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Fireball: 25th Anniversary
■Anyone's Daughter / Deep Purple

ハードロックのパイオニアとしての存在がもちろん、一般的にはディープ・パープルの「顔」でしょうが、全盛期と言われる第2期ですら非ハードロックな曲はいくつか存在します。「In Rock」と「Machine Head」の間に挟まれて不幸な1枚「Fireball」('71)にも、"Anyone's Daughter"という一風変わった曲があります。カントリー風のgフレーズに、ディランみたいな歌い方と、あまりにもパープルらしくない1曲で、当時ステージで演奏されることはありませんでしたが(当時はブラックモアの意向で曲が固定されていたので)、90'sに再結成後は、イアン・ギランの意向で"Pictures Of Home"などと共にステージで演奏されるようになりました。ちなみに当時はどの曲もメンバー5人の共作という形でクレジットされてますが、これは印税を均等割りする措置で、この曲なんかはおそらくは、ギラン主導で書かれたものでしょうね。
英NME誌の「Best Album Design Cover」に選ばれたというジャケットはよく見るとろくろ首みたいで不気味です。余談ですが1期のメンバー、ニック・シンパーが結成したウォーホースは、Vertigoに2枚LPがあるハードロックで、2枚目「Red Sea」では1期パープル的な音になっていると言われてました(実際聞くとそうでもないですが)が、ジャケットではこの「Fireball」にヒントを得たかのような感じです。
Red Sea
シングル曲"Strange Kind Of Woman"がオリジナル英国盤でははずされているので(代わって"Demon's Eye"が収録。この曲は「Single A's & B's」が出るまで、日本ではなかなか手軽に聞けない曲でした)、「Fireball」は、地味な印象を受けるのは致し方ないでしょうか。とりわけB面の3曲("Mule"、"Fools"、"No One Came")はステージでやらないので(ライヴの"Mule"はまあ別の曲と言っていいでしょう)、余計にそんなイメージですが、この重さは貴重です。