ビジネスで社会的課題を解く時代

昨日は、日本MITエンタープライズフォーラムが主催する、「第八回ビジネスプランコンテスト・イン・ジャパン(BPC8) 最終審査発表会」に出席した。


そのビジネスプランコンテスト自体は、私が米国のビジネススクール留学時代に経験したものと比較してしまうと、最終審査に残ったビジネスプランやプレゼンテーションに関しては、それほど印象深いものではなかったが、それより驚いたのは、その最終審査発表会で聞いた、本家の米国のThe MIT $100K Entrepreneurship Competition で、今年のGrand Prizeに輝き、$100,000を獲得したのは、Diagnostics-For-Allという、世界中の医療コミュニティに、低価格の診断ツールを提供し、これまで診断を受けることができなかった発展途上国の公衆衛生の向上にも寄与するという、非営利団体だったということである(記事)。
(ちなみに、この非営利団体はまた、ハーバード大学のannual Business Plan Contestでも、the Social Enterprise Trackで優勝したとのこと:記事


私が米国のビジネススクールに留学していた頃も、ビジネスが社会的課題の解決に取り組むべき、というような議論は一部ではなされていたが、どうやら今の米国では、社会的課題の解決にビジネスとして取り組むことが本気で求められ始めているようだ、という印象を受けた。


また、折りしも昨日、『「温暖化」がカネになる−環境と経済学のホントの関係』という本を読み終えた。

「温暖化」がカネになる

「温暖化」がカネになる


私は以前、地球環境・エネルギー問題に取り組んでいたことがあるので、地球温暖化問題や京都議定書についても、それなりに予備知識は持っているが、この本は、地球温暖化問題がビジネス、世界動向、そして日本にどのような影響を与えるか、環境問題がグローバル資本主義経済、企業活動、そして人類の未来にどのような影響を与えるか、について貴重な数々の示唆を与えてくれ、思わず身震いするような、読み応えのある力作であった。
(ちなみに、この本の著者である北村慶氏の著作は、他にも何冊か読みましたが、どれも面白く、お薦めです)


ビジネスも政府もともに、貧困や環境問題などの社会的課題の解決に真剣に取り組む時代が来ていることを実感する。