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2008-11-30

[]2008年11月のまとめ

どんな美味い酒でも、飲まされすぎると気分が悪くなるものだ。

そして、目が覚めた後に来るのは二日酔いならぬ心の迷い。


いくら考えたって答えが出ないときは出ないし、最後はなるようにしかならない。

だから、今は何も考えずに、今年最後の一ヶ月に臨もうと思う。


ちなみに、今月はロクに記事も書いていないにもかかわらず、ページビュー数は開設以来最高の40586PV(ユニークユーザーは27000人強)。ますます複雑な気分にさせてくれる。

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4番目に入っているワードを見て、昔懐かし、という気分になった方もいらっしゃることだろう。


もちろんそれは、長くお付き合いいただいている読者の方だけの特権なのであるが・・・。

[][]これがダイナアクトレスの血か。

どこかの掲示板に、「空気嫁」と書いてあったのが非常に印象的だった今日のジャパンカップ


世代を超えたダービー馬の対決に*1、2頭のG1タイトルホルダーが入り混じって展開されたゴール前の攻防にはそれなりに見ごたえはあったのだけれど、勝ったのはスクリーンヒーロー・・・(唖然)。


名牝ダイナアクトレスの血が大舞台で爆発したのか、それとも父・グラスワンダー的な茶目っ気が出たのか*2、は分からないけれど、「これも競馬」なのは間違いない。


“水を差した”一戦なのか、それとも”後で振り返れば競馬史に残る”一戦だったのか、それは今後の勝ち馬の行く末によって決まることで、できることなら同馬がこの一発で終わらないことを切に願いたいものである。

[][]崖っぷち。

いよいよ残り1節まで来たJリーグ


首位の鹿島が逃げ切るか、それとも川崎フロンターレ名古屋グランパスといった「あと一歩」のチーム達が悲願のタイトルを奪取するか・・・


といった熱い上の方の話はどこ吹く風、とばかりに、17位に低迷したまま黄色い軍団はいよいよ最終節を迎えることになる。


皮肉なことに、今、下の方で争っているジェフ、ジュビロヴェルディの3チームは、いずれも名門*3。しかも3チームとも最終節は、ホームスタジアムで迎えることになる。


優勝のかかったフロンターレを敵に回す*4ヴェルディよりはましにしても、ここ数試合負けておらず、かつ今季は上の方で踏ん張っているFC東京と最後にあたることになったのは、正直ついてないなぁ・・・というのが第一印象。


そして、ここで堕ちてしまったら、もうしばらくはJ1の舞台でこのユニフォームを眺めることはできないんだろうなぁ・・・というのが二番目に思うこと。


思えば、J開幕以来、マスコットの秋田犬ともども、勝てなくてどうしようもなく叫んだ暗黒時代も、夢が見れたオシム時代も、この、気弱な愛すべきチームを応援してきた。


こうなったら最後ばかりはフクアリに駆けつけたいところだが、チケットは残っているのかどうか。


第33節で、巻選手が孤軍奮闘の2ゴールを挙げるなど、希望をつなぐ材料が全くないわけではない。


だが、武田修宏選手のような奇跡を起こす華も、かつてのユース世代のような次代に向けた希望の星もいない今のジェフに、多くを期待するのはあまりに酷である・・・。




撤退の準備はできている。


きっと、名門の誇りは、地下に潜って受け継がれ、いつか現れる新星に引き継がれることだろう*5


だから、最後は美しく、そして悔いを残さずに散ろうじゃないか。


そうでなければ、悲しすぎる・・・。

*1:心配されたメイショウサムソンも、一応、掲示板にあと一歩、というところまでは食いついてきた。

*2:今でも思い返すと腹が立つ有馬記念・・・。

*3:Jになってからもリーグ優勝経験のある後二者に対し、単に「歴史がある」というだけでタイトルはカップ戦だけにとどまるジェフを並べて語るのは、ちょっと失礼な話しかもしれないが(苦笑)。

*4:かつてのダービーカードだ。

*5:クラブがこの先存続できれば、という条件付きの話だが。

2008-11-29

[][]こういう時だからこそ戦え!

サブプライム・ショックに端を発した景気悪化」という見出しが連日のように躍る今日この頃。


それに伴って、設備投資の抑制だとか人員削減だとか、といった、ますます景気を悪くするような話題が世の中に満ちてきているのだが、そんな中、一筋の希望を見出せるようなニュースが出てきた。

「マンション分譲の日本綜合地所(東京)が来春入社予定の大学4年生53人全員の内定を取り消したことが28日、分かった。一部の学生は個人加盟できる地域労組「全国一般東京東部労組」に加入して、同社側に金銭補償などを求めて団交を申し入れている。」

日本経済新聞2008年11月29日付朝刊・第38面)

企業人という筆者の立場を考えると、ここで手放しで喜んではいけないのかもしれないが、それでも、安易な「便乗的内定取消」に掣肘を加える、という意味で、法務に携わる人間であれば、こういった動きはむしろ積極的に評価しなければならないと思う。


内定者が労組法上の「労働者」として認められるのか*1、採用内定取消時点(11月17日)における会社と内定者の間の翌春からの入社合意に労働契約としての拘束力がどの程度存在したのか(後述する大日本印刷事件との差異をどのように評価すべきか。)、また、仮に日本綜合地所による内定取消が「解雇権濫用」と評価される場合に内定者に対してどのような救済を与えるのが適切なのか*2等々、論点になりそうな問題はいくつかあるのだが、

「誰かが問題提起しなければ、安易な方向に流れていく」

というのも世の現実なわけで、ここは、ただ泣き寝入りするのではなく、世間の風潮に一石を投じた学生たちの勇気をまずは買いたいと思う*3



なお・・・・


内定取消を純粋な解雇と同視できるか(あるいは同視すべきか)といえば、そこには疑問もあるところ。


確かに、大日本印刷事件判決(最二小判昭和54年7月20日)*4では、

「本件採用内定通知のほかには労働契約締結のための特段の意思表示をすることが予定されていなかつたことを考慮するとき、上告人からの募集(申込みの誘引)に対し、被上告人が応募したのは、労働契約の申込みであり、これに対する上告人からの採用内定通知は、右申込みに対する承諾であつて、被上告人の本件誓約書の提出とあいまつて、これにより、被上告人と上告人との間に、被上告人の就労の始期を昭和四四年大学卒業直後とし、それまでの間、本件誓約書記載の五項目の採用内定取消事由に基づく解約権を留保した労働契約が成立したと解するのを相当とした原審の判断は正当であ(る)」

という判断が示されており、

「採用内定の取消事由は、採用内定当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実であつて、これを理由として採用内定を取消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認することができるものに限られる」

として、結果として会社側の内定取消を解雇権濫用と判断しているのだが、この事件では学生側が

「一、本年三月学校卒業の上は間違いなく入社致し自己の都合による取消しはいたしません」

という一文を盛り込んだ誓約書を提出しており、会社・学生の双方を拘束する契約の成立を認めやすかった、という事情があったことは看過できない*5

 

「内定取消」という側面だけを見れば、早期に労働契約の成立を認めてしまったほうが学生に有利なように思える。


だが、学生の側にも様々な事情があるわけで、内定段階で社員に準じるような厳格な辞退手続を「内定者」に要求する結果をもたらしかねない解釈を徹底することで、学生側に思わぬ不利益を被らせるリスクも出てくる、ということは、少し気に留めておいた方が良いのではないかと思う*6

*1労組法上の「労働者」概念は相当広いものだから、この点については問題なく認められるのかもしれない。手元にテキストがないので断言はできないが。

*2:会社の置かれている状況が整理解雇要件を満たすようなレベルには達していなかったとしても、実際には相当苦しい状況にあるのだとしたら、内定取消を撤回させてそのまま入社を認めることが学生を救うことには必ずしもならないし、そこまでの状況になかったとしても、それでばっさりと内定取消をしてしまうような会社に勤めることが学生の将来につながるかどうかは保証の限りではない。

*3:日本綜合地所という会社の内情がどうなのかは分からないが、「53人」もの採用内定を出しておきながら、たった半年で事業環境の変化を理由に「一斉取り消し」をするなんてことは、まっとうな企業には許されない暴挙だと思う。大体、つい数日前に公表された中間決算短信でも、通期での最終黒字は確保できる見通しになっているのだから・・・(http://www.ns-jisho.co.jp/ir/pdf/kessan/081107.pdf)。

*4http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/28C428A92FF35FDC49256A850031202D.pdf

*5:ついでに言えば、内定取消事由が「印象がグルーミー」という不可解なもので、取消通知を送付したのが卒業間近の2月12日、といったことからすれば、結論は最初から見えていたわけで、内定取消を認めなかった判例の結論を過大視するのは考え物である。

*6:特に、筆者の周りには、年明けになって駆け込み的内定辞退をする人が多かったから・・・。ま、単位を意図的に落とせば否がおうでももう一年大学に残れるわけだけれども。

2008-11-28

[]幸福の手紙か不幸の手紙か。

ここにきてテレビCMもガンガン流れるようになってきた「裁判員制度」。


28日の朝刊にはこんなニュースも掲載されている。

「来年5月にスタートする裁判員制度に向け、最高裁は28日、全国の約29万5000人に来年の裁判員候補者名簿に載せたことを知らせる通知を一斉に発送する。」

「今回通知が届くのは、全国平均で有権者の352人に1人。大阪地裁管内が211人に1人と最も確率が高く、秋田地裁管内が786人に1人と最も低い。」

日本経済新聞2008年11月28日付朝刊・第42面)

巷では既に戦々恐々、喧々諤々な状況になっているようであるが、冷静に考えるとこの制度がスタートするのは来年の「5月」。


ということは、辞退理由に頭を悩ませるまでもなく一年の三分の一は裁判員のお務めを免れることができるわけだし、どこの地裁も少々多めに候補者数をカウントしているようだから、実際に“当たる”確率も少なくなるわけで、「裁判員なんて勘弁してくれ」と思っている方々にとっても決して悪い話ではないだろう。


もちろん、候補者名簿に掲載されただけでは翌年以降の辞退理由にはならないので、“引きのいい人”だと、来年呼び出しを受けずに切り抜けても1年後に再び通知が来て、また1年間頭を悩ませることになる可能性はあるのだが・・・。



