企業法務戦士の雑感 このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2008-12-31

[]2008年12月&通年のまとめ

例年12月は慌しいのだが、今年は輪をかけてヒドイ慌しさだった。


おかげで、不安定な更新モードに突入。読者の皆様にも愛想をつかされかけているのか、今月は、半年ぶりくらいの静かなアクセス水準にとどまっている(トータルアクセス約33700件、ユニークユーザーのべ25000人弱。)。


埋め合わせはおいおい(遡及して)していくつもりであるが*1、まずはお詫びをさせていただければ、と思う。


<検索語(単語)ランキング・2008年12月>

1.→ 企業法務戦士 403

2.→ 企業法務 188

3.→ 法務 102

4.↑ 弁護士 84

5.圏外大ヤマト 79

6.↑ 企業 62

7.↓ 著作権 62

8.↓ 企業法務戦士の雑感 57

9.↑ 商標 54

10.↓ 労働契約法 52

和解のインパクトが強かったのか、「大ヤマト」が初登場。また、例年の如く、「弁護士アンケート」絡みのキーワード(人名含む)がランク外上位に来ているが、後は大体落ち着いたところだろうか。


なお、2008年を通じての年間アクセス総数は、約40万9,000件(対前年比約13万件増)となっていた。


昨年まで行っていた検索タームの年間ランキングについては、11月以前の履歴がなぜか消えてしまっていたおかけで*2、見送らざるを得ないのであるが、前年以上に多くの方が見にきてくださった、という事実だけで、今の自分には十分である。



続きを読む

*1:まずは年間アーカイブの作成から早々に手を付けようと思っている。

*2:最近のシステムの不安定さが影響しているのだろうか・・・?

2008-12-30

[]2008年の裁判アーカイブ

今年は例年に比べて取り上げた件数が少なかったうえに、いまだに予定していながら書けていないものがいくつかある*1


あくまで、後から振り返った時の検索の便宜のための試みなので、こっそりリストに追加することもあると思うが、あしからず・・・。


知的財産法関連裁判

◆「まねきTV」著作権侵害事件(本訴)

知財高判平成20年12月15日

東京地判平成20年6月20日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20081222/1230031960


◆「ラブコスメ」商標権侵害事件(控訴審

大阪高判平成20年11月7日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20081118/1227027626


サーティワン・キャッチフレーズ事件

東京地判平成20年11月6日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20081111/1226880341


◆「招福巻商標権侵害事件

大阪地判平成20年10月2日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20081011/1224090094


◆「東急」対「藤久」事件

東京地判平成20年9月30日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20081002/1223193185


◆「おおたかの森」商標不使用取消請求事件

知財高判平成20年9月29日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20081001/1223180482


◆「デサ・フィナード」著作権侵害事件(控訴審

大阪高判平成20年9月17日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20081005/1223204959


◆「インナートリップ霊友会インターナショナル」商標登録異議取消請求事件

知財高判平成20年9月17日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080922/1222144046


◆「つつみのおひなっこや」商標無効審判不成立審決取消請求事件

最二小判平成20年9月8日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080914/1221609107


◆「CROWN」商標使用権抹消登録、反訴請求事件

知財高判平成20年7月23日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080814/1218964200


ライブドア事件傍聴記著作権侵害事件

知財高判平成20年7月17日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080722/1216835523


◆「生海苔の異物分離除去装置」特許侵害事件(再審)

知財高判平成20年7月14日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080812/1218944064


ピンク・レディーパブリシティ侵害事件

東京地判平成20年7月4日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080725/1217132551


◆シリーズ小物形態模倣事件

東京地判平成20年7月4日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080717/1216342238


◆「シーシェルバー」立体商標事件

知財高判平成20年6月30日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080716/1216269654


◆「CONMER」商標無効審決取消請求事件

知財高判平成20年6月26日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080715/1216263584

東京地判平成19年12月26日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080113/1200204243


◆日めくりカレンダー著作者人格権侵害事件(控訴審

知財高判平成20年6月23日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080707/1215475603


出会い系サイトプログラム等営業秘密侵害事件

大阪地判平成20年6月12日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080615/1213550160


エコリカ商標差止請求権不存在確認事件

大阪地判平成20年6月10日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080620/1214075188


◆「時効の管理」題号著作権侵害事件

大阪地判平成20年5月29日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080609/1212970367


コカ・コーラリターナブル瓶立体商標事件

知財高判平成20年5月29日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080613/1213462645


◆「ロクラク2」著作権侵害事件(本訴)

東京地判平成20年5月28日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20081222/1230031960(参考)


商標権侵害移送申立事件

東京地決平成20年5月9日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080604/1212809902


◆「ほっかほっか亭商標権侵害事件

東京地判平成20年4月25日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080520/1211241726


◆「ナイフの加工装置」特許権侵害事件

最一小判平成20年4月24日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080428/1209438224

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080430/1209697525


◆「スターボねえちゃん」損害賠償請求事件

東京地判平成20年4月18日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080507/1210117114


◆「ELLEGARDEN商標権侵害事件(控訴審

知財高判平成20年3月19日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080402/1207180852


◆祇園祭ポスター著作権侵害事件

東京地判平成20年3月13日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080324/1206295744


チャップリンDVD著作権侵害事件(控訴審

知財高判平成20年2月28日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080319/1205981602


◆社保庁LAN著作権侵害事件

東京地判平成20年2月26日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080321/1206044498


◆「太陽電池装置」特許ライセンス不当利得返還請求事件

大阪地判平成20年2月18日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080221/1203703756


◆自叙伝著作権侵害事件

東京地判平成20年2月15日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080219/1203435919


◆パズル著作権侵害事件

東京地判平成20年1月31日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080313/1205680208


◆「土地宝典」著作権侵害事件

東京地判平成20年1月31日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080212/1202833965


◆黒澤映画DVD著作権侵害事件

東京地判平成20年1月28日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080211/1202749410


◆ヒュンメル社スニーカー商品等表示模倣事件

大阪地判平成20年1月24日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080210/1202715648


◆「スキャンティー」商標不使用取消審決取消請求事件

知財高判平成19年12月26日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080112/1200193811


知財高裁第3部特集

◆「新聞顧客の管理及びサービスシステム並びに電子商取引システム」特許拒絶査定不服審判不成立審決取消請求事件

知財高判平成20年10月30日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20081107/1226214397


◆「ツインカートリッジ型浄水器」特許無効審判不成立審決取消請求事件

知財高判平成20年10月29日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20081107/1226214397


◆「開口点眼容器及びそれの製造方法」特許無効審決取消請求事件

知財高判平成20年10月28日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20081107/1226214397


◆「不定形耐火物の吹付け施工方法」特許侵害事件

知財高判平成20年8月28日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080906/1220831203


◆音素索引多要素行列構造の英語と他言語の対訳辞書」特許拒絶査定不服審判不成立審決取消請求事件

知財高判平成20年8月26日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080829/1220484643


その他注目裁判

◆「暗殺された特許」事件(ネタ)

知財高判平成20年7月30日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080730/1217613204


防衛庁立川宿舎反戦ビラまき事件

最二小判平成20年4月11日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080417/1209978729


横浜事件再審事件

最二小判平成20年3月14日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080405/1209970639


住民基本台帳ネットワーク訴訟事件

最一小判平成20年3月6日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080307/1205089406


◆少年暴行損害賠償事件

最一小判平成20年2月28日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080404/1209963756


メイプルソープ写真集事件

最三小判平成20年2月19日

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080220/1203531573

*1:特に下期分についてはほとんど手つかずの状態である・・・。

2008-12-29

[]世の中はすっかり年末休みモードだが。

今日まで仕事の予定になっている会社は決して少なくないはずだ。


大人の冬休みはなんとも短い、と嘆きたくなるが、片付けられるものは片付けておかないと、めでたく年を越すことはできないわけで・・・。


というわけで、働いている皆様、今日も一日頑張りましょう。


そしてちょっと気が早いですが、一年間お疲れさまでした。良いお年を!


続きを読む

[]自分の原点

海の向こうから届いた訃報を見て、懐かしい思い出が一瞬だけ甦った。

「著書「文明の衝突」で知られる米国の政治学者、サミュエル・ハンチントン氏が24日、米マサチューセッツ州マーサズ・ビンヤードで死去したことが27日、明らかになった。同氏が58年勤めたハーバード大学が同日までに発表した。81歳だった。死因は不明。」

http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20081228AT2M2800328122008.html

大学入学後、最初に取り組んだ外国文献が、Foreign Affairs誌に掲載されて間もなかった、ハンティントン教授の「The Clash of Civilizations?」だった。


有志のサークル(というか自主ゼミ)で、“上の人”が持ってきたコピーを増し刷りして輪読、関連する情報は各自で集めて発表・・・というパターンだったか。


元々政治学やりたくて進路を決めた自分の場合はもちろん、「文●に入ってそのまま法学部に行くなんてかっこ悪い」というのが一種のムードとしてキャンパスを覆っていた時代だったから、始まった時点では自分以外にも結構参加者はいた。


だが、長閑な駒場の空気に飲まれたか、あるいは「(フランシス)フクヤマも読まずに来たのか!」「どうせ読むならちゃんと原文で読んで来い!」的な、数ヶ月前まで受験勉強だけしてればよかった我々にとっては厳しい突っ込みにめげたのか、回を追うたびに参加者は減り、秋頃の合宿に合わせて開催された最終回の発表では、OB・OG含めた名うての先輩方に取り囲まれるような状態で(2対10くらいだったか・・・(苦笑))、冷や汗をかきながら何とかやり終えた・・・というのが、おぼろげな記憶として残っている。


インターネットが普及した今では、ウェブサイトにアクセスするだけで簡単に原文を入手することができるのだが*1、今考えると、一般誌向けの論文だけあって読みやすい部類に入るものだし*2、中身の信憑性はともかく、スケールだけは大きい論文だけに、初学者が国際政治の全体像を把握するにはうってつけの教材だったのだろう。


残念ながら、筆者の学生生活自体がその後クラッシュの連続だったこともあって、せっかくの鍛えられた経験をその後積み上げて行くことは叶わなかったわけだが、それでもちょっと前まで良く出てきた「ネオコンがどうのこうの」なんて話題には、思わず反応していた自分がいたのも確か。


この程度の英語でも四苦八苦していた自分が、最初に立てた目標に向かってそのまま突き進んでいたとしても、たいしてモノにはならなかっただろうと思うのであるが、もう一つの人生を演じることができるのであれば、一度くらいはあの頃に還ってリスタートしてもいいかな・・・と思わなくはない。


The Clash Of Civilizations: And The Remaking Of World Order

The Clash Of Civilizations: And The Remaking Of World Order


なお、最初に引用した日経ネットの記事の見出しに「冷戦後予見」とあるが、どちらかというと、「ハンティントン教授が予見していた」という表現よりは、「ハンティントン教授に影響を受けた政権担当者たちが、教授のシナリオどおりに事を進めてしまった」という表現の方がふさわしいのではないだろうか、と、素人考えながら思ったりもする。


いずれにせよ、今はただ、亡き教授のご冥福をお祈りするのみである。

*1http://www.foreignaffairs.org/19930601faessay5188/samuel-p-huntington/the-clash-of-civilizations.html

