深町秋生の序二段日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2009-04-26 老いてますます悩む。至高の作品「グラン・トリノ」

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ミリオンダラー・ベイビー [DVD]

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硫黄島からの手紙 [DVD]

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ダーティハリー 特別版 [DVD]

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http://wwws.warnerbros.co.jp/grantorino/#/top(「グラン・トリノ公式サイト


昨日公開の「グラン・トリノ」今年ナンバー1映画かも。魂が震えた。


それぐらいすばらしい。なによりも気高さを感じさせる。イーストウッド映画の代表的作品の一つとして記憶されるだろう。


チェンジリング」、硫黄島二部作と大金が動く作品が続いたが、「グラン・トリノ」はびっくりするぐらいに金がかかってない(笑)。有名スターといえばイーストウッド自身であり、あとおもに登場するのはほぼアマチュアのアジア系の若者、それにモン族の人々である。舞台は、デトロイトの元中流階級向けの住宅街であり、貧しい移民が住みついた現スラム地域である。衰退するアメリカを象徴するような場所だ。


ミリオンダラー・ベイビー」以来、久々に俳優イーストウッドが帰ってきたわけだが、これがとにかくすごい。イーストウッド78歳。でも悪いチンピラをしばき倒す姿はまだまだ現役である。


ちょっと前に千葉真一(あの芸名、常軌を逸している)が暴力事件を起こし、それを知った私は「いやあ、やっぱ60すぎても人を殴れる男でありたいなあ」とつくづく思ったけれど、イーストウッド78歳である。ライフル&拳銃を突きつけ、調子こいた米食い虫&クロ(ナッチの迷訳が光る)を超怖い顔で追っ払う姿はしびれるぐらいにかっこいい。あと10作ぐらい俳優もやってほしい。


偏屈で子供や孫から愛想をつかされたポーランド系の老人コワルスキーアメリカの繁栄とともに歩んできたおそろしいくらいにステロタイプな保守じいさんである。芝を美しく刈り(これぞ男の仕事!)、フォードの工員だった自分を誇るかのようにヴィンテージカーのグラン・トリノを磨き上げ、それらをうっとりと眺めながらビールをすする。人気コメディアニメキング・オブ・ザ・ヒル」のテキサス主人公ハンクを地で行くような感じ。アメリカンブルーカラーの生きた見本みたいな男でもある。


いろいろあって隣に住んでいるモン族の青年タオやその家族と徐々にコミュニケーションを取るようになる。だが一家は日ごろから、同じモン族のアメリカナイズされた非道チンピラたちに嫌がらせを受けていたのだった。アメリカンマッチョ主義に乗っ取ってコワルスキーはチンピラをぶっちめてみるものの……。そして老境イーストウッド流の衝撃的オチが待っているのだったという物語


すでにいろんなところで語られているが、あと40年ぐらいするとアメリカは白人の国ではなくなるらしい。大統領もすでに黒人。これから新しくアメリカを構成していく新しい民族に対して、白人が死守してきた美しき(ある種滑稽ともいえる)アメリカ魂を受け継がせるという、今回も本当に頑迷なアメリカ白人が見たら怒りだすようなきな臭い内容だが、アメリカ本国では大ヒットを飛ばしている。白人層のなかでも新興かつ被差別なポーランド系の主人公というのがおもしろい。そして彼の数少ない友人は同じく被差別白人のイタリア系とアイルランド系というのもおもしろい。むしろ後からやって来た移民であるがゆえに、よりアメリカ人たらんという意識が働くのだ。


その昔日本車をハンマーで潰していたような右翼的な自動車工などもいたく感動したらしいと、文藝春秋に寄稿した町山さんのレポートに書いてあった。暴力で敵を屈服させてきたアメリカヒーローとしてのキャリアを否定するかのような主張もすごい。


それにしてもイーストウッド78歳の色気はどうだ。まだまだおそろしいまでの存在感。老いてますます盛んという感じだ。アメリカン黄忠。彼をそうさせているのは、ひたすら現実を見続けるその真摯な姿勢にあるだろう。富と名声をこれ以上にないくらいにゲットしながら、まだまだ苦悩することをやめようとはしない。やめるそぶりさえ見せていない。暴力という手段に懐疑的になり、一見すると日よったかのように見えるが、けっしてそうではない。ファイティング・スピリットにあふれている。


