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とくめー雑記(ハーレム万歳) このページをアンテナに追加

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2010-12-19

富士見ハーレムラノベの系譜学

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本当は「ハーレム系作品史」でやるべき内容なんですが、時系列順でやってくといつ出せるのかわからないので、小出しで掲載しちゃいます。富士見書房のハーレムラノベについて。

ええ、たぶん、(だいぶ先に)ハーレム系作品史の企画でリライトすることになると思うので、その時の参考にご意見あったらお願いします。


ライトノベルレーベルで、ハーレム系一押しなのがMF文庫Jであることは確定でしょう。05年頃から、レーベル全体として統一的に美少女要素を前面に押し出し、型落ち作家の再生、新人作家の早期戦力化に成功。看板級では『ゼロの使い魔』が単独で突出する状況に、ようよう『僕は友達が少ない』を加えただけという非力さが残るものの、中堅級の陣容は非常に分厚く、続々とアニメ化作を輩出しています。もともとコバルト文庫と人脈的に近くラブコメの素養を持つ集英社スーパーダッシュ文庫や、“萌え”文化で先行した18禁方面の人材を使うことに積極的なホビージャパンのHJ文庫なども、MFと同様の手法を用いて幾つかのヒット作を生み出しています。

こういった美少女を中心とする作品傾向と需要の台頭に対して、当時から今にいたるまでライトノベル界のヘゲモニーを握り続ける角川書店系列の諸レーベルは、いまいち上手く対応することが出来ませんでした。スニーカーはハルヒの後が全く続きませんでしたし、電撃は「○○+美少女要素」で成功した作品は多く挙げられるものの、“萌え特化モノ”となると途端に凡作以下ばかりになります。ファミ通文庫は元より露骨な萌え路線を期待できるレーベルではありません。

実は、角川系4レーベルで、コンスタントにハーレムモノを成功させ続けてるのは富士見ファンタジア文庫くらいのもの。

成功の条件を「アニメ化」として、作品を挙げていくとだいたいこんな感じ。(しくしく。天地とセイバーJは古すぎて画像リンクが貼れないのよー)



魔法戦士リウイ〈1〉 (富士見ファンタジア文庫) まぶらほ―ノー・ガール・ノー・クライ (富士見ファンタジア文庫) ご愁傷さま二ノ宮くん (富士見ファンタジア文庫) 生徒会の一存―碧陽学園生徒会議事録〈1〉 (富士見ファンタジア文庫) これはゾンビですか?1  はい、魔装少女です (富士見ファンタジア文庫)





まず、元祖ハーレムアニメの小説版である、元祖ハーレムラノベ『天地無用』シリーズがあります。

次が、あかほりさとるセイバーマリオネットJ。終盤はゴタゴタ&グダグダしましたが、初期の基本ラインは「主人公を慕う人外美少女たちとの同居生活」っつーハーレムモノの王道です。

同時期のドラゴンマガジンには、ソード・ワールド短篇集から派生した水野良『魔法戦士リウイ』ってのがありました。アニメ化作っつーても、アニメの放送はWOWOWなんですが。主人公の脳筋魔法戦士リウイと、女性3人のハーレムPT。主人公が経験値ゼロ好感度最低から一人前の英雄(ハーレムマスター)に成長していく話。主人公優遇や美少女要素が露骨なことからロードス本編のファンからはかなり評判が悪かったり。このリウイの初出は93年とかなり古いし、ギャラクシーエンジェルの小説版書いてたりもするし、水野先生、実はこーゆーのも好きなんだと。

『天地』『セイバーJ』が終わった頃には『まぶらほ』が始まる。魔法の潜在能力だけは高い主人公に魔法使いの女の子がわらわらと。ドラゴンマガジンの誌上企画、龍皇杯の読者投票で優勝した作品。「ハーレムモノが売れる」という認識が一般的でなかったこの頃、評論はもちろん、編集からも、下手すれば作家からすら低俗扱いされがちな、美少女要素に特化した作品は、読者の支援によって支えられていました。

現在の富士見ファンタジア文庫で20世紀スタートの作品は、『スレイヤーズ』の短編と、『リウイ』と『まぶらほ』を残すのみ。『ふたりエッチ』や『ああっ女神さまっ』など青年誌の長寿作品や、ガンガン本誌の最古参になってしまった『ながされて藍蘭島』の例を考えると、一度定着した“美少女モノ”は非常に息が長いです。

