大して根拠があるわけではないのだが、
クラシックが始まる前から、今年は荒れるんじゃないか、
と漠然と思っていたら、案の定、そんな展開になってきた。
ここ何年か、春のクラシックはお休みしているので、
ダイジェスト番組で耳に挟む程度の情報しか持っていないのだが、
今年はどうも図抜けた馬がいない、という印象で。
昨年の3歳戦線の軸馬である、
ディープインパクトやラインクラフトのような、
確固たる安定感を持った馬が存在しないし、
かといって、特定の馬が2強、3強と並び称される状況でもないように
思われるだけに、レースのたびに小波乱、中波乱となるのは
覚悟しなければならないだろう*2。
(個人的には97年のクラシックを彷彿させる状況なのだが、どうなのだろう?)
勝った馬の血統を調べてみたら、
オペラハウス×ダンシングブレーヴ。
何て重そうな血なんだ・・・(笑)。
どちらかといえば、
皐月賞よりもダービーの方が向いていそうな欧州血統*3。
個人的には、母父・サンデーサイレンスの“底力”には、
疑問を感じているだけに*4、
今日の結果を単に展開のせい、と片付けてしまうと、
次も怖いかもしれない。
ちなみに、勝ち馬騎乗の石橋守騎手は、
22年目で初のGⅠ、というのがちょっと以外だったので調べてみた。
(http://keiba.yahoo.co.jp/directory/jocky/006/37/index.html)
ライブリマウントやゴッドスピードは良く覚えているのだが、
2歳(当時3歳)戦以降重賞に縁がなかったゴッドはともかく、
ライブリマウントはドバイにまで行った馬*5。
でも、よく考えたら、
あの頃は、中央にダートのGⅠなかったんだなぁ・・・。
ナンバー誌に載っていた後藤正治氏のエッセイを読んで*6、
ユーイチのデビュー当時のことが「過去形」で語られる時代になったのか・・・、
としみじみ思ったものだが*7、
最近、「ちょっと前」のことのつもりで、
10年前のことを思い出していたりするから、
なかなかタチが悪い。
今のレース編成なら、
とっくの昔に「G1ジョッキー」と呼ばれていたはずの石橋騎手が、
10年経って、ようやく真の「G1ジョッキー」になった。
これも、選手寿命の長い、競馬ならではのいい話である。
*1:勝ち馬はトライアルレースの勝ち馬だし、きさらぎ賞の1,2着をひっくり返せば取れる馬券なのではあるが・・・。
*2:そんな年でも、何年か立てば、「クラシックを取った馬が強かった」と、歴史が再構成されることになるのだが・・・。
*3:といっても、2代母以上遡って見ていないので何ともいえないが。
*4:今回人気になっていたアドマイヤムーン、サクラメガワンダー、フサイチリシャールあたりがこれに該当。
*5:当時「ダートの鬼」といわれ、確か創設されたばかりだったのドバイワールドカップに日本代表馬として出走した。もちろん、鞍上は石橋守騎手。ホクトベガの悲劇の1年前の話である。
*6:後藤正治「絆−北橋修二と福永祐一の10年」Number651号102頁(2006年)
*7:デビュー当時、福永洋一騎手の「伝説」とラップさせたご祝儀記事、コラムが目立っていたが、その一方で北橋調教師のガードの固さゆえ、本人へのインタビュー等が紙面を飾ることはほとんどなかった。あれから10年、昨年の大躍進、北橋調教師の引退・・・。一つの時代を超えた、ということだろうか。