強み NHK教育仕事学のすすめ ユニクロ会長柳井正第2回

 強み、尊厳など、先週の放送に引き続いて*1いいお話が聞けました。たしかにピータードラッカーは、著書で”強み”についてしつこく述べていました。「自分を見つめる、アンケート分析バージョン2.0 - FDmountwill_millsの日記」で紹介した、ストレングスファインダーの本のなかでも、ドラッカーの言葉が引用されていて、その方針がドラッカーの思想に影響を受けていることを感じさせます。
 僕がピータードラッカーの本を読み出して、いちばん惹かれたのもそれについてです。学生時代、個人の尊厳を尊重する意味でのユニバーサルデザインという研究に関わった頃から、僕のなかでは重要なテーマでした。個人的には、差別をなくして尊厳を尊重するということについて、それは会社の利益としてプラスになるという言い方をしたくなります。
 たしかに、ビジネスの利益だけを追求するタイプの人ばかりでは面白くありません。インタビューをしていた勝間和代さんを見ていて思うのですが、この方はビジネス上の直接的な利益を好む性格に思えます。前述のストレングスファインダーにおいて「学習」「活発」「着想」「目標」と、僕と同じ強みが複数出ていることもあって、僕と似た性格なのでしょう。「経済だけじゃない」というのもひとつの大事なことですが、それを強みにできない性格の人もいるのです。
 自分がその強みをもたないからこそ、相手の言うことも十分尊重したいと感じています。勝間和代さんは、時々早口で自分だけしゃべりだすように見えることもあります。たぶん、成果や答えを求めることに対して性急すぎる。それは一般的な話し方の原則として、あまりよろしくないものかもしれませんが、僕としては人それぞれの個性として受け止めればよい範囲に納まっていると思います。柳井さんと勝間さんは、言葉の細かいニュアンスでかみ合わない場面があるように見えても、お互いに尊重することは十分にできているように見えました。
 会社がいわゆるビジネスマンタイプだけは面白くないのと同様に、鋭い言い方を好まない優しいタイプの人ばかりでも面白くない。企業における人材の多様性は、企業の利益と社会貢献に繋がるのだと、あえて言いたいです。このような言い方を好まない人のことを否定してしまおうという意図はないのですが、僕にとってはそれがしっくりきます。