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2010-10-27
竹内けん『ハーレムジェネラル』
二次元ドリーム文庫のハーレム路線を形作った竹内けんのハーレムシリーズは、同文庫の看板シリーズで、売上累計95万部だそうです。シリーズは20冊くらい(ノベルスの陵辱系を入れるかで数が変わる)出てますから、割り算すると約5万部。一般ラノベなら、アニメ化が見えてもおかしくない数字ですな。
富士見(超解○○)か電撃(○○ノ全テ)のラノベのごとく、公式ガイドブックなんてものまで出ました。
10月発売のシリーズ最新刊『ハーレムジェネラル』は、砂漠の国、フレイア王国が舞台。
ほぼ全編が、西方半島を統一したフルセン王国と、フレイア王国の間で戦われる“ターラキア戦役”を取り扱っています。
『ハーレムレジスタンス』主人公、フルセン王国のエルフィン君は、フレイア王国に侵攻しました。戦争を始めた理由は、指導力強化のために対外的勝利が欲しくなったとか、国が貧乏なのでちょっと化石(魔法の触媒として高く売れる)を掘りにいったとか、そんなしょうもない理由のようです。
冷徹な政治家であり卓越した戦術家でもあるエルフィン君に、立ちふさがるのが今回の『ハーレムジェネラル』の主人公、王族将軍リュシアン。自称…もとい人呼んで不死身のリュシアンだ。
「目先の勝利」が欲しいエルフィン君の勝利条件は以下の3つ。
1:王族であるリュシアン将軍の捕縛
2:国境沿いの重要拠点エバーグリーン城の占領
3:フレイア王国野戦軍の殲滅
このどれかを達成すれば、国内的にも対外的にも勝利を主張できることでしょう。
エルフィン君は次々と戦術的勝利を重ねながら、これら勝利条件の達成に尽く失敗します。
1:まず緒戦。フレイア軍主力を一蹴したついでに、後方で遊軍となっていたリュシアンの部隊に攻撃をしかけると、事も有ろうに一戦も交える前から部隊を解散してとんずらこかれた。
2:エバーグリーン城を占領すべく攻囲を始めると、部隊を再編したリュシアンが補給線をちくちく攻め立て始める。簡単に追い散らせるのだが、非常にうざい。
3:支隊を編成してフレイア軍を南方に釣り出した。伏兵をもって殲滅…する寸前で、リュシアンが総予備を投入して解囲を図る。またしても決定的勝利は得られなかった。
4:軍主力を率いていたダングラール将軍は負傷退場、リュシアンはなんと総大将だ。補給の尽きて撤収を始めたフルセン軍に、珍しくやる気を出して追撃戦を仕掛けてきた上、フルセン王国再興以前からエルフィンに仕えてきたロックス将軍が討ち取られた。
こうしてフルセン軍の視点で見てみると、勝って勝って勝ちまくって、ピュロスの勝利を積み上げた末に追い詰められていくさまがよくわかるのではないでしょうか。
ええ、嘘は書いてませんよ、嘘は。
実際の本文は、リュシアンの側、フレイア王国サイドの視点で書かれています。エルフィン君の姿は登場すらしません。名前はいっぱい出てくるんですけどねえ。
フルセン側の視点で見るとまるで名将のようなリュシアン君の実態はというと、真面目に将軍職やる気なくて、戦略眼だけやたら冴えてる、食えない奴。シリーズにこれまでいそうでいませんでしたね、ジャスティ・ウエキ・タイラーみたいなタイプ。
ハーレムシリーズの主人公なんで、もちろん色事も大好きってーか、それだけが取り柄っつー扱いで、副官のおねーさんも、護衛隊長も、お目付け役も、同僚ってか先輩格の女将軍もみんな食べちゃう。
リュシアンはいつものハーレムシリーズ同様に(というかそれ以上に)能天気なハーレムライフを送っております。美人とエッチする片手間に戦争をして、フルセン軍を追い返してしまうのです。いやあ、エルフィン君涙目ですね!