*2:最近読む英語のジャンルが変な方向に偏っているがゆえにそう思えるのかもしれないが(笑)。

2008-12-28

[][]今年の流行を読み違え・・・

有馬記念は、結局ダイワスカーレットがけた違いの強さで逃げ切り勝ち。

「37年ぶりの牝馬優勝」

というところにどうしても目が行ってしまうが、そもそも人気を背負ってこのレースで逃げ切って勝ってしまうなんて、牡馬でもなかなかできるものじゃない。


タップダンスシチーは2着が限界だったし*1、全盛期のセイウンスカイも直線であえなく沈んだ*2


12戦して8勝2着4回。昨年のエリザベス女王杯が終わってからは、牡馬と混合のG1、G2しか走っていないが、それでも連対率100%をキープし続けている。


ダビスタでもなかなか作れないぞ、こんな馬・・・、というわけで、1番人気の彼女が勝ったまでは順当だったのだが・・・



問題は2着以降。


勝ち馬とまともに競り合えば自爆する、というのは分かっていても、年の瀬のグランプリの上位人気馬ゆえ、捕まえに行かざるを得なかった(しかも馬場の悪い内側を通って)、というところまでは同情するのだが、昨年の覇者にジャパンC馬、菊花賞馬にG14勝の元2冠馬、と揃って討ち死にというのはあまりに・・・。しかも皆負けすぎ*3


それだけスカーレットが素晴しかった、と言えばそれまでなのだが、直線だけでレースをしたようなロートル7歳二頭にやられてしまったのはちょっと恥ずかしい*4


ちなみに、年末恒例の“今年の流行から馬券のサインを読み解こう”という悪乗り企画で、“アラフォー”をヒントに・・・なんてネタをチラホラ見かけていたので、自分も4枠の2頭は買っていたのだが、実際に来たのは、“アラウンドフォー(ティ)”ならぬ、

“Around Fourteen”

だった・・・*5


で、2,3着の馬は先ほども言ったように、競走馬の世界では「後期高齢者」とも言うべき(言い過ぎか?)明け8歳馬だし*6ダイワスカーレットの勝ち方を見ると、

「私はね、中山の2500mでも逃げ切ることができるんです。あなたと違うんです。」

と言わんばかりではないか*7



以上、「何だ今年もヒントが隠されていたのか!」と後付けの講釈を並べつつ、もうすぐ2008年の競馬シーズンも終わる*8


来年は中央にとっても地方にとっても、明るいニュースが届く年であってほしいと願うのみである。

*1:しかも1度はプレッシャーのかからない状況での逃げだった。

*2:稀代の逃げ馬、メジロパーマーくらいまで遡っても良いのだが、あの馬とて一番人気であの走りが出来たか、というと怪しい。

*3:最先着したスクリーンヒーローでも5着が精一杯。

*4:良く見ればアドマイヤモナークなんかは、中山芝で7戦して4着以下は1度しかないから、ワイドで押さえるにはねらい目だったのかもしれないが、その線で行くなら当然ゴッホの方が上に来るはず・・・。

*5勝ち馬は13番、2着の馬は14番

*6:昔の馬齢で言えば明け9歳(!)である。

*7ツインターボ辺りに向かって言うと、より説得力が増す。

*8:まだ一応、大賞典が残っているが。

2008-12-27

[][]追う者と追われる者。

今年の全日本フィギュアの女子フリーは、なかなか見応えがあった。


上位のスコアだけ見ると、例年に比べてレベルが低かったの?という印象も抱かれかねないのだが、採点が厳しくなった、ということもあるし、それ以上に最終滑走グループの中の勝負の厳しさを如実に示した、という意味で、例年以上に価値の高い大会になったのではないかと思う。



おそらく、残された結果だけ見れば、「浅田真央選手が順当に3連覇した大会」ということになるのだろう。


だが、この大会でもっとも称えられるべきは、最終グループ第2滑走者として力を出し切った村主章枝選手であるのは間違いない。


SP5位という(上位の顔ぶれを考えると)絶望的なポジションから、FS1位で大逆転の2位。


五輪前年」といっても本番に影響するのは世界選手権の結果で決まる出場選手枠くらいで、今年の結果がバンクーバーに直結するわけではない、というのは以前にも書いたとおりだと思っているが、村主選手の場合、ちょっと事情が違う。


代々木公園での“聖夜の奇跡”、そして五輪4位、世界選手権銀メダル、という堂々の成績を残したシーズンも今は昔で、ここのところ2年連続で世界選手権の切符を逃していた彼女が、今回不甲斐ない成績に終わるようだと(しかも彼女を差し置いて上位に次代を担える選手たちが食い込んでくるようだと)、来年五輪に挑戦するチャンスすら失われる可能性があったのではないかと思う。


それだけに、後進に追われ続け、世代交代の波に飲み込まれかけていた村主選手が、土壇場で演じた“追う立場からの逆転劇”には価値がある。


今年のグランプリシリーズの結果等を見る限り、今の村主選手のポジションは、安藤選手とどっこいどっこいの日本の4〜5番手で、世界選手権でも結果を出せる保証は全くないから、変わらずこの先の道は厳しいと言わざるを得ないのだが、それでも

「3大会連続、そして3度目の正直で初メダル

という奇跡に向けて首の皮一枚つながった感のある、この夜の快挙を称えずして何を称えようか・・・*1


今年の全日本が開催された長野と言えば、村主選手が全日本に初優勝(なんと12年前!)し、世界選手権でも銅メダルをとったゲンの良い土地だけに*2、彼女の真摯さが再び地の精を呼び覚ましたのかもしれない。



もうひとつ印象的だったのは、最終グループ第1滑走者として素晴らしい演技を見せた鈴木明子選手と、第3滑走者としてまさかの波乱を演出してしまった中野友加里選手の“明と暗”。


ジュニア時代から嘱望されながらも、ブランクもあってシニアの第一線の舞台で活躍する機会に恵まれなかった鈴木選手と、ほぼ同じ世代ながら、トリノ五輪前年に一気にブレイクしてバンクーバーに向けた「シンデレラ・ストーリー」を歩んでいたはずの中野選手。


奇しくも、ジュニア時代に彼女たちの一歩先を歩いていた太田由希奈選手が引退したシーズンに*3、彼女たちの運命まで交錯してしまうのだとしたら、神様は何と悪戯好きなことか・・・。


SP1位という慣れないポジション。これまでの追いかける立場から「追われる立場」で演じなければならなくなった中野選手には気の毒な状況だったのも確かだけに、来季の巻き返しが注目されるところだろう。



いずれにせよ、今年の大会はバンクーバーに向けて日本フィギュアスケート陣の層の厚さを知らしめた*4、という意味で記憶に残る大会となった。


ついこの前、トリノの選考会をやっていたと思ったら、1年後はもうバンクーバー直前。


月日の経つのは早いものだとしみじみ思う。

*1:6分間練習での安藤選手との衝突事件でミソを付けた感があるが、ぶつかった村主選手にしても転倒したことに変わりはないし、そもそも今季の安藤選手のフリーの出来で、この日の村主選手を上回る成績が出せたとは到底思えないから、非難の矛先を村主選手に向けるのはお門違いというものだろう。願わくば、この一件が後に尾を引かないことを・・・。

*2:もっとも、全日本初優勝時のリンクは、今は無きホワイトリングのスケートリンク(長野五輪会場)だし、世界選手権の会場はエムウェーブだったから場所は違うが。ちなみにビッグハットでも00-01年シーズンの全日本で優勝している。

*3:スポーツ選手にケガは付き物とはいえ・・・・。ちょっとショッキングな出来事ではあった。http://iceblue.cocolog-nifty.com/figure/2008/11/post-8f20.html

*4:女子では上にあげた他にも武田奈也選手が年の最後に結果を残せたのが大きいし、男子は2位・小塚選手、3位・無良選手と、3人枠をもらうに相応しいだけのメンバーが揃いつつある。

2008-12-26

[][]日本版フェアユース規定の行方

新聞を見ても、テレビを付けても、「今年一年を振り返る」系の特集が目白押しな季節なのであるが、著作権法界にとっての2008年を一言でまとめるなら、

「『ダビング10』で始まり『フェアユース』で終わった一年」

ということになるのではなかろうか*1


ブログでも、これらのテーマについて何度か取り上げているところである。


◆「ダビング10」問題について

「私的録音・録画補償金」問題、最終局面へ。

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080509/1210268120

実るか援護射撃。

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080521/1211301929

時代は動くのか?

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080528/1211911829

主役不在の迷走

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080601/1212341994

意外な落としどころ

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080617/1213811901

予定調和的決着。

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080620/1214015579

Endless War

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080710/1215710559


◆「フェアユース」問題について

「挑戦」することの難しさ

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080708/1215560447

著作権法は「大陸法」的か。

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080825/1219707166

「フェアユース」待望論にまたしても水を差してみる

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080908/1220916747


ダビング10」の話は、結局、五輪商戦に紛れて静かにフェイドアウトしていってしまった感があるが*2、今年突如として導入機運が盛り上がってきた「フェアユース」の方は、勢いそのまま、翌年に引き継がれていきそうな気配である。


筆者自身、これまでの権利制限規定をめぐる審議会の不毛な議論*3を見るたびに、「フェアユース」のような包括的規定が必要なんじゃないか、と考えてきた側の人間だから、本来なら両手を挙げて歓迎したいような話であるはずだ。


だが、そこはひねくれ者の悲しい性、「万能兵器」としての「フェアユース」規定の効用が巷で盛んに吹聴されているのを見聞きするたびに、懐疑的な思いに駆られるようになってきてしまっているのは否めない*4




年末に発刊された『BUSINESS LAW JOURNAL』2009年2月号には、本エントリーと同じタイトルで、上野達弘・立教大学准教授の冷静かつ客観的な見解が掲載されており、その中で語られている内容は、現時点で導入推進派が拠って立つ見解としては、もっとも信頼できる部類に属するものだといえるだろう。


しかし、そこにも若干引っかかるところはある。


例えば、上野准教授は、日本版フェアユース規定を

「(著作権法の厳格解釈による不都合を回避するため)根拠条文となる一般条項を設けるとともに、考慮要素を明示することにより、裁判官がどのような事情をどのように考慮して判断すべきかを明確にすることで、その判断に一定のコントロールをおよぼすべき」

上野達弘「日本版フェアユース規定の行方」Business Law Journal11号19頁)

もの、と定義されており、「考慮要素を明示した一般条項」とすることで、「判断基準が不明確となるのではないか?」という批判に応えようとされている。


だが、その「考慮要素」が、上野准教授が「参考にな(る)」と紹介しているような、「著作物の性質並びにその利用の目的及び態様」といったレベルのものに留まるのであれば、それが法的安定性を高めるとは必ずしも言い難いのではないかと思う*5


逆に、「法的安定性を高める」ことを期待して考慮要素を付加すればするほど、権利制限が認められる範囲を狭めるための突破口を権利者側に与えることになり、結局はフェアユース規定の趣旨が没却されるようなことすら懸念される。


「もともと私が日本版フェアユースとして念頭においていたのは、個別の制限規定を厳格解釈したために不当な結果になってしまう事態を救済するための規定でした。こうしたいわば防御的な規定であれば、裁判上の結論としては、あってもなくても基本的に変わらないような規定になろうかと思います。」(同19頁)

