今週も語られたのは外国人騎手の手綱捌きばかりなり。

ジャパンCが終わって開催が変わっても、「外国人騎手」が巻き起こす旋風は一向にやむ気配がない。
日本国内を主戦場とするルメール騎手やM・デムーロ騎手の話題であれば、もはや「外国人」というカテゴリーで語る必要もないのだが、ここのところ話題になっているのは、先週のボウマン騎手、そして今週のムーア騎手、といった短期免許組のほう*1

特に、今週のムーア騎手は、土曜日のステイヤーズS、4コーナー過ぎからのマクリでアルバートに「同一レース3連覇」を達成させたかと思うと、日曜日のチャンピオンズCでは、近走不振で人気薄だったゴールドドリームに直線気合を付けて、終始優勢にレースを進めていた逃げ・先行の2頭を一気に差し切るなど、「馬を動かす」騎手としての力を存分に見せつけてくれた*2

1番人気を背負いつつも、コパノリッキーと並走して平均ペースで気持ちよく先行し、前年覇者のサウンドトゥルーアウォーディーも抑え込んだままゴール前まであと少しのところまで迫っていたテイエムジンソクの陣営にしてみれば、まさに足元を掬われた感じだろうが、それでも「ゴールド」の価値は文句なしの一級品だったわけで、鞍上の古川吉洋騎手にしてみれば、どうしようもないレースだった。
それは、逃げに徹して思いのほか善戦した田辺騎手&コパノリッキーに対しても言えること。

G1が開催されている競馬場では、メインに騎乗するために参集した華やかな騎手たちの中で、さらに一歩上の技術と恵まれた騎乗馬ラインナップにより、外国人騎手たちが一歩抜けた星争いをしている。

一方、日曜日の「阪神」という地味な“裏番組”国内に回っていたミルコ・デムーロ騎手も、着実に星を重ねている。

個人的には、騎乗技術に関して、「外国人だから」とか「日本人だから」といったことを区別して論じるのはナンセンスだと思うのだが、日本の馬のレベルが上がれば上がるほど、"世界基準”を知っている外国人騎手の手綱さばきが冴えわたってきている現実もあるわけで、しばらくはこういう時代が進むのかな、とため息・・・。

残すはあと3度の週末と、変な時期に入る開催最終日。
その間に、せめて1レースだけでも、キタサンブラック武豊騎手の「天皇賞・秋」に匹敵するような、日本人ならではの手綱さばきを目撃したいものだな、と思わずにはいられないのである。

*1:ビッグレースにこそ手が届かなかったが、C・デムーロ騎手のこの秋シーズンの活躍にも特筆すべきものがある。

*2:ゴールドドリームフェブラリーSと合わせて今年の中央ダートG1を両方制覇する、という偉業の立役者にもなった。

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