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2005-12-30

[][] 最高傑作に出会えた日

年の暮れ、久しぶりに映画館ヘ足を運ぶ。


いろんな方の感想を聞いて、

是非とも観たいと思っていた『ALWAYS 三丁目の夕日』。

メジャー上映終了間際に、何とか見に行くことができた。


感想。

やはり、世間の評判は伊達ではない。

滅多なことでは高評価を出さないような辛口の人々でも

星5つ付けていた作品だけに、相当期待していたのだが、

その期待を超えるだけの中身はあったと思う。


「昭和33年の東京を舞台にした作品」という

取り上げられ方がされることが多いだけに、

この作品を、単なる「団塊世代の郷愁を誘う人情話」

と受け止めるムキも多いようだが、なんの、

派手さこそないものの、素人的先読みをいい意味で裏切る巧妙な脚本で、

観ていて飽きることがない。


他にも良いところを挙げるとキリがないのだが、

まず、とにかく役者がいい。


吉岡秀隆と堤真一は、いまさら取り上げるまでもないのだが*1

薬師丸ひろ子小雪あたりも抜群に冴えているし、

加えて、堀北真希や、特別出演の三浦友和あたりの好演も光る*2

とにかく、脇役も含めて、それぞれの役者に“無駄な”演技が全くない、

というのは、近年の映画(洋画、邦画問わず)では特筆すべきことだと思う。


キャラクター設定がわかりやすい分、

演じやすかった部分はあるのかもしれないが、

その“分かりやすい設定”が生きるのは、個々の役者の腕あってこそ。

良くぞここまで揃えたものだ。


あと、VFXも相当凝っている。

パンフレットに詳細なメイキングの記録が残されているのだが、

「建設途中の東京タワー」、

集団就職列車が到着する上野駅の雑踏、

そして都電が走る市街地の光景、と

どこまでがCGで、どこまでが本物のセット(or ロケ)か分からなくなるくらい、

良くできている*3


いかに技術が発達しているとはいえ、

あれだけのものを作るためには、それ相応の製作資金を要しているはず。


だが、きちんとお金をかけて、

いい脚本を書いて、巧い役者を揃えれば、

邦画でもこれだけのものができるのだ、

ということを証明できたのは非常に大きいことだと思う。


これまで数百本映画を観てきたが、

邦画の中では、自分にとっての「最高傑作」であり*4

外国映画とあわせても、

『ライフ・イズ・ビューティフル』に匹敵する出来といっても過言ではない。


この映画を、レンタルビデオやDVDではなく、

映画館で見られたのは、自分にとっては至上の幸福であった。


ちなみに、自分が一番泣けたのは、

「空っぽの指輪」のシーンである。

小雪もいい役者になったものだ・・・*5


 蛇足

三丁目の夕日』を堪能した後に、

レイトショーで『Mr.&Mrs.Smith』を観たが、

“蛇足”になってしまったことは、言うまでもない。


ブラピとAJは、スクリーンの中にいるだけで楽しめる役者だし、

ストーリー的にも、結構面白い中身ではあるのだが、

『三丁目』と比べると、所詮は“良く出来たコンビニ弁当”に過ぎない。


もっとも、アンジェリーナ・ジョリーが、

いまだにあれだけの美しさを誇っていることを確認できたのは、

同世代の人間としては、嬉しい限りではあるが。

(逆に、ブラピの方が若干微妙な領域に差し掛かっているのかも・・・)

*1:もっとも吉岡秀隆の場合、役作りが巧いというよりは、吉岡のキャラクターに合わせて脚本を書く(あるいはあの役に吉岡を配した)側が巧いというべきなのかもしれないが・・・(実のところ、「ちょっと性格悪くなった純くん」の域は脱していなかった・・・。

*2:どのみち、各映画賞を総なめすることになるのだろうが、一番賞にふさわしいのは助演女優としての薬師丸ひろ子だと思う。堀北真希にもいい意味で裏切られた。

*3:看板など、細かいところにまできめ細かく気を遣っているのが良く分かる。新宿の設定なのに、背景にイトーヨーカドーが映っている某映画とは、そのあたりが決定的に違う・・・。

*4:これまではずっと岩井俊二監督の『Love Letter』が一押しだったが。

*5:『ラスト・サムライ』の時は、寒々しいくらい違和感があったのだが・・・。

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