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2006-11-16

[][] 小売業商標をめぐるパブリックコメント結果

小売業商標の導入を柱とする、来春の商標制度改正については

かねてから本ブログでも取り上げているとおりだが、

このたび特許庁が募集したパブリックコメントの結果が発表されている。

 岼嫋∨‥の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令案」に対する意見募集の結果

 http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/iken/iken_ishou_keikasochi2.htm

商標法施行令の一部を改正する政令案」に対する意見募集の結果

 http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/iken/iken_syohyosekou_kaiseian2.htm

商標法施行規則の一部を改正する省令案」に対する意見募集の結果

 http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/iken/iken_syohyokisoku_kaiseian2.htm

ぁ嵶犹商品・役務審査基準(案)」に対する意見募集の結果

 http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/tetuzuki/t_shouhyou/shinsa/ruigi_sakusei.htm

それぞれ結構意見が出ているなぁ・・・と思って見始めたのが、

何のことはない、取り上げられている「意見」の多くは、

複数の意見募集で共通しているものであった。


政令案だろうが省令案だろうが、コピペでひたすら意見を出した人が

いらしたのだろう(あるいは団体か)。

その根性には心底敬服する*1


さて、「意見」とそれに対して示された「考え方」の中で、

実務的に参考になりそうなものを挙げると、

商標法及び商標法施行令における「小売」及び「卸売」について、定義又は定義に代わる基準を明確にすること。」(意見1、0娶1、ぐ娶1)

に対する回答として、

「新商標法第2条第2項に規定する「小売」及び「卸売」に関する業務も、原則として、これ(筆者注:日本標準産業分類における定義)と同様に考えています。」

とあったり、

「「小売又は卸売の業務」の具体的事例、例えば、国際分類第9版の商標及びサービスの類別表の第35類の注釈に記載された「小売店、卸売店、カタログの郵便による注文、又はウェブサイトやテレビのショッピング番組などの電子メディアによって提供される場合」が含まれるのか等を明確にすること。」(意見3、0娶3、ぐ娶3)

に対して、

「小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」には、小売業者や卸売業者がカタログの郵便による注文、またはウェブサイトやテレビのショッピング番組などの電子メディアを通じて提供する場合も含まれます。したがって、小売・卸売に係るインターネット販売事業者や通信販売事業者による便益の提供も含まれると考えます。」

と明言されているあたりだろうか。


審議会の議論においても取り上げられていた

「自己の製造した商品を品揃えし、顧客にその購入のための便宜を図る場合も小売業役務として保護されるのか。」(意見4、0娶4、ぐ娶4)

については、

「取扱う自己の商品の品揃えや陳列方法などを考慮要素として総合的に判断」し、

小売業役務に属するかどうかを決する、という考え方も示されており、

明確な回答にはなりえていないものの、

どこに目をつければ良いか、ということは最小限教えてくれている。


もっとも、今回の小売業商標導入に当たっての最大の争点であった

「商品商標と小売業商標の違い」については、

「例えば、店員の制服や陳列棚などに表示される小売業役務におけるサービス活動と密接な関連性を有する商標は小売業役務の出所を表示するものと解されますが、小売業者等が専ら自己の商品の出所を表示するために使用する商標は、小売業者等が使用するものであっても商品の出所を表示するものと考えられる。」(意見6、0娶6、ぐ娶6・回答)

と一般論を述べるにとどまっており、

一番の問題であるそもそも「自己の商品の出所」を表示する場合

とはいかなることなのか、というところにまで踏み込まれていないのが

いかにも残念である。

特許庁としては、これ以上はいわない、という

深謀遠慮もあるのかもしれないが・・・。


さて、審査基準をめぐるい紡个垢パブリックコメントでは、

「自転車」「自動車」「二輪自動車に関する「修理」と「小売業役務」を類似とすべきである。(ぐ娶・質問3)

といったものから、

「第1類「植物成長調整剤類」、第5類「食事療法用食品」「食事療法飲料」及び第39類「郵便」についての例示の追加、若しくは、変更、又は、類似群コードの変更を希望する。

といった、どこの業界の方が書いたのかわからないものまで(笑)、

集約されているのだが、個人的には、

「いわゆる健康食品の類似群コードについては、すみやかに新規類似群へ切り換えを行うことが望ましい。(ぐ娶3−2)

といったあたりの意見を見て、思わず

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20060505/1146752662#tbの事件を

思い出したりしていた(笑)。


いずれにせよ、今回の改訂だけではフォローできない部分が

山積しているのは間違いないのであって、

これからの動きが注目されるところであろう*2

*1:どれか一つに出せばよかったではないか、などという野暮なことはここでは言わない(苦笑)。

*2:こと審査基準に関しては、変動の激しい実社会の取引形態についていけていない、という批判も常にあるところだけに、法改正の時だけ意見を募るのではなく、定期的に意見募集をかけても良いのではないか、と思ったりもするのであるが・・・。

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