企業法務戦士の雑感 このページをアンテナに追加 RSSフィード

この日記のはてなブックマーク数

2018-06-20

[][]”サランスクの奇跡”と22年前のデジャブーと。

ロシアW杯、サランスクのモルドヴィア・アレーナで行われたグループHの初戦、日本対コロンビア戦で起きた歴史的なジャイアント・キリング。

4月の監督交代を支持して声援を送っていた人々はもちろん、自分も含め、"新生西野ジャパン”にシニカルな目を向けていた者にとっても、興奮せずにはいられない、衝撃的な結果だった。

前半3分、故意といえば故意だが、どちらかといえば「反射的に手が出た」という類のこの世界では決して悪質とは言えない相手選手のハンドに一発レッドが出た、という幸運。そして、万全な状態であれば、日本の守備陣を翻弄したであろう4年前の輝けるスター、ハメス・ロドリゲス選手が、前半ベンチを温めることを余儀なくされる状態だった、という重ねての幸運。

もちろん、どん底の時期の代表チームだったら、11人対10人、の戦いだったとしても、相手のFKで同点にされた時点で、ズルズルと“良くてドロー”の展開に嵌っていただろうから、後半立て直して、大迫選手の勝ち越しゴールまで持って行った雰囲気作りは、素直に称賛するほかない。

スタッツを見ても、ボール支配率60%、枠内シュート14本(相手は9本)、ほとんどすべての項目でコロンビアを上回る数値を叩き出しているのだから、この試合の結果を「ラッキー」だとか「フロック」というのは、選手たちにも監督にも失礼、というものだろう。

凄腕の外国人監督だったら、前半の時点で攻撃の選手を一枚増やして、早々と試合を決めにいったかもしれない展開の中、慎重に慎重に相手の動きを見て、相手の運動量が落ちてきたタイミングで本田圭佑選手を香川選手に代えて投入した結果が、コーナーキックからの大迫選手の決勝ゴールにつながったわけだし、最後の選手交代も大迫選手に代えて岡崎選手を突っ込む、という極めて攻撃的なスタイルのもの。最後まで守りに入ることなく、終始優位なポジションを保って戦い続けることができたのは、まさに西野監督の采配ゆえ、といっても過言ではない。

なので、ここまでの動きを冷やかに見ていた専門メディアの手のひらを返したような絶賛ぶりも、決して大げさとは言えないのだけれど・・・。


グループリーグの初戦で南米の優勝候補国に勝った上で、2戦目にアフリカ勢、最終戦は旧東欧勢、という組み合わせを見てしまうと、連想するのはアトランタ五輪しかない。

2勝1敗、という普通なら優に勝ち上がれる結果を残しながら、得失点差であえなく散った1996年のU-23と、今のフル代表を比べるのが適切かどうかは分からないのだけど、今大会でのセネガル代表のパフォーマンスを見る限り、次の試合が最大の関門になってくるのは間違いないところ。

仮にそこで星を落とすようなことになれば、かつて味わった最悪の事態の再来も頭をよぎるのだけれど、今の日本代表が22年前の悲劇を繰り返すのか、それとも過去を乗り越えて新しい歴史を拓くのか・・。

悲観主義にさいなまれながらも、自分はほんの少しだけ、後者の可能性を信じてみたいと思っている。

2018-06-17

[][]再びやってきた蹴球熱とともに。

数日前のエントリーでも書いたように、始まるまでは何となく引き気味で見ていたロシアW杯だが、始まってみたらまぁ面白いのなんの。

この4年間の間だけでも世界中でフットボールは進化している、それは頭の中では分かっていたことだけど、実際、各グループの試合が始まってみると、どの国の代表も高いレベルのテクニックと、定石にオリジナリティを加味した独自の戦術できちんと見せ場を作ってくる。

ワンサイドゲームだった開幕戦を除けば、2日目以降は、どの試合をとってもスコア、内容ともに拮抗したものばかり。

強豪国であるウルグアイフランスは順調に勝ち点3を取ったが、相手のエジプトオーストラリアにはかなり手を焼いての結果だし、アルゼンチンに至ってはアイスランドの鉄壁の守備に最後まで苦しめられて(挙句の果てにメッシPKまで止められ)痛いドロー。

ポルトガルスペイン、といった欧州の強豪たちが華やかなテクニックを見せてくれたのは当然想定の範囲内だったが、不運にも初戦は星を落としたエジプトモロッコペルーといったチームまで、鮮やかな個人技と組織戦術を備えていた、というのは、自分にとっては新しい発見で、次の試合以降に大きな期待を持たせてくれた。

