#14 Rain / Free

Songs of Yesterday
ポール・ロジャース=サイモン・カーク=アンディ・フレイザー=ポール・コソフによる第1期フリーの最初の解散は71年の春だが、予兆は前年末からあった。過密スケジュールとメンバーのエゴ、「Fire & Water」のビッグセールスと続く「Highway」の不振、そしてそれから来るプレッシャー、ドラッグ問題etc。結局「Highway」に続くアルバムはリリースされないまま、日本公演後解散。名作「Live」は解散状態のときにリリースされている。とはいっても「Highway」から解散まで断続的にレコーディングは続けられ、00年に発掘された箱もののお手本ともいえる「Songs Of Yesterday」で多数の未発表曲が収められている。おそらくはコソフ不在で、ロジャースがアコギを弾くシンプルなフォークロックのRainもこの時期の未発表曲。まあ発表するには地味すぎるけど。「Live」の最後に付け加えられた"Get Where I Belong"同様(同じ時期の録音)、アコースティックな音だったのは、もはやリード・ギタリストを失ったからか。それでもロジャースはピース、フレイザーはトビー、コソフとカークは山内テツ、ラビットと同名のユニットを立ち上げ、そのどれもが不調に終わったとき彼らはもう一度、フリーに賭けてみようと集まるのだった(それが「Free At Last」というのがなんか出来過ぎのストーリー)。