを言っているとんでもないゲームで、普通ならブラフだと思うのですが、まあアンディーメンテなので本当にテストしてないんでしょうね……。それでも細かいバランスはともかく、それなりに遊べる作りになっていたからすごい。

 土地ごとに収穫できる資源ジョブごとの合成能力で食料やアイテムに変換し、なんとか餓死から逃れながら勝利アイテムを稼いでいくゲームなのですが、選んだ土地ジョブでできることが完全にバラバラな上、交易でよそから資源をもらわないと自分の固有能力も満足に行使できないので、物々交換でどんどん経済を回してく必要のある交易ゲームです。

 バランスはかなりシビアで、常に餓死の恐怖を感じながらわずかな余力でなんとかアイテムを合成し、勝利アイテムを1つ2つ作っていくという感じ。食料は常に不足していて、自給自足可能農家にかなりアドバンテージがあるという印象でした。私は1プレイ目はお金を生み出せる「王様」を選択したのですが、食料が足りず農民(お餅氏)にへえこらしてるうちにお金を抱えて餓死。2プレイ目は海の農家選択しましたが、まわりに魚を売りさばきながら柔軟に好きな合成素材を手に入れていくという感じで、かなり余裕を持って勝利することができました。

 実質テストプレイということで、以下軽くそれっぽいことも


世界滅亡』

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 M氏が持ってきてくれた、フレーバーを見てるだけでとても楽しくなれるゲーム天変地異核爆弾でいち早く世界を滅ぼした人の勝利です。

 手札バースト即敗北なんですが、自分が手札4枚持ってるときに全員2ドローカードを出されて自分の手番でもう1枚ドローして即死とか頻発したので、なかなか緊張感もありました。1ゲームが非常にスピーディーなので、理不尽即死しても悪い気持ちにはならないのがいいですね。シンプルかつ大味、ゲーム展開も劇的かつ短時間で繰り返しプレイできるので、悪いインターネットの人たちが集まってワイワイやるにはピッタリのゲームですね。


シュレディンガーの宴』

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 はてなダイアリーなどで昔から相互認識のある水池亘さんのゲーム。白か黒の点数カードを出していって得点を競うタイプのゲームなのですが、自分白と黒どちらの陣営に属するのか最初は分からず、カードに書かれたパーセンテージの増減で可能性が変動していくというアイデアが非常にユニーク。黒陣営得点が増えるけど白陣営可能性が高まるカードなどが結構含まれていて悩ましいです。可愛いらしいデザインですが、各プレイヤーの白黒のスコアと白黒所属パーセンテージを把握しながら平行思考スコア確率操作していく必要があるので、かなり脳を使わされるゲームでした……。

2017-05-16

ゆらぎの神話同人誌BOOTH通販のお知らせ

 もうかれこれ十年、与太話を繋ぎ合わせて神話を作る遊びをやっているのですが、昨年文学フリマ頒布したこの「ゆらぎの神話同人誌BOOTH通販をはじめました。遠方で入手できなかった方など、この機会にご利用くださいませ。主に下僕がせっせこ梱包してお届けいたします


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