という上野准教授のスタンスは、今の状況を考えると極めて現実的なものであって、筆者としても異論はない。


だが、そうであれば、端的に「個別の権利制限規定に該当しない場合でも権利が制限される場合がある」ということを明示すれば足りるのであって*6、今後の議論が「考慮要素」をめぐる議論に終始するのであれば、従来同様、審議会の先生方の英知の用い方としてはあまりに勿体ないことになるような気がしてならないのだ*7



ちなみに、この論稿の中で最も印象に残るフレーズは、

「日本版フェアユース規定があれば、打ち出の小槌のようにどんな問題にも対応可能ということはないと思います」(同20頁)

というくだりで、上野准教授は、

「これまで裁判例等において違法とされてきた一定の行為についても、フェアユース規定によって合法化すべきという期待もあるようです。(略)しかし、果たしてそのような広い適用範囲をもったフェアユース規定が妥当なのか疑問が残ります。アメリカでもフェアユース規定ができる前から裁判例においてフェアユース的な判断が積み重ねられてきたわけであって、明文の規定はそれを根拠づけたにすぎません。現行の日本法で裁判例がすでに違法としてきたものが、フェアユース規定ができたことで簡単に適法になるというのは難しいのではないかと思います」(同20頁)

と述べて、「違法とされてきたサービスを適法とする」直接的な法改正等を経ずして、安易にフェアユース規定に依拠しようとする動きをけん制されている。


我が国の裁判所がこれまで「フェアユース的な判断」を積み重ねてきていたかどうかはともかく*8、「打ち出の小槌ではない」という点については、筆者も大いに同意できる。


だが、そうなると、なおさら、「フェアユース」規定を導入することの意味が問われることになるのは間違いない*9



結局のところ、今、「フェアユース」規定を導入する背景事情として挙げられている問題一つひとつをとってみると、

「どれほどのメリットがあるのか疑わしい場面でまで、杓子定規的に権利を主張する著作権者」

「自制心を持つことなく、著作権者の利益を明らかに害するような行動を平然と行うユーザー」

「一方当事者(特に権利者側)の立場に偏った見解を構成しがちな学者や立法担当者」

「本来、創造的法解釈は得意なはずなのに、なぜか権利制限規定の適用場面ではそれをためらう裁判所

そして、

著作権侵害になるリスクが、リスクが・・・と唱えながら結局チャレンジすることさえ躊躇する事業者」

といった当事者の行動に全ては帰着するように思えてならない。


ゆえに、「フェアユース」規定が、著作権法を取り巻くこれらの当事者のマインドを動かすくらいにインパクトのあるものにならなければ、結果的に「大山鳴動して・・・」という事態に陥ることも覚悟しなければならないだろうと思う。



来る2009年が、「著作権法にとっての一大転換点」として長く記憶される年になるのか、それとも「お馴染みの光景にため息を付くありがちな一年」として忘れ去られてしまうことになるのか*10


当然ながら筆者に予知できる能力はないし、流れを変える力があるはずもないので、ここは一つ、期待せずに温かく見守るのが一番なのだろうが・・・。まだまだ先は長そうだ。

*1:違法複製物ダウンロード違法化の問題なども盛り上がっていたが、「私的使用」が問題になっている点では「ダビング10」と同根なので、ここは一つに括っておくことにする。

*2:もちろん水面下では関係者間での激しいせめぎあいがあったと推察されるが・・・。

*3:部屋の本棚を5?動かすのに、喧々諤々と1年かけて議論するイメージ。

*4:上に挙げたエントリーの中にも、そんな思いがにじみ出ている・・・。

*5:現に、当の同一性保持権に関する著作権法20条2項4号にしても、「引用」規定にしても、文言の抽象性ゆえに様々な解釈が出てきているし、裁判所の判断も決して安定しているとは言い難いのが実情であろう。

*6:何らかの「考慮要素」を手掛かりに、実質的な「適法」/「違法」の境界線を動かすことを意図しないのであれば、少なくともユーザーにとっては「考慮要素」を付加する意味はなくなる。

*7:フェアユース規定に頑なに反対する権利者側に対するエクスキューズとして「考慮要素」の存在をアピールするのであれば分からなくもないのだが、そこまでして導入する「フェアユース」規定にどれほどの意味があるのか、筆者には良く分からない。

*8:そもそもその点に対して懐疑的な意見がユーザー側を支配していたからこそ、フェアユース規定導入の機運が盛り上がってきたような気がするのだが・・・。

*9上野准教授は、「私のいう一般条項はあくまで受け皿規定でありますから、今後も個別規定を整備する意義は失われません。むしろ個別規定と一般条項のタイアップによって安定性と柔軟性を兼ね備えた判断基準が実現されるのではないか。」(20頁)と述べられているが、著作権法20条2項4号の古典的解釈(1〜3号の列挙事由から4号まで限定的に解釈してしまう、というもの。)を見るまでもなく、「個別条項と一般条項」という住み分けがうまくいく保証はないのであって、先に挙げた「考慮要素」の問題と合わせて、「フェアユース」規定導入後も引き続き個別の権利制限規定の導入を進めていくことで、ますます解釈が歪になっていく悪夢も想定しておかなければならないだろう。

*10:もちろん、その時のインパクトはたいしたことがなくても後から振り返ると「あれが一大転換点だった・・・」と評価される可能性はあるので、来年末の時点で即断はできないのだが。

2008-12-25

[][]これが望まれた展開なのか?

年の瀬になっても景気のいい話を全く聞かない今日この頃。


いすづ自動車が期間従業員の途中解雇方針を撤回したのも束の間、翌日の朝刊には、

「いすづ全社員 賃金カット」

という見出しが躍る。

「いすづ自動車は販売不振を受け、国内に約8000人いる全社員を対象に、賃金を一時カットする方針を固めた。まず2009年1月から役員報酬を3割前後削減。一般社員も同4月以降に基準内賃金を減らす。社員一人当たりの勤務時間を調整するワークシェアリングの導入も検討、人件費の抑制を急ぐ。」(日本経済新聞2008年12月25日付朝刊・第1面)

この会社に関して言えば、新たに打ち出した対策は「契約社員の期間途中での解雇」というドラスチックな対応を取ろうとしていた会社とは思えないくらい悠長な中身だし、それゆえ、“途中解雇”の方針もあまり深く考えずに打ち出してしまったんじゃないの?(少なくとも適切なリーガルチェックを経たとは到底思えない)と揶揄されても仕方ないだろう。


だが、

「非正規従業員の解雇、雇止め」

が諸悪の根源のように叩かれる今、しばらくは、このような「非正規雇用の温存&正規雇用社員の条件切り下げ」という動きが業界・業種を超えた大きな流れとして広まっていくことが予想されるのも確かなわけで・・・。



実入りが完全にゼロになってしまうのと、僅かな額でも収入が確保できるのとでは大違いだから、人道的見地から非正規従業員の雇用維持を求める声が出てくることは理解できる。


だが、会社が負担することのできる人件費コストに限界があることを考えると、結局、「雇用維持」のしわ寄せが正規雇用者層に回ってくることは否定できない。


「正規雇用も非正規雇用も関係ない。同じ労働者で手を取り合って使用者と戦おう!」

という理想論を振りかざすのは大いに結構なのだが、給与・賞与の一律カットに早期退職勧奨・・・といったオプションが入ってくるような事態になっても、同じようなスタンスを取り続けることができる労働者・労働組合がどの程度いるのだろうか。


そして、正規雇用者層に属する人々は、自らの血を流してまで「非正規従業員の雇用を守る」ことを、そもそも望んでいるのだろうか・・・?



本当に人件費コストを切り詰めたいのであれば、会社にとって元々負担の大きくない非正規雇用のコストを減らすより、負担の大きい正規従業員のコストを減らす方がずっと効果的なのであって、現時点で多くの大企業があえてそこまで踏み込まない背景には、景気後退・業績不振の影響を最小限にとどめたい、という思いもどこかにあるはずだ*1



これを機に、伝統的な「正規雇用」「非正規雇用」のあり方を抜本的に見直す、というのであればそれでも良いし*2、来年以降今を上回るような大津波が来れば、必要に迫られてそのような見直しを行わざるを得なくなるかもしれない。


だが、今はそのような状況ではないし、“抜本的な見直し”に対するコンセンサスも到底得られていないように思える。


大きな視点からのビジョンも議論もないまま、「木を見て森を見ず」的な近視眼的発想で野党労組や各メディアが企業の行動を批判する姿を見るたびに、行く末が案じられて憂鬱な気分になるのは、筆者だけではあるまい・・・。

*1:もちろん、正規従業員の雇用や労働条件維持を優先する判例法理の存在も大きいのだが。

*2:筆者自身、これまでの「正規」「非正規」の位置づけについては、これらの用語の使い方自体を含め、かなりの疑問を抱いているので・・・。

2008-12-24

[][]業界地図に異変?

ここ数年年末の恒例となっている「企業法務で活躍した弁護士ランキング」の2008年版の結果が日本経済新聞紙上で公表された。


大手事務所の“組織票”問題など、ランキングの信憑性に疑問を唱える声も多いのだが、それでも何となく定着しているのが、格付け好きといわれる*1この国らしいと思う。



で、今年の結果だが、蓋を開けてみると、これまで西村あさひ、森濱田松本、長島大野常松といった大手事務所が順番に首位をキープしてきたランキングに大きな変動が現れている。


2008年に活躍した弁護士ランキング

<企業法務部門>

1.葉玉匡美氏  TMI総合

2.小舘浩樹氏  アンダーソン・毛利・友常

3.中川秀宣氏  TMI総合

4.石綿学氏   森・濱田松本

5.藤縄憲一氏  長島・大野・常松

6.中村直人氏  中村・角田・松本

6.藤原総一郎氏 森・濱田松本

8.岩倉正和氏  西村あさひ

9.菊地伸氏   森・濱田松本

10.久保利英明氏 日比谷パーク

弁護士票(43票)、企業票(23票)で堂々の二冠に輝いた葉玉弁護士(43)が、昨年の3位からさらに順位を伸ばして圧勝。


のみならず、「企業票0」の中川秀宣弁護士(41)も3位に食い込んだことで、TMIが“四大事務所”の牙城だったベスト3に大きく穴を開ける結果となった。


ちなみに、2位に入ったのは06年の「弁護士が選ぶランキング」で4位に入っていた(07年は総合ベスト10外)アンダーソン毛利の小舘弁護士(36)だから、MHM、西村、長島大野といった常連組(トップ3)はベスト3に一人も入れなかったことになる*2


アンダーソン毛利もTMIも、三つの巨大事務所と比較すると、“追いかけていくポジション”にある事務所だけに、

「事務所のプレゼンス向上のために、結託して組織票を投じただけだろう」

と揶揄するのは簡単なのだが、投票システム自体はどの事務所にとっても同じなわけで(むしろ大手の方に有利なわけで)、そこできちんと票を揃えるところに、上記の事務所の今の勢いを感じる・・・、と言えなくもない。