04年、美少女ゲームの方法論がライトノベルに浸透してきた時期、その路線の富士見ファンタジアの代表作が『ご愁傷さま二ノ宮くん』。堅物の二ノ宮君がサキュバス少女と同居して周囲に振り回されてご愁傷さま。ライトノベル評論界隈での、これに対する黙殺っぷりはすごいです。ただでさえ美少女モノは軽視されてる上に、同時期に、美少女ゲームの方法論を採用したり、美少女要素に特化された作品として、『涼宮ハルヒ』だとか『かのこん』だとかいう「規格外」があるので、語るならそっちからになってしまうのは仕方のないことですが。

ゼロ年代後半になると、美少女ゲーム的な「学園」「複数ヒロイン」というスタイルは、ライトノベルのスタンダードになりました。

そういう要素をメタ的に取り扱った作品が『生徒会の一存』。ハーレムエンドを目指すギャルゲーマー好きの主人公と、いろいろ食えないヒロインズ。ゼロ年代ラノベ読者ってメタ作品好きですよね。

んで、今度アニメ化されるのが、『これはゾンビですか』と。

アニメ化の機会には恵まれなかったものとしては、マリみてブーム→おとボクのヒット→男の娘ブームに便乗した『SH@PPLE』や、今後アニメ化があるんじゃないかなあと思うものでは、ありがち召喚モノ『H+P』、おっぱいドラゴン一代記『ハイスクールD×D』なんてのもあります。


涼宮ハルヒの憂鬱』や『ゼロの使い魔』のような「決戦兵器」こそ見られないものの、富士見のハーレムラノベは、巡洋艦級の作品が続々と出てきてます。電撃台頭以降、二番手に落ちてからの富士見は、90年代の生き残り(だいたい『フルメタ』の賀東招二にしてからが「蓬莱学園」だしねぇ)に頼るイメージの裏で、新人たちも「地味に良い仕事」をしています。

ファンタジーでも、かつての『スレイヤーズ』『オーフェン』には較べるべくもありませんが、『スクラップド・プリンセス』『鋼鉄のレギオス』(一応未来設定になってるけど実質はFTだよねこれ)伝説の勇者の伝説』とかなりの長編を地道に出し続けてますし。


ええ、一応、掲載・発売時期とかを表にしてみました。あとでどっかで使えるかな。


富士見ファンタジア文庫 ハーレム系ラノベ アニメ化作
作品名著者掲載・発売時期アニメ
天地無用! 魎皇鬼 長谷川菜穂子1993-1998(長谷川版天地)1995(いわゆる"ねぎし版天地")
セイバーマリオネットJ

あかほりさとる1994-19991996-1997,1998-1999
魔法戦士リウイ

水野良1993,1996-2001(WOWOW)
まぶらほ

築地俊彦2000-2003-2004
ご愁傷さま二ノ宮くん

鈴木大輔2004-20082007
生徒会の一存

葵せきな2008-2009
これはゾンビですか?

木村心一2009-2011

匿名希望匿名希望 2010/12/20 09:19 「デビル17」、「ROOM No.1301」(富士見ミステリ)とかはハーレム系と断言も出来なければ大人気とも言い切れない……?
「かのこん」(MFJ)「初恋マジカルブリッツ」(SD)とか含めて”エロ系”とでも言うべきでしょうか。表では「二ノ宮くん」の煽りも……いや「セイバー」も色気は……

脈絡無く失礼

FXMCFXMC 2010/12/20 12:37 デビル17を入れなかったのは落ち度ですねえ。

匿名希望匿名希望 2010/12/20 23:25 追記。火魅子伝は当時にしてそれなりのメディアミックスだった覚えだけども、完結しそうにない……?
恋姫無双あたり、軍記物×ハーレムの先輩。系譜がどんなんだか直ぐには浮かばないけれども

FXMCFXMC 2010/12/21 08:37  リアルタイム性を求められるメディアミックス系の企画は弱いので押さえてませんでしたが、たしかに富士見でハーレムでアニメ化作とは言えるようです(ラノベ原作→アニメ化というのとはちぃと違うが)。
 完結はしないでしょう。富士見はどこかで90年代スタートの作品のふるい落としをやったらしく(ヤマモトヨーコは朝日で再版されたし)、復活とかいう目はないと思います。
 火魅子伝と恋姫無双を同じグループに入れるのはいいのでしょうか。うたわれや戦国ランスとかを考えれば繋がってくのかなあ。
 ってか、恋姫無双って軍記物?

