皐月賞の勝ち方があまりに鮮やかだったゆえに、2年連続ステイゴールド×メジロマックイーンという血統での2冠達成、という奇跡を信じて、ゴールドシップに夢を賭けたのだが、33秒8の上がり最速タイムをマークしながら5着止まり。
結果の方は、岩田騎手の手綱に載せられて長い直線を粘り切ったディーププリランテを先頭に、これまた直線早いタイミングで抜け出したフェノーメノ、さらに高速ペースを演出した末にバテずに残ったトーセンホマレボシ、と、人気的には微妙なポジションだった逃げ・先行勢が、まんまと上位を独占し、ワイドは全て4ケタ、3連複万馬券、という香ばしいレースになってしまった。
元々、ゴールドシップとワールドエース、という皐月賞1,2着馬が実力的にも戦績的にも、一歩二歩抜けた印象があり*1、いずれの馬も後方から末脚勝負に徹することが大方予測できただけに、前々で競馬を進められる馬がまんまと逃げ粘る、という展開も一応想定はしていたのだが、それでも、ゴールドシップだけは、逃げ馬を上回る脚で突き抜けてくるだろう・・・と信じて推していたのだが、何とも残念な結果。
先行逃げ切りが決まりがちな今開催の東京コースの特性や、思った以上に上位の馬の実力が拮抗していた、という事実*2など、皐月賞とはガラッとメンバーが変わったことは、様々な角度から説明することが一応可能ではある。
また、優勝した馬に関しては、(自らの騎乗停止が招いたこととはいえ)先週ジェンティルドンナの2冠目、という大手柄を、後輩の川田騎手に譲る悔しさを味わった岩田騎手の執念が、直線バテかけている中での最後のひと伸びにつながった(結果ハナ差勝ち)、という見方もできるところで*3、ともかく理由を後付けで考えるなら、いくらでも出てくる。
だが、いくら後講釈をしたところで、戦前「堅い」と思っていたレースが荒れて、多くのファンが馬券を取れなかった、という事実に変わりはない。
そして、一般のファンだけではなく、JRAの秋のCMの座をめぐって争っていたAKB48のメンバーにしても、誰ひとり当てることができず、奇跡の大逆転を信じていた関係者やファンをドッチラケにさせた・・・という事実にも。
何年続けていても、競馬というのはつくづく難しいものだと思う。
そして、それを最も感じさせてくれるようなレースが、今年の春のクラシックの締めになったというのは、JRAの猛烈なアピールを受けて徐々に回復しつつある「ビギナー層」にとっても、秋に向けて意味があることだったんじゃないかな、と勝手に思ったりもしているところである*4。