まぁ、所詮は移り気なランキングだけに、一年後には全く違う「勢力図」になっている可能性もあるのだが・・・*3


まずは、来年の西村あさひ、長島大野の巻き返しに期待してみよう(笑)。

[]クリスマスの後悔

今年のクリスマスの後悔は、

「何も予定がなかったのに、明石家サンタを最後まで見られなかった」

ことに尽きる(苦笑)*4


年に一度の楽しみも、眠気には勝てない。


気を取り直して、年内あと○日(○内は仕事の進捗状況による)、頑張ろう・・・(ため息)。

*1:それでも海の向こうの国には遠く及ばないが。

*2:「ファイナンス部門」で森・濱田松本所属の佐藤正弁護士(43)がトップに入っているが、そこでも2位、3位はアンダーソン毛利所属の先生方である。

*3:トップ3の常連だった、岩倉正和弁護士、武井一浩弁護士といったあたりの先生方のお名前も今年は下のほうで低迷している(それぞれ8位、12位)。

*4:しかも前半はネタがイマイチだった・・・。

2008-12-23

[]たかが年賀状、されど年賀状。

そろそろ書かねば・・・という思いに駆られつつ書きそびれているうちに、元旦に到着するタイミングを逃してしまう、というのがここ数年の傾向である。


学生の頃は良かった。


20日を過ぎるくらいの時期になれば、学校で友人と顔をあわせる機会もほとんどなくなるから、気分的には、

「昨年(書いている時点では今年)もお世話になりました。今年(書いている時点では来年)もよろしくお願いします。」

と書いてもおかしくないような状態になる。


なので、大晦日の一週間くらい前には余裕を持って書き終えるのが普通だったし、そういうものだと思っていた。


だが、会社勤めをしているとそうもいかない。


純粋に忙しい、というのもあるが、そもそも28、29日くらいまでは会社に行っているわけで、相手が会社の人間であれば「お世話になりました・・・」と書くのはまだ躊躇われるし、会社以外の人間であっても、「これから大きなイベントがあるかも・・・」とどうしても筆が進まなくなってしまう。


受け取る方もその辺は分かっているだろうから要は割り切りの問題なのだが、たかだか数十枚、一言添える程度の中身であっても、気分が乗らないと仕上げるのは難しいわけで・・・。


メール使えば瞬時に情報を送れる時代に、毎年せこせこハガキを書いているのもどうかと思うので、そろそろ全廃したいなぁ・・・と思ったりもするのであるが、メールじゃ連絡取れない人もまだまだ世の中には多いのが悩ましいところ。


続きを読む

2008-12-22

[][]“ロケーションフリー”サービスをめぐる判断のギャップ。

先日ちらっとご紹介していた、「まねきTV」の知財高裁判決。


放送局側の請求が棄却された、という結論自体に変わりはないのだが、仮処分から地裁判決までの判示とは微妙にトーンが変わっている印象も受ける。


いずれもっと丁寧な分析を誰かがしてくれるだろう、と信じて、ここでは寝かせていた他の“ロケフリ”事例と合わせて、ざっと見の印象で片付けてみることにしたい。


知財高判平成20年12月15日(H20(ネ)第10059号)*1

控訴人(原告) :日本放送協会ほか民放5社

被控訴人(被告):株式会社永野商店


これまでにも様々なところで取り上げられてきたと思うが、本件は、放送事業者である原告(控訴人)らが、

「まねきTV」という名称で、被控訴人(永野商店)と契約を締結した者がインターネット回線を通じてテレビ番組を視聴することができるようにするサービス」

が、「(1)控訴人らが放送事業者として有する送信可能化権」と、「(2)控訴人らが著作権者として有する公衆送信権」を侵害している旨主張して、行為差し止め及び損害賠償の支払いを求めた事案である。


原審(東京地判平成20年6月20日、H19(ワ)第5765号)*2では、上記の争点について、システム構成等について詳細な認定を行った上で、以下のような判旨により、原告側の主張を退けていた。

送信可能化権侵害について

「前記のとおり,本件サービスにおいて,ベースステーションによる送信行為は各利用者によってされるものであり,ベースステーションから送信されたデジタルデータの受信行為も各利用者によってされるものである。したがって,ベースステーションは,各利用者から当該利用者自身に対し送信をする機能,すなわち,「1対1」の送信をする機能を有するにすぎず,不特定又は特定多数の者に対し送信をする機能を有するものではないから,本件サービスにおいて,各ベースステーションは「自動公衆送信装置」には該当しない。」(91頁)

「以上のとおりであるから、本件において、ベースステーションないしこれを含む一連の機器全体が「自動公衆送信装置」に該当するということはできず、ベースステーションから行われる送信も「公衆送信」に該当するものということはできない」(92頁)

公衆送信権侵害について

1)「本件において、ベースステーションないしこれを含む一連の機器が「自動公衆送信装置」に該当するということはできず,ベースステーションから行われる送信は「公衆送信」に該当するものではないことは,前記3で述べたとおりである。また,自動公衆送信し得るのはデジタルデータ化された放送データのみであり,アナログ放送波のままでは,インターネット回線を通じて「送信」することができない。したがって,アンテナ端子とベースステーションとを接続することにより,アナログ放送波がベースステーションに流入しているとしても,その放送波の流入によっては,自動公衆送信し得るようにしたものとはいえない。そして,本件サービスにおいて,アナログ放送波は,各利用者が選択した場合のみ,デジタルデータ化され,送信し得る状態になることからすれば,被告が自動公衆送信される放送データをベースステーションに入力しているということもできない。」(97頁)

2)「アンテナ(端子)が単独で他の機器に送信する機能を有するものではなく,受信機に接続して受信設備の一環をなすものであること,ブースターは,電気信号を増幅する機能を有するものの,アンテナ端子からの放送波を単に供給する役割を果たすにとどまり,これ自体が単独で他の機器に送信する機能を有するものではないこと,分配機は,単独で他の機器に送信する機能を有するものではなく,アンテナを複数の受信機で共用するために,アンテナからの1本の給電線を分岐させて複数の給電線と接続させるとともに,それに伴う抵抗の調整を行うにすぎないものであり,これ自体が単独で他の機器に送信する機能を有するものではないことは,技術常識に照らし明らかである。以上によれば、被告がアンテナ端子とベースステーションとをブースター及び分配機を介して接続する行為は、ベースステーションにおいて放送波の受信を行うための物理的設備の単なる提供にすぎないとみるのが相当であり、送信行為には当たらないというべきである。すなわち,被告の行為は,単に各利用者からその所有にかかるベースステーションの寄託を受けて,電源とアンテナの接続環境を供給するものであるにすぎず,著作権法2条1項7号の2所定の公衆送信行為に該当するものではない。」(99頁)

3)「なお,前述のとおり,本件サービスにおいて,受信機(利用者の専用モニター又はパソコン)に向けて,本件放送のデータを直接に送信する役割を果たす機器はベースステーションである。被告が,アンテナ端子とベースステーションとを接続し,本件放送のアナログ放送波をベースステーションに流入させているとしても,被告の上記行為によっては,本件放送が受信機(利用者の専用モニター又はパソコン)まで送信されることはない(利用者の専用モニター又はパソコンからの指令がなければ,ベースステーションにおいて,アナログ放送波がインターネット回線を通じて送信可能なデジタルデータ化されることはない。)。そして,このベースステーションから受信機に向けての送信の主体が各利用者であると解されることは,既に述べたとおりであるから,被告は,原告らと受信機(利用者の専用モニター又はパソコン)に向けて送信する主体である各利用者との間をつないで,本件放送の放送波(電気信号)をいわば運搬しているにすぎないのであって,被告による上記行為は,「公衆によって直接受信されることを目的と」するものではないというべきである。」(99-100頁)

結局のところ、本件サービスで重要な役割を果たしている「ベースステーション」が各利用者と「1対1」で対応していることと、ベースステーションと各利用者の間の送信行為をコントロールしているのはもっぱら各利用者である、ということが、この事案においては極めて大きな意味を持っていたといえるだろう。


控訴審判決の独自性

上記のような地裁判決の判断のベースとなった事実認定は控訴審判決でも全くそのまま引用されているから(24頁)*3、放送事業者側がそれまでの結論を覆すのは相当困難だったといえるだろう。


だが、名だたる弁護士をそろえた控訴人弁護団が、法解釈や送信行為主体をめぐる判断について、原判決の問題点を激しく突いてきたこともあって、控訴審判決には微妙な変化もみられる。


送信可能化権侵害については、

「本件サービスにおいては,利用者各自につきその所有に係る1台のベースステーションが存在し,各ベースステーションは,予め設定された単一のアドレス宛てに送信する機能しか有しておらず,当該アドレスは,各ベースステーションを所有する利用者が別途設置している専用モニター又はパソコンに設定されていて,ベースステーションからの送信は,各利用者が発する指令により,当該利用者が設置している専用モニター又はパソコンに対してのみなされる(各ベースステーションにおいて,テレビアンテナを経て流入するアナログ放送波は,当該利用者の指令によりデジタルデータ化され,当該放送に係るデジタルデータが,各ベースステーションから当該利用者が設置している専用モニター又はパソコンに対してのみ送信される)ものである。すなわち,各ベースステーションが行い得る送信は,当該ベースステーションから特定単一の専用モニター又はパソコンに対するもののみであり,ベースステーションはいわば「1対1」の送信を行う機能しか有していないものである。そうすると,個々のベースステーションが,不特定又は特定多数の者によって直接受信され得る無線通信又は有線電気通信の送信を行う機能を有する装置であるということはできないから,これをもって自動公衆送信装置に当たるということはできない。」(25-26頁)

「本件サービスに係るデジタル放送データの送信の起点となるとともに,その送信の単一の宛先を指定し,かつ送信データを生成する機器であるベースステーションは,本件システム全体の中において,複数のベースステーション相互間に何ら有機的な関連性や結合関係はなく(例えば,利用者との契約の終了等により,あるベースステーションが欠落したとしても,他のベースステーションには何らの影響も及ぼさない。),かかる意味で,個々のベースステーションからの送信は独立して行われるものであるから,本来別個の機器である複数のベースステーションを一体として一つの「装置」と考える契機は全くないというべきである。」(28頁、「被控訴人のシステム全体が一つの「装置」にあたる」という控訴人の主張に応答したもの)

と侵害を否定しており、この点に関しては原審判決と大きな違いはないと言ってよい。


だが、公衆送信権侵害については、

「「送信」を定義する規定は存在しないが,通常の語義に照らし,信号によって情報を送ることをいうものと考えられ,その信号には,アナログ信号のみならず,デジタル信号も含まれ,また,必ずしも信号発信の起点となる場合だけでなく,いったん受信した信号をさらに他の受信者に伝達する行為も,著作権法における「送信」に含まれるものと解するのが相当である。他方,「受信」についても著作権法に定義規定は存在しないが,「受信」は「送信」に対応する概念であるとして,上記のような「送信」に対応して使用されていることからすると,著作権法上,「受信」とは「送信された信号を受けること」をいうものと解すべきである。」(32-33頁)

という定義を確認したうえで、

「上記アにおいて述べた「送信」及び「受信」の一般的意義を前提とすれば,本件番組に係るアナログ放送波をテレビアンテナから有線電気通信回線を介して各ベースステーションにまで送ることは,著作権法2条1項7号の2の「有線電気通信の送信」に該当し,各ベースステーションが上記アナログ放送波の流入を受けること自体は同号の「受信」に該当するというべきである。そして,上記「有線電気通信の送信」の主体が被控訴人であることは明らかである。」(40-41頁)