正直なところ、老境にさしかかった映画監督の作品ほど迷惑なものはない。自分が気持ちよくなるために作ったり、自分の青春期というファンタジーに逃げんだり(むろんありもしなかった事実をでっちあげて悦に入る)、「もう自分は関係ないもんね」とすっかり能天気になったり、下の世代を上から目線で見下したりと、まだまだ現実と格闘しなければならない若い世代からするとむかつくことこの上なかったりする。パンフレットに寄稿している某監督のやつとか。


「まだ人間として学ばなければならないことはたくさんある」とイーストウッドはインタビューで答えている。この謙虚さと、世間をカッカさせる欲張りな炎上パワーが、イーストウッドを未だ最前線の一流映画人にさせているのだろう。洋画不況のせいか観客はガラガラだったが、自分を含めた観客ほぼ全員が男泣きしていたことも書いておく。絶対に映画館に走ってほしい一本だ。


ラストの海の情景が美しい……と思ったが、舞台デトロイトだったのを考えるとあれは五大湖か。


関連サイト


http://d.hatena.ne.jp/samurai_kung_fu/20090427#p1(言う事が無いので関係のありそうな話をいくつか「グラン・トリノ」)


2009-04-24 奇声には癒し効果が。

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このDVDに「シンゴー、シンゴー」「バーカ、バーカ」「アイャァァ」という音声が入ってるらしいという噂だ。むろん嘘だ。


まあ土日ゆっくり休んで、来週から仕事したらよかろう。そうもいかないのか……。


しかしアイドルのためならポリだろうと大臣だろうと容赦しないことがわかった。ジャニファンは無敵だ。右翼の街宣車にもきっと勝てるであろう。うなる植木バチ。朝青龍より強いかもな。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090424-00000044-maiall-ent(謝罪会見詳報(2)慎吾とパンツ一枚になったことはある(毎日新聞) )


なんだこの見出し。またZAKか東スポあたりかと思ったら毎日新聞だった。大丈夫か。社会の木鐸ってのはこういうことなのか。


http://qa.cyzo.com/qa4905536.html鳩山はんの発言許せないわ!ツヨポンに謝罪してもらいたいわ - サイゾー質問箱)


おれも同意する。鳩山はんはちゃんとツヨポンの顔見て謝罪してもらいたいですな。ん? なんだ? ツヨポン? なんかヒロポンみたいな名前だ……だから家宅捜索したのか?


追記。http://www.sanspo.com/geino/news/090425/gng0904250506009-n1.htm(草なぎ、叫んだ「若者よ、我が道を行け」 (1/2ページ) - 芸能 - SANSPO.COM


つい先日まで草食系男子ナンバー1と言われていた彼氏が、もはや大仁田のような高カロリー系のカリスマと化しつつあるのがおかしい。とことん我が道を行った男に今日も乾杯だ。


関連サイト

http://d.hatena.ne.jp/S2D2/20090424/p1(やっと『レッドクリフ 2』を観た - Same Shit Different Day)

http://www.the-journal.jp/contents/yamaguchi/2009/04/post_63.html(草序イ剛「全裸で逮捕」報道への違和感 山口一臣の「ダメだめ編集長日記」)

http://ameblo.jp/dewisukarno/entry-10245914101.html警視庁の発表は違います!|デヴィ夫人オフィシャルブログ「デヴィの独り言 独断と偏見」)

26世紀青年 [DVD]

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2009-04-23 一杯おごるぜ、草なぎメンバー

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この瞬間(とき)、きっと夢じゃない

この瞬間(とき)、きっと夢じゃない

SMAP お宝フォトBOOK Festivo! [RECO BOOKS]

SMAP お宝フォトBOOK Festivo! [RECO BOOKS]


http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090423/crm0904230940006-n1.htm(【SMAP草なぎ逮捕】1人で全裸、「裸になって何が悪い」 (1/2ページ) - MSN産経ニュース

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090423-00000530-san-soci(草なぎ容疑者、手足ばたつかせ抵抗 シートにくるんで移送(産経新聞) - Yahoo!ニュース


やるじゃない!!