はっきりいって『レジスタンス』から入った自分から見ても「シリーズ最高傑作」と思う作品ですね。
まさに「このシリーズならでは」という意味においても過去最高というか。
ただし結局この国にはいられなくなったわけで、最終的にはヒルクルスこそが最高の「漁夫の利」を得たことになるのか。
もちろんこの「五年後」が舞台の『ジェネシス』に姿が見えなかったことからしても、彼がそのままドモスに留まったのかはまだ不明ですが、出来るなら続編としての『ジェネラル2』は見たいというか。
同じ「亡命王子」でも、タイプ的に全く逆のヒルクルスとの掛け合いはまさに最高なだけに。
前に私が言った「フレイア王国の化石をどう金に替えるのか」という問題が今回の『ジェネラル』作中で描かれてました。隣の国から借りた港を経由して西海経由で売りに出す。
ドモスが港を借りようっていっても絶対に二重王国の邪魔が入るし、仮に港を借りるか力づくで占領しても、その先の海にはフルセンの海軍(レジスタンスエピローグより)がいる。
たとえば、リュシアン君がドモスに行ったら、たぶん接待役は宰相候補のオルフィオで場所は妓楼っすよね。
そしたら、こんなことを訊くと思うんですよ。
妓楼には軍人以外のお客さんがくるのか(≒ドモスの民間経済に余裕ないでしょ)
ドモスの隊商に現地のおねーさんはサービスしてくれる?(通商先の対ドモス感情悪いでしょ)
ドモスには女魔法使いがいっぱいいるのか(魔法触媒加工したり使ったりするアテないでしょ)
戦略眼に優れ、夜の事情に詳しい彼ならば、おそらくカーリングの歓楽街を見ただけでドモスの経済的疲弊を感じ取れることでしょう。
シルヴィアとリュシアンの掛け合いなんて想像しただけでも……
まあ。そういう席が好きでも得意でもなさそうな、ヒルクルスはあくまで持ち場の泥水でしょうが。
あとはこの世界における「魔法触媒」の経済ウェイトについての解釈ですが、食糧すら対外依存していたはずの、フレイアの富裕ぶりから見るに、自分的には相当な「売り手市場」と解釈。
(だからこそ『ジェネシス』でも触れていたように、二重王国と対峙中においても敢えてヒルクルスに貴重な戦力を割いて、状況が不利になる前に現地を押さえさせたというか。)
また『ロイヤルガード』の内容から見ても、今まで相当「吹っ掛けられ」ていたかもしれない、シェルファニールあたりがフルセンの後ろにいても決しておかしくないという感じ。
(取り敢えずかき集めた「食えない触媒」をそちらに流して、食糧その他の緊急物資の調達を行うとか。)
そうなればドモスの最終侵攻前に採掘場込みの橋頭堡(エバーグリーン?)確保をなんとか成功させていたかも知れず、リュシアンやマージョリーがいなくなった後なら決して不可能ではないと。
(そしてその結果、彼らを手放す事態を招いたマドアスの権威はますます下がるわけで。)
とにかく、自分も応募しました、夏の大感謝フェアの特典である、ドリマガ特別版で『レジスタンス』の外伝が載る模様。
タイミング的に、おそらくはフルセン側から見ての『ジェネラル』期ということになるかもですが、願わくばその辺りの裏事情も期待というかで。
歴史とか世の動きは人の営みを元に動いているわけですから〜
とシャクティ的に言ってみる(笑)
ピュロスの勝利ですか
正に戦術的才能には恵まれたエルフィンへの上手い例えですね
ピュロスは如何動けば成功したかも興味深いですが、如何せん忍耐力に掛けるような気がします
まあ負けたり情勢的に不利になってもタレイランのような手腕を発揮出来れば現状維持も可能なんでしょうけど…
攻略して属国にする、ドモスの方針では優秀な外交手腕を持つ臣下は生まれないのではないかと
二重王国は勝って譲る、を知っているようですが
いつぞやの民主主義ですが、ドイツや合衆国での国政選挙の時にそこにいて、我が国とは違う政治風土だなぁ、と感じた感想からなんですけどね
二世議員というのも、日本的、若しくは東洋的な民主主義野ような気がします
ターラキア戦役後、再征を行えばリュシアン抜きのフレイアから国境地域を掠め取るくらいはを倒すのは難しくないでしょうが、二度目の侵攻に西方半島の諸勢力を動員するのは政治的に厳しいでしょう。
仮に国境地帯を掠め取ったとして、(労働者がいなくなったり、下手すれば爆破されてたりする)鉱山を再稼働させ、さらに採算に乗せるのにどんだけかかるかわかりませんし。
>ピュロス
ピュロスは結局、策源地から離れて補充のない状態で長期戦ってのが無理あったんですよ。