と、少なくともテレビアンテナ−ベースステーション間の行為については、「送信」行為にあたるとして、原審判決の1)、2)を事実上否定する判断を下した。


結論としては、「公衆によって直接受信されること」(著作権法2条1項7号の2)の解釈について、

「上記のとおり,公衆(不特定又は多数の者)に向けられた送信を受信した公衆の各構成員が,著作物を視聴等することによりその内容を覚知することができる状態になることをいうものと解すべきものである。」(42頁)

とした上で、

「ベースステーションは,テレビチューナーを内蔵しており,対応する専用モニター又はパソコン等からの指令に応じて,テレビアンテナから入力されたアナログ放送波をデジタルデータ化して出力し,インターネット回線を通じて,当該専用モニター又はパソコン等にデジタル放送データを自動的に送信するものであり,各利用者は,専用モニター又はパソコン等から接続の指令をベースステーションに送り,この指令を受けてベースステーションが行ったデジタル放送データの送信を専用モニター又はパソコン等において受信することによって,はじめて視聴等により本件番組の内容を覚知し得る状態となるのである。すなわち,被控訴人がテレビアンテナから各ベースステーションに本件番組に係るアナログ放送波を送信し,各利用者がそれぞれのベースステーションにおいてこれを受信するだけでは,各利用者(公衆の各構成員)が本件番組を視聴等することによりその内容を覚知することができる状態にはならないのである。そうすると,被控訴人の上記送信行為が「公衆によって直接受信されること」を目的とするものであるということはできず,したがって,これをもって公衆送信(有線放送)ということはできない」(41-42頁)

と原審判決3)の判断を維持することによって、侵害否定の結論を導いたのであるが、著作権法立法趣旨やWIPO条約等と絡めて「直接受信」の意義を論じた控訴人側の主張もそれなりに分厚いものがあっただけに、これまでの決定や地裁判決に垣間見えた“ワンサイド・ゲーム”の様相はここでは姿を消しているように見える。


また、事実認定が絡む侵害主体性の問題はともかく、「直接受信」に関する法解釈については、最高裁の判断を仰ぐ余地も出てきたのではなかろうか*4


敗れはしたものの、著作権法上の「送信」行為と認められる範囲を広げた上に、法解釈上の争点も鮮明にした、という意味では、控訴人側の戦術も捨てたものではないように思う。


ダブル・スタンダード?

さて、今回の判決に限らず、本事件に関して目につくのが、裁判所の徹底した“条文の文言重視”の姿勢である。


法律に基づいて裁判をする以上当たり前じゃないか、と言えばそれまでなのだが、「複製権侵害」をめぐって争われる事案では、必ずしも当たり前ではないのが実情だけに、このギャップをどう解せば良いのだろう、という率直な疑問も湧いてくる。


たとえば、浜松市のデジタル家電会社(株式会社日本デジタル家電、被告)が仮処分から一貫して敗れ続けている「ロクラク事件」の地裁判決(東京地判平成20年5月28日、H19(ワ)第17279号)*5では、被告側が、「利用者によるテレビ番組複製行為に関与していない」と主張しているにもかかわらず、いわゆる“「カラオケ法理」的法理”を用い、

「親機ロクラクは,本件サービスを成り立たせる重要な意味を有する複製を行う機能を有する機器であるところ,

被告は,日本国外の利用者に日本のテレビ番組の複製物を取得させるという本件サービスの目的に基づき,当初,親機ロクラクの設置場所を提供して管理支配することで,日本国外の利用者が格段に利用しやすい仕組みを構築し,いまだ,大多数の利用者の利用に係る親機ロクラクを,東京都内や静岡県内において管理支配しているものということができる。この場合,上記の,本件サービスにおいて親機ロクラクの果たす役割からすれば,被告は,別紙サービス目録記載の内容のサービス,すなわち,本件対象サービスを提供しているものということができ,本件番組及び本件放送に係る音又は影像の複製行為を管理支配していると認めることができるとともに,それによる利益を得ているものと認められる。」

「以上から,被告は,本件対象サービスを提供し,本件番組及び本件放送に係る音又は影像の複製行為を行っているというべきであり,原告NHK及び東京局各社の本件番組についての複製権(著作権法21条)及び原告らの本件放送に係る音又は影像についての著作隣接権としての複製権(著作権法98条)を侵害するものといえる。」

被告は,本件サービスが,あくまでも利用者個人がその私的使用目的で賃借したロクラク2を利用する行為であって,その利用に関与するものではなく,利用者が賃貸機器を利用してテレビ番組を複製する行為の主体は,利用者本人であり,被告ではあり得ない旨主張する。しかしながら,被告は,上記判示のとおり,本件対象サービスにおいて,自らが本件番組及び本件放送に係る音又は影像の複製行為を行っているのであり,このことと,本件サービスの利用者によるテレビ番組の録画が,私的使用目的で行われるか否か,あるいは,利用者の指示に基づいて複製されるテレビ番組が選択されるか否かとは,直接関連するものではないから,被告の上記主張は,失当といわなければならない。」

(以上、77-78頁)

と侵害を肯定している。


もちろん、装置が利用者が購入した汎用製品か、それとも被告が貸与している専用品か、といった違いはある(そしてその違いは大きい)のだが*6、親機と子機が「1対1」対応で、被告が行っているのが設置場所の提供・管理や接続サービスである、という点では共通しているのであって、利用者から見てパッと見でそんなに大きな違いがあるのか、と言われれば微妙なところだろう。


それでいて、一方では、物理的な「複製」行為の有無にかかわらず、被告サービスの目的等を捉えて侵害主体性を肯定してしまい、一方では、被告の行為を「公衆送信」の定義に慎重にあてはめて「非侵害」という結論を下す*7


見ようによっては、録画するかしないか、で適法か違法かのボーダーを分けているようにも思えなくはないのであるが、そういった線引きをすることが良いことなのかどうか、何とも言えないところである。


純粋に放送番組を視聴することと、それを録画して見たい時間・場所で見ることとの間にそんなに距離がある時代ではもうないのだから、少なくとも、公衆送信権侵害にならないようなサービススキームであれば、利用者による録画行為まで認めるのが筋のような気もするのであるが・・・


ここは、よりチャレンジングな事業者の登場を待つことにしたい。

*1:第4部・石原直樹裁判長、http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20081216170214.pdf

*2:第47部・阿部正幸裁判長、http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20080623111341.pdf

*3:さすがに、仮処分も含めて何度も同じ製品を対象に争われた事件だけに、この段階で事実認定が大きく揺らぐ、ということは考えにくいだろう。

*4:6度目の敗北を味わうリスクを冒してまで、控訴人側が上告受理申立てを行うのかどうかは、筆者の知るところではないが。

*5:第29部・清水節裁判長、http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20080529122138.pdf

*6:ついでに言えば、ロクラク事件における被告の主張立証活動に対しては、地裁民事第29部が相当厳しい指摘を仮処分段階から行っており、裁判所の心証は相当悪化しているように見受けられる。

*7:「まねきTV」事件での控訴人の主張には「サービスの性質」を捉えて被告サービスを違法とする主張も含まれているのだが、それが顧みられることはなかった。

2008-12-21

[]契約交渉越年?

ここのところ毎年のようにFA宣言してチームを去っていく、西の方の市民球団の選手達の気持ちが、何となく分かるような気がする今日この頃。


今縦縞のユニフォーム着ている某内野手の記者会見に象徴されるように、みんな後ろ髪引かれるような思いは抱えているんだろうけど、結局は新天地へと去ることになる。


そして、その背景にあるのが、

「待遇や給与水準を変えてまで選手を慰留することはしない。たとえ、それで戦力がダウンするとしても、球団の方針は変えない」

という頑な球団のポリシーなわけで・・・。



球団の方針は、それはそれとして、尊重しなければならない。


当該球団がほとんどと言って良いほど優勝争いに絡めなくなって久しいが、それでも一貫した姿勢を支持するファンや評論家や経営者がいるのは事実なのだ。


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2008-12-20

[][]読みたい本は山ほどあるが。。。

「BUSINESS LAW JOURNAL」誌の最新号の特集は「法務のためのブックガイド」。



巻頭ページの

限りある図書費で購入した本当に使える本」

というくだりに思わずニヤリとしてしまったのだが、さすが同業者がリストアップしているだけあって、旬な本が万遍なく厳選されているなぁ・・・という印象を受ける(最後のINDEXのところが、書名or著者名の50音順になっていればもっと見易かったか)。


そろそろ年度末に向けて、お金の有効な使い方を考えていかねばならない時期だけに、非常に味のある企画だと思っている。


残念ながら、プライベートでは新しい本を買う前に今積んである本をなんとかしなければならない状況なので、せっかくの特集の恩恵も当分受けられそうにないのであるが・・・。



なお、特集以外にも上野達弘准教授の「日本版フェアユース規定の行方」*1が個人的には興味深かったのであるが、これはまた日を改めてご紹介することにしたい。

*1:18頁以下。

2008-12-19

[][][]トヨタの赤字転落報道に思う。

確かに、世界的な不況と為替相場の急変動で、半年前と状況が大きく変わったのは理解できるのだが・・・


メーカー各社の雇用調整に対して、批判的な世論が沸きあがってきているタイミングでの大々的な発表に作為的なものを感じるのは筆者だけだろうか・・・?


半年ちょっと前には“永久に下がることはない”かのような論調で報じられていた原油価格が、今どういう状況になっているかを考えれば分かるように、為替にしても国内外の消費動向にしても、これから来年3月期末までの間にどういう変動を遂げるかなんて予測できるはずもない。


にもかかわらず、第三四半期の数字が出る前から、こういう思い切った「下方修正」に打って出た(しかも極めて極端な想定に基づく業績予測を打ち出した)会社の真意がどの辺にあるのかは、大方察しがつきそうなものである。



メディアで騒がれているほど不況風が人々の生活に深刻な影響を与えておらず、多くの正社員(とその家族)が平和に年を越せるのはなぜか*1、ということを考えると、一連の企業行動を一慨に批判することはできないのであるが、かといって、必要以上に人々のマインドを冷え込ませ、他企業に連鎖的なリストラを促すような情報を安易に流すのは・・・


ちょっと考えものだと思う。

*1:街中の“派遣切り”批判にしても、どこか他人事だ。

2008-12-18

[][]「保護期間」は難しい。

以前このブログでもご紹介した筆者の連載記事だが、今月分を更新したら珍しくコメントが付いていた(http://gihyo.jp/design/serial/01/copyright/0007)。


詳細は↑の中で回答しているので繰り返さないが、1点目については、「写真の保護期間」なんて一番分かりにくいものを例として取り上げるのは、ちょっとやり過ぎだったかな、と反省しているところである。


もっとも、“分かりにくさ”は、実務のトラブルに直結するし、現に、保護期間との関係では、写真をめぐって頭を悩ませることが一番多いのも事実。


絵画や音楽、文章表現のような古典的著作物であれば、著作者が不明、ということはあまりないし、仮にその辺があやふやでも、むやみに素材として取り込んで使うなんてことは考えにくいし、それ以外の機能的著作物であれば、そもそも古いものに価値が見いだされることもそんなにはない。


ゆえに写真なのかな・・・と。


2点目については、自分が議論の真ん中にいるわけじゃないから良く分からないのだが、「保護期間論争の方向性が固まった」といえる段階では到底ないのではないかな・・・?というのが率直な印象である。


いくらやっても収拾が付かないから、とりあえず後回しにしておいて、解決しやすいところから片付ける・・・というありがちなパターンで整理されているだけなんじゃないかと思う。