そして、日曜の夜、この時間まで眠れていない最大の原因は、ここ数大会、グループリーグでは微動だにしなかった常勝軍団ドイツが試合巧者メキシコの前にジャイアント・キリングを食らった瞬間を目撃してしまったから・・・。

若きストライカー、ロサーノ選手が前半に貴重な1点をもぎ取った後は、早めの選手交代であっという間に自陣に「緑の壁」を築き上げ、ゴールポストの助けも借りつつ、次々と襲いかかるドイツ攻撃陣のシュートの嵐を見事に止めて見せた。

クラブチームの試合だったらブーイングを浴びるような極端な守備的戦術でも、1つの勝ち点に命を賭ける戦いの中では許容され、むしろ称賛の対象になってしまうわけで、こういう戦いを見られることにこそ、W杯の醍醐味がある。

ということで、4年に一度の寝不足な日々*1がまためぐってくることに嬉しい悲鳴を挙げつつ、日本代表以外の試合を楽しもうか・・・というのが、今の素直な感情である。

なお、ここに来てようやくNumber誌の大会プレビュー号を読むことができたのだけど、個人的には、選手のコメント、選手に向けられたコメントよりも、「監督」の立場からの、そして「監督」を評するあれやこれやのコメントに惹き付けられるところが多かった*2

自分もそんな歳、そして、そんな立場になった、ということなのだろう。きっと。

*1:まぁ、元々寝不足なので、そんなに変わらないだろう、と言われればそれまでなのだが。

*2ドイツ×メキシコ戦を見た直後に思い浮かべたことも、「ノイアーミュラーが今何を考えているか?」という視点ではなく、「レーヴ監督はどう動くのかな?」という視点からの想像だった。

2018-06-16

[][]これぞ終わりの始まり、だが、その中で見せたレジェンドの意地。

以前、このブログで2年続けてAKB総選挙に触れたことがあるのだが、気が付くともう5年前。

既にその頃から、“マンネリ化”を指摘されていたイベントではあったのだが、それでもキャラの強い面々が際立つ個性を発揮していたり*1、その翌年にダークホース指原莉乃下剋上があったりして*2、突っ込みながらも楽しめるだけの要素はあった。

だが、そこから4度繰り返す間に、初期メンバーは次々と「48」の舞台から去り、今年は去年まで3連覇していた指原まで抜けてしまって、自分なんかが見てももうステージに立っているのが誰なんだか分からない、そんなイベントになってしまった。

この手の大規模イベントが「10回」も続いている、というのは驚異的なことだし、未だにネット上では速報が飛び交うくらい注目されているイベントであることも間違いないのだけど、上位に入ったメンバーのスピーチを聞いていても、かつてのように余裕をかましたり、ちょっとした皮肉を入れたり、という個性を発揮できる人はほとんどおらず、「一生懸命頑張りました」の大合唱。

熱心に応援しているファンにとってはそれで良いのかもしれないけど、そればかりだともはやテレビ中継するような代物ではなくなってくる。

そして、どんなに昨年からの順位で「躍進」したとしても、「AKB48」という存在が、今やかつてのような熱と国民的盛り上がりムードに包まれたものではなくなっている以上、“遅れてきた者たちの悲劇”感はどうしても拭い去れなかった*3

そんな中、圧倒的な得票で地元・名古屋での凱旋興行を飾り「5代目女王」の座に輝いた松井珠理奈だけは、やはり別格。

そもそも、彼女は「総選挙」が始まる前から前田敦子と並んでWセンターを張っていた元・スーパー小学生。

総選挙も2回目で既にトップ10に入っているから、そこから頂点に立つまで8年もの歳月を要することになってしまった、というのはむしろ遅きに失したとも言えるのだけど、前座の公演でのハプニングを微塵も感じさせないあの余裕綽々のスピーチを聞けて、ようやく救われた気がした視聴者も多かっただろうから、そういう意味では頂点に立つのが今年で良かった、ということなのかもしれない。

かつて、多くの人気アイドルグループが辿ったように、過ぎた時間は決して戻ってこないし、栄光よもう一度、と願っても叶わないものは叶わない。

ただ、栄光の時代を知る「5代目」が、ほんのちょっとだけ短い花の“寿命”を延ばしてくれるんじゃないか・・・

そんな気分にさせてくれただけでも、まぁよかったな、と。

大声ダイヤモンド【劇場盤】

大声ダイヤモンド【劇場盤】

*1http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20120606/1340043454

*2http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20130608/1376679622

*3:末期のPRIDEのリングで「新星」と紹介されていた選手のような切なさ・・・とでもいうべきか。

2018-06-15

[][]いつの間にか始まった大会、が、記憶に残る大会になるように。

4年に一度のフットボールの祭典がロシアで開幕した。

自分は元々「三度の飯よりフットボールが好き」というタイプの人間だから、四半世紀以上前からW杯となれば、開幕が待ち遠しくて仕方なかったし、ここ最近の大会では、どんなに仕事が張っていようが*1、試合のスケジュールを業務用の手帳にまで書き込んで、仕事をやりくりしたものだった。本ブログの長年の読者であれば、4年に一度、狂ったように更新が続く光景を見てあきれていた方も多いことだろう。