草なぎ君、おれはお前が好きなったぞ!!


http://d.hatena.ne.jp/tvhumazu/20090322/p1草なぎ剛がハマッた「レトロゲーム」激アツ発言集 - はてなテレビの土踏まず


かなりガチなゲーオタだと知ったときから気にはなっていたが、ロハで赤坂の住民たちにお宝ヌードを披露するとは。尾崎みたいね。見直した。「裸になって何が悪い」とは至言である。その通りだ。 


しかし婦警ビーター稲垣とちがって、テレビでは早口ラッパートゥイスタも裸足で逃げ出すほど「容疑者、容疑者」と光速で連呼してるのだけれどこれは一体なんなのだろう。それが今のスマップの影響力を示しているのか。それともやっぱり草なぎ君だからだろうか。夕方くらいから草なぎメンバーという呼称に変わるかな。


それにしても彼、酒乱だったのか。今までコンビニ棚にあるタブー本を山ほど読んできたけれど、彼が酒乱だという情報を目にしたことはなかった。顔を韓国でいじったというのは見たことあるけど。


また産経の「手足ばたつかせ抵抗」とかいう下世話な追加記事がいい。東スポプロレス記事みたいだ。「マサ斉藤、アメリカンポリスをちぎっては投げ」みたいな。


ジャニーズ事務所に春のチン事」という見出しがどっかの雑誌に登場するに100ペリカ賭けたい。しかし泥酔して全裸になって暴れなきゃならんほど芸能界というのはハードな仕事なのであろう。かの事務所だととくに。


追記。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090423-00000595-san-ent(草なぎ容疑者、逮捕時に「シンゴー、シンゴー」と絶叫 産経新聞


産経飛ばすなあ。うるわしきユニット愛。


http://www.asahi.com/national/update/0423/TKY200904230194.html(asahi.com朝日新聞社):草なぎ容疑者宅を捜索 警視庁、公然わいせつ容疑で)


なにこの見せしめ。普通、薬物反応があったら家宅捜索するんじゃないのか? ないのにやるなよ。暇なのか。



2009-04-21 ゼンショー 世界から飢えと貧困をなくす(笑)

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しかしなんのジョークなんだ?


http://www.asahi.com/national/update/0415/TKY200904150306.htmlasahi.com朝日新聞社):すき家ゼンショー告発した店員を告訴「飯5杯盗んだ」)

http://d.hatena.ne.jp/plummet/20090415/p2(これはあまりにもないわゼンショーすき家) - 世界の中心で左右をヲチするノケモノ 【絶対領域散華編】)


まあ恫喝以外の何者でもないくだらない手法だけれど、それにしても言うにことかいて、メシ五杯分盗んだからという江戸時代か戦後闇市時代のような内容に慄然としてしまった。すばらしきかな21世紀。


http://www.zensho.co.jp/jp/ir/investor/index.html(投資家の皆様へ | IR情報 | ゼンショー ZENSHO)


しかしそんなゼンショーグループビジョンは「世界から飢えと貧困をなくす」ことなんだと。先日見た「ウォッチメン」みたいな話である。平和のためなら戦争も辞さない。反貧困のためなら貧困も辞さない。


いやしかし笑える。そもそもお前んところが絶賛貧困生み出し中だ。まったくおちおち賄いメシも食えやしねえ。すき家の従業員は自分のところの食材には一切手をつけないほうがいいだろう。弁当持参か、よそでコンビニの弁当を買うほうがいい。吉野家松屋で食べるというのはどうか。なにしろ盗人扱いされるのだから仕方がない。とにかく安心して働けない職場であることにはまちがいないだろう。


私が生まれてから今日にいたるまでとにかく新聞やテレビでは「飽食の国、日本」という言葉をよく見かけたものだけれど、もういい加減、こういうニュースを見ると飽食の国でもなんでもないような気がする。飽食の証拠として食料の廃棄量が世界一という数字があるらしいが、それだって企業側の都合がかなり入る。セブンイレブンのような大量生産&大量廃棄(スーパーみたいに値段を下げて売ろうものなら、本部からヤクザ顔負けの嫌がらせを受ける)、野菜や肉のブランド化(ちょっとのキズモノも全部廃棄)といった生産側や流通側の事情が絡む。消費者のモラルが下がって、食物をぞんざいに扱うようになったのも事実だろうが、大手の流通&小売店が生み出す廃棄量というのはそりゃすさまじいもので、メディアはどうもそういうのはスルーして、「食べ物を大切にしろ!」と消費者にばかりモラルを要求しているような気がする。ACとか本当にうるさい。あと関係ないけど、映画館で毎度流す映画泥棒なるCMを作ったやつら全員が早くくたばることを祈る。


貧困をなくすために、ゼンショーグループは「その実現のためには、『フード業世界一』にならなければなりません」と大きく出ている。いやいやなるほど、おれもその高尚な理念につきあうこととしよう。マクドナルドも撤退する貧乏タウン南陽市には吉野家もないのだけれど、なぜかすき家だけはあるのだった。だけどまずは貧困をなくすための一歩として誓うことにする。



お前んところの奴隷牛丼なんか絶対に食うものか!! 反吐がでるぜ、くそったれどもめ!!