ちなみに、何事も“ハツモノ”には役得があるわけで、「裁判所検事弁護士も、そして当の選ばれた裁判員自身もイマイチ要領がつかめておらず、おそるおそる運用されていく制度導入初期(当然、選ばれた裁判員に対する扱いも懇切丁寧なものになることが期待できる)」に裁判員を経験しておいた方が、「制度に慣れた当事者が淡々と手続きを進め、裁判員を何度も経験した“セミプロ”が知った顔で評議を仕切る制度円熟期」にやるよりも、選ばれた当人にかかる精神的負荷が少ないんじゃないか*1、というのが個人的な感想なのだが、こればっかりは始まってみないと分からない。


筆者自身が、半年後に選任される立場にあるかどうかも含めて、先のことは誰にも分からないのである・・・*2

*1:しかも一度選任されれば5年間は堂々と辞退できる。

*2:なお、筆者のところにはこれを書いている時点で通知は届いていないし、仮に届いたとしてもこの場に記すことは差し控えたい。

2008-11-26

[][]なぜ今さらミスチルなのか。

第59回紅白歌合戦の出場歌手が発表されている。そのうち初出場は14組。


ジェロ」や「青山テルマ」はまぁ順当だろう。


羞恥心」や「藤岡藤巻」あたりは、民放他局の路線に乗っかった感がなくもないが、現時点では、番組や映画の宣伝の枠を超えた“国民的ムーブメント(一過性だが(笑))”になっていることを考えれば、これもまた納得はできる。


だが・・・


何で今さらMr.Childrenなのか。


出したい側の事情は分かる。


視聴率低迷に苦しむNHKにとって、未だに根強い人気を誇るミスチルを、大晦日にテレビ画面に登場させることの意味は決して小さいものではない。


NHK北京五輪中継の中で終始流し続けた「GIFT」をバックに、いまや懐かしい五輪の映像を流し続け、たぶん会場にいるゲストの北島康介あたりの表情をチラッと映像に挟めば、その数分間の数字は確実に跳ね上がるだろう。


だけど、出る側の事情は正直いって分からない。


時代を超えたカリスマアーティストが、“大衆演芸”の舞台に下りてくることで失われるものは確実にある。


それゆえ、心のどっかで大晦日に見たい、と思いつつも、その場にいないことに納得していたファンも多いはず。


それが、五輪中継のテーマソング作ったから、という理由だけで出場を決めたのであれば、ちょっと首を傾げたくなる。


きっと、同じ出場歌手の中でも“その他の常連さん”とは違う演出が用意されているのだろうし、ファンとしては、そこで桜井和寿流のメッセージを発信する何らかのチャンスが与えられることに期待するほかないのだろうが・・・・


自分は、台本どおりのナレーションと、くだらない“応援合戦”の間で“ミスチル”が紹介されるシーンなど決して見たくはないし、そうなる可能性がある限り、大晦日にチャンネルを合わせることはないだろうと思っている。



なお、個人的に、今年の初出場組の中での一押しは「いきものがかり」。


本来、このクラスのアーティストにこそ、“紅白”の舞台はふさわしい、と自分は思っているのであるが・・・。

2008-11-25

[][]帰ってきた主戦

「武も馬から・・・」

なんて時代が遠い過去になってしまったことを感じさせられた、武豊騎手の2週連続落馬。しかも、今度は不運な骨折もついてきた。


クラシックを睨む素質馬が続々と登場し、来春に向けた路線に乗れるかどうかを必死で競いあうこの時期にブランクができてしまう、ということは、リーディング上位を争うジョッキーにとっては致命的な出来事とも言えるわけで、来季の騎手間の勢力図には、大きな変動がもたらされるような気がしてならない。


そんな中、嬉しいニュースも。

日本中央競馬会(JRA)は24日、ジャパンカップ(30日、東京競馬場)に出走予定のメイショウサムソン(牡5歳、栗東高橋成忠厩舎)について、もとの主戦騎手だった石橋守騎手が騎乗すると発表した」(日本経済新聞2008年11月25日付朝刊・第37面)

大きな批判を浴びた1年前の乗り替わり騒動が、遠い昔のことのように思えてしまう今日この頃。


もっと早いタイミングで戻すべきだった、という声もあろうが、こういうめぐり合わせで、石橋守騎手が大舞台に戻ってくる、というのも一つの運命なわけで、府中の直線でサムソンの劇的な再覚醒を見届けることができるのであれば、関係者にとってもファンにとっても、この一年は決して無駄なものではなかった、ということになろう・・・。


週末が楽しみだ。

2008-11-24

[][][]ちゃんと読めるのはいつの日か。

必要に迫られて久しぶりに某大書店の法律書籍売場に足を運んだものの、探し物は見つからず、何だかなぁ・・・と言ったところ。


ここのところ、新しい“読み物”に飢えていたこともあって、結局いくつか予定外の買い物をすることになったので、それはそれで「成果」ということになるのかもしれないが。


そんな中の一冊。


営業秘密と競業避止義務の法務

営業秘密と競業避止義務の法務


公刊されたのは法律雑誌の広告等で知っていたのだが、どんなものかなぁ・・・と思って手に取ってみたら、秘密保持義務、競業避止義務に関する理論上・実務上の論点が、最近の裁判例も引きつつコンパクトにまとめられている(ように見えた)ので思わず買ってしまった。


実務的な意義が高いにもかかわらず、法改正の時くらいしかスポットライトが当たらないのが“不競法営業秘密パート”の宿命だけに、こういう地道な取り組みは率直に評価すべきだと思うし、取り上げられている一連の論点の中に、タイトルとは必ずしも整合しない(ように思える)「知的財産権の保護を受けない情報の法的保護」(第5章)テーマがさりげなく入っているのもポイントが高い。



もっとも、まとまった時間が取れれば、ちゃんと精読しようと思ってはいるものの、一体いつになることやら。


年末のどさくさに紛れて積読の山に埋もれないことを、今は願うほかない。

2008-11-23

[][]おかげさまで140万ページビュー

ということで、読者の皆様には感謝しきりなのだが・・・。


端的に説明すると、ここのところ、月初めには想定していなかった予定が舞い込んでくるせいもあって、にっちもさっちも行かない状況に陥りつつあるのが現実である。


元々、週末まであてこんで仕事を進めようとしていた自分のスケジューリングに問題があった、というのはいうまでもないことなのだが、そうでなくても仕事と社内行事に忙殺されがちなのがこの時期の常で、今回は思いっきりそこにぶつかってしまっているだけに、“嬉しい悲鳴”だなんて悠長なことも、とても言ってられそうにない。


このままいくと、どっかでパンクするか、あるいは何とかこなしきった後、年末年始に寝込むかのどちらかなんだろうと思う。


もうなるようにしかならないから、行けるところまでは行くつもりではあるが・・・


貧乏ヒマなし。一試練去ってまた試練。そう思うと切ない。

2008-11-21

[]公取委委員差し替えの衝撃。

長らく続いているねじれ国会のせいで、対象者の適性如何にかかわらず、同意を得られずに宙に浮いてしまった人事が数多くあるのだが、「出す前に差し替え」となってしまうと、事態はより深刻だ。

「河村建夫官房長官は21日の閣議後の記者会見で、政府公正取引委員会委員として提示した上杉秋則・元公取委事務総長について「同意人事の案件から落とさざるを得ない」と述べ、差し替える方針を示した。」(日本経済新聞2008年11月21日付夕刊・第2面)

上杉氏、といえば、ここ数年の独禁法改正に深く関与した当局の第一人者として、企業法務界で知らない者はいないほどの有名人である。


元事務総長の枠を引き継ぐ形で、委員として名前が挙がるのも当然と言えば当然の話で、それがこんな事態になってしまったのだから、これが関係者にとってどれほどの衝撃なのか想像も付かない。


指摘された問題事象自体は、決して笑って済ませられるような単純な話ではないように思われるだけに*1ねじれ国会に伴う他の“宙ぶらりん人事”とは区別して考えるべきなのかもしれないが、それでも、昨年の参院選前の国会であれば、ここまで大騒ぎされる問題に成り得たのかどうか、疑わしいところである。


独禁法エンフォースメントバブル”ともいうべき情勢が続いている昨今のことだから、こと当のご本人にとっては、今回の“ハプニング”が結果的に吉と出る可能性はあるのだが*2、わずか4人しかいない委員の人事にこのような混乱が生じたことで、(これまで右肩上がりに勢力を拡大してきた)公取委という組織の行く末に翳りが生じたような気がしないでもない*3


筆者としては、事態が早期に収拾されることを望みたいものであるが・・・。


*1:書籍の宣伝チラシの方はともかく、法律雑誌の連載コラムの件などは、我が国において「弁護士」という肩書が持つ特殊な意味をあらためて思い知らせてくれるような話で、複雑な気分になる。

*2:一委員として公取委に関与するよりも、法律事務所の「シニア・コンサルタント」という立場で自由に発言を続けた方が影響力を行使できる可能性があるかもしれないし、報酬面でも・・・(以下略)。

*3:少なくとも「政治」との関係で保たれていたこれまでのバランスが狂う懸念を拭い去ることはできない。

2008-11-19

[][]「ドーハ」と聞けば・・・

「悲劇」という言葉がほとんど脊髄反射で出てきてしまう、そんな世代の自分としては、もう15年も経ったのか、と悲しくなってしまうわけだが・・・


前半終わって1-0。


田中達也選手が先制点を叩き込んだところまでは良かったが、その後がいかん。


ゴール前まで(ペナルティエリア内ですら)あんなに綺麗にボールがつながるのに*1、何で最後のワンショットであらぬ方向にボールが飛んでいってしまうのか・・・。


今のところ審判の笛も、ちょっぴりこちら側に味方しているようだし、前半のペースで残り45分乗り切れば、まず負けることはない展開なのではあるが、そこは何が起こるか分からないのがサッカーだ。


朝起きたときの見出しが、「悲劇またしても」になっているのか、それとも「ドーハの喜劇」になっているのかは分からないけれど、世の中、ロクに明るい話題が出てこない今日この頃だけに、できれば胸のすくような試合にしてほしいものだなぁ・・・と思う次第である。



(追記)

翌朝起きて結果を確認したが、結局前半の良いリズムを持続できたようで。


結果が出るのは何よりの良薬で、悲観的な予想は、こういうときは当たらないにこしたことはない。


厳しい戦いがこれからも続くだろうが、とりあえず祈ろう・・・。

*1カタールのDFのグダグダぶりにも助けられているとはいえ・・・。

2008-11-18

[][]naked“LOVE”

昨年、「LOVE」という商標をめぐる争いを何度か取り上げてきたが、商標権者側が唯一面目を保っていた「Love cosmetic」事件でもついに結論がひっくり返った。