それが、今回は、音もなく・・・といった雰囲気で、気が付けばオープニングマッチの日を迎えていた。

ここ数か月、他の例に漏れず、あまりに慌ただしすぎて、地上波テレビの“予告編”に目を向けることも、スポーツ雑誌に目を通すこともほとんどできなかった(正確に言うと、数週間前に出た雑誌がまだ未開封で手元にはある、という状況)、という現実があるのは確か。そして、それ以上に、例の“ハリルホジッチ解任事件”以来、日本代表の“好気配”を伝える大本営メディアを意識的に忌避して過ごしてきた、ということも、W杯の“気配”を消すことにつながったのかもしれない。

いずれにしても、木曜日の夜に家に帰って、「ロシアサウジアラビア」の試合のチャンネルに合わせるまで、W杯に向けた熱はすっかり冷めていた。

日本代表の大会前の親善試合だけはさすがに気になっていたから、連敗が続いた後の最後のパラグアイ戦だけは(途中からだけど)ちゃんと見て、(相手が本戦に出ていないパラグアイであることを差し引いても)だいぶ良くなってきたかな、と思ったところはある。

特に山口蛍選手と柴崎選手を中盤の底に配して、乾選手、香川選手と絡ませる(そして、これまでの日本のお家芸の「外側」を使う展開だけでなく、時にテクニックとリズムで縦の中央突破を図る)という布陣は、もう少し磨き上げれば大きな武器になるような気配すらあった。

ただ、やっぱり、本来であれば、日本の最大の弱点である「縦に向けた強さ」を最後まで磨き上げる作業を行うのは、ハリルホジッチ監督自身であってほしかったし、監督交代後の選手選考で共存しないはずの本田、香川両選手を同時に掬い上げた(その代わりに予選でも活躍していた有望な若手選手が選に漏れた)ということが、今大会の日本の立ち位置を非常に分かりにくいものにしている。

そして、盛り上がらない世論を加熱させようとする大本営メディアの使い古された見出しを見れば見るほど、今のままでは、2010年大会でベスト16入りに貢献した選手たちに悔いなく「最後の花道」を飾らせる、という以上の意義を日本サポーターが見出せないまま終わってしまうのではないか、という懸念をぬぐうことはできない。

最大限の楽観的な観測を述べるなら、非常事態を受けて監督交代(時期はだいぶ違うが・・・)、そして、大会前の試合で負け続けた後に調子を取り戻しつつある、といったあたりが8年前の雰囲気に似ている、と言うことになるのだろうが、そのためには、本番の舞台でもう一段モデルチェンジした姿を見せる必要があるし、その決断が西野朗、という監督にできるのか、と言うことを考えた時に、楽観できる要素は何一つない、という結論に行きついてしまうことは避けられないのである。

それでも、自分の周囲を含めて盛り上がりを欠いている状況では、「出るからには応援しないと」という思いも出てきてしまうわけで、最初の大一番、コロンビア戦の舞台で、先発の11人に以下のような選手たちが名を連ねるのであれば、少なくとも90分の間は熱烈な声援を送る準備はできているのだけど・・・

GK 川島*2

DF 長友、吉田、昌子、酒井(高)*3

MF 柴崎、山口(蛍)、原口、香川、乾*4

FW 大迫*5

なお、自分の“サッカー熱”自体は、怒涛のゴールラッシュで湧き立つロシアの選手たちとサポーターの歓喜を見て、俄然盛り上がってきたので、日本の勝ち負けにかかわらず、面白い試合を楽しんで見られたら良いな、と、今はそれだけである。