セブン‐イレブンの正体

セブン‐イレブンの正体

2009-04-17 人生ポジティブやで。

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http://www.sakuranbo.co.jp/special/narou/011.html(「小説家ライター)になろう講座」だより・・・vol.11 さくらんぼテレビ


山形市でやっている小説家講座の3月の模様が、後援してくださっているさくらんぼテレビのページにアップされている。


私の師匠にあたる文芸評論家池上冬樹氏と二人で講師を務めております。


講義の後半で私が池上氏にインタビューを試みております。知り合って十年くらいになるけれど、評論家だからなのか他人のことには饒舌になるけれど、あまり自分のことに関しては喋らない方で、知らないことが山とあったので、これ幸いといろいろ訊いてみました。


あと今年はAVの単体女優よろしく、どんどんポジティブに露出していこうと思う。おれも「とくダネ!」とかで喋りたいぜ。むろん海堂さんに対する嫌味である。ははは。打倒id:merecoid:kokoroshaid:heimin


あとミリオン出版ムック本「怖い噂」に、とにかくすっげーこわい本というのを一冊ちょこっと紹介してます。あと明日の山形新聞にいつもどおり映画評を書いてます。今回は鶴田浩二の「総長賭博」についてです。


http://www.sakuranbo.co.jp/special/bungaku/09info.htmlさくらんぼ文学賞


ちなみにさくらんぼテレビでは文学賞もやっています。女性オンリー。80枚くらいの作品で賞金100万円と高級さくらんぼがもらえるのであった。


マーダー・ウォッチャー 殺人大パニック!! (洋泉社MOOK 別冊映画秘宝)

マーダー・ウォッチャー 殺人大パニック!! (洋泉社MOOK 別冊映画秘宝)


こちらもよろしく。しかし取りとめもないエントリだ。たまにはこんな日があっていいはずだ。うん。

2009-04-15 失敗エンターテイメント「プロレス下流地帯」

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プロレス 下流地帯 (別冊宝島 1599 ノンフィクション)

プロレス 下流地帯 (別冊宝島 1599 ノンフィクション)

プロレススーパースター列伝 (10) (講談社漫画文庫)

プロレススーパースター列伝 (10) (講談社漫画文庫)


プロレスラーの失敗はなぜこうも面白いのだろうか。


宝島社ムック本「プロレス下流地帯」はプロレス氷河期時代における墓場荒らしみたいな内容でとてもおもしろかった。売り切れ&大増刷がなされたらしいのだが、プロレスファンとしては複雑な心境である。


今回は、「堅実経営」「プロレス界の盟主」と言われたノアの凋落を取り上げていた。テレビ中継の打ち切りと、やることなすことが堅実というよりただの中途半端で終わっている現状と、深刻な内部抗争を取り上げていた。


また養豚場で働く安田(作業服が板についている)や首を切られた新日の田山レフェリーの告白、道場すら持てないゼロワンの苦境を語るジュニア戦士高岩のインタビューなどが胸を打つ。


しかし何と言ってもおもしろすぎたのは試合よりも団体経営自体がスペクタクルすぎてファンにはこたえられなかった長州のWJだ。経営の中心人物で90年代新日黄金期を築いた永島勝司の著書に基づいた劇画が最高すぎるのであった。「プロレススーパースター列伝」でおなじみの原田久仁信が、まるで梶原一騎の霊が乗り移ったかのように、体言止めとエクスクラメーションを多用しながら物語を盛り上げている。「天下の長州コンビニ弁当うどんをすする毎日!」「まさに時代錯誤! 目ン玉飛び出る金銭感覚!」これですよ、これ。


平成仕掛人」と呼ばれ、天才的な企画力を持ち合わせていた永島であったが、自分の気に入った人物と手が合うプロレスをしたがる仲良しサークル的性格の長州とではすれ違いを起こすばかり。(旗揚げの目玉であった天龍長州6連戦というマッチメイク自体、すでにファンには大いに疑問であった。お互いに全盛期をすぎていたのは明らかであり、おまけに天龍長州が大の仲良しであるのもファンはみんな知っていたため、盛り上がるわけがなかった)、いくら世間を驚かすような企画を持ち込んでも長州は首を横に振るばかりであった。


カ、カテエ……!! まるで溶岩石みたいに凝り固まった長州の頭!!


