2008-01-06 焦燥・70年代・深作欣二
■[映画]

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http://www.cinemavera.com/schedule.html(シネマヴェーラ 焦燥・70年代・深作欣二)
渋谷の映画館シネマヴェーラにて12日から深作欣二特集がある。
「仁義なき戦い」シリーズはもちろん、初期作品も一気に上映というのがファンにとってはうれしい。これだけの特集はなかなかないだろう。絶対に見たほうがいい。そういえば最近になって海外版「仁義なき戦い」DVDボックスを購入した。黒沢清や阪本順治、山根貞男らが熱く深作欣二論を語る特典映像が面白かった。
http://www.art.nihon-u.ac.jp/broad/books/pdf/vol5-6.pdf(深作欣二と笠原和夫)
日本大学芸術学部の学生さんの論文だろうか。これがめちゃくちゃ面白い。(学生のくせにこんな面白いこと書くなよなとめちゃくちゃな嫉妬を覚えるほど)アナーキーな脚本家と映画監督の物語が丁寧に書かれてある。
現在の邦画の暴力描写が嫌いだ。悪いとはいわないけれど反吐が出る。いちいち大義を掲げないと暴力が振るえないところが最低だ。ステルスが落っこちたとか、みんなを護るためとか、相手がテロリストだからとか、そんな理屈と結びついた暴力というのが、それこそ本当は教育上悪いと思うのだが、世間は意外とそんなものを善ととらえがちである。
70年代の深作欣二の暴力はすがすがしかった。納得できるといってもいい。かっこ悪く、へっぴり腰で、劣勢になると「こ、こらえてつかあさい!」などと臆面もなく命乞いをする野良犬たち。「仁義なき戦い」のラストで発射する菅原文太のピストルがなぜかっこいいかといえば、さんざん大義に振り回された男がようやく自分の意志で、「おれ」という主語で暴力を振るうからだ。「親分に命令されたから」とかそういう鉄砲玉の暴力は大概ろくな結果に結びつかず、鉄砲玉自身がむごたらしく返り討ちにされたり、せっかく観客が好感を持っていたキャラが蜂の巣にされたりしていた。
深作欣二作品ではないが、笠原和夫脚本の仁侠映画の金字塔「総長賭博」も最後は「主語がおれ」の暴力を炸裂させる。この論文にもあるが、最後まで任侠道に縛られて苦悶していた鶴田浩二が、悪い叔父貴分の金子信雄に「任侠道か……そんなもんおれにはねえ! おれは、タダの、人殺しだ!」と言い放ち、ドスを突き刺すのである。もうたまりませんよ。
今は「みんなのための暴力」という感じがする。てめえでケツを拭かない暴力。主語がめちゃくちゃ希薄で、人を殺しさえしたけれど、ラストは感動的な音楽をバックに恋人と抱き合ったりする感じ。とても忌まわしい歪な臭いのする暴力だ。私は大嫌いだけど「デスノート」で少しばかり共感できたのは、はっきりと「主語がおれ」で、「おれが殺す」という姿勢が明確だったところだろう。「被害者の気持ちになってみろ!」(どうせ野次馬根性でテレビやネットで聞きかじった程度しか知らねえくせに)とか「国民が」「世論が」みたいな主語のないゴーストばかりが溢れている時代では、返って「みんながどうしたってんだ。おれはおれだ」という作品が受けることを証明してくれた。
さてそんなわけで深作欣二特集である。究極の「おれ映画」である「仁義の墓場」も上映される。清冽で正直な暴力映画が揃ったこのイベント。決して見逃すなかれ。
坂本
2008/01/19 13:03
特になし。
FUKAMACHI
2008/01/19 13:44
せっかく東京芸大にいるのに? もったいない。









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