※思わずロシア戦を見た翌朝に、Amazonで速攻買って入手したのが、以下の一冊。

ロシア ワールドカップ 観戦ガイド 直前版

ロシア ワールドカップ 観戦ガイド 直前版

*1:というか、6月というのは多くの日本企業にとって何かと「張る」時期だというのは、本ブログの読者には改めて説明するまでもあるまい・・・。

*2:一番迷うところだが、GKは迷ったら経験、ということで少なくとも初戦は川島選手か。出だしでコケるようなら中村(航)選手の起用も考えてほしいところだが。

*3CBに昌子選手を入れるのは将来のことを考えても必須。サイドは候補者は複数いるが、パラグアイ戦を見て酒井高徳選手の調子が良さそうだな、ということで。

*4:もう長谷部選手の時代ではなかろう、ということで、守備的MFにはパラグアイ戦先発の2人を。そして、香川と乾の組み合わせも残したい。

*5岡崎選手は、パラグアイ戦の時点でもちょっと厳しいような気がしたので。

2018-06-03

[][]重なり合った「平成」の最初と最後。

今年、5月以降に行われたG1レースでは「平成最後」という枕詞が使われることが多かった。

競馬の世界で「元号」が大きな意味を持つことはそんなにないから、個人的にはほとんど聞き流す類のキャッチコピーだったのだが、そんな中行われた安田記念で、奇しくも「平成」という時代の中で完結するストーリーを目にすることになるとは・・・。

人気になっていたのは、最内枠、ミルコ・デムーロ騎手騎乗のスワーヴリチャード。

元々は5〜6歳世代が強いレースとはいえ、今季の4歳世代の強さと、同馬の東京コースでの圧倒的な相性(4戦2勝、2着2回、1800m〜2500m、全ての距離で連を外していない)や金鯱賞、大阪杯での圧巻のパフォーマンスを考慮すると、十分理解できたところ。

自分はここまで人気になっていると、どうしても食指が伸びず、同じ4歳世代でも、マイルで底を見せていないサングレーザーと前走の敗因(湿った馬場での失速)がはっきりしているアエロリットの組み合わせを本線にしたのだが、そんな中、ヒモでこっそり馬券の片隅に入れていたのがモズアスコット、という馬だった。

賞金不足を憂いて前週のオープン特別(安土城S)に出走させたものの、伏兵ダイメイフジに敗れて2着。

上位馬の回避で運よく出走できたものの、このローテーションでは・・・ということで9番人気に甘んじていたのだが、サングレーザーとともにあのエアスピネルを完封したマイラーズC(2着)でのレースぶりと、マイルで連を外していないというサングレーザー以上の安定感、そして、馬に合わせたレース選択に定評がある矢作厩舎からの出走馬のうち、最も人気がなかったこと*1から、目を付けていたのだが・・・。

蓋を開けてみたら、後方から今一つ伸びなかったサングレーザー(5着)、伸びたが前が止まらない馬場では追い始めた時点での位置取りが悪すぎたサトノアレス(4着)を横目に、スワーヴリチャードの真後ろからモズアスコットが進出。

スワーヴリチャード(3着)には出し抜けを食らわせ、先行集団から本来の力を発揮して押し切ろうとしたアエロリットまでゴール前でクビ差捉えて、モズアスコットがタイレコード、かつ先頭でゴールを駆け抜ける結果となってしまった。

自分は馬券が取れたこともあって満足感を味わい、“これぞ矢作マジック”だな、と悦に入っていたのだが、同じ4歳馬でも上位3頭以外の馬に賭けていた人にとっては、何とも悔しいレースとなったことだろう*2

で、そんな中、見かけたニュースが、「連闘での安田記念勝利は29年ぶり」というもの。

歴史を紐解けば、バンブーメモリーが当時オープン特別だったシルクロードSで3着に敗れた後、連闘で臨んだ安田記念で優勝を飾った、というデータが出てくるのだが、普通に計算すれば分かる通り、そのバンブーメモリーが優勝した安田記念が行われた年は「平成元年」・・・。

さすがに、あの頃のレースで覚えているのは、オグリキャップが出ていたレースくらいで*3、この安田記念がどういうレースだったのか全く記憶には残っていないのだが、こんなところで、奇妙なローテーションの符合が生じることになるとは、偶然にしては出来過ぎている気がしてならない。

幾ら最初と最後だからといって、オグリキャップのような人気・実力を兼ね備えた傑出したスーパーホースが今年の秋までに誕生することはあまり期待できない状況だし、マイルCSからジャパンCに連闘で参戦して世界レコードで走る、なんてことをしでかす馬が出てくるとも考えにくいのだが、「29年前」に隠されたヒントがないかどうか、はしばらくの間は調べておいた方が良いかな、と思った次第である。

*1:同一厩舎から複数の馬が出てきた時は最も人気薄を狙え、というのは、穴を狙う者の定番作戦である。このレースでは、他に出走していたのはリアルスティールとリスグラシューだったのだが、年齢やここまでのローテを考慮するとモズアスコットが3頭の中でもっとも人気がない、というのはまさに「買ってください」のサインのように思えてならなかった。

*2:結果的に、上位6頭までを4歳馬が独占、というG1にしては珍しい結果となった。

*3:したがって同じマイルのレースでも、この年の秋のマイルCSにバンブーメモリーがオグリの好敵手として出走していたことは辛うじて覚えている。

カスタム検索