ある意味、「LOVE」に致命的な一撃を与えた、とも言えるような大阪高裁の判決をご紹介することとしたい。


大阪高判平成20年11月7日(H19(ネ)第3057号、H20(ネ)第420号)*1

控訴人・附帯被控訴人 株式会社ナチュラルプランツ

被控訴人・附帯控訴人 株式会社クラブコスメチックス


原審判決(大阪地判平成19年10月1日)は、控訴人(被告)の「Love cosmetic」、「ラブコスメ」といった商標の要部を「Love(ラブ)」であると認定し、被控訴人(原告)商標との類似性を肯定していた*2


だが、大阪高裁は、地裁の認定判断を180度転回して全く正反対の結論を導いている。


まず、要部の認定については、

「すなわち,「Love」は,我が国においても極めて周知度の高い英語であり,「愛」「恋愛」という観念から,肯定的に受容され,普遍的に好感を持たれる語ということができ,化粧品に限っても,「Love」「ラブ」の語を含む登録商標は多数に上ることが認められ(乙32,弁論の全趣旨),化粧品以外の商品・役務においても,これらの語を含む商品名やブランド名等が多数存在することは公知である。そして,それゆえに,これらの語は商品等の標章に用いるものとしてはやや陳腐であって,少なくとも「Love」「ラブ」単独では,化粧品に限らず,商品識別・出所表示の機能は弱く,他の語と連結されることによりそれと一体のものとして商品識別機能を果たす場合も多いものと考えられる。」

「他方,「cosmetic」は,「化粧品」を意味する英語で,比較的周知度が高いとはいえ,日本人にとって必ずしも易しい単語とはいえないから,通常の需要者が,控訴人標章中「cosmetic」の部分を,「化粧品」と同等に,控訴人商品が化粧品であると意味するにすぎないと直ちに理解するとまではいえず,この語に自他商品識別能力がまったくないとはいえない(この点は,「Love cosmetic」ないし「ラブコスメティック」と,これらと観念上はほぼ同一といえる「ラブ化粧品」という表記とを対比すれば明らかである。)。加えて,「Love」と「cosmetic」がいずれもアルファベット表記であることを考慮すると,「Love」と「cosmetic」とを結合した一体の標章として認識されやすく,称呼としても通常「らぶこすめてぃっく」と一連のものとして称呼されるものと考えられるから,必ずしも「Love」のみが要部であるということはできず,むしろ「Love cosmetic」が一体として要部となるとみるのが相当である。」(18頁)

と、「cosmetic」部分の評価を一変させることによって異なる結論を導いているし*3、類否を判断するために用いる「取引の実情」についても、

「需要者は,控訴人商品を直接店頭で選択・購入することはなく,すべて通信販売(インターネット・電話・FAX・ハガキ)によることとなり,商品の選択・特定は,通常,控訴人HPか控訴人のパンフレットによってするものと解される。そして,控訴人HP及び控訴人のパンフレットの上記内容をみれば,控訴人の販売する製品が,通常の化粧品メーカーないし販売業者(被控訴人を含む。)とは異なり,性的用途に用いる化粧品・雑貨等に特化していることが容易に理解でき,また,雑誌でもそのような情報が提供されているから,需要者は,控訴人商品を注文する時点では,上記のような控訴人ないし控訴人商品の特性を当然に認識していると認められる。」

「なお,甲14,31及び弁論の全趣旨によれば,化粧品のユーザーによる投稿を掲載するウェブサイトである「@コスメ」には,控訴人商品を性的用途ではなく単なるローションとして使用している等の書込みが複数あることが認められるが,投稿の内容に照らし,これらの投稿者にも,性的用途のために又はそれも考慮して購入した者があると認められる上,同サイトの性格上,投稿の内容が化粧品としての効果等に限られ,控訴人商品の使用実態を反映するとはいえないから,これらの書込みがあることをもって,控訴人商品と被控訴人商品との需要者が重複すると認めることはできない。」

(23-24頁)

と、これまた「@コスメ」サイトへの書き込みに対する評価等を一変させ、控訴人商品と被控訴人商品の違いを強調することにより、これを類似性を否定する材料として活用している*4


そして、

「以上の事情に加え,被控訴人商標の使用実績が微々たるものにとどまることも併せ考えると,通常の化粧品の需要者が,控訴人HPや控訴人カタログ掲載の商品を通常の化粧品と誤認して購入する可能性や,被控訴人商品の需要者が控訴人商品を被控訴人商品と誤認混同し,又は出所を誤認混同するとはいえない。」(24頁)

として、商標の類似性を否定したのである。


かくして、「附帯控訴までして完全勝利を目論んだ被控訴人(原告)」の思惑は完全に崩れ去ることになった*5


さしたる新事実が示されたわけでもない商標権侵害訴訟控訴審で、ここまで原審と判断が食い違う、というのも珍しいのではないかと思うが、自分は元々、「LOVE」といったストレートかつシンプルな商標について特定人が独占権を行使できる、という結論自体に大いなる違和感を感じていたから、

最初からこうしておけばよかったのに。

という思いに駆られたりもしている。


いずれにせよ、高裁段階で結論がひっくり返ったことで、胸をなでおろしている人も決して少なくはないことだろう。


そして、あまりの陳腐さ、ストレートさゆえに、商標としての機能を失いつつある「LOVE」。


権利の衣を剥ぎ取られ、生まれたままの姿(というかアルファベット4文字の文字列)に還りつつあるこの「愛」の行方が、筆者には気になって仕方がない(笑)。

*1:第8部・若林諒裁判長、http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20081113085621.pdf

*2http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20071222/1198912739

*3:その結果、被控訴人商標「LOVE」とは外観・称呼・観念を異にすることになる。

*4:「取引の実情」に関しては、原審判決に対するコメントで筆者が指摘したように、控訴人(被告)側にも、自らの商品の“化粧品”としての特性を使って顧客層を拡大しようという意図が見受けられるから、本判決のように重複を完全に否定してしまうのは、ちょっと行き過ぎのようにも思えるのだが・・・。

*5:元々、大阪地裁が、商品の破棄等について仮執行宣言を付さなかったことなどを考えると、結論が覆る可能性も考えられなくはなかったのだが・・・。

2008-11-17

[][]我が意を得たり。

以前ご紹介した祇園祭ポスターの著作権侵害訴訟東京地判平成20年3月13日)に関し、『知財管理』誌に森脇肇弁護士の評釈が掲載されている*1


この評釈の中では、「委託者の注意義務」をめぐる下級審裁判例が整理されているほか、著作権侵害に関する委託者の過失を肯定されないようにするための「実務でのポイント」(特に契約書上の対応)についても多くの紙幅が割かれており*2、実務者サイドから見て極めて興味深いものとなっているのだが、特に、自分が共感したのは、判決の中で八坂神社の過失を肯定した判旨に対する、森脇弁護士の評価の部分である。


森脇弁護士は、

「「プロ」とそうでない者における注意義務の程度は異なるというのが常識的な理解というものであろう」(1508頁)

という前提に立った上で、

「かように高度な注意義務を負うのは自らが営む事業そのものが著作権と密接に関係する場合に限るべきであり、事業に付随して広告宣伝を行うとか著作関連物品を管理するにとどまる者が「プロ」に制作委託する場合は、前記判決(3)(4)*3のとおり、「プロ」に対して事細かに確認するとか自ら積極的に侵害調査を行うまでの注意義務はなく、「特段の事情がない限り」委託者を信頼しても過失はないという原則論に立つべきである」(1508頁)

と述べられる。


そして、

「被告八坂神社は、重要文化財、著作物その他文化的所産を取り扱う立場にある者であって、もとより著作権に関する知識を有するものであるから、著作物を使用するに際しては、当該著作物を制作した者などから著作権の使用許諾の有無を確認するなどして、著作権を侵害しないようにすべき注意義務があるというべきである。」

「被告八坂神社は,その最終判断に当たり,被告サンケイデザインに対して,本件写真の著作者名や当該著作者名を表示しないことに対する承諾の有無を具体的に確認し,その状況次第では,更に著作者に当該承諾の有無を直接確認するなどして,著作者人格権を侵害しないようにすべき注意義務があったというべきである。」

という東京地裁の判旨につき、本件事案の下での結論の妥当性はともかくとして、

「「一般論として」被告Xに高度の注意義務を負わせる点は賛成できない。」(1509頁)

とされているのである。


本件判決の上記のくだりに関しては、自分も以前、

「確かに文化財も著作物に当たりうるのかもしれないが(もっともほとんどはパブリックドメインになっているだろうが)、上記太字部分のような理由付けで「注意義務」が認められてしまうのだとすれば、世の中のほとんどの広告掲載主体は、自身の広告における著作権侵害について無過失責任を負わされることを覚悟しなければならないだろう。」

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080324/1206295744

とコメントしていたところであるが、やはり常識的に考えればクエスチョンマークの付く判断だといわざるを得ないように思われる。


もちろん、ここで過失が否定されたからといって、著作権を侵害した制作物を制作委託者が使い続けることができるわけではなく、委託者側としても有形無形の損害を被ることは免れ得ないわけだが、それでも多額の損害賠償を権利者から請求されるストレスからは解放されるわけで、宣伝担当者もちょっとは気が楽になるのではなかろうか。


願わくば上級審で異なる判断が示されることを期待したい。

[][]通常メニューに戻るとはいってはみたものの・・・

怒涛の数日間の反動はやっぱり出てしまうようで、

目の前の仕事をこなすのが精一杯の状況である*4


・・・というわけで、今は我慢。


ネタはそれなりに仕込んでいるつもりなので、

復活の呪文を唱えながら、お待ちください・・・ >読者の皆様

*1:森脇肇「著作権侵害を回避するために広告宣伝物の制作委託者が負うべき注意義務」知財管理58巻11号1503頁(2008年)。

*2:特に委託者による受託者のコントロール権能が過失の成否に与える影響について分析しているくだりについては、いろいろと考えさせられるところがある。

*3大阪地判平成17年1月17日、大阪地判平成17年12月8日。

*4:そうでなくてもこの時期は、年末に向けてのラストスパート、とばかりに持ち込まれる相談事で、机の上の書類が山盛りてんこ盛りの状態なのだ・・・。

2008-11-16

[][]武も馬から落ちる。

下級条件戦などでは、4コーナーで逸走したカラ馬が最後の直線で追い込んで、場内を失笑の渦に巻き込む、なんてシーンをたまに見かけたりするのだが、これがG1で、しかも勝った馬を差し切ってしまった、なんてことになると、ちょっと大変だ。


