2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

2006年10月に読んだりプレイしたもの

『重力ピエロ』伊坂幸太郎 『狼と香辛料』支倉凍砂 『虚空のマトリクス』森博嗣 『フラニーとゾーイー』J・D・サリンジャー 『灰よ、竜に告げよ』浅井ラボ 『Jの神話』乾くるみ 『ZOO 1』乙一 『ZOO 2』乙一 『薔薇の女』笠井潔 『ポーの一族(2)』萩尾望都 …

『薔薇の女』

でっかい思想戦争に挑まんとする思弁青年・矢吹駆が、敵の親玉の正体に迫るついでに巷の猟奇殺人事件を解決するお話。ミッシングリンクにフーダニットホワイダニットと色々あるんですけれど、探偵役の矢吹さんだけが知る情報というのが少なくなくて、「推理…

『ひぐらしのなく頃に 暇潰し編(1)』

出題編第四話。建設大臣の孫の誘拐事件を探るため、雛見沢に潜入した公安の若手刑事赤坂衛。一見のどかな雛身沢村と、ダム建設反対闘争で見せる苛烈さとの落差に恐れおののきおっかなびっくりの赤坂さん。人喰い鬼の住まう地を生き延び、誘拐事件を解決する…

『ZOO 2』

「血を探せ!」 乙一さんには珍しいスラップスティックっぽいお話。こういった作風にまだ慣れていないようでぎこちなさも感じますけど、文体などの雰囲気作りがとても秀逸。乙一さんのSFメルヘンでは、超常現象を目の当たりにした人々の間でときどき間の抜け…

『ZOO 1』が積読の山の底から出てきました

いわゆる「白乙一」とも「黒乙一」ともカテゴライズできない、不思議な作品集でした。 「カザリとヨーコ」 母からの愛情を一身に受け学校でも人気者な双子の姉カザリと、母からの虐めを受け学校でも除け者の妹ヨーコ。乙一さんお得意の、日陰者の哀しみを綴…

【ごきげんよう】『Jの神話』【にははっ、ぶいっ】

うひひひひひひひひ。な、なにこれ。頭悪い。頭悪すぎ。きえええっ。おぎゃあおぎゃあ。フギャーイギッヒ。えーと、なんかある意味リリカル・ミステリー。友桐夏さんの『白い花の舞散る時間』のアレっぷりが好きな人は是非どうぞ……とは恐ろしくてとても言え…

『灰よ、竜に告げよ されど罪人は竜と踊るII』がキてました

うひー。たいへん面白かったです。本書には二つの軸があります。ひとつは、シリーズ主人公であるガユス・ギギナの咒式士コンビを中心としたバトルもの。戦闘描写が説明過多になってしまいがちなきらいがありますけれど、トリメチレントリニトロアミンやアデ…

『世界の終わりの魔法使い』で西島さんにリベンジ!

うわっ。こんなに面白かったなんて! こうなると、最初読んだときはどうしてこの面白さが分からなかったんだろうと逆に不思議になってきます。初読の時は「影」とか「魔法使い」などの設定周りがピンとこなかったんですけれど、『恋におちた魔法使い』でその…

『恋におちた悪魔 世界の終わりの魔法使いII』がしっくりきました!

わあああああ。面白かったです。一巻のときはサリンジャーさんの著作を読んだときと同じような「よく分からない」という感想だったんですけれど、これは大変しっくりきました。表面上は、SFとしての分かりやすいストーリー貫かれていたからでしょうか? かわ…

本日一信

こんにちは。海燕さんの下した暗殺指令で見事脳漿をぶちまけられた魔王14歳です。問題の海燕さんはインターネットにおける風説流布の容疑で新潟県警のお縄についちゃったようで、ようやっと書評サイトに平穏の日々が戻りました。パピヨンパピヨン。というわ…

失踪の現場に残されたメモ - 書評サイトに潜む闇の告発

今、は■■ダ■■リーを中心とした書評サイトには、黒い陰謀が渦巻いています。 私が何を言っているか、分からないかもしれません。実のところ私自身も、あれが何だったのかよくは分かってはいないのです。けれど、何か恐ろしい計画が実行に移されようとしている…

空気読まずに「燃やし賞」行ってきました

〜燃やし賞開催〜 有給の風邪伝説。 燃やし賞(ついかっとなって)開催 なんか色々間違えました。 「インドへの道」 「決めたよ! 僕はインドに行く! インド行って牛に乗る!」 たあ君は私の部屋に転がり込むなりそう叫んだ。 「インド? なんでインド? し…

本日一信

ここのところゆらぎ関係が放置気味なのでそろそろ復帰します。ゆらぎ紹介とかゆらぎニュースとか。

宿敵サリンジャー - 『フラニーとゾーイー』

くっ……くやしいっ……!サリンジャーさんの小説が読めません。小説としてどの部分をどう楽しめばいいのか、この作品を誉めている人はどの部分をどう読んで楽しんでいるのか、というのが分からないのです。ひとつひとつの会話の意味はまあ何とか捉えられます。…

『虚空の逆マトリクス』の森さんっぷり

たーんぺーんしゅー。感想は個別撃破で。ちゅどーんどーん。 「トロイの木馬」 序盤混乱、中盤ドキドキ、ラストはやっぱり森博嗣さん。落としどころを曖昧にして幻惑感を残すのも面白いですけれど、パズルが一気にパタパタはまるようなカタルシスもそろそろ…

『狼と香辛料』の面白さって『デスノート』と似てません?