とやはり体言止めによる苦悩のほとばしりが本書のハイライトかもしれない。WJといえば、北海道の実業家から引き出した金を湯水のごとく使い、旗揚げ前にすってんてんになるという度し難い金銭感覚で知られていたが、まだ準備段階から屋形船を借り切ってド派手な忘年会をやり、参加者全員に1個2万円する夕張メロンをおみやげに配ったとか、社長用の車にセルシオ、巡業バスやトラックもキャッシュでぽんと購入というディテールが強烈である。普通の会社の経営話というのは、べつにおもしろいわけではないのだけれど、なぜかプロレス団体の経営となると、そこいらの大河ドラマよりドラマチックになるのが不思議である。


しかしプロレス界における失敗とは常に成功と表裏一対であった。その昔、長州と藤波が名勝負を繰り広げ、タイガーマスク四次元殺法で大ブレイク。一大新日ブームが起きたものの、経営者である猪木は稼いだ金をみんな得体の知れない永久機関とかエコ事業に使い、せっかくの至宝である長州タイガーマスクから三行半をつきつけられる羽目に。しかしそうした土壇場があったおかげで前田高田越中といった次世代の若手が急成長を遂げ(嫌でも成長せざるを得ないような奈落の底に突き落とされる)、また闘魂三銃士の活躍に繋がったのだ。トップがデタラメだと返って、下の人間が奮起するという化学反応が起きるのである。


これは馬場率いる全日本でも同じであり、天龍が多くの選手を率いて大量離脱し(馬場のシブチン&外国人、鶴田びいき&ターザン山本の暗躍などなどが原因といわれる)、存亡の危機に陥ったが、若き天才三沢や川田を大胆に起用し、鶴田や田上と熾烈な抗争を繰り広げさせて大ブームに転じたのだった。のほほんとした鶴田が、プロレスの鬼となって超世代軍の若者をこてんぱんに痛めつける姿が強烈であった。


新時代を担う中嶋勝彦のめざましい活躍も、最初に下駄を預けたのがWJだったという悪夢的経験が効を奏したのかもしれない。プロレスを覆う冬の時代が続いているが、絶対に潰れるであろうと思っていた新日が逆に盛り返してきたことを考えると、この厳しさが成功への露払いになるはずだと信じたい。カ、カテエ……!!


関連エントリ


http://d.hatena.ne.jp/washburn1975/20090412(地獄のど真ん中 - 男の魂に火をつけろ!)

http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/wres/1235786589/2ちゃんねる カ・・・カテエ・・・・・!!)




凶獣―側近の見たアントニオ猪木の嘘と真実

凶獣―側近の見たアントニオ猪木の嘘と真実

2009-04-11 我が故郷山形の1位

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味いちもんめ 11 (ビッグコミックス)

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おくりびと [DVD]

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郷土が好き!


とやたらとアピールする人が、このはてな界隈でもいて、たいへん暑苦しいのだけれど(そのくせ地元にたいして友達がいなくて、なにか嬉しいことがあると、「祝ってください」とわざわざネットを通じて訴えかけてくる)、それに便乗して私も郷土愛を叫んでみようと思う。


どうしてこんなことを思い立ったかというと、今日の山形新聞に「裁判員で選ばれる確率がもっとも低い」という記事があったからだった。


裁判員に選ばれる確率は全国平均で5590人に1人。山形では17460人に1人なのだそうな。めちゃくちゃ低い。正直なところ、山形にいる限りまず選ばれることはないだろう。交通事故でどかどか人は死ぬものの、たしかに殺人のような凶悪事件はそれほど起こらない。最近起きた事件といっても、介護に疲れ果てて親を殺害してしまったというケースがあるぐらいだ。ちなみに高確率1位は大阪で2921人に1人。ついで福岡の3105人に1人である。5〜6倍の差だ。


http://d.hatena.ne.jp/FUKAMACHI/20070923山形と郷土食と暗い遊び)


前にもこういうエントリを書いたのだけれど、こんにゃく、サトイモ、しょう油、ラーメンきゅうり茄子の一世帯あたりの消費支出額が日本一なのだという。まあこんにゃくきゅうり茄子、あとはまあラーメンも入るか。要はオナるのが好きな県民ということなのだけれど、山形のフリーペーパー「gatta!」によると、ケーキも1位なのだという。一世帯あたりのケーキ年間購入金額が9440円なのだそうな。プリンが2位。チョコレートが5位。そうとう甘いもの好きだ。