ポルトフィーノ・・・(笑)。


50キロ近いハンディキャップをもらっているとはいえ、あのラストの“豪脚”を見て、鞍上に騎手が乗っかってさえいれば・・・と歯軋りした人は決して少なくなかったんじゃないかと思う。




ちなみに、昔、「武(豊)も馬から落ちる」と言えば、「サルも木から落ちる」と同義だったはずなのだが、ここ最近の武豊騎手に対する辛らつな評価と合わせて今日のレースを見ると、もうそんなフレーズも使えないのかな・・・と思ったり*1


やっぱりウォッカ天皇賞(秋)で、武豊騎手の今年の運は尽きてしまったのだろうか。


残酷な世代交代の足音がひたひたと迫る中、ジャパンCの行方が気になるところである。

*1:あれだけ豪快に躓かれてしまうと、どんな名手でも立て直すのは難しかったとは思うが。

2008-11-15

[]最初で最後の独白。

昨日おとといと、あちこちで、いろんな方からお祝いの言葉やメールをいただいた。


思えば、メールなんていう文明の利器が世の中に登場して以降、万人に共通して祝ってもらえるような分かりやすい結果を出したことは今までなかったような気がして(苦笑)、それだけに嬉しくもあり、戸惑いもあり、といったところである。


結果が出たからといって明日から劇的に生活が変わるというわけではないし、そもそも、客観的に見れば、今の段階は、スーパーマリオの最初のステージでクッパ影武者を倒してやれやれ・・・といった程度のものにすぎないわけだから、これから新卒で就活始めるような歳でもない自分が手放しで喜ぶわけにはいかない。


それに、「1%未満」という数字が一人歩きしていることに対してはいろいろと複雑な思いもあって*1、特に、初めて受け始めた頃に、“1500の枠をめがけて殺到する人々の熱気と狂気”に弾き飛ばされた記憶を思い返すと、なおさらその思いを強くする。


今も昔もあと一歩で手が届くポジションにいながら、無念の撤退、という道を選択しなければならなかった方々は数多くいたはずで、それに比して“汝はふさわしい資質を備えているのか?”ということは、常に問われ続けるだろうし、自分への戒めとして、問い直し続けていかなければならないだろうと思っている。


* * * * *


ちなみに、「どうしてこれまで・・・?」ということは何度となく聞かれるだろうから先に答えておくと、

「自分の仕事をまっとうしながら目指すには、これしか道がなかった」

ということに尽きる。


もちろん、巷で言われているような“最悪のシミュレーション”を想定したリスクヘッジという意味合いがなかったわけではないし、試験との相性、というテクニカルな要素も無視することはできないのだが、格好つけたことを言えば、それ以上に、「法務部員」としての自らに課された責任を果たし続けたい、という思いが自分には強かった。



「そうでなくても、会社の中では吹けば飛ぶような存在でしかない法務部署で、絶え間ない人材流出が続くようなことになれば組織としての存在意義を問われることにもなりかねないし、それに加えて“有資格者採用”の「外圧」が強まってくれば、これまで企業法務の屋台骨を支えてきた“叩き上げ”のスタッフたちの誇りはどうなる・・・?」

この数年間、ずっと自問自答していた。


会社を飛び出していたら、慌ただしい日常の中で3日もたてば忘れてしまうようなことだったのかもしれない。


だが、自分には、生え抜きとしての意地もあるし、これまで育ててもらった恩義もある。


経済的な不利益や身分上の不利益なら、その後の自分の努力次第で埋め合わせることは可能だが、敵前逃亡することによって失われた信頼は、一生かかっても埋め合わせることはできない・・・


そんな思いもあった。


会社に入って「法務」という仕事に出会わなければ、自分が法律に興味を持つこともなかっただろうし、本格的に勉強しようと思うこともなかっただろう*2


そして、仕事を通じていくつもの貴重な出会いを経験することもなく、ましてや、こんなブログを書き始めることもなく、狭い業界の沼の中に閉じこもって日々を過ごしていたかもしれない。


そう考えると、自分は今の仕事と、ここに自分を導いてくれた方々に足を向けては寝られないわけで、時に斜に構えて卑下してみたり、茶化してみたりすることはあれど、“自分の中には「法務の血」が流れているんだ!”という思いが変わることはなかった。


* * * * *


当然ながら、ここにたどり着くまでの間には迷いもあったし、葛藤もあった。


仕事と勉強の両立、と言えば聞こえはいいが、実際に時間を費やせたのはもっぱら前者の方だけで、普通の受験生なら半年で回せるような内容を、数年がかりでやるようなスピード感に正直絶望的な気分に陥ったこともあったし、仕事の中で結果を出しさえすれば、会社の中でも、そして法務という業界の中でもしかるべき評価を受けられる(少なくとも経営者の気まぐれで組織が消滅することはないし、有資格者が5人や10人入ってきたくらいで、生え抜きの法務社員が仕事を失うこともない(と自分の眼には映った))、何百人とスタッフを抱える一流企業の法務部門の中で働いている人間を羨んだことも、一度や二度ではない。


仕事で結果を出し続けなければ、社内でのポジションも発言権も確保できない。その一方で、誰にでもわかるような明確な「証」を自力で手に入れなければ、いつか自分が働く場所を失ってしまう・・・


そんなジレンマに苛まれていた時期もあった。


でも、今思えば、決して恵まれた環境ではなかったからこそ出せた力もあるんじゃないかと思うから、ここまで自分を連れてきてくれた運命のすべてに、今は感謝している。



なお、最後にもうひとつ。


「企業法務」という世界には、資格なんて持たなくても、優れたバランス感覚と卓越した交渉力、そして人間的魅力を駆使して、企業の危機を救うとともに、企業が世の中にもたらそうとしている災禍を未然に食い止めるために日々奮闘している人々が大勢いる。


「法」という規範に真摯に向き合い、その解釈に知恵を絞り、考えうる最善の解を導くために全力を尽くす・・・という、それぞれの組織の中で培われた“力”は、巷の「プロ」に勝るとも劣らないものであって、諸先輩方から見れば、まだまだ駆け出しの筆者など、到底足元にも及ばない。


だから・・・


これから先、筆者自身が研鑽を重ねて、偉大な先人にちょっとでも追いつけた、と思える日が来るまでは、自分が「先生」と呼ばれる立場になるなんて、(仮になれるチャンスがあったとしても)恐れ多くてとても無理な話である。



男だろうが、女だろうが、人の心は秋の空のようなもので、それゆえ、“生涯一企業法務戦士”などと振りかぶったことをいうつもりはないが、この世界には、一生かかっても学びきれないほど学ぶべきことは多いし、骨の折れる問題が後から後から湧き出てくるのも確か*3


ゆえに、自分は、これからも「企業法務戦士」であり続けるだろうし、これからもそうありたい、と思う。


続きを読む

*1:大学入試を考えればわかることだが、どんな試験でも「倍率」と「難易度」は必ずしもリンクしていないわけで、その数字だけで試験の「格」や合格者の「質」を語るのは、ちょっと筋違いな議論だろうと思う。

*2:法学部出身者がいうセリフでは本来ないのだが・・・(苦笑)。

*3:そして、そういった問題を片付けたときの達成感と、安堵感を矢面に立たされていた事業部門のスタッフと共有できるのは、社内で仕事をやっている人間だけの特権でもある。

2008-11-14

[]何かアクセスが凄いことになっていると思ったら・・・

やっぱり「ボツネタ」だった(笑)*1


それに、昨日のエントリーに付いた星の数ときたら・・・*2


もし、逆の展開になっていたら、どんな鬱々とした気分で今日の朝を迎えただろうか、と思うと、考えただけで怖くなる。


悪戯好きな運命の神様が、最後にプレゼントをくれた。


そのことを今は素直に喜びたい。


そして、繰り返しになるが、本当に生きた心地のしなかったこの何週間かの日々に、有言無言のメッセージを送ってくださった多くの方々に心から謝意を捧げたいと思う*3


なお、一連の経緯について長々と語ることは、本ブログのコンセプトから外れてしまうので差し控えさせていただきたいと思っているのだが*4、一応、ケジメのエントリーくらいは書いておこうかと思う。


アップされるのが、数時間後になるのか、数日後になるのか、はたまた数年後になるのかは、分からないけれど*5

*1:最後の最後まで、お世話になっております・・・。

*2:常連の皆様ありがとうございます。特にずっとブクマを張り続けてくださったpas-a-pasさんと、いつも豪快に星をくれる小金井兵庫氏には足を向けて寝られません(礼)。

*3:生まれてこの方、これほど人の心の温かさ、というものに感謝したことはない。

*4:というか、そろそろ通常メニューに復帰しないと、長年の読者の方々に見捨てられてしまいそうだ・・・。

*5:これもいつものことなので・・・、申し訳ない・・・。

2008-11-13

[]というわけで、小田和正、いきます!

la la la la la la 言葉に〜できない

あなたに 会えて ほんとうによかった

嬉しくて 嬉しくて 言葉に〜  できない!!!

♪「言葉にできない」詞・小田和正


これまで、自分を支えてくれた、すべての人に感謝します。


ホントにありがとー!!!!


今夜ばかりは浮かれてる自分を許してください。(ペコリ)

[]やっぱりあったみたいね。

2つ目の“まさかの坂”。


とりあえず今は、小田和正気分。

2008-11-12

[][]加藤一郎名誉教授逝去

昔、ちょっとした出来心で、1969年前後の新聞記事をクリッピングしていたことがあったのだが、あの時代、特に1968年末から1969年1月にかけて、新聞の一面に「加藤一郎学長代行」のお名前を見かけない日はなかった*1


崩壊寸前だった最高学府内の混乱を収拾し秩序を回復する、という重責を40代半ばという若さで担うことになった師の心境は如何ばかりだったのだろうか?


