easy#3

Easy Rider
■The Ballad Of Easy Rider / Roger McGuinn
映画「イージー・ライダー*1アメリカン・ニュー・シネマの代表的な作品ですが、正直いうとそれほど好きな映画ではないです。いささか過大評価な気もしますし、歴史的な価値以上のものはなかなか感じ取れません(私見です)。この映画を初めてちゃんと見たのが、早稲田松竹だったか、五反田TOEIだったか定かではないですが、大学時代休みに上京した際の名画座でした。既成のロック曲がふんだんに使われてて*2、それも新鮮ではありましたが、衝撃的なラストの後余韻をいとおしむように、流れるのがロジャー・マッギンのこのテーマ曲でした。シンプルな弾き語りで、土くさいharmonicaを交えながら歌われる感傷的なバラードです。

ABC-Dunhillから出たサントラには、有名なステッペンウルフの"Born To Be Wild"、

ヘヴィ・メタル」という言葉が歌詞に載せられた最初の歌とか。
バーズの"Wasn't Born To Follow"、フラタニティ・オブ・マン*3の"Don't Bogert Me"などが収められていましたが、映画で使われたザ・バンドの"Weight"は許可が下りず、Dunhillのスミス*4のヴァージョンが入っています。04年にHip-Oから出たDeluxe Editionは、同じような空気を持つ19曲が加えられています。
ボブ・ディランとマッギンの共作によるこのタイトル曲は、シングルカットされたわけではないですが、映画の評判に伴って話題となり、散漫な「Dr.Byrd & Mr.Hyde」('69)を出して、スランプに陥っていたバーズをもよみがえらせました。70年にはバーズとしてし録音した(といってもストリングスをバックにマッギンがg弾きながら歌う上品なヴァージョンは、マッギン以外のメンバーは参加していないでしょう)同曲をタイトルにした「The Ballad Of Easy Rider」('70)もリリースされ、個人的にはカントリーロックな後期バーズでは一番好きです。
Ballad of Easy Rider (Exp)

*1:69年米、監督、デニス・ホッパー、主演、ピーター・フォンダデニス・ホッパージャック・ニコルソン

*2:主題歌とかじゃなくてそれこそふんだんに使われてたのが当時からすればそ相当新しいですね

*3:リトル・フィートの最初期のメンバー、エリオット・イングバー(g)のいた「変わった」バンド

*4:A Group Called Smith、とも言われていました。紅一点ゲイル・マコーミック(vo)をフィーチャーしたニューロック。"Baby It's You"のヘヴィなヴァージョンもあります