一世帯あたりの車の所有数も山形が1位だったと思う。モータリゼーションばりばりで甘いもの好きということで、かなりアメリカナイズされた土地といえる。ちなみに17歳男女の痩身傾向児の出現率はワースト1位。やっぱりというか、肥満度がかなり高いのもアメリカン。


ちなみに睡眠時間の長さも1位(もっとも睡眠時間が短いのは神奈川なのだそうな。深夜までやってそうなシネコンがいっぱいあるからか?)である。


こうした統計はけっこう好きだ。統計もまあけっこういい加減なものだけれど、少なくとも血液型みたいに無根拠なものではなく、それなりに根拠はある。話のネタになるであろう。


じゃあ山形というのは相当変わった土地なのかというと、別にそうではなく、どこの県だって三つや四つはなにかしら1位になっているものがあると思う。香川は当然うどんの消費量が1位であり、兵庫(というか神戸)はパンが1位である。1位になるだけあって、やっぱりおいしい。


町の風景自体はべつに山形長野山梨群馬も変わらなかったりする。どこも盆地で死ぬほど夏は暑く、冬は寒く、周囲は山だらけ。街はイオンダイナム青山幸楽苑という感じ。だいたいどこへ行っても似たような感じだ。しかしそうは言っても、こうした統計を見てみると、人々の嗜好や生活スタイルの違いが浮かび上がって愉しい。「官民一体となって盛り上がろう」といった町おこし独特の即席感があまり好きになれないけれど(どこに行ってもおもしろみのない県産ワインがあったりとか)、それらとは違って、きちんと地に足のついた県民性みたいなものを感じさせてくれる。視覚自体はどこも似たり寄ったりだけれど、自分の地元に関する「数字」を追ってみると、ちょっとは愛着がわいてくるという、めずらしくポジティブなエントリを書いてみました。人生ポジティブや。アムウェイやで。


参照サイト

http://d.hatena.ne.jp/throwS/20080402(マトモ亭 「ポストマン」を観たっす)

http://yamu.deko8.jp/(山形市の街並み 写真が毎度美しい)


たそがれ清兵衛 [DVD]

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シンセミア〈1〉 (朝日文庫)

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2009-04-08 マーダー・ウォッチャー「殺人大パニック!!」

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毎度おなじみ、柳下毅一郎氏監修の洋泉社ムック、マーダー・ウオッチャーシリーズの新刊が発売される。


デザインは私の「東京デッドクルージング」も手がけてくださったサタニスト高橋ヨシキ所長である。


毎回、取次から嫌がられているという噂もちらほら耳にする凶悪なシリーズだが、今回はあのコロンバインからちょうど10年ということで、発売日も事件が発生した4月20日に設定(総統の誕生日でもある)。もちろん今回の目玉はコロンバイン高校乱射事件特集である。改めてスクールシューティングとはなにかを取り上げております。


私もスクールシューティングと聞くと、じっとしていられず「我が心のコロンバイン」と題したコラムを寄稿しております。(私の友人や家族は読まないでください。書いといてなんだけれど正直嫌です。)


しかしこのマーダー・ウォッチャーシリーズだが、毎回出る直前になって凶悪な事件が発生するのだけれど(前回は厚生省元次官殺傷事件。その前は秋葉原通り魔事件)、今回もドイツでド派手すぎるスクールシューティングが発生。本場アメリカでもそれに負けじと移民支援団体事務所が襲撃されて大量殺戮……編集部Tさんが慌ててページを組むという作業が毎度続いている。ますます不気味な因果力を持つ物騒なムック本。ぜひ手にとっていただきたい。


明治・大正・昭和・平成 実録殺人事件がわかる本 (洋泉社MOOK 別冊映画秘宝)

明治・大正・昭和・平成 実録殺人事件がわかる本 (洋泉社MOOK 別冊映画秘宝)

実録 この殺人はすごい! (洋泉社MOOK 別冊映画秘宝)

実録 この殺人はすごい! (洋泉社MOOK 別冊映画秘宝)

ZERO HOUR:コロンバイン高校銃乱射事件 [DVD]

ZERO HOUR:コロンバイン高校銃乱射事件 [DVD]