最終的には警察力の導入を決断せざるを得ない状況に陥ったとはいえ、当時の学長代行の奮闘ぶりには、識者のみならず、対立サイドにいた学生からも高い評価が寄せられていたことが記事からも伝わってきて、印象的だったのを覚えている。

民法学の権威で、東大紛争当時に学長を務めた加藤一郎(かとう・いちろう)氏が11日午前8時48分、肺炎のため東京都世田谷区の病院で死去した。86歳だった。」

日本経済新聞2008年11月12日付朝刊・第39面)

嵐が吹きぬけた時代から、ちょうど丸40年、といったところ。


世紀を超えてしまった今、自分がキャンパスにいた頃ですら既に遠い過去になっていた*2あの時代の話に興味を示す学生がいるとも思えないのだけれど、どんなに時代は移っても、刻まれた歴史から学ぶべきことは、まだまだあるように思う。


そして、研究生活を犠牲にしてまでも、大学の伝統と自主性を守るために心血を注がれた、「元学長代行」の足跡から学ぶべきことも決して少なくないはずだ。


今はただ、ご冥福をお祈りしたい。



なお、民法学者としての師の業績について自分が知っていることは、上記記事の片隅に書かれている中身や、ウィキペディアに掲載されている程度のものでしかなく、わが身の浅学ぶりを恥じいるばかりである。


より謙虚に、学ばなくては・・・。

*1:何といっても、「駒場の代議員大会開催」というニュースが、「東大新聞」ではなく、朝日や日経(当時は今以上に経済紙としての色彩が強かったにもかかわらず)の1面に載ってしまう時代である。

*2:もっとも、安田講堂は使用再開からまだそんなに日が経っていなかったこともあって、結構恐る恐る使っていた感じではあったが(笑)。

2008-11-11

[][]似たもの同士。

類似した「キャッチフレーズ」の使用をめぐってトラブルになる事案が時々出てくる。


例外的な場合を除いて、商標権で保護するのが難しいと考えられていることもあって*1、不競法上を使った勝負に持ち込まれることが多いのであるが、戦いの舞台を変えたからといって、うまく行くとは限らない。


アイスクリームショップ同士の対決となった本件も、それを証明するかのような結論になっている。


東京地判平成20年11月6日(H20(ワ)第13918号)*2

原告:B-Rサーティワンアイスクリーム株式会社

被告:コールド・ストーン・クリーマリー・ジャパン株式会社


原告が「We make people happy.」というキャッチフレーズを使っていたのに対し、被告が「Make People Happy」と原告のフレーズから「We」を抜いただけのフレーズを使用したことが不正競争防止法2条1項1号の「不正競争」に該当するか、というのが本件の争点である。


原告は、昭和48年12月に設立され、全国にチェーン展開している老舗アイスクリーム事業者、一方、被告は平成17年5月に設立された新興チェーン。


原告のHPhttp://www.31ice.co.jp/contents/company/)と被告のHPhttp://www.coldstonecreamery.co.jp/about/corporate.html)を見比べれれば分かるように、米国発のアイスクリームブランドであることや顧客に対するメッセージなど、両者には元々“何となく共通している”ところが多い。


被告には被告なりのアイスクリームの製法上のセールスポイントがあるとはいえ、“イメージ”に依拠するところが多いこの種の業界において、誤認混同は何としても避けられねばならないのであって、キャッチフレーズの類似性を根拠に訴訟を提起した原告サイドの心情は、筆者にも理解できなくはない*3


だが、不正競争防止法は、そんなに甘い法律ではなかった。


裁判所は、

「原告文言は,原告における設立以来の「モットー」,すなわち,会社の営業活動に関して基本となる指針や目標を定めた標語であり,「We」,「make」,「people」及び「happy」の平易な4つの英単語からなる英文であって,中学生程度の英語の理解力があれば,「私たちは人々を幸せにする」との意味を了解することのできるものである。英文であるとはいえ,このような平易かつありふれた短文の標語そのものは,本来的には,自他識別力を有するものではないことは明らかである。原告文言のような標語が法2条1項1号の「商品等表示」としての営業表示に該当するためには,長期間にわたる使用や広告,宣伝等によって当該文言が特定人の営業を表示するものとして,需要者の間に広く認識され,自他識別機能ないし出所表示機能を獲得するに至っていることが必要であるというべきである。」(22-23頁)

という規範を立てた上で、一部の使用態様については、

「基本的に原告文言が一般消費者の目に触れるものではない」or 「目に触れる機会が多かったものとは認められない」

とし、また、店頭に掲げられた「セールスビルダーボード」上の文言については、一般消費者が「原告文言に接する機会が多い」ことは認めつつも、

「原告の店舗においては,これらのセールスビルダーボードや統一ポスター等に記載された原告文言よりも,はるかに目立つ外観上の表示をもって,前記(1)イの登録商標(注:「サーティワンアイスクリーム」のロゴマーク)が使用されており,これと比較して原告文言はさほど目立たず,一般消費者に強い印象を与えるものではないことが認められる。また,セールスビルダーボードや統一ポスター等に記載された原告文言に接した一般消費者は,その一文を読み取った上で,これを原告からの顧客に対するメッセージであるとともに,原告の社員ら現場における店舗の従業員に向けられた社内的な意味合いが強い社是のようなものとして受け取るものと認められ,原告文言を原告の業務に係る営業の表示として受け取るとは通常考え難い。」(23-24頁)

とし、

これらの原告文言の使用態様や原告文言の持つ本来的な意味合いに照らすと,上記の原告表示の使用事実をもって,原告文言が原告の業務に係る営業表示であるとして一般消費者の間に広く認識されていると認めることはできず,他に,原告文言が原告の業務に係る営業表示に当たることを根拠付ける事実を認めるに足りる証拠はない。」(24-25頁)

と、原告のキャッチフレーズの商品等表示性を否定したのである。



筆者自身、サーティワンアイスクリームの店頭に、上記のようなキャッチフレーズが掲げられていたことに、今の今まで気が付かなかったくらいだから*4、これも順当な結論だというべきだろうが、類似性で蹴られるならともかく、商品等表示性そのもので蹴られてしまったのは、原告としてはちょっと痛かったのではないかと思う。


なお、本件で共通して用いられていたフレーズが「make people happy」というシンプルなものであったことが、結論に影響を与えているのは事実だとしても、判旨にあるとおり「長期間にわたる使用や広告,宣伝等によって当該文言が特定人の営業を表示するものとして,需要者の間に広く認識され,自他識別機能ないし出所表示機能を獲得するに至って」いれば、商品等表示には該当するわけで、類似フレーズを使用している側としては、そのシンプルさのみをもって、不競法違反の責めを免れるものではない、ということに注意する必要がある*5

*1:とはいえ、商標登録が全く認められないわけではない、ということに注意する必要がある。

*2:民事47部・阿部正幸裁判長、http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20081110133810.pdf

*3:ちなみに、本場米国でも両者はライバル関係にある事業者として、認識されることが多いようである。http://answers.yahoo.com/question/index?qid=20080830210152AAmBNp3参照。

*4:アイスクリームは好物なのに(笑)。

*5:キャッチフレーズをガンガン前面に出して宣伝展開を行っているような場合(例えば某バーガーチェーンの“I'm lovi'n it”など)であれば、いかにシンプルな部分の借用でも、不競法違反には当たりうるのではないだろうか。残念ながら試してみる勇気はないのだが・・・(笑)。

2008-11-10

[][]慌しさにかまけて忘れていたが・・・

じきに1月号の告知も行われるであろう時期に紹介するのはちょっと間が抜けているのだが、今発売中の「Business Law Review」12月号の特集がかなり興味深い。



目次に掲載されている執筆者のお名前を見ると(http://www.businesslaw.jp/contents/)、やっぱり広告と知財は切っても切り離せないのだなぁ、ということをあらためて実感したりもする*1


4月号から始まったこの雑誌も、もう9号目。


法務のネタというのは尽きないものだなぁ・・・と思う次第。

[][]突然の閉鎖告知。

久しぶりに自分のアンテナをチェックして驚いたのだが、「ボツネタ」が閉鎖するそうである。(http://d.hatena.ne.jp/okaguchik/


法律関係の情報クリッピングサイト、というのみならず、文字通り“ネタ系”情報の宝庫でもあっただけに、このタイミングで閉鎖されるのは大変残念なのだが*2、自分のページを開設している人間としては、「どのタイミングで閉鎖するか」ということを常に考えているわけで*3、岡口裁判官にとっては、まさに今がその時だった、ということなのだろう(もちろん、外的要因の影響が一番大きかったのだろうが。)。


なお、興味深いのは、閉鎖の告知と同時に、「管理人引継ぎ」の告知もかかっているということ。


他人の「ブランド」を引き継ぐ、というのは相当重い*4と思うのだが、それでも、既に名乗りを上げていらっしゃる方もいる、ということだから、それだけ、あのサイトが多くの人に愛されていた(&「ボツネタ」というブランドの価値が高い)ということなのだろう。


今後の行方にも注目である。


なお、ご本人は謙虚に否定されているようだが、個人的にはやっぱり、http://etc-etc-etc.cocolog-nifty.com/blog/ の管理人さんあたりが、もっとも適任ではないかと思っている(笑)*5

*1:個人的には最近景表法の方が頭が痛かったりもするのだが。

*2アルファブロガーに選出されても不思議ではないくらいの人気だったのに・・・。

*3:自分の想像以上に、ユーザーが拡大してしまった場合はなおさら。

*4:前任者が築き上げたコンセプトや雰囲気をある程度維持しないと読者の批判を浴びてしまいそうだし、頑張ってそれをやったとしても、常に前任者と比較されることになる・・・。

*5:現にボツネタ上でも紹介されているとおり、看板を架け替えれば2代目を襲名しても遜色ないような情報の豊富さを誇っている。

2008-11-09

[][]熱闘の果てに。

日本シリーズ第7戦、埼玉西武ライオンズ読売を下して日本一


予想以上の爽快な逆転劇で、最後の瞬間は「これは凄い」と思わず手を打ったのは良いが、その直後に流れたテロップで「4年ぶり○○回目・・・」と表示されたのを見て、一瞬、「ん?4年前?」と思ってしまった自分は、やっぱり古い世代の人間なのだろう(苦笑)*1


第6戦、第7戦の継投策は後々まで語り継がれることになるのだろうし、セオリーを度外視した8回の片岡選手のスチールも後々伝説になる可能性が高いのだが、そういった一つひとつの戦略、戦術以上に、「あのような“スクランブル野球”に選手がしっかり応えられるような環境」を1年かけて作り上げてきた、渡辺久信監督以下のチームスタッフの功績がまずは賞賛されるべきだと思う。


一番肝心な場面で、どう見ても一杯一杯の越智投手を続投させざるを得なかった相手チームと比べれば、その差は歴然である。


もっとも、同じ短期決戦でも、一年間率いてきたチームで戦う「短期決戦」と、大会のために集められたオールスターチームで戦う文字通りの短期決戦とでは、指揮官に求められる能力は変わってくるはずだ。