以上、興味があれば、連載の本文も読んでみていただければ幸いである。

2008-12-17

[][]頑張っている、と素直に評価すべきか、それとも・・・

民主党が「緊急雇用対策」と銘打っていくつかの法案を参院にまとめて提出した、というニュースが最近の紙面を飾っている。


まだ議院のHPには法案の条文そのものがアップされていないようで、民主党のサイトから法案の骨子を眺めることくらいしかできないのだが(http://www.dpj.or.jp/news/?num=14724)、ざっと見た限りでは、なるほど、と思えるものとそうでないものが混在しているように思える。

(1)採用内定取消しを規制 〜採用内定取消規制法案 (基本は公布日施行)

(2)非正規労働者も雇用調整助成金の対象に〜派遣労働者等解雇防止特別措置法案 (公布2週間後施行)

(3)派遣労働者等の就労支援のための住まいと生活の支援 〜住まいと仕事の確保法案(公布1ヵ月後施行)

(4)雇用保険制度の拡充によりセーフティネットと雇用を確保 〜雇用保険法改正案(09年4月施行)

 ※(3)と(4)はひとつの法案として提出を予定

(5)有期労働契約の締結、更新、終了のルールを明らかに 〜有期労働契約遵守法案(公布後1年を超えないうちに施行)

上に挙げられている5つの項目のうち、「緊急対策」に馴染みやすいのは助成金の拡充だとか、雇用保険等の給付の充実をうたった(2)〜(4)のあたりだろう。


財源に限りはあるといえども、今が「みぞうゆう」の危機である、という前提に立つなら、ちょっとやそっとの出血はやむを得ないわけで*1、一定の給付を行うことによって社会不安が少しでも沈静化に向かうのであれば、細かいことでゴチャゴチャ言うのはナンセンス、ということになろう。


だが、雇用契約ルールに抜本的に手を加える、となると、ちょっと話は変わってくる。


屋上屋の改正でぐちゃぐちゃになって非常に評判の悪かった旧商法の例を挙げるまでもなく、「緊急」対策でルールをいじろうとするとどこかでツケが回ってくるわけで、「騒がれている事象への対症療法」としては効果的なものに見えても、長い目で見れば結局は労働者側の不利益につながった、ということになったのでは、身も蓋もない。



最近の「右に倣え」的な雇用“切り”に対しては、筆者自身も思うところがあって、特に、冷静に見れば余力がないとは到底いえないような大企業までがそれに手を出しているのは、実に恥ずべきことだと思うのであるが、そういった思いとは別に、ルールを変えることが「救済」に値することなのかどうか、という点については、もう少し冷静に議論する必要があるのではないか、と思っているところである。



個人的には、法案の成否をめぐる政治的な駆引きの行方よりも、まずは、民主党側がどういった内容で法案化したのか、ということの方を知りたかったりもするのであるが・・・。

*1:それは海の向こうの国の豪快な各種救済策を見ても分かる。

2008-12-16

[][]「まねきTV」4連勝。

訴訟で苦戦続きのテレビ番組転送サービス事業者。


だが、唯一守り続けてきた牙城では、最後まで勝利を譲らなかった。

NHKと民放キー局5社が、テレビ番組をリアルタイムでインターネットを利用して海外などに転送するサービスを提供していた永野商店(東京)に対して差し止めなどを求めた訴訟控訴審判決で、知的財産高裁石原直樹裁判長)は15日、著作権侵害を認めなかった一審・東京地裁を支持し、テレビ局側の請求を棄却した。」

(2008年12月16日付朝刊・第13面)

ご存知の方も多いであろう、通称「まねきTV」事件。


東京地裁・高部コートでの歴史的な仮処分却下決定から、高裁決定、地裁判決、と来て、知財高裁でもサービス事業者側の主張が認められた形になっている。


地裁判決が出たのはわずか半年前のことだから、随分と早い展開だなぁ・・・と感心するのであるが*1、裏返せばそれは、放送事業者側の攻撃の弾が尽きてしまったことを表しているのかもしれない。


判決を読んでみないとなんとも言えないが、原告(控訴人、放送事業者)側が、このケースで果たして上告審まで持っていくのかどうか。


不利な裁判例を残したくない、と思えば、この辺でやめておくのが潮時なんじゃないかなぁ、と思ったりもするのであるが、果たしてどうなるのだろうか?


最高裁で著作権の侵害主体論に関する判断が示されるなら、それはそれで興味深いことだと思うのであるが・・・*2

*1:良く考えたら地裁判決へのコメントもまだアップしていない・・・。

*2:ある種の“怖いもの見たさ(笑)”なのかもしれない。

2008-12-15

[][]「大ヤマト」大逆転の結末。

以前、ご紹介した「大ヤマト」事件。


東京地裁では、著作権の帰属から著作権侵害の成否まで、原告(東北新社)の主張がこと如く退けられて、悲惨な状況になっていたのが記憶に新しい*1


だが、伝えられたところによると、知財高裁に控訴後、なんと被告側が2億5000万円の和解金を支払う、という劇的な内容で和解が成立したとのことである。

東北新社は2008年12月15日,同社が保有するアニメ宇宙戦艦ヤマト」の著作権侵害訴訟において,パチンコ機メーカーの三共(SANKYO)など5社と和解したと発表した。5社の一部が東北新社に対して,2億5000万円の和解金を支払うことで決着した。「当事者間の合意によって,これ以上の内容は明らかにできない」(東北新社)としている。 」

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20081215/321514/

判決で結論が覆されたわけではないが、裁判所の心証が覆らなければパチスロメーカー側がこのような多額の和解金を支払うことにもならなかっただろう。


著作権侵害を否定した地裁判決の二重、三重の理屈に対して、知財高裁石原直樹裁判長)がどういう評価を下そうとしていたのか、興味深いところではある。


以前も書いたが、地裁判決の判断の中の著作権の帰属に関する部分については、契約書のドラフティングという形式面だけで結論を導くのは酷、と思えるところがあったし、著作権侵害の成否についても、ほとんど同一といって良いキャラクターの些細な相違点を捉えて侵害を否定する、というやり方には相当違和感があったから、結論が変わっても決して不思議ではない事案だったのは確か。


最終的には、あれだけ似ているキャラクター(群)を「全くの別物」としてキャラクター展開してしまった被告側の無節操さと、技巧的に過ぎる訴訟での主張(抗弁)が、裁判所の怒りに触れてしまったのかなぁ・・・と思ったりもするのであるが、あくまでも真相は藪の中である。

2008-12-14

[][][]ブエナビスタハイジの子。

最近の為替相場では、円が13年何ヶ月ぶりかの高値を記録した、と話題になっているようだ。


確かに、学生時代、某サークルの夏合宿か何かで、テレビ見ながら「今海外旅行行かないと損、損!」とか「有り金全部はたいてドル買うか」なんて会話が飛び交ってた記憶があるので、ちょうどそれくらいのサイクルなんだろうと思う*1


で、「13年」というキーワードに敏感に反応したのか、阪神ジュヴェナイルフィリーズ(当時はもちろん違うレース名だった)で、ビワハイジの子供、ブエナビスタが13年越しの母娘制覇をやってのけた。


ビワハイジが勝った年のあのレースの2着はエアグルーヴ


長期休養明けだから人気は他馬に譲っていたし、レースの勝ち方自体クラシックを狙うには微妙な「逃げ切り」によるものだっただけに*2、勝利後も意外に評価は高まらなかったものの、後の歴史的名牝を従えてのG1勝利だっただけに、今考えればもう少し評価されても良かったんだろうな、と思う。


大体、当時の日本でカーリアン直仔の持込馬が走ること自体、凄いことだった*3


結局、クラシックで結果を残せないまま長期休養に突入、復活勝利も束の間、ケガで引退に追い込まれた・・・というのがビワハイジのその後だったわけであるが、果たしてその娘は13年後どんな道を歩むのだろうか。


今年の2歳馬の地味さを考えると、年明け以降スターとしての道が約束されているのは確実であるようにも思われるが、為替相場なんかよりも遥かに不確実なのがこの世界の常。


個人的には、母娘2代でダービー挑戦(しかも今度は・・・)といったドラマチックな展開があってもいいと思っているのだが、母同様、夏には名前が消えてしまった、なんてことがあっても決して不思議ではない*4


歴史は繰り返すのか、それとも新しい歴史が作られるのか*5、来年の楽しみがまた一つ増えたような気がする。

[][]“五輪1年前”の栄冠

いつもなら、フィギュアスケートのネタで騒いでいる季節なのだが、今年はほとんどネタにもしていない。


グランプリシリーズが始まった時期にそれどころじゃなかったorz というのが、一番大きな理由なのだが、同時に、五輪プレシーズン、という微妙な位置づけの今季、日本勢の勝った負けたで一喜一憂するのはどうか・・・という思いもある。


テレビメディアなどは、視聴率が下がっては困るから“重要な意味を持つプレシーズン”などと煽っているが、毎年プログラムが変わるフィギュアスケートの場合、前シーズンの順位が五輪本番に直結した試しなどほとんどないのは、トリノの前年を思い起こせばすぐに分かることだろう。


04-05のシーズン、前シーズンの世界女王・荒川静香選手は、NHK杯こそ優勝したものの、日本選手権は負傷で途中棄権、世界選手権惨敗、といった状況であった。


一方、全日本2連覇、世界選手権でも入賞し、一躍“エース”として注目を浴びた安藤美姫選手が翌シーズンどういう運命を辿ったかは、言うまでもないわけで・・・*6


五輪出場枠の関係で、ある程度の順位を残すことは必要だし、全くそれまで実績のない選手であれば、1年前からジャッジに顔を売っておく必要もあるのだろうが*7浅田真央選手のように、十分実績を残した選手がキム・ヨナに勝とうが負けようが、五輪への影響、という意味ではたいしたことはないんじゃないかと思う*8


世界女王になったとはいえ、五輪は初めて、となる浅田真央選手に本番で過度の期待がかからないように、ファンなら、来年の世界選手権キム・ヨナ選手が制することをむしろ望むべきなんじゃないかなぁ・・・と思ったりもするのだが*9、そんなことを言ったら怒られてしまうだろうか。


来る日本選手権で、浅田選手も霞むような鮮やかなパフォーマンスを見せてくれる新星が現れれば、それに越したことはないのだけれど・・・。

*1:あの頃の自分にはドル買う金どころか合宿の帰りの切符を買う金もなかったくらいだから、普通に聞き流していたのだが・・・。

*2:結局、これはマイルが限界だろうという当時の予想はその後のレースでも証明された形になってしまった。

*3:今じゃ、種牡馬の世界も相当ボーダーレスになっているが、当時はまだ“本場の良血”が羨望の眼差しで見られていた。

*4桜花賞は今日2着だったダノンベルベールの方が、前に来るんじゃないか、と思ったりもするし。

*5:名牝の仔の活躍が続いているのは最近の傾向とも重なる。

*6世界選手権で3位に入ったコストナー選手も、本番では散々な状況だった。

*7:その意味では、今年男子で小塚選手が活躍しているのは大きい。

*8:もちろん、美しいトリプルアクセルを2回跳べる、ということを証明できたことは大きいわけだけれども。

*9:当然、キム・ヨナ選手も初出場になるわけだから、かかるプレッシャーが大きければ大きいほど・・・。

2008-12-13

[]学士院新会員発表

新しい日本学士院会員に法学系から3氏が選出されている。


特に、民事訴訟法の竹下守夫・駿河台大総長(一橋大名誉教授)(76)、商法の龍田節・同志社大特別客員教授(京大名誉教授)(75)とともに、労働法菅野和夫明治法科大学院教授(東大名誉教授)が選出されたことは特筆すべきことだと思われる*1