2009-04-06 CM最下層の世界

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タモリ

タモリ


タモリが消費者金融のCMに!


http://d.hatena.ne.jp/gotanda6/20090403/tamoriタモリサラ金CM B面犬にかぶらせろ!)

http://www.cyzo.com/2009/04/post_1798.html(アコムCM出演で失望? タモリの既存イメージと「タモリ的なるもの」 日刊サイゾー


というわけで、いろいろと賑々しいのだけれど、先日のタモリ倶楽部ではそのタモリが登場するアコムが唯一のスポンサーのようだった。タモリ倶楽部ほどの人気番組でもスポンサーがつかず、今回のCM登場と相成ったのかなと適当なことを思ってしまった。いやだって50年続いた日テレプロレス中継もスポンサーがつかずに終了し、TBSの人気ラジオ番組ストリームもスポンサーがつかずに終わってしまった。(人気なのに終了せざるを得ないってのはメディアのあり方として、かなり終わってると思う)タモリ倶楽部も当たり前のように続くもんだと思って、毎週ぼんやりと見ていたけれど、けっこう危なかったんじゃないのかなと。


さてテレビのCMの貧乏臭さを見るかぎり、もうすぐあれだ、消費者金融のCMをあれだけやるのだから、あれのCMもやるんじゃないのかなあと思った。以前こういうエントリを描いた。


http://d.hatena.ne.jp/FUKAMACHI/20080311東京電車。現実と虚構の狭間で)


で、地下鉄広告にうんざりしたという話なのだけれど、二年前くらいの東京テレビCMといえばかなり調子こいてたものがあったらしく、ディカプリオ(「ニシアライ」とタイタニック男が東京足立区の地名を口にしたらしい)やマドンナマンション販売のCMキャラとして登場していたのだそうな。バブル感爆発という感じで、また「ハウスマヌカン」とか「マハラジャ」とか「オールナイトフジ」とか「投げる不動産王」といったおもしろ単語を口にする時代が来るのかなあとわくわくしてたけれど、すっかりそんな空気は吹き飛んでしまったようだ。東京スカイツリーとか、墨田区押上の開発はどうなるのだろう。



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f:id:FUKAMACHI:20090406105836j:image



http://www.hayamiz.jp/2007/03/post_24e7.html東京湾マンション族、話題のマドンナ・マンション。画像は犬株さんとこからパクった)



で、地下鉄広告では高級マンション販売の隣に、自己破産や多重債務の相談広告がずらっと並んでいたものだけれど、あれもテレビでそのうち解禁される時代が来るんじゃないだろうか。「お任せください」とエネルギッシュな司法書士とかがにっこり微笑んでるような感じの。これだけ不景気だとさぞや自己破産&債務整理マーケットは活況を呈しているのではないかと思う。


タモリが出たことで消費者金融CMの垣根がまた一段と下がったような気がするけれど、自己破産や多重債務相談CMにも芸能人が起用されたらおもしろいかなと思った。たとえば貧乏を売りにしている岸部シローや、借金だらけの小室哲哉などが登場して「ぼくらと一緒に頑張りましょう」と訴えかける共感型。あるいはみのもんたや島田紳介みたいなギラギラ男が「心配せんでもええねん。任せんかい」といったことを語りかけるパワーエリート指導者型。あるいはやっぱり今のサラ金と同じで中川翔子風のかわいいおねえちゃんが「ご利用は(今度こそ)計画的にね」と笑いかける安心型。広告クリエイターきどりでいろいろ考えてしまったのだった。まあいろんなパターンがあったところで、そのCMの対象者が歩む道はごくごく限られているのだけれど。


あと宇多丸氏の番組「第三会議室」だっただろうか、「島田紳介と和田アキ子なんてコワモテ両巨頭を起用するリーブ21は絶対にマトモな会社じゃないよな」と言ってて大笑いした覚えがある。最近はCMで社長が堂々と登場するのだけれど、うん、なるほど、あの人ぜったい盃交わしてるよね。どこかと。



試練が人を磨く 桑田真澄という生き方 (扶桑社文庫 く 8-1)

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闇金ウシジマくん 12 (12) (ビッグコミックス)

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追記


そうか……普通にあるんだな……。



D



うーんファンシー



D



こちらはAC風シリアスCM。うーん、身が引き締まるぜ。

2009-04-02 鋼鉄の情交と陶酔。昭和東京爆走映画「ヘアピン・サーカス」

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ヘアピン・サーカス [DVD]