その意味で、今回勝ったとはいえ、渡辺監督がWBC五輪の指揮官にふさわしい、と断言するのは早計だし、負けたからといって原辰徳監督には資質がない、と決め付けるべきでもない*2


いずれにせよ、両チームとも持ち味を存分に発揮した「良い日本シリーズ」だったことは間違いないのであって、筆者のみならず、この1週間の間に久々にテレビで野球を見て、独特の間合いが醸しだす面白さに再び気付いた人も多かったことだろう。


来年のWBCと合わせて、これがプロ野球人気復活の起爆剤になるようならなかなか面白いことになるのだが、果たしてどうなのか。


一歩引いた気持ちで眺めていた自分にとっても、興味をそそられる話であるのは間違いない。

[][][]大逃げ。

今日のアルゼンチン共和国杯、石神騎手と武士沢騎手が痛快な大逃げで場内を沸かす。


特に直線を向いても脚色が衰えていなかったテイエムプリキュアには、一瞬だけ期待した。


最軽量ハンデに人気薄、という気楽さもあったのだろうけど、忘れられた頃にG1*3の意地、とばかりに掲示板に残るその意気やどうだ。


ここのところの不摂生が祟ったのか、プリキュアの斤量並みの体重になりつつある筆者であるが*4、最後の二枚腰であっと驚くサプライズを演出できれば・・・・。


ま、無理だろうけど*5

*1:自分の記憶の中には森監督時代とか東尾監督時代のシリーズに出れば負けるライオンズの印象しかなくて、4年前のドラゴンズとの熱戦がすっかり抜け落ちていた。別にこのチームを毎年応援しているわけではないのでしょうがないのだが・・・。

*2:最終戦の投手交代のタイミングを除けば、批判されるような采配でもなかったと思うし、主力選手が相次いで負傷する中、あわや優勝目前、というところまでチームを持っていったところは率直に評価されて良いのではないかと思う。

*3:デビューからの3連勝で05年の阪神JF制覇。

*4:久し振りに体重計に乗ったら、1ヶ月に比べて5キロ減だった。さすがに散々脂汗かいただけのことはある(汗))。

*5:どっちかというと14着に沈んだセタガヤフラッグのパターンだろう。たぶん。

2008-11-08

[][]好勝負

読売が圧倒的な戦力差を見せ付けるかと思われた今年の日本シリーズだが、思いのほかいい勝負になっている。


王手をかけられてここまでか・・・と誰もが思った第6戦でも、ここ数年脇役に甘んじている平尾選手が全打点をたたき出す活躍*1。しかも、第4戦で完封した岸投手を早々とリリーフ投入する大胆な采配もあって、巨人打線の勢いを完全に止めてしまった。


ラッキーボーイが出たり、キャラの濃い主力選手が順繰りに活躍したり、と、今の西武にはシリーズを制するチームとしての条件と勢いが揃っているだけに、明日の最終戦も何とか勝たせてあげたいなぁ・・・と思うのであるが、やっぱり最後は「読売巨人軍」なのだろうか?


結果はどうあれ、久しぶりにプロ野球の試合をテレビで見たくなったのは間違いない。

*1:元々タイガースで期待されていた選手だっただけに、名前を聞くと懐かしい気持ちになるのだが、今シーズン本塁打2本の選手がここまでの活躍をするとは・・・。

2008-11-07

[][]特許審判の「専門性」とは?

このブログでも相当長きにわたって取り上げている「知財高裁第3部」の付言判決だが、相変わらずその勢いは止まっていない。


参天製薬株式会社(被請求人)と千寿製薬株式会社(請求人)が「開口点眼容器及びそれの製造方法」特許(特許第3694446号)の無効審決の取り消しをめぐって争った事案*1では、原告・参天製薬株式会社が主張した取消事由を全て退けた上で、

「原告は,本件発明1に限っても,審決のした本件発明1と甲1発明Aとの一致点及び相違点(6個)の認定及び相違点(6個)に関する容易想到性の判断,並びに審判手続のすべてに誤りがあると主張して,審決を取り消すべきであるとしている(略)。しかし,(1)およそ,当事者の主張,立証を尽くした審判手続を経由した審決について,その理由において述べられた認定及び判断のすべての事項があまねく誤りであるということは,特段の事情のない限り,想定しがたい。また,(2)本件において,本件発明と引用発明との間の一致点及び相違点の認定に誤りがあるとの原告の主張は,実質的には,相違点についての容易想到性の判断に誤りがあるとの主張と共通するものと解される。そのような点を考慮するならば,本件において,原告が,争点を整理し,絞り込みをすることなく,漫然と,審決が理由中で述べたあらゆる事項について誤りがあると主張して,取消訴訟における争点としたことは,民事訴訟法2条の趣旨に反する信義誠実を欠く訴訟活動であるといわざるを得ない。」(39頁)

という異例の説示を行っているし、「新聞顧客の管理及びサービスシステム並びに電子商取引システム」という特許の拒絶不服審判(不服2005-19713号)不成立審決取消訴訟*2では、審決の結論を維持しつつも、特許法36条6項2号に関する特許庁の判断については、

「その判断それ自体に矛盾があり、特許法36条6項2号の解釈、適用を誤ったものといえる。」(30頁)

と厳しく批判している。


後者はもうすっかりおなじみになった特許庁に対する付言&苦言だが、「ここまでは特許庁の領域」、「ここからは裁判所の領域」、とお行儀良く住み分けてきたこれまでの実務に馴染んできた方々からは、事件解決の本筋と関係ないところでここまで言うのは言いすぎでは・・・?という感想も出てくるのかもしれない。


最近になって知財高裁の他の合議体でもわずかに「付言」判決が見かけられるようになってきているものの*3、第3部のスタンスを明確に踏襲する部が登場していないところからも、そのような風潮を推し測ることができる。


法解釈に照らした細かい運用に難があるとしても、大勢に影響がなければ淡々と処理する、いう考え方も、これまでの役割分担の発想からすれば十分成り立ちうるわけで、どちらか適切なやり方か、ということは一概に決められないように思う*4


だが、以下のような事案についてはどうだろうか。


知財高判平成20年10月29日(H19(行ケ)第10351号)*5

原告・株式会社OSGコーポレーション

被告・ジョプラックス株式会社


本件は、「ツインカートリッジ型浄水器」という名称の特許発明(第3723749号)について無効審判(無効2006-80131号)が不成立となったことを受けて行われた取消訴訟である。


そして、いくつか挙げられている審決取消事由の中で、特に主要な争点となったのが、「共同出願要件違反」をめぐる審決の判断の妥当性、であった。


判決では、原告・被告間の本件発明をめぐる経緯として、

(1)本件原告は本件被告との間で浄水器の製造・開発委託に関する取引基本契約を締結しており(平成5年9月3日)、その基本契約に基づいて新型浄水器の開発委託契約を締結した(平成12年4月1日付)。

(2)原告と被告の間で開発会議を重ね、新商品の設計作業が完成した。

(3)しかし、原告と被告との間で、金型製作代金の支払いについて合意を得ることができなかったことから、原被告代表者は平成13年3月26日に協議を行い、本件開発委託契約を合意解除するに至った。

(4)原告は、平成18年7月4日、被告を被供託者として開発費用及びその遅延損害金計1316万9185円を弁済供託し、被告はこれを7月27日に受領した。

という事実が認定されている。


そして、合意解除された開発委託契約書の中には、

第6条(工業所有権)

1.本開発品に関しての工業所有権を取得する権利は次の通りとする。

(1)商標および意匠登録は甲が取得し,甲が単独で所有する。

(2)特許および実用新案は甲(判決注原告)と乙(判決注被告)の共同出願とし,甲と乙の共有とする。

2.前項1.(2)の共同出願の手続きは甲が行い,発生する費用は甲乙それぞれが折半することとする。

(省略)

第8条(有効期間)

1.本契約の有効期間は,本契約締結の日から第2条の委託業務の終了日までとする。

2.前項の定めに関わらず,第5条(秘密保持)に関する定めは,この契約終了後5ヵ年間有効とし,第6条(工業所有権)に関する定めは,当該工業所有権の存続期間中有効とする

という条項があったにもかかわらず、開発に伴って生じた発明を乙(本件被告)が単独で出願し、特許登録を受けたことから、「共同出願要件違反」が争点となったのである。


特許庁は、審決の中で、

「原告は,本件特許を受ける権利が原告と被告の共有であると主張するが,その根拠となった開発委託契約書の共同出願の約定(第6条1項(2))は,(1)原告の債務不履行により民法541条に基づいて被告から解除されたために(2)遡及的に消滅しているから,上記共同出願約定を根拠とする特許法38条の共同出願要件違反の無効理由とはならない。」(8頁、太字部分の番号は筆者が付記したもの)

と述べて、審判請求人である本件原告の主張を退けていた。


しかし、知財高裁は、審決が「開発委託契約の法定解除の意思表示に実質的に相当乃至示唆することは明らかである」と認定した書簡(本件被告から本件原告に宛てられたもの)に、解約主体が本件被告ではなく本件原告であることを示す記載があること*6、解約及び設計費請求の根拠となった契約第4条は、

「甲(判決注原告)のやむを得ない事由により,開発を中止又は中断しなければならなくなったとき,甲はその旨を乙(判決注被告)に書面にて通知することにより,本契約を解除することができる。この場合,甲乙協議の上,乙がそれまで負担した費用を甲は乙に支払うものとする。」

という規定になっており、解除権行使主体が「甲」のみとなっていることから、「(1)被告が債務不履行を理由とする解除の意思表示をした」という審決の認定を否定し、さらに、

「本件共同出願条項(8条2項にいう「第6条(工業所有権)に関する定め」に当たる。)は,本件開発委託契約の合意解除を原因とする「委託業務の終了」(8条1項)にもかかわらず,本件効力存続条項(8条2項)により,委託業務終了後の平成13年6月6日の本件特許出願時においても,「当該工業所有権の存続期間中」(8条2項)として,その効力を有するものと解すべきは,疑いの余地はない。」(34頁)

とした上で、

(1)8条1項の「第2条の委託業務の終了」には,契約目的を達成した場合のみならず,委託業務(事実行為)が合意解除(法律行為)を原因として途中で終了する場合も含むと解するのが文言上自然であり,前記のとおり,合意解除の場合にも8条1項が適用され,8条2項の本件効力存続条項により本件共同出願条項がその効力を有すると解するのが,当事者の合理的な意思に合致するというべきであること。