yusuke22yusuke22 2010/12/22 01:44 富士見はなんというのか・・・・アニメ化を選択するときの制作会社が悪いような気がします。生徒会の一存にせよ、レギオスにせよ、伝勇伝にせよ、、、、原作はそこそこ盛り上がっているけど、アニメがイマイチのように思います。他社作品で、アニメもヒットしたのは、担当した会社にそれなりのクォリティがあったかなーと思っています。
原作からアニメに入る関係は構築できても、アニメから原作に入る関係が構築出来ていないから、「巡洋艦級」「地味に良い仕事」に留まってしまうんじゃないかなぁ、と。

FXMCFXMC 2010/12/22 06:28  富士見のアニメ化といえば、前に天地の時にいった、90年代末の連続(原作)レイプ事件、新天地、ロスユニ、オーフェン、ヤマモトヨーコという惨状を思い出します。
 ま、富士見のアニメ化が下手だというより、メディアミックスに見識のある電撃と、東映あたりと長年の付き合いがある集英社が、例外的にアニメ化の成功率が高いだけだと。
 製作委員会方式下で資金力のたかが知れてる出版社の発言力は小さいですし、アニメ屋はだいたい出版社や原作者の言う事聞かないっすから。

わはは大王わはは大王 2010/12/23 21:06 筋違いな話題ですが。レギオスとは逆にスクラップド・プリンセスってFTの皮を被したSFじゃなかったかな。
原作は読んだことないすけど、アニメは見てたんで、FTにしちゃ第一話冒頭のいやに未来的に無機質な画像から始まるんでナンジャラホイと思ったのが、どっかでこの言を聞いて映像の意味を理解した次第。

FXMCFXMC 2010/12/23 22:03 ああ、なるほど。>すてプリ
ゼロ年代にもなって、FTというホコリまみれのテーマを取り扱うのにみなさんいろいろ苦労してるんですねえ。

ま、いちばんストレートな解答は美少女要素マシマシなんですけどw

高見梁川高見梁川 2010/12/24 19:01 デビル17は懐かしいなあ……豪屋氏と佐藤大輔御大の同一人物論争なんてのもありましたっけ。しかし個人的にはA君(17)の戦争のほうが今でも待ち望んでいる一作です。
こちらもハーレム的展開ですが何より火葬戦記として秀逸な出来だと思うんですよね。

FXMCFXMC 2010/12/24 22:28 同一人物論争は作品が未完で止まったことである意味確定しましたなw

陣 2010/12/26 12:16
 『まぶらほ』については、舞穂が初登場した回が最初だったので、どうしてもその時の夕菜の狂乱ぶりが印象に残っています。

 ただし一番好きなのは玖里子で、後で見た初期の和樹を蹴り回す場面がとにかく痛快と。

とおりすがりのおっさんとおりすがりのおっさん 2010/12/26 17:56 既存のファンタジーにハーレム要素をとりこんだ成功例では、
リウイもあげられますね。

FXMCFXMC 2010/12/30 01:23 >まぶらほ
まぶらほはヒロインかわいくないですね。
ブコメで二ノ宮くんつまらないという意見もあったんですけど、まぶらほや、二ノ宮くんのころは、まだ「美少女ラノベの方法論」が確立される前だったという点について考慮しておく必要があると思います。
>リウイ
ああ、忘れてました! あれは十分にハーレムですね。

陣 2010/12/31 21:57
 『リウイ』については、一種の「男女関係論」的なくだりの数々が結構好きでしたね。

 やはり一般向けということもあって、ヒロインたちともギリギリの線で留めているところもポイントというか。

 例の「啓示」も絡んでか、アニメでは結構メリッサに比重を置いているところも注目でしたが、個人的にはミレルの悲喜劇ぶりがなんとも。

FXMCFXMC 2011/01/01 07:42 リウイのアニメ版は、作画にはまあ定評のあるJ.C.STAFFで、シリーズ構成はあかほりとかと同じ小山の脚本学校卒業生なんすよね。少し古臭いタイプのコメディっぽく仕上げてたのは、それはそれでリウイらしくはあったと思います。

陣 2011/01/17 23:24
 よくよく考えてみれば、リジャールなんて、少し舞台と時間の設定を弄ればそのままハーレムシリーズでも通用しそうなキャラですよね。

 (事あるごとに夜這いを掛けて、若い頃のジェニに何度も金蹴りを見舞われたかもで。)

 「後裔国家同士の正統争い」とか、設定的にもなかなかに興味深くて、いわば「ハーレムブレイバー」とでもいうところか。