ヘアピン・サーカス [DVD]


いやあ、こんな映画があったのだなあ。五木寛之原作の東宝カーチェイス映画ヘアピンサーカス」(72年)である。


オフ会で真魚八重子さん(id:anutpanna)に会うたび、なんだかブラックカレーにはまってしまったグルメ客みたいなうっとりとした表情で「ヘアピンサーカス……ヘアピンサーカス……深町さん、見たほうがいいよ……」と勧められてかなり当惑したのだけれど(むろん嘘であって、普通に勧められた)、なにより信頼できる目をもった人なので買って見たのだけれど、なるほどこれはおもしろい。見終わってからまた再び再生ボタンを押して、猛スピードで流れていく昭和首都高アーバン風景を見つめていた。できれば暗闇に包まれた映画館の大スクリーンで見たかったなとも思った。


http://www.mandarake.co.jp/information/column/iwai/food/043/index.htmlブラックカレーについてはこちらが詳しい)


俺たちに明日はない」や「バニシング・ポイント」といったアメリカン・ニューシネマの影響を強く受けており、ドラマはあくまで簡潔。そのかわり当時屈指の高級マッスルカーでもって首都高や都内の道路を好き放題に爆走(大半はポリの許可なんか得ていないゲリラ撮影)、勝手極まる公道レースをたっぷりと見せてくれる。普通にトラックやタクシーが走行しているところを150キロぐらいでびゅんびゅん駆け抜けていく様は、「犯罪の映画」ではなく「映画の犯罪」と化しており、観客はリアル道交法違反を目撃することとなる。当時の関係者たちは「どうせ申請したって、撮影許可なんか降りねえんだから、黙って撮ったほうがいいに決まってるだろ」と素敵なアティテュードを持っていた。


大排気量のマッスルカーで公道レースというと、いつの間にか「田舎者ヤンキーDQNの遊び」と相場が決まってしまったが(音楽はもっぱらトランス)、こちらはクレイジーケンバンド世界を地で行くような都会的世界感で貫かれている。


競り合いのすえにライバルを事故死させてしまい、レースの世界から足を洗った島尾は、妻子を養うために教習所の個人指導員として平凡な毎日をすごしている。しかしある日、教え子である金持ち娘の美樹が夜な夜な悪友のボーイフレンドたちを従えて危険な公道レースを行っていることを知る。おてんばお嬢さまである美樹はたぐいまれなレーシングの才能を持っていた。それゆえレースの怖さを知らず、元レーサーである主人公に対して挑発する。「こうなったら見過ごせない。この危険な暴走を止めなくては」と主人公は公道レースに参加し、同時に忘れかけていたレーサーとしての情熱を取り戻すのである。


この過激なカーチェイス映画の主役に起用されたのは俳優ではなく、トヨタの現役レーサーであった見崎清志。俳優ではないため、当然演技自体はお世辞にもうまいとはいえないが、クールかつ悲しみを抱えた佇まいは色気たっぷりであり、まるで市川雷蔵のよう。そんな彼に魅了されているからこそ、挑発行為を繰り返すツンデレお嬢様美樹を演じる江夏夕子のギラギラとした熱っぽい瞳がいい。氷と炎のぶつかり合いという感じ。


長い長い公道レースの果てに、島尾と美樹は二人きりのデッドヒートを繰り広げる。菊池雅章の即興的なジャズと超高級車トヨタ2000GTの轟くような大排気音が絡みあう。深夜の街のネオンと青みがかった街灯があまりに美しい。下手なベッドシーンなどよりもよほど官能的であり、夜の首都高をベッドにして、鋼鉄のマシンを介して激しく二人は交わるのだ。これがいつまでもいつまでも見ていたいと思わせるほど濃厚であり、見る者に麻薬的な陶酔を与えてくれる。「でもやるんだよ!」という製作スタッフたちのど根性と、東宝らしい洗練された都会感覚が見事に融合している。


そんな観客の恍惚をあっさりと砕く仰天もののオチが用意されているのがいかにもニューシネマ。高度成長期特有のはみ出し者に対する温かな視点や、アウトローな若者たちの爆発的なエネルギーを見せつけられると、あの時代を生きた人間に対して激しい嫉妬心を抱いてしまう。こういう昭和は本当にいいよなあと思う。うっとりする。こちらも必見だ。イイね!(剣さん風に)


クレイジー・ケン・バンドベスト Oldies but Goodies

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俺たちに明日はない [DVD]

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