(2)本件開発委託契約では,最終的には,原告が被告の開発費用を負担することとし,被告が技術等を提供することと定められ(略),開発資金等を提供した原告と,技術等を提供した被告との間において,特許等について共有とするとした趣旨は,互いに相手方の同意を得ない限り独占的な実施ができないこととして,共同で開発した利益の帰属の独占を相互に牽制することにある点に照らすならば,合意解除がされた場合においても,両者の利益調整のために設けられた規定を別の趣旨に解釈する合理性はないこと。

(3)本件開発委託契約書5条(秘密保持)の約定は,同契約が合意解除がされた場合にも,不正競争防止法の関連規定の適用を待つまでもなく,その効力を特約により存続させて互いの営業秘密を保護しようとするのが契約当事者の合理的意思に合致すると考えられること等,諸般の事情を総合考慮するならば,本件開発委託契約書8条2項において上記秘密保持規定と同様に記載された「6条(工業所有権)に関する定め」について,合意解除の場合においても,その効力を特約により存続させるのが契約当事者間の合理的意思に合致するといえること。

(以上、35-36頁)

という理由を付して、「(2)共同出願に関する約定の効果の解除による遡及的消滅」についても判断を覆した。


その結果、原告主張の審決取消事由が認められ、請求認容(審決取消)判決が下されることになったのである。


上記判決から見えてくるもの

本件判決で知財高裁が行った契約解釈は極めてスタンダードなものであるし、実務的も至極妥当な結論になっていると思う*7


というか、何で特許庁が「債務不履行解除あり」かつ「解除の効果遡及によって共同出願約定無効」という不自然な解釈を導いたのか、自分には理解できない。


前提事実を見ると、本件被告は審判の過程で、特許庁からの無効理由通知を受けて訂正請求を行っており、特許庁もその訂正を認めた上で、不成立審決を行っていることがわかる*8


そういった経緯を踏まえると、「特許クレームの記載そのものについては、文句の出ないように(被告の方で)きれいにしたんだから、共同出願要件なんてつまらないところで文句付けるな!」という“偏向的感覚”がどこかにあったのではないか、とすら疑いたくもなってくる*9


単なる解釈の誤りと考えることもできるが、それはそれでまた問題で、本来純粋な法解釈の領域に属することがらの第一次的判断を特許庁に委ねていることの是非が問われることにもなりかねないことに注意すべきだろう。


もちろん、本件のように取消訴訟を出訴すれば誤った判断を是正することは可能であるとしても、一審級省略されていることに伴う問題は残るし、それ以前に、請求人側の代理人の弁理士が契約法に疎く、特許庁の審決に何となく納得して出訴をあきらめてしまう・・・なんてこともありうることを考えると、ちょっと怖くなる。




今回知財高裁第3部が出した判決には、いつものような「付言」もなければ、手厳しい「苦言」もない。


だが、特許庁が審理を経て下した解釈判断が完膚なきまでに覆された、という事実が、行政審判における行政庁の「専門的裁量的判断」に過度に依拠すべきではない、という合議体のスタンスを雄弁に物語っているように思われる。


おそらく、本件に関して言えば、どの合議体に行っても同じように結論はひっくり返っただろうし、その判決を書いたのが第3部だった、というのは単なる偶然に過ぎないと思うのだが、これまでの流れと合わせて考えると、この判決が第3部で書かれた、ということに、自分は、象徴的な何かを感じてしまうのである・・・。

*1:知財高判平成20年10月28日(H19(行ケ)第10331号)、http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20081028154926.pdf

*2:知財高判平成20年10月30日(H20(行ケ)第10107号)、http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20081030170642.pdf

*3:例えば、訂正審判請求の審理対象に関する第4部(田中信義裁判長)の判決など。平成20年10月29日(H19(行ケ)第10283号(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20081031163822.pdf

*4:先日のエントリーで紹介したような特許庁の運用変更の動きも現に出ていることなどを鑑みれば(http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080925/1222491745)、特許庁における行政審判のあり方に対する問題提起を絶え間なく行い続ける、という第3部の姿勢は高く評価されて良いのではないか、と個人的には思っているが。

*5:飯村敏明裁判長、http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20081029154617.pdf

*6:「本開発契約を御解約される場合は不本意ではありますが契約書第4条に基づき、・・・開発設計費を請求させて頂きます。」というもの。

*7:解除の効果については、原告側が主張していたような、「開発契約の準委任契約としての性質」(13頁参照)(当然、開発委託契約には、成果物の完成に向けた請負契約としての側面もあるから、契約により履行される行為の性質に応じて、適用すべきルールを決めていく必要があるが、継続的な開発行為そのものとそれに基づく共同出願(要は何らかの成果を完成させる、ということ以外の行為)については、「準委任契約」としての側面を重視した方が、作業の実態には沿うと思われる)を重視して、明示的に定めがない限り解除の効果は遡及しない、という構成も考えられただろうが、本判決のような文言の素直解釈でも問題はないだろう(規定の趣旨や、秘密保持約定と対比に言及しているくだりも説得的だと思う)。

*8:36条関係の形式的要件違反だろうか?

*9:元々、開発委託契約に基づく共同出願という慣行は、純粋技術畑の人々にはあまり受けが良くないようであるし(苦笑)。

2008-11-06

[][]思わぬ副産物

ここ数日、日経新聞の社会面では、「小室哲哉容疑者逮捕」の話題が断続的に取り上げられているのだが、今日の夕刊では、

「小室容疑者が投資家の男性に譲渡を持ちかけた806曲の一部が、譲渡話の前から既に「二重譲渡」の状態だった。」

という話題を取り上げた上で、

「著作権/登録制度/機能せず」

という小見出しの元、著作権の移転登録に関する“制度の欠陥”について、多くの紙幅を割いて論じている*1


記事の中で取り上げられている“声”を見ても、

「公的な裏付けがないまま著作権が取引されるため、詳しい権利関係を外部から把握できない仕組みになっている」(業界関係者)

(登録制度が)「義務ではなく料金もかかるため利用が進まず、権利の所在証明として役に立たないのが実態」(日本レコード協会

と現行制度に対するネガティブな評価ばかりだ。



著作権の移転登録制度が機能していないのは、本来登録するメリットを享受しうるはずの当事者(第一譲受人)にとって、

「譲渡対象となる著作権の価値」×「二重譲渡により譲受人が劣後して不利益を受ける確率」

よりも、

「登録にかかる費用・手間隙&交渉のコスト」

の方がはるかに大きい、という現実があるからで、前者のリスクが極めて小さい以上*2、制度を少々いじったところで状況は変わらないんじゃないの?(ゆえに、現に機能していないことをもって「制度の不備」というのは、ちょっと違うのでは?)というのが自分の素朴な感想なのだが、

(今回の事件は)「著作権取引を巡る制度の不備を象徴する事件」

「登録の義務化や料金引き下げなど制度の是正を急がなければ、同種の事件が今後増える恐れもある」(以上、坂田均・同志社大法科大学院客員教授のコメント)

などというコメントが掲載されているのを見ると、今回の事件をきっかけに、新たな立法の動きが出てきたりするのかなぁ・・・、と思ったりもしている*3


世間の注目を集める大事件が思わぬ副産物をもたらす、ということは良くある話だが、今回の事件もその系譜に属することになるのか、ちょっと注目されるところである。

[]自分が嫌になる瞬間。

ほんの数日前にこっぴどく打ちのめされたばかりだというのに*4、“その日”が近くなるにつれて、無意識のうちに良い展開の方のシミュレーションばかり考えている。


そんな傲慢な自分が許せなくて、余計なことを考えないように仕事に打ち込もうとはしてみるものの、どうにもね、こればっかりは・・・(苦笑)。


木曜日の午後に好きな子に告白して、「返事は週明けまで待って」と言われて過ごす金・土・日の気分、と言えば分かりやすいだろうか。


告白した直後は、何となく微妙な感触だなぁ、と落ち込みつつ、“週明け”が近づくに連れて何となくウキウキした気分になる。


その後にどんな衝撃が待っているのか、分かっているはずなのに・・・。



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*1日本経済新聞2008年11月6日付夕刊・第21面

*2:契約する相手さえ間違えなければ、仮に何かの弾みで譲り受けた著作権が二重譲渡されてしまったとしても、具体的に不利益が生じるという事態は考えにくい。「取引対象となった著作権が莫大な富を生む類のもの」で、かつ、「高名なアーティストとして知られる原著作者が巨額の借金を抱えてニッチもサッチも行かない状況に陥っていたために二重・三重譲渡が実際になされた」という本件のようなケースは、極めてレアなものだと思われる。

*3:確かに、登録制度の「公示機能」という側面に着目するならば、これから取引に入ろうとする第三者が権利の所在を明確に認識できないような制度には不備がある、と言われても仕方ないのは確かだろう。もっとも、「対抗要件」としての側面からは、先述したように「制度に不備がある」とまでは言えないように思われるし、仮に制度を是正するにしても、坂田教授が提唱されている内容とは正反対の方向に向かった方が合理的なのではないかと思われる(登録制度を強化すればするほど、「登録がないことを奇貨として著作権の二重譲渡を受け、先に移転登録を行う第二譲受人」を利することになりかねない。)。

*4:といっても、あっという間にそれなりの日数は過ぎてしまっているのだが・・・。

2008-11-05

[][]オークションと著作権

数年前に、インターネットを使った公売オークションでの画像掲載をめぐって、横浜市と著作権管理事業者が争った訴訟が話題となったことがあるが、今度はよりプリミティブな、「オークションカタログ」が問題となっている。

「女性洋画家として初の文化功労者となった三岸節子氏の遺族が、無断で同氏の絵画作品をオークション用カタログ(有料)に掲載されたとして、オークション会社4社を今週中にも東京地裁に提訴する。著作権侵害で損害賠償を求める」(日本経済新聞2008年11月5日付朝刊・第39面)

このカタログにおいて、画像がどの程度の大きさか、どの程度鮮明に原画が再現されているのか、といった点は記事からは分からないのだが、訴えられた側としては、「引用」要件該当性を主張して争うことが考えられよう。


また、絵画の取引に付随して当然に想定される使用、だとして、“黙示の許諾”構成を取ることも考えられるかもしれない*1


ちなみに、訴えられた事業者の一つである毎日オークション(東京江東)は、

「掲載は事実だが、無許諾掲載は業界では慣例。訴状を見てから対応は考える」(広報担当)