今回のエルフィン君と同じように。
>二世は東洋的‥・・
前合衆国大統領には、二世である以外の取り柄がなにかあったでしょうか。
いや、アメリカ南部は「欧米」のうちに含まれるかについて、私は真剣に疑念を抱いていますが。
>ドモス
リュシアン君一行は案外、本国派、ロシェ王子のところにいるのかもしれません。
武人肌だというロシェ及び本国派とは合わないように思えますが、人質で二重王国に行ったロシェが軍師の重要性を感じたとか理由はつかないでも。
最初のコメントで、ドモスにはフルセンの資源を利用する社会資本に乏しい、と言ってますからね
同感です
交易に生きる、ちょっと意味が違いますが、軍事や戦争に費用を掛けないという意味での小さな政府指向のパウロくんもわざわざフレイア迄進軍させ鉱山を占領するなんていう長い目で見てランニングコストの増大するような政策は取らないと思うんですが
「侵略・占領が最上なわけじゃないですから〜」
>ピュロス
せっかくの名将を持って来ながら、後は任せた、的なターラントもどうかと
シラクサ行ってもギリシャ人の性行から内輪揉めに巻き込まれちゃって…政治には興味ないピュロス王
やっぱりお付きのキュアネスくんとの会話、「今ここで(エピロス王宮、イタリア出発前)痛飲するのではいけないのでしょうか 今だって(酒の肴にする)勝戦の思い出はありますし、何より他人を傷つければ自分を傷つけられるもさけられませんから」というエピソードが印象的です
>二世
う〜ん、でも地方でも国政でも日本の二世率は異様かと
イギリスなんか国政では同選挙区はないわけですし
>ドモス
クラナリア派にしろ、ロシェ派にしろそちら側にいればリュシアンくんも手柄を立てる機会は多そうですね
彼だとドモス領域の反乱討伐も、凄惨にはならないキャライメージです(笑)
フィリックス殿下が拡大するには両大国に疲弊してもらわないとあきませんが、プリズナーで見えてきたラルフィント統一が怖いですね
バージゼルが統一したらラルフィントには8万くらいの軍勢が…
経済力と、経済力をバックボーンにした外交を対外政策の中心に据えてるパウロ君は、自軍をフレイアまで侵攻させるなんてありえないけど、誰ぞに札束くれてやって代わりにフレイアを攻めてもらうような政策は大好きだと思います。
軍隊動かすのに較べればずっと安上がりですから
>ドモスのリュシアン
リュシアン君の能力は、手柄を立てるとかより、そういう事態を未然に回避するのが本命かと。
「二重王国の侵攻目標? いまヴィーヴル以外のどこで戦争できるの、消去法で考えて」とか、
「占領地民が生意気だ? メンツくらい立ててあげなよ。自治政府でも貴族会議でも好きにやらせてやればいいでしょう。軍隊さえ押さえとけば問題ないって」とか。
その意味からすれば、シェルファニールにとっては、武力的には強大なフルセンを「活かさず殺さず」の走狗状態に置くのが最もベストかもですね。
クラナリアと違い、海を挟んでいる以上、ドモスのような大規模侵攻を受ける可能性も低いだけに、「遠隔操作」も容易と見られるだけに。
あとシェルファニールについては、オルシーニからの魔法鉱石も重要ですね。
ぺルセポネを巡って、イシュタールと二重王国が揉めているだけに、「西国同盟」の旗振役としてはどう出るか。
もっともたとえリュミネーを封鎖されても、エトルリアと翡翠海を経由すれば遠回りでも問題は無いわけで、あとはそれを他国が黙認するかどうかとなるのか。
その意味ではフルセンは内陸側のイシュタールを牽制するためのカードにも使える可能性があるだけに、もしもイシュタールが「基盤強化」のために他国の主権制限などに出た場合、それを行使するのか。
とにかく「百日戦争」時には明らかに局外だった、西方半島が重要な戦略的ファクターとして新たに浮上してきただけに、その全体的なパワーバランスの再編は必至。
その辺りの説明についても『レジスタンス』外伝には大いに期待しているところで。
コメント読めばレスがどう向かっているか分かるのでは?
とくめーさん、お手数ですが名前を書いてコメントいたただけないでしょうか
私としては不愉快なので
>パウロ
そうですよね! 交易を主体に置いた国家で、“戦争するのは馬鹿らしい”と言っていましたしね。
フルセンが海賊行為を行うのは確定で、数年も続けば国内に産業となってしまうと思うんですよ
たとえば、略奪品を買う商人や、身代金交渉のスタッフ、それらが滞在する宿etc
そうなったらなかなか止められない、と思うのですが、どうでしょうか?