あえてご説明するまでもないだろうが、学士院のホームページ*2に掲載された菅野和夫教授の「業績」は、以下のようなもの。

菅野和夫氏は、日本では第2次世界大戦後に本格的な研究が開始された労働法学を法律学として確立させるという大きな功績を挙げました。また、学際的手法を導入して労働法研究に新しい地平を開きました。」

「菅野氏は、労働法の特殊性を考慮しつつ、労働法を全法律体系の一分野を担う普遍性を備えた法解釈学の体系として打ち立てました。これは、画期的な仕事であり、日本の労働法学を大きく転回させたものです。」

「また、同氏は、労働経済学、労使関係論などの諸科学の成果を十分に咀嚼(そしゃく)して、学際的な研究も進め、関係諸科学の関係者からも高く評価されています。」

「なお、同氏は、国際学会で総括報告者に選ばれるなど、国際的な活動においても大きな貢献をしています。さらに、その優れた学問を背景とした立法への直接・間接の関与も少なくありません。個別労働紛争の増加に対応して2004年に立法化された労働審判制度の構築に大きく寄与したのは、その一例です。」

このうち、「労働法学を法律学として確立させること」といったフレーズには、ちゃんと解説も付されている。


正直、いまだ“法律学でない労働法”を唱えている輩は世の中に多いのであるが(労にも使にも)、少なくとも裁判所レベルでは、法律としての労働法が機能するようになり、(労使関係の特殊性に配慮しつつも)労働契約を契約法の原則をベースとしたものとして位置付けることができるようになった背景に、菅野教授の多大なる業績があることは間違いない。


そして、現会員・物故会員問わず、錚々たる顔ぶれの先生方が居並ぶ*3学士院に、労働法研究者である菅野教授が名を刻まれた、という事実は、極めて大きいことであるように思われる。


今後のますますのご活躍を祈念して・・・。

2008-12-12

[][]シンドラーは今。

シンドラーエレベーターがメディアの狂信的な追及にさらされていたのは、2006年の初夏のことだったか。


このブログの当時のエントリー*1にも“異常な季節”の香りは十分漂っているのだが、気が付けばあれから早2年が経った。


今でもシンドラー社のエレベーターはあちこちの建物に入り続けているし*2、日々動き続けているのだが(しかも時々不具合も起こすのだが・・・)、飽きっぽいメディアのターゲットはすっかり次のところに向かってしまっていて、いつものことながら空しい限りである*3


そんな中、「事故後」の動きを報じるニュースがようやく出てきた。

東京都港区のマンションのエレベーターで都立高2年、市川大輔さん(当時16)が死亡した事故で、大輔さんの両親が12日、事故機の製造元のシンドラーエレベータ(東京江東)などに安全配慮義務違反があったとして、計2億5000万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。」

「ほかに訴えられたのは保守管理を担当した「エス・イー・シーエレベーター」(台東)、「日本電力サービス」(多摩市)、区住宅公社と、マンションを所有する港区。」

日本経済新聞2008年12月12日付夕刊・第19面)


記事を読む限りでは(&常識的に考えれば)、シンドラーエレベータに対しては製造物責任法に基づく責任を、エス社と日本電力サービスに対しては修繕義務を怠ったことによる一般不法行為責任を、そして、住宅公社などには安全配慮義務違反に基づく責任を、それぞれ追及しているものと思われるのだが、後二者はともかく、シンドラー社に対する製造物責任追及がどこまで認められるのか、ということについては予断を許さない。


港区ポータルサイト」には、事故原因究明に向けた区側とシンドラー社とのやり取りが時系列で記されているが(http://www.city.minato.tokyo.jp/joho/tyosa/elevator/index.html)、まともな情報開示を受けられていない状況であるようで、事故原因に関する根本的な検証には程遠い状況。


刑事手続きについては、

警視庁はブレーキ系統の構造上の問題や、保守点検のミスの有無について捜査。シンドラー社やエス社の刑事責任を慎重に調べている。」

ということだが、こちらの方もまだ本格的な動きが出てくるには至っていない。


シンドラー側が頑なに設計・構造上の欠陥を否定している以上、原告側代理人が訴訟を進めるには相当な困難を強いられるのではないかと思う。


「明らかにここに責任がある」と断定するのが難しい事案だけに、裁判所も早期に和解で落としどころを探っていくことになるのだろうが、当事者が(実質的には)外国企業だったり、自治体だったりもするから、余計に見通しが立てにくい*4


あまりに訴訟が長期化して、“シンドラー”の名前すら忘れ去られてしまった、なんてことにならなければ良いのだが。


遺族の方々のためにも。そして、第二、第三のエレベータ事故を起こさないようにするためにも・・・。


事件が風化する前にきちんとした決着が付くことを願いたい。

*1http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20060610/1149871842

*2http://www.schindler.jp/参照

*3:その後のシンドラー社の努力が評価された、という見方もありうるが、実態はたぶんそうではない。

*4:普通の会社なら、担当者個人に課される刑事責任を少しでも軽くするために(仮に送検されても起訴猶予に持っていけるように)、早期に和解を成立させて・・・というマインドが働くところだが、そういうプラクティスが果たして今回の当事者にどこまで浸透しているのだろうか・・・?

2008-12-11

[]この時期は・・・

そうでなくても忙しい。


社内の“得意先”は、不良案件を年の内に手放したくて仕方がないようで、仕事の雨をここぞとばかりに降らせてくれるし、社外の先生方も、年末のお休みを確保したいのか、いつもより早め早めに期限を切って迫ってくる。しかも、やっつけで片付けて油断していると、訴状やら警告書やら、といった紛争の火種が空から振ってくるのもこの時期だ*1


そしてとどめは、「忘年」名目で開催される種々の宴。


上座に座れる人たちは、酒でも食事でも楽しめば良いが、こっちは終わってから残った仕事を片付けないといけない・・・。


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*1統計をとったわけではないが、感覚的にはこの時期が一番多いような気がする。

2008-12-09

[][]内定取消の代償

以前取り上げていた記事*1の続報。

「マンション分譲大手の日本綜合地所は2009年4月の採用を内定しながら、取り消した53人に対して100万円を支払うことを決めた。既に多くの企業が来春採用の募集を打ち切り、就職先探しが困難なため、迷惑料として補償金を支払う。」(日本経済新聞2008年12月9日付朝刊・第38面)

当初提示した補償料は42万だったそうだが、当初予定の2倍に増額したとのことで、想像していた以上に会社の側が譲歩した、という印象を受ける。


普通に入社して1年働いても、手取りからいろいろ差し引いたら100万円なんてとてもじゃないけど残らない。


それが一度にキャッシュとして入ってくるわけで、これだけあれば留年しても学費に充当するには十分である*2


しかも、今なら、2010年採用のエントリーにもまだ十分間に合う。


大日本印刷事件と比べて、同じ結論が出るのかどうかは微妙なケースだと思われただけに、地域労組のプレッシャーが影響したのか、それとも会社の「業績不振」が実際にはたいしたものではなかったのか・・・


いずれにせよ、行動すれば何らかの見返りはついてくる、という良い事例だと思う。


(追記)

翌日のニュースによると、まだ一般労組加入内定者との団交は妥結していないとのこと。今後の行方に引き続き注目したい。

*1http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20081129/1228017165

*2:少なくとも自分の学生時代に100万なんてまとまった金が口座に入っているのを見たことは一度もない。

2008-12-07

[][]壮大なアドバルーンか?

「設立」と「新株発行」を対比して論じる、などという、古典的な論証パターンが吹き飛んでしまうような(笑)、会社法改正の動きが報じられている。

法務省は、買収防衛などに活用される第三者割当増資により利益が縮小しかねない既存の少数株主の保護に向け、会社法改正の検討に入った。現行法では事実上、取締役会の判断で新株を発行できるが、株主総会の決議を義務付ける方向。」(日本経済新聞2008年12月7日付朝刊・第1面)

一見、なるほど・・・と思ってしまいそうだが、何か変だ。


まず、「少数株主の保護」というが、株主総会での多数決で導入を決議できるのであれば、大して状況が変わるとは思えない。


「少数株主」が何を指しているのかは分からないが、仮に個人投資家のような零細株主を指しているのであれば、普通決議だろうが特別決議だろうが、“自己に不利益”と感じた第三者割当増資を止めるのは容易なことではないし、第三者割当増資を受けられなかった2番手、3番手株主を指すのであれば、現在の法制度の下でも十分保護は可能なのではないかと思う。


株主総会決議を経ることによって、真の少数株主裁判所に救済を求める途が閉ざされてしまう可能性があるとすれば、かえって不利益をもたらすことになるのではなかろうか。


また、そもそも、「第三者割当増資」で少数株主の利益が縮小する、というのが当たり前の前提のようになっているのだが、第三者割当て時の価格が適正に株式価値を反映していれば、理論上は株価変動は生じないはずだし*1、増資で調達した資金を適切な成長投資に振り向ければ、結果的に少数株主にとっても利益をもたらすことになるはず。


もちろん、奇妙な増資もあるのは確かだが、現在設けられている有利発行規制、不公正発行規制で果たしてカバーできないものなのだろうか・・・?


日経の記事では、

司法判断を得るには莫大(ばくだい)な費用がかかり、少数株主は泣き寝入りすることが多い。また裁判官経済実態に通じていなければ市場関係者が納得する判断は難しい。」(同第3面)

という解説が付されているが、「それをいっちゃおしまいよ・・・(笑)」というレベルの理由でしかないし、そもそも先ほど述べたように、株主総会の方が司法判断を仰ぐよりも少数株主に有利になる、という保証はどこにもない。


実際に株主総会決議が必要となると、手続が相当面倒になるから、安易に第三者割当増資を行おうとする会社にとっては一種の“歯止め”になりうるのかもしれないが、元々新株発行の本質的目的が機動的な資金調達にあることを考えると、そこまで面倒にすることが良いことなのか・・・?という疑問も当然に湧いてくる*2



こう考えてくると、今回出た記事は、安直な第三者割当増資を戒めるための一種の“威嚇的アドバルーン”なのかと、勘ぐりたくもなるもので。


オイタが過ぎた一部の会社のせいで、本当に資金調達の需要がある会社が負担を強いられる可能性が出てきた、というのは、あまり気持ちの良い話ではないのだが、それ以前の問題として、法務省サイドがどこまで本気で動く気なのか、というのはもう少し見定めたほうが良いのではないか、と思うのである。

*1:最近の相場は、増資すると株価が下落する傾向があるが、割当て価格がおかしいか、あるいは、単なる既存株主の“思い込み”によるところが大きいのではないかと思う。

*2:記事によれば、「破綻が懸念される企業の救済目的の場合は例外的扱いとする」ということだが、「健常な企業」と「破綻が懸念される企業」をどうやって区分けするつもりなのか、記事を見るだけではイマイチわかりかねる。