とちょっと踏み込んだリアクションをしている。


いかに“慣行”があるといっても、それが法の趣旨に沿ったものだと裁判所が認めない限りは、慣行に則った取扱いが適法なものとして扱われる可能性は低いのだが、このあたりの実態を、被告側がどのように主張に取り入れ、裁判所がそれをどのように評価するのか、が注目される。


実体判断が示されれば、その射程は「カタログ」のみならず、「ネットオークション」やその他の媒体での取引対象物の掲載行為にも及ぶ可能性があるから、影響は決して小さくない。


もちろん、いつの間にか和解で事案がひっそりと消えてしまう可能性はあるし、その可能性の方が高いように思える事案ではあるのも事実なのだが・・・。

[][]遠くの選挙は美しく見えるものだが・・・

予備選が始まって以来、ハラハラドキドキさせられる展開を挟みながらも、最後は盤石の人気を背景に圧勝したバラク・オバマ候補。


「黒人初」の看板ばかりが目立っているが*2、年齢を見ても若干47歳、と相当若い。


全米を巻き込んで盛り上がる“キャンペーン”から伝わってくる活気・熱気に加え、振り子の如し修正の原理が機能する彼の国の様子を見るたびに、「民主主義国家はかくあらねば」という思いに駆られる方も決して少なくないことだろう。


もっとも、隣の芝はいつでも青く、近くの水はいつでも濁って見える。


華やかな報道の陰で繰り広げられている暗闘のきな臭さは、たぶんこの国のそれと実質的に大して変わらないだろうし、スケールが大きい分、もっとタチが悪いのかもしれない。


そういうことも一切合財ひっくるめて、“民主主義国家ならではのエンターテインメントだ”なんて開き直れれば、自分の国の選挙も、もっと愉しく眺められるのかもしれないけれど、そこまではまだ、醒めた目で見られない自分もいるわけで。



まぁ、遅かれ早かれ、この国でも“天下分け目の大決戦”が繰り広げられるのだろうから、“遠く離れた海の向こうの国の人”になったつもりで、ちょっとでも楽しめるように、心の準備を整えておこうと思う(笑)。



なお、歴代民主党政権とは相性が芳しくない我が国が、今回のオバマ候補の勝利&民主党による上下両院制圧、という事態にどう対応するのか、ちょっとだけ興味はある。


クリントンの8年で懲りているならば、その後の8年の間にも十分な手を打っていて然るべきだと思うのであるが・・・・*3

*1:個別具体的な判断に左右されない、という点から言えば、こちらの構成で認められた方が、取引の円滑化に資することになると思われる。

*2:最近「24」を見過ぎている筆者は、「黒人大統領」と聞くとパーマー兄弟の悲劇を思い浮かべて不吉な予感に囚われてしまうのだが・・・(苦笑)。

*3:また今回ここで、「人脈が・・・」という同じセリフを再び繰り返すようなことになるのであれば、正直目も当てられない。

2008-11-04

[][]時代の終わりのその先にあったもの。

90年代の真ん中あたりを大学のキャンパスで過ごした筆者の世代の人間にとって、「小室哲哉」の音楽が、生活と切っても切り離せない存在だったのは言うまでもあるまい。


生協のCDショップでアムロの曲がガンガン流れていていたかと思えば、部室の中では華原朋美だのTRFだのの曲をエンドレスで浴びせられ、お休み前にとどめのglobe(苦笑)。


好むと好まざるとにかかわらず、“TK”に触れずして日本の音楽シーンは語れない・・・そんな時代は確かにあった。



気が付けば、かれこれもう10年近くもヒット曲に恵まれていない、という現実には驚くほかないのだが、いつの間にかフェイドアウトするのではなく(あるいはチャチな犯罪で新聞の片隅を飾るのではなく)、最後の最後に特捜部の大捕り物の主役を演じるあたりは、“時代の寵児”の面目躍如といったところだろう(苦笑)。


“堕ちた偶像”と批判するのは簡単。


だが、頂点に立った者にしか見えないもの、味わえない世界があるのも確かで、平凡な雀たちがどんなに騒々しくわめいたところで、その域には到底達し得ない。


そして、もし、彼がこのまま塀の中に落ちることになったとしても、これまでに世に残してきた彼の作品が色褪せることは、決してないだろうと思うのだ。



なお、チラホラ話題に上っているようだが、著作権の「二重譲渡」の問題は、動産・不動産のそれ、のように単純な問題ではない。


先行する譲受人が存在したからといって、後行譲受人による楽曲の利用に“物理的な”制約が生じるわけではない、という無体情報財の特質に加え、対抗要件制度が十分に浸透していないことが、輪をかけて問題を複雑にしている。


もちろん、現実には、今回5億円を支払った投資家が、名だたる音楽出版社等を差し置いて“著作権ビジネス”を展開するのは事実上不可能な状況だったのだろうし、報道されている“事実”をベースにする限り、例の「5億円取引」においては、そもそも最初から「著作権を譲渡する」ことが全く想定されていなかったようにも思われるから、細かいことを言うまでもなく、犯罪成立ということになるのだろうけど・・・。


そう遠くない日に下るであろう、審判の行方を見守ることにしたい。

2008-11-03

[]ハナ差でも負けは負け。

前日のエントリー、自分で書いていて思ったのだが、久々のレースで大健闘したは良いが、最後の最後のハナ差差されて負ける・・・って、わが身を振り返れば、実に嫌な暗示であることこの上ない。


これが競馬のG1レースなら、2着でも多額の賞金が取れるし記録にも残るのだが、世の中には、負けてしまえば2着でもどん尻でも同じ、というレースもたくさんあるわけで。



負けるにしても、ハナ差ってことはたぶんない(恐らく大差のシンガリ負けくらいだろう)から、その意味では、かえって開き直れて良いのかなぁ・・・と思ったり、そんなこんなでいろいろと考えていたら、連休が終わってしまった。


なんとも空しい。

[]絵に描いたような事例

しばらく法律の世界のことは考えないように、と思っていたのだが、こんな事例↓をニュース速報で見かけてしまうと、思わず考え込んでしまう。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081103-00000536-san-soci


精神衛生上よろしくないので、

「うん、これで傷害致死ですか? そういう考え方もあります・・・かね?」

という程度に、コメントは留めておこうと思うが、前途有望な読者の皆様には大いに論じていただきたい設例であるのは間違いない。

2008-11-02

[][]最強牝馬伝説

ゴールした瞬間は、明らかに青と白の勝負服の馬が新しい伝説を作ったものと信じて疑わなかった。


その後の実況席のコメントも、引き揚げてきた馬の待機ポジションも、1着・ダイワスカーレット、2着・ウォッカという明確な決着を示していたはずなのだが・・・。




結果だけ見たら、これまで数々のビッグタイトルを制してきたウォッカが、1番人気に応えて順当に4冠目を勝ち取った、ということになるのだろうが、レースを目撃したものの感想としてはちょっと違う。


シンボリクリスエスコースレコードを1秒近く塗り替える驚異のペースを先導した上に、直線の猛追を受けてもさらに二の脚を使って後続を完封。


レースを目撃した者は、連対率100%牝馬が4つ目のタイトルを念願の牡馬混合G1で獲得・・・という素晴らしいストーリーを描いたはずだ。


“長すぎる”写真判定の末の逆転裁定。


最後の最後、2センチ差でタイトルをかっさらっていくあたり、ダービー安田記念という牡馬混合G1をこれまで2つ制してきたウォッカの地力の方が上だった、ということができるのかもしれないし、武豊騎手にも依然として勝ち運が残っていた、ということができるのかもしれないが、このダイワスカーレットの激走は、“ただの2着”と片付けてしまうには余りに惜しい。


残すはジャパンC有馬記念


連対率100%のまま現役を終えようと思うなら有馬直行という選択肢もありうるのだろうが、ファンの勝手な願いとしては、ここはジャパンCでの最強馬対決を再度見たいものだ、と思っている。

[][]ささやかな楽しみ復活。

いつも読んでいる類の書籍・雑誌に手を伸ばす気にはなれないのだが、かといってまったく頭を使わないでいると落ち着かない。


そんなときには、やっぱり競馬新聞買ってきて、予想に頭を巡らせるのが一番だと思う(笑)*1


というわけで天皇賞(秋)


今年のダービー馬、ディープスカイが人気になっているようだが、クラシックレースが荒れまくっているのを見ればわかるとおり、今年の3歳馬は安定感に乏しいし、レベル的にも?である。


次に、1番人気、2番人気を分け合っている4歳牝馬2頭はどうか。


ウォッカには“危険な人気馬”の香りがぷんぷんするが、ここは武豊騎手の御し方次第。はまれば当然頭もありうるわけであっさりと切ってしまうには惜しい気がする。


一方、ダイワスカーレットは、10戦7勝・2着3回。


これは逆らっちゃいけないだろう(笑)。


100%連対記録が止まるとしたらこのレースだろうが、どこまで記録がつながるか、もう1戦賭けてみる勝ちはある。



ということで、軸は◎ダイワスカーレットで不動。


対抗に、○ウォッカ を一応打っておいて、

セオリー通り、連下に4歳、5歳の実績馬を並べる。


アサクサキングス

ドリームジャーニー

サクラメガワンダー


あとは、人気の落ちたポップロックあたりに「注」印を付けておけば、完璧だ。



まぁ、変なところで運を使い切ってしまうのもどうかと思うので、外れたら笑って誤魔化すだけなのだが・・・。

*1:某人気ブロガーさんがこの時期、予想に精を出しておられた気持ちがわかるような気がするw

2008-11-01

[][]大分トリニータ初タイトル

ナビスコ杯の決勝戦で、大分トリニータ清水エスパルスに2−0で勝利しリーグ初タイトルを獲得。


もろもろの大人の事情もあるので詳細は割愛するが(苦笑)、このチームに対してはちょっとした縁と思い入れがあったので、筆者としても感慨深い。


昇格当初の戦力などを見る限り、1、2年で降格するのは免れまいと思ったものだが、微妙なところで粘り強く踏みとどまっているうちにいつしか上位キラーと呼ばれるようになり、気がつけば今シーズンはリーグ戦で優勝争いに絡んで、カップ戦でついに初タイトル。


前途有望な若い監督(シャムスカ)をブラジルから連れてきたことや、育成中心の決して背伸びしない堅実なチームづくり、そして最近メディアへの露出が増えている(笑)情熱あふれる社長のチームマネジメントなど、いろいろな要素が噛み合わさったがゆえのサクセスストーリーだと思うが、これまでの道程はまさにJリーグの理念を地でいくようなもので、“理念”なき他チームを長年応援し続けている一サポとしては、羨ましい限りである。



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