関係ないけど、タコの“パウルくん”は死んじゃいましたね…
>リュシアン
その口調は確かにキャラを掴んでますが、そんな話し方したらドモスの宿将たちは怒りそうで(笑)
ジェネシスのアンサンドラのクラナリア、を見ていると、ロレントは本当に内政には興味なさそうです
よってそういう助言者を求める将が居るのか?と言うことがまずキーになっちゃいそうですね
他人宛のレスに横入りしちゃいけないってすると、ドモスの案件は陣さん宛のレスだったわけで。
ケンカなら他所でやって。
>陣さん
過程に過程を積み上げるのは二段重ねくらいまでにしときましょう。予測の精度が8割あっても3つ重ねると51.2%、7割の三乗なんて計算したくもありません。
シェルファニールにとって、同盟諸国に求めるものが少ないイシュタールは組みやすい相手です。盟主イシュタールに対してパウロ君がどう振舞うかよりも、通商国家らしい腹黒宰相を青二才の盟主が制御できるか、という観点で見たほうがいいと思います。
>ご神体さん
リュシアン君はあんな感じでしょう。自国の将軍相手にも、ああだったじゃないですか。
大丈夫ですよ、ドモスの将軍たちも「性格と能力は別物だ」と分かってくれるはずです。彼らの主君たるロレントだって若い頃から傍若無人だったし、生意気な外様言うたらヒルクルスもそうだった。
ドモスで、リュシアンの助言を求めそうな人材というと、二重王国で人質やってたロシェ王子が思い浮かびます。
リュシアンは、名誉欲や好戦性の乏しさ、それゆえの冷めた戦略眼、好色な性格、冷遇のち抜擢大活躍と、セリューンに似た能力と経歴を持っています。
小ロレントの王子様 (ロシェ)と、小セリューンの軍師(リュシアン)のコンビってのは、ハーレムシリーズの次世代キャラにふさわしいかと。
まあ、気分の問題なんで。
自国の将軍の場合は、一応王族だからってのもあると思うのですが、亡命元王子の例を出されると、そうかもって気になりますね
とはいえドモスが大きくなって10年とか経つと、よそ者意識も大きくなっているのか、とジェネシスを読むと思ってしまいます
私はイシュタールに期待しているので、できればドモスも分裂か権力争いをしないかなぁ、と
案外アッサリ決まってしまって、セリューンとかガッカリしてしまうかも(笑)
確認が遅れましたが、流石のご賢察感謝させていただきます。
それでは最後に、話を『レジスタンス』のラストの解釈にまで戻しますが、現状と比較して考えるならば、(1)ドモスとフルセンの直接激突(2)フルセンは一定の地歩を旧フレイア領内に得るが、ドモスも西海に進出する(おそらくはバロムリストの征服ないし臣従同盟化)(3)それに対抗してのフルセンの海上戦略の発動というところでしょうか。
まあ。早くても来年も後半くらいになってからのことでしょうが、とにかくまずは来月の新作と。
貴方は個別の人との関係を煩わしいと感じる傾向にあるようですので、私からは記事に対するコメは一つか二つくらいにして貰うかすれば、変な雰囲気にならずに済むと思うのですが、どうでしょうか?
ハーレム関係の掲示板を見て老婆心ながら書かずにはおれないもので
私からはこれくらいで
興味無いかもですが HOLY EMPIRE BBSとか良い参考になるやも知れません
北西部はまあそんなとこですかね。バロムリストはどうみてもドモスの攻勢限界の向こうなので、外交とか上手い手がいりそうです
>ご神体さん
ずいぶん身も蓋も無い表現を、まあそのとーりなわけですが
現在のグダグダモードに個人的には問題を感じてないんでこのままでいいかなあと
でも、ご自分でおっしゃっていたことなんで大丈夫かなぁ、と
まあ、自分で自覚していても他人に指摘されると腹が立つ、というのはある事なんで、申し訳ない
個人的に問題人物と思っているので顔を出させてくださいm(_ _)m
しかし、二重王国はともかく(とはいえ将来的に継承やオルシーニとサブリナをどうまとめるかとか問題山積みですが)、経済的に厳しいドモスはどうなのか
どう考えても農業が基盤の社会の大陸で商売を経済基盤にしても…
交易には相手が要ることなんで、征服主義とは路線が違いますよね
世界恐慌後のブロック経済のようなモノも、反乱が続く国内情勢から成果は挙げ難いのでは?
クラナリアのバックを持ったアレックス、ドモス軍の支持のあるロシェ、ドモス重臣のステファンのバックのリンダの産んだ王子も可能性はあるんじゃないかと…
リュシアンくんも身の振り方は考えざるを得ないのですが、フレイア戦線だけで戦ってるとすれば人脈薄いですね…上司?のヒルクルスは友達居なさそうだし
未見でしたなら詳細には述べませんが、北西部については『マーシナリー』や『シスター2』についてまたいろいろと詳細な新情報が入ってますね。
あと『キャッスル4』記念も兼ねて、イシュタール系の専用掲示板も作ってみましたので、よろしければどうぞ。
現在の内容紹介からすれば、もしかして本作以前の時点かもですが、なかなか興味深い展開になりそうな。
挿絵事情も良さそうなだけに、本作としての続編も来年には実現か。