2008-12-06

[][]火事場のDNA

試合結果が確定した瞬間から、夜のスポーツニュースをハシゴしている間まで、ずっと興奮がさめず、おかげでこのエントリーを書いているのは翌日(7日)に入ってからだ。


 * * * * *


確かに、理論上はジェフが勝って、ヴェルディジュビロが負ければ、勝ち点1つの差で残留を免れる、ということになっていた。


だがそんなものは所詮机上の計算で、フクアリで迎え撃つ相手は、決して相性が良いとはいえないFC東京だったし、他の2チームが揃って負ける可能性も決して高いとはいえなかった*1


しかも、試合が始まってみれば、この3チームの中で、前半が終わって相手にリードを許していたのはジェフユナイテッド千葉、ただ1チームだけ。


後半に入っても開始早々失点し、0-2になったニュースを聞いた時は「これで終わった」と、おそらくクラブの歴史上「最後」になるであろうJ1での試合を見に行けなくなかったことを悔やんでいた・・・。



そこからの数十分の間に起きた出来事についてはあらためて書くまでもなかろう。


後半29分に谷澤−新居という途中交替選手のホットラインで1点をもぎ取った後、津波の如く10分ちょっとの間に計4点を奪い取る猛攻。


その瞬間、フクダ電子アリーナがどれほどの熱狂に覆われていたか想像するだけで嫉妬の念に駆られるくらい、あの場にいたサポーター諸兄を羨ましく思う。


これが、1週間前のエントリー*2で偉大なる預言者(!)BigHopeClasic氏がコメントしてくださったような「チームの見えない力」(古河DNA?)のおかげなのか、それとも今季監督とともに移植されたリバプールDNAのおかげなのか*3、あるいはFC東京(特に今野選手w)のボランティア精神のおかげなのか、は分からないけれど「奇跡」と呼ぶに相応しい何かがそこにあったのは確かだろう。


 * * * * *


冷静に考えれば、第34節の主役は、あくまでも北の地で手堅く連覇を遂げた鹿島アントラーズで、フクアリで繰り広げられていた熱闘は、所詮15位から17位までの格付けを争う低次元の順位争いに過ぎない。


あそこまで追い込まれる前に、開幕当初から(せめて3試合に1試合でも)あれだけの集中力をチームが発揮できていたなら、貴重な土曜日の午後に、つながらないネット速報の更新をはらはらしながら待つ必要もなかった。


そして、イビチャ・オシム元監督の言葉を借りるまでもなく、

「これを教訓にフロントは学んでほしい」

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/jleague/headlines/20081206-00000060-kyodo_sp-spo.html

というのが、多くのサポーターに共通する思いでもあるはずだ*4



久々に降格争いを味わって感じたのは、やっぱりこれほど心臓に悪いものはない(昔に比べれば達観するようになってはいるものの・・・)ということ。


来季もあまり期待せずに眺めるつもりではあるが、クラブには、間違っても千葉神社や姉崎神社とタイアップして「落ちない御守り」をグッズで売り出す、なんてことのないように・・・とお願いしたいところである*5

*1:優勝のかかった川崎Fを敵に回すことになってしまったヴェルディはともかく、大宮相手のジュビロが最低でもドローで勝ち点1を得る可能性はかなり高いように思えた。

*2http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20081130/1228063665

*3リバプールと言えばやっぱり数年前のCLの決勝戦だから・・・

*4:ただし、以前のジェフなら秋くらいまでグダグダの体制を引きずってもおかしくないところで、(このチームにしては)早い段階で監督交代、選手獲得という手を打ったのは、ちょっとした進歩、なのかもしれない。

*5:かつて売り出してたチームが今どういうことになっているか考えれば・・・(以下自主規制)。

2008-12-05

[][]改正労基法成立

ここのところの不況風と政治的混乱のおかげで、すっかり置き去られた感のあった労働基準法の改正案がようやく成立した。

「月に60時間を超える分の残業代の割増賃金率を現行の25%以上から50%以上に引き上げる改正労働基準法は5日午前の参院本会議与党民主党の賛成多数で可決、成立した。2010年4月に施行する」(日本経済新聞2008年12月5日付夕刊・第1面)

中身を見ると、

提出議案:

http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g16605081.htm

修正案:

http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/syuuseian/9_50C6.htm

となっており、50%に引き上げられるボーダーが月80時間から月60時間に引き下げられたことと、施行までの期間が相当長く取られたこと以外は、概ね原案どおり。


「ホワイトカラーエグゼンプション」と合わせてこの問題が議論されていたのはかれこれ2年近く前の話で、まだ成立していなかったのか、というのが正直な感想なのだが、如何せんこのご時世。


右から左から、と吹きつける風の強さを考えると、成案を可決できたこと自体がある種の奇跡というべきで、立法に関わっている人々を責める気にはなれない。



で、この問題については、以前散々述べたとおり、割増賃金率をいかに引き上げたところで「残業時間を申告できるボーダー」の壁が厚くなるだけで、時間外労働の抑制、という効果は生まれないだろうと思っているし(ことホワイトカラーに関しては)、実際の労働(残業)時間に相応しいだけの報酬を受けたければ、自分の手で会社と戦うしかないだろうとも思う*1


もし、賃金債権の消滅時効が延びるようなことになれば、今回の法改正の効果をフルに生かして、数年分の残業代の未払訴訟をまとめて仕掛ける、なんてことも考えられるだろうけど*2


なお、上記記事では完全に黙殺されていたが、個人的には、割増賃金率の話よりも時間単位で有休取得が認められたことの方が大きいと思っている。


これも考えようによっては、「フレックス・タイム制潰し」*3に利用されるリスクがないとはいえないのだが、“時間の縛り”からホワイトカラーを脱却させるための一方策として、ここはひとまず前向きに評価しておきたいところである。

*1:もちろん、その結果として、仕事中の一挙一動が精査されたり、一律強制定時退社が義務付けられたりして、かえって働く側が不自由を強いられる可能性は十分にあって、それを避けるために“サービス残業”といえども甘受している、というのが多くの賢明なサラリーマンの実態だと思うのだが・・・。

*2:ポスト・過払い金訴訟の一番手はやっぱりこれだろう、と(笑)。

*3:用があるときは時間休とればいいんだから、フレックス・タイム制なんていらないじゃん、という安直な発想。

2008-12-04

[][]猫バスじゃなくて恋バス。

矢井田瞳小田和正とのコラボレーションで生み出した名曲、「恋バス」が12月3日に発売された。


昨年の「クリスマスの約束2007」に合わせて製作され、今春発売のアルバムにも収められていた曲が、1年越しでようやくシングル・カット(死語か?)された。


恋バス

恋バス


どっちかというと、ヤイコのキーではなく、小田さんのキーに合わせて作られた感じなので、ライブでもちょっと歌いづらそうにしてたのが印象に残っているが、それでもあのハモリは絶妙なわけで。


クリスマスの新定番ソングとして、街中で流れることを期待したい。



ちなみに、秋に開設されたばかりの新・ヤイコオフィシャルサイトhttp://www.hitomi-yaida.com/media.html#)を見ていたら、

「恋バスCAFE」オープン。開設初日(3日)に矢井田瞳一日店長

なんて告知が出ていたが、気が付いたのは4日になってからだった・・・。

2008-12-03

[]スランプ

毎日何かしら記事を書いている(ように見える)*1せいか良く誤解されるのだが、自分は決して筆が速い方ではない。


・・・というか、明らかに遅筆だ。


いったん書き始めれば勢いに乗ってそのままいけることもあるのだが、大概は出だしで迷って躓いて、そのうち何を書けばいいのか分からなく、なんてことも一度や二度ではない。


一番ひどかったのは数年前に学位論文を書いた時だったが、某試験の論文などでも、始まってから60分間、最初の二行から一歩も前に進まなかったりするなんてことがあった。


もちろん本番で(苦笑)。


変なところで完璧主義の虫がうずいてしまうせいか(成果のクオリティには至って無頓着なクセに・・・)、それとも、調子の波が激しすぎるせいか・・・


理由は自分でも良く分からないのだけれど、とにかく筆が進まない、そんなことが多いのだ。


そう考えると、毎月法律雑誌に連載で記事を書いている先生方の何と偉大なことか。そして、それを所与のこと、としか考えていなかった自分は何と罪深いことだろう・・・


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*1:実際には、後でまとめて書いたりもしているので・・・。

2008-12-02

[][]カミカゼ

Jリーグも残すところあと1節になっているのだが、最終戦を前にここにきて大量解雇のニュースが続々と流れている。


J2の岐阜が15選手解雇、とか降格が決まった札幌が10選手解雇、徒過言うニュースはまだ分かるのだが、驚いたのは↓のニュース。

「J1東京Vは1日、MF福西崇史(32)、GK土肥洋一(35)、DF服部年宏(35)の元日本代表勢を含む5選手と来季の契約を結ばないと発表した。」(日本経済新聞2008年12月2日付朝刊・第37面)

J1残留の瀬戸際で、入れ替え戦の可能性もまだ残っているというのに、レギュラーを含むベテラン勢の解雇をこのタイミングでオープンにしてしまうあたりが、さすがは開放的なヴェルディ・・・というべきか。


裏には、http://hochi.yomiuri.co.jp/soccer/jleague/news/20081201-OHT1T00109.htm といった事情もあるらしく、気の毒と言えば気の毒なのだが・・・。



これが発奮材料になって、味スタオールドボーイズが爆発するのか、それともスタンドの険悪なムードそのままに惨敗を喫するのか、試合が終わるまではどっちにも転ぶ可能性はあるわけだが、仮にJ1に残ったとして、若手主体の編成になるであろう来季、チームを戦える状態に持っていけるのかどうか、はなんともいえないところ。


一つでも順位を上げたい千葉サポとしては、

「J2に行くお膳立ては整ってるよ」

なんて、悪魔の囁きをしてみたくもなるのだが・・・。

2008-12-01

[]歳末の風物詩

年末になると出てくる一年の回顧イベント。


その第一弾、というべきか、今年も「新語・流行語大賞」が発表されている。

年間大賞

「アラフォー」

「グ〜!」

審査員特別賞

上野の413球」

トップテンその他

あなたとは違うんです

「居酒屋タクシー」

蟹工船(ブーム)」

ゲリラ豪雨

「後期高齢者」

「名ばかり管理職」

「埋蔵金」

相変わらず、「これは新語でも流行語でもないだろう」っていうのが一つ混じっていたりするが*1、それでも例年に比べれば比較的順当な結果かな、と思う。


「グ〜!」なんて、もう忘れかけてたけど(笑)。


個人的には、やはり「あなたと(は)違うんです」が一押し。


あの記者会見は、いい意味でも悪い意味でも、福田康夫首相のカラーが出ていたし、今の日本のギスギスした世相を象徴していたものであった。


自分を客観的に見ることができる、っていうのは大事なことだと思うし、「自分は他人とは違うんだ」ってくらいの気位がないと、責任のあるポストで職務をまっとうするのは難しいんじゃないかと思うのだけれど、それをあのタイミングで記者と全国の視聴者に向けて投げつける、っていうのは・・・


自分には真似できないし、真似しない方がいいんだろうなぁ(苦笑)。

*1:単に北京五輪ネタが欲しかっただけだろう・・・と。「何も言えねぇ」じゃなくて、「上野」なのは、単に表彰式に呼べるゲストのスケジュールの関係なんじゃないかと(笑)。

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