高校レベルの数学検定2級に小学1年生が合格

 天才出現の話かもしれないが、あまりこういう話題は個人的には好きではない。昔から小学生や中学生で大人でもなかなかできないことをやってのける人たちは、子どもの頃からこのレベルなら大人になる頃はとんでもないレベルになるに違いない!と考えマスコミや人々は話題にするのだろうが、人間の能力も幼いころから開花してしまえば、そんなに無限には発展しないものなのだそうだ。
 そのすごいといわれる能力を身長に置き換えれば理解は早いだろう。たとえば小学1年生で身長が2mあったとしよう。小学生のバスケット大会や体育大会では、今までの記録をすべて書き換える選手になるかも知れない。でもだれもがこのまま大人に成長すれば身長が4mになると想像するだろうか、この小学生は年齢が上がり体が大人になるに従って、「ただの体の大きい人」になってしまうかも知れないのだ。成人しての職業は相撲取りかプロレスラーかもしれない・・・。
 この数学検定に合格した小学生に話を戻そう。将来数検で準1級や1級を取ったとしてもそれはあくまで小学生だから話題になるだけで、大人になってさらに特級?や超特級?レベルになるかといえば、たとえ1級を取ったとしても大人になってかなり数学がわかる人たちが集まる世界では、普通の人になっているかも知れないのである。そして独学というのがやはり気になるのだ。優秀な才能を磨き育てるにはやはり優秀な師匠のもとで、勉強だけでなく心も体も成長させなければ、ある程度のレベルで終わってしまうだろう。高校の数学の先生くらいにはなれるかもしれないが、大学で専攻して成功するだろうか?飛び級ではないが数学だけでも専門家のもとで、ゆっくり育てればきっとその能力はいかんなく伸びるにちがいない。でもこんな記事に影響されてすぐに数検などを、子どもに受けさせようとする大人が出現しそうだが、やはり天から贈られた才能であるから、だれでもがまねできるものではない。

 数学者の100年の課題の「ポアンカレ予想」を説くくらいの人材に将来育ってもらいたいが、今小学校で1年生の算数をその子に教えている先生はやりにくいと思う。



10月25日に実施された第259回「実用数学技能検定(数学検定・算数検定)」にて、高校2年生程度の2級に東京都在住の小学1年生(7歳)が合格していたことが、日本数学検定協会の調査により明らかになった。

 数学検定2級に合格した児童は、5歳の頃から数学検定を1つの学習目標に位置づけて数学を学習してきたという。これまで11級(小学1年生程度)から多くの階級に挑戦し、10月25日実施の数学検定(団体受検)では、高等学校卒業程度認定試験の「数学」科目が免除となる「数学検定2級」に合格した。今回の合格通知を受けて「さらに上の準1級、1級を目指し、将来は数学をもっともっと勉強し研究していきたい」と抱負を述べた。

 日本数学検定協会がWebサイトにて提供している階級別の受験学年の目安によると、小学1年生が多くチャレンジしているのは11級。百の位の数の表し方、十の位までのたし算・ひき算、時計の見方、色々な物の形と位置などが検定内容となっている。

 小学1年生が今回合格した2級の検定内容は、式と証明、分数式、高次方程式、関数(指数関数・対数関数・三角関数・高次関数)、点と直線、円の方程式、軌跡と領域、微分係数導関数不定積分と定積分、ベクトル、複素数、方程式の解、確率分布と統計的な推測、コンピュータ(数値計算)など。試験も「1次:計算技能検定」「2次:数理技能検定」があり、すべて記述式で解答する構成となっている。

 なお、今回の数学検定2級の合格率は22.7%。小学1年生の2級合格は、1992年に第1回の数学検定を実施して以来、最年少合格だという。