うーひゃー何これ。すごい面白かったです。これで銀賞? 文章的な粗がないではないので大賞は逃すとしても、金賞でも勿体ないくらいの作品だなーと主観的には思いました。あまりライトノベル的ではないからメインの読者層を獲得できない、とでも編集の人に判…

『シンフォニックレイン』は物語よりも情景の表現そのものを重視してるんだなあと

この作品、シナリオ運びやテーマの扱い自体はあまり上手ではない気もします。中盤までがどうにも退屈なことから分かる通りストーリーテリングはあんまりですし、物語の締め方もふわふわしていて捉えどころがありません。そのおかげで「結局どうなの?」とプ…

本日一信

今日は私の誕生日です。今までは14歳でしたけど。ひとつ年をとって14歳になりました! 「魔王14歳の幸福な電波」はまだまだ今の調子でどんどん続けていくつもりなので、これからも皆さんどうぞ宜しくおねがいします。

『低俗霊DAYDREAM(9)』が人肉バーベキュー大会目前です。

ぱっぱはかれぇーが、だーいすっきさぁ――――♪クライマックス一歩手前。着々と実行の時間が迫る大量自殺計画「大直の鑽火」はどうなっちゃうの? というほぼそれだけしかお話の軸がないのに、牽引力抜群に引っ張る引っ張る。シリアスシリアス。今までならシー…

『東京赤ずきん(4)』が完結しちゃったので幼女のとびちる内臓もしばらく見納め

完結ー。前巻の調子からもう少し続くかと思っていたんですけれど、わりとあっさり終わってしまいましたね。敵の勢力がはっきりしていなかったのでバックにもっと色々控えているのかと思ってましたけど、そういうわけでもなかったようです。ある意味ストレー…

『シンフォニック=レイン』についてちゃんと感想

はい、いつもの調子でまともな感想。私が市販のサウンドノベルをプレイしたのはこれが三度目で、残りの二つは『A I R』と『かまいたちの夜』のみです。というわけで例によってこの手の作品のアベレージを知らずに話をするので、この記事はそういうものだと思…

落ち着いたので『シンフォニック=レイン』の感想書きます

ヘ○ヘ |∧ / ああ、ごめんなさい。まだ完全に落ち着けていませんでした。平静、平静。ええと、とにかく、まず言うべきは「傑作」の一言。ミステリー的な側面が強く語られる本作ですけれど、単にびっくりするだけの仕掛けなら他にいくらも例があります。この作…

本日一信

ああー! 『シンフォニック=レイン』のやり過ぎで、昨日がこのラノアンケートの締切日だったことをすっかり忘れてました。なんてこと! 献本の夢がまたひとつ遠のいてしまいました……。(それ違う)

いやだから『シンフォニック=レイン』すごいですよ

ヘ○ヘ |∧ /第四ルートに突入したんですけれどこれが凄い凄い。すごすぎて感想書く時間も惜しい私は「荒ぶる鷹のポーズ!」(↑)でも取りながらただただ続きを読み進めるのみですーというわけで、もうしばらくお待ちください。アチョー。

『シンフォニック=レイン』のファルシータさん編をクリアしたんですがなんか血が止まりません

というわけで今の私の心境を擬音化すると「うごごごぐげげげげげげげ」みたいな感じで正視に耐えませんっていうかもう何これ。返す返すもフギャーイギッヒ。世界中がフギャーイギッヒに染まり込みますのことよ。とりあえずメインヒロインは三人ということで…

『シンフォニック=レイン』でおなか痛い痛い痛い

リセさんルートクリア。フギャーイギッヒ。私の表現能を超えた筆舌尽くしがた情景にキャパシティがリミットブレイク。ブラストブラスト。嫌な薄ら笑いが止まらないのでこれ以上の感想は書けません。悪意やー。これは悪意やー。るーるーるーるるーるー るーる…

『重力ピエロ』の倫理観は苛烈だなあと

ものすっごく面白くて、これでもまだ直木賞には届かないのかーと驚くことしきり。とにかくリーダビリティの高さが異常で、文庫五百ページをすらすらすらと読めてしまいました。一般に文体の軽いと言われるライトノベルでも、なかなかこうはいきません。単に…

『シンフォニック=レイン』の不条理っぷり

ぎゃああーーー。いえ、まだトルティニタさんルートのグッドエンド?(と思われるもの。ベストエンドでもないと思われます)しか見てないんですけどね。それにしても何これ。ぎゃあーーー。あんまりですのだ!うーん、途中まではお話を牽引するものもなかった…

『ポーの一族(3)』

あー。そりゃ傑作です。二十代でこれを描いたなんてありえません。既に古典のように語られているのも頷けます。こういう人が実在している以上、天才という概念も信じざるをえないのかもしれません。洗練度のひとつをとっても、これは普通の作家なら四十代と…

『ポーの一族(2)』

ひゃー。やっぱりすごい。作品の中心となるポー家は不老の一族で、その性質のために私たち人間とは異なる時間を生きています。彼らは人間からすれば異形の存在に違いなく、普段は人の中に混じって生活しつつも根本的な部分での思考